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櫻井敦司「愛の惑星」(2004)

01.SACRIFICE (Last Confused Mix)
02.YELLOW PIG
03.X-LOVER
04.I HATE YOU ALL
05.WONDERFUL WORLD (Injection to UK mix)
06.SMELL
07.Märchen
08.Fantasy
09.胎児
10.ハレルヤ!
11.新月
12.予感 (2004 re-construct)
13.惑星
14.猫

全曲作詞:櫻井敦司
作曲 01:Wayne Hussey/02:Raymond Watts/03:Bryan Black/04:J.G.Thirlwell aka Foetus/05:須藤寿/06:岡村靖幸/07:Robin Guthrie、櫻井敦司/08:Cube Juice/09:佐藤タイジ/10:村田有希生(my way my love)/11:土屋昌巳/12:Ronny Moorings、Anke Wolbert/13:岸田研二/14:川瀬昌知
編曲 01:Wayne Hussey/02:Raymond Watts/03:XLOVER/04:J.G.Thirlwell aka Foetus/05:髭/06:岡村靖幸/07:Robin Guthirie/08:Cube Juice/09:佐藤タイジ/10:my way my love/11:土屋昌巳/12:XYMOX/13:會田茂一/14:Cloud Chair


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BUCK-TICKのボーカリスト櫻井敦司が2004年にリリースした1stソロアルバム。1stシングルと同様、1曲ごとに異なる作曲家から楽曲提供を受けているおり、クレジットを見ているとオムニバスアルバム全曲に櫻井がボーカルを取っている、そんな感じもします。その楽曲製作陣もなかなかに豪華な面子ですよ。

以下各曲について。

01.SACRIFICE (Last Confused Mix)
1stシングルタイトル曲。シングルよりも音の広がりがあり、壮大感が増している印象があります。自分はこちらのバージョンのほうが好きかな。

02.YELLOW PIG
リミックスやSHAFT・SCHWEIN等でBUCK-TICKとの絡みも多いPIGのRaymond Wattsによる、ダークなインダストリアルナンバー。曲調ですが、ほぼPIGです。PIGの曲を櫻井敦司が歌っている感じ。こういうゴリゴリした曲に櫻井の声が乗るのはSCHWEINでもやっているからか、結構すんなり聴けますね。SHWEINでもPIGの曲をやっていたりしますし。彼の曲が好きな人はすんなりハマれるのではないでしょうか。バックのコーラスはレイモンドかな?

03.X-LOVER
淡々とした打ち込みサウンドに気だるいボーカルが絡む、シンプルな印象のある楽曲。歌詞は何気に怖い事言ってますが…。

04.I HATE YOU ALL
打ち込みのシャッフルリズムとジャズっぽいホーンの音が一体になったアップテンポな曲。何だろうこのカオスながらも踊りたくなるエネルギーのあるノリノリ感。インダストリアルゴシックジャズ?w 好きです、こういう変態チックなの。

05.WONDERFUL WORLD (Injection to UK mix)
1stシングル収録曲。そこまで大きな違いはないのですが、シングルより若干バンドの音が前に出てきています。

06.SMELL
ちょっとマッチョな感じなビートが印象的なダンサブルな曲。とにかくこの曲はエロいの一言に尽きます。声もエロけりゃ歌詞もBUCK-TICKとはまた違う方向にエロい。おまけに音までエロく聴こえるってどういう事ですか。しかもちゃんとポップに仕上がっているのだから始末が悪いw アルバムの中ではかなり目立っている曲ではないでしょうか。個人的に中毒性高いです。

07.Märchen
前曲との落差が激しい、包み込まれるような浮遊感が印象的なミディアムテンポの曲。優しく儚げな雰囲気が心地良いです。歌詞もちょっと童話風味の言葉が入っていたり。

08.Fantasy
淡々としながらも、切ないメロディーがたまらない打ち込みポップ。Marchenとはまた違った浮遊感があります。CDショップでこの曲を耳にして、今回のアルバムを手に取ってみようと思わせた、自分の中では重要な1曲でもあります。

09.胎児
後にBUCK-TICKトリビュートアルバムに参加するTHEATRE BROOKの佐藤タイジが作曲。ギターとキーボード、佐藤の高音のコーラス等が目立つ開放感のある楽曲になっています。最近のバクチクでは珍しくはないかもしれませんが、こういう曲調に、櫻井色全開という感じの生死についての歌が乗っているのは結構意外な取り合わせに思えました。「愛している」と繰り返すサビが印象的。

10.ハレルヤ!
アコギと潰れたノイズ音が前に出たダークめの曲。エフェクトのかかったボーカルと相まって物凄いドロドロ感があります。ハレルヤというタイトルでこんなに圧迫感を感じる曲だったとは。

11.新月
アルバムに櫻井がゲストボーカルで参加した事もある土屋昌巳による曲。ストリングスとギターのイントロから雰囲気が出ています。もうこの曲に関しては個人的にスキが無さ過ぎてあまり言う事がないw 緊張感もありつつ繊細な和風ゴス(?)っぷりがハマリまくっていると思います。またベースにTOKIE、ドラムに最近再結成のニュースもあったDEAD ENDの湊雅史が参加しています。

12.予感 (2004 re-construct)
オムニバスアルバム「DANCE 2 NOISE 002」に櫻井敦司+XYMOX名義で参加した曲の新録バージョン。これを書いている時点ではオムニバスの方は聴いていないので、聞き比べてどうとは言えないのですが、フワッと包み込まれる様な音が印象的な、ちょっと沈んだ感じのダンサブルな曲になっています。パーカッションぽいリズム音も耳に残ります。BUCK-TICKで言うなら「ドレス」とかあの辺が近いかも知れません。派手ではありませんがじわじわ染み込んでくる様な曲調が好みです。

13.惑星
初っ端からザクザクしたギターとボーカルの絡みがツボに入った、耽美な色もあるパンキッシュな曲。アルバムタイトルを含む曲だからか「愛し合おう」と何度も繰り返すのが印象的。シンプルながらもカッコいい曲だと思います。それにしても歌詞に絵文字を(2箇所だけですが)入れてくるとは思わなかった…w

14.猫
Guniw ToolsやSuper Soul Sonicsのメンバーで、現在CloudChairで活動している川瀬昌知(JAKE)による、ギターと打ち込みのリズムが前に出た、穏やかな雰囲気のバラード。「愛って何 愛は君 君の事さ」なんて、ここまで温かいラブソングが来るとは逆に意外でした。この曲の位置はアルバムラストしかないでしょうね。

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1曲1曲見事なまでにバラバラですが、不思議ととっ散らかった印象は無く、むしろアルバム全体に統一感を感じました。恐らく彼のボーカルや歌詞によって(歌メロにまで関わっているのかは分かりませんが)、全曲に櫻井色とでも言うべきものが着いているからなのではないかな、と思うわけですが。あとは発売当時PIG位しか作曲者について知らなかった自分が、ほぼオムニバスといって差し支えない、このアルバムのほぼ全曲が好みのツボに入ったのも大きいのでしょうけれど。個人的に名盤だと思っています。
前のシングルでも言った事ですが、BUCK-TICKファンが聴いても入り易いと思いますし、楽曲提供陣の何人かに興味がある人も、聴いてみて損は無いアルバムなのではないでしょうか。

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HMV(試聴あり)