V.A.「BRAINTRASH」(1993)

01.ALUCARD/LAST TRAIN
02.K・S・T/ALL BLOOD SHADE BLOOD
03.Malice Mizer/SPEED OF DESPERATE
04.DELINQUENT/Democracy
05.DIE-QUAR/ジレンマ
06.CRAW FISH/Breath away All lies
07.DIE-KUSSE/LUNAR MARIA
08.EX NIHILO/Ashes to Ashes
09.THE PIASS/DESPAIR(No Dream.No Hope)
10.ROZEN KREUZ/BLUSTER
11.Gazelle/Night Walk


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1993年にリリースされた、当時のインディーズバンド等を集めたオムニバスアルバム。自分はMALICE MIZER目当てに中古でこのアルバムを買ったのですが、アマゾンのレビューの一つにあるように、所謂今で言う「ヴィジュアル系」的な音(一応曲のジャンルを表す言葉ではないにしろ、曲調だったり歌い方だったりと、それっぽい傾向がある事はV系が好きな人になら分かってもらえると思うのです)を期待すると痛い目を見るかもしれません。あくまで当時のカオスなインディーズ界隈の一部を切り取ったオムニバス、という姿勢で聴くのが良いかもしれませんよ、と誰に向けているのかも分からない注意書きをしてみるw

以下各曲について。

01.ALUCARD/LAST TRAIN
作詞・作曲:伊集院明朗 編曲:ALUCARD
ちょっと前の日本のロックンロール、といった感じの明るくポップな曲。ちょこちょことシンセも入っています。大分後になって知ったのですが、ベースのD.LEEはかまいたちのMOGWAIだったんですね。彼やボーカルの伊集院明朗は現役で活動中のようです。普通に良い曲だとは思うのですが、その見た目で歌詞の一人称がいきなり「おいら」なのはどうなんだろうと思わなくもないw

02.K・S・T/ALL BLOOD SHADE BLOOD
作詞・作曲・編曲:K・S・T
ちょっとインダストリアルっぽい感じもする、ゴリゴリとしたハード目の楽曲。がなり気味のボーカルが埋もれてるのがちょっと残念ですが、今聴いても曲自体は古くなってはいないんじゃないかな、とも。音を良くしたら結構カッコ良くなりそうな気がします。
ブックレットによると「※この作品は30分を越える楽曲のため、バンド側の意図により収録の途中で中断されていますが、盤及びデッキの不良ではありません。」との事ですが、本当に途中でプツッと終わります。何だか良く分からない曲でしたが、単独音源ではフルで聴けたりしたんでしょうか。

03.Malice Mizer/SPEED OF DESPERATE
作詞:TETSU 作曲:MANA 編曲:Malice Mizer
ボーカルは初代のTETSU、ドラムは前任者のGAZが叩いています。「バロック」を連想させるバンドサウンドメインの疾走系の曲です。音の軽さはありますが、嵐の音や悲鳴を入れたイントロ、クラシカルなメロディーを奏でるツインギターのハモリ等(ここが好き)、マリスの基本と言える部分は既に成立していると言えるでしょう。TETSUがボーカルだったCD「memoire」が好きだと言う人なら聴いて損は無い曲だと思います。「memoire」よりTETSUの声にあまり癖を感じないのも良いかもしれません(そんな)。

04.DELINQUENT/Democracy
作詞・作曲:An 編曲:DELINQUENT
メタル寄り? のハードな楽曲。もう少しボーカルが頑張ってくれれば…とも思いますが。個人的には好きでも嫌いでもなく。ハードなバンドが好きな人なら気に入るかもしれません。

05.DIE-QUAR/ジレンマ
作詞:Wataru 作曲:DIE-QUAR
ちょっとアラビアン? なシンセから始まる、ダークな雰囲気を持った曲。音はかなり軽いですしボーカルも不安定なのですが、それが良い具合に不気味な方向に作用しており、軽くホラーな1曲になっています。シンセがまた曲の雰囲気に良い効果を出していると思います。そういう意味で、このオムニバスの中では今聴くと一番「ヴィジュアル系」らしいバンドなのかも。Deshabillzあたりが好きな人は気に入るかもしれません。後にアルバム「ゆりかご」で新録されます。
ギター・シンセギター担当の鈴音(YAMADA)は現在MAGIER SEXALICEのギタリストとして活動しています。

06.CRAW FISH/Breath away All lies
作詞・作曲・編曲:CRAW FISH
メンバーの内、ギターボーカルのNOB、ギターのMIST、ベースのRYOは、現在SPEED-iDの優朗とHALがその前に在籍していたTHE OTHERSIDEのメンバーでした。アザーサイド自体をそんなに聴き込んでいないので比べてどうこう、とは言い難いのですが、ちょっと洋楽っぽさを感じるギターロックになっている気がします。

07.DIE-KUSSE/LUNAR MARIA
作詞:CHITO 作曲:OKA 編曲:DIE-KUSSE
切ないメロディーで引っ張っていくポップな曲。ちょっとボーカルのキンキンした感じが気になりますが、このアルバムの中では結構好きです。因みにドラムは後にL'Arc-en-CielやZIGZO、S.O.A.Pなどで活動するSAKURAが叩いています。
曲とは全く関係ないのですが、メンバーの一人が高校時代の担任に良く似ていますw

08.EX NIHILO/Ashes to Ashes
作詞・作曲:九鬼憂杞 編曲:EX NIHILO
打ち込み全開の疾走曲。プログラミングの橘舞巳は後にD≒SIREやKlain Kaiser等で活動していました。音の軽さは時代柄仕方ないかもしれませんが、こういうインダス方面のいかにもデジデジしてるのは好きですよ、私は。ボーカルの「ウォーウォ、ウォーウォ」にちょっとおかしくなってしまいますがw
ボーカルと作曲のKUKAMIさんは現在ブログをやっており、当時影響を受けていたバンドを色々紹介しています。

09.THE PIASS/DESPAIR(No Dream.No Hope)
作詞:TAKASHI 作曲:TAKAYUKI 編曲:THE PIASS
オリジナルメンバーであるギターのTAKAYUKI(現在はボーカル)以外は全員異なるメンバーですが、今でも現役で活動しています。メタリックに爆走する激しい曲ですが、吐き捨てるようなボーカルはパンクっぽいかもしれません。しかしこのメンバーの内、2人が既に故人だったとは…。
オフィシャルサイト

10.ROZEN KREUZ/BLUSTER
作詞・作曲・編曲:ROZEN KREUZ
デジタル音も入ったハードコア・ミクスチャー要素の強い曲。前半部の繰り返しの多さがちょっと気になりましたが、これは今聴いてもパワフルでカッコいいと思いますよ。これも大分後になって知ったのですが、ボーカルのKIYOTOは現在DEMONSで活動しています。

11.Gazelle/Night Walk
作詞・作曲・編曲:Gazelle
こちらも現役で活動しているASYLUMのボーカリスト、Gazelleのソロ音源。最初弱弱しいボーカルから入り、良く聞こえないなと思っていると突然バンドサウンドになるのでビビるw サビでの荒々しい歌い方が印象的ですが、メロディーは日本人好みの切ない印象があり、結構聴き易いと思います。チェンバロっぽい音のキーボードや鐘の音などが入っているのもまた好み。間奏で一瞬プログレ?的なキーボードを中心としたカオスな展開も聴けます。
オフィシャルサイト
myspace

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ぶっちゃけて言うとマリスが聴けてラッキー、位の気持ちで聴いたアルバムでしたが、思った以上に面白いバンドが多く、割と気に入ったオムニバスになっています。個人的にマリス以外で気に入ったのはDIE-QUAR、DIE-KUSSE、EXNIHILO、Gazelleでしょうか(最近になってDIE-QUARのアルバムを聴きましたが、まあキモ怖いことw)。前述したように現在で言うV系的な音を求めるとアレ? となるかもしれませんが、ヴィジュアル系という言葉が浸透しきる前のインディーズ界隈の一部を見る、という意味では興味深いアルバムになるのではないでしょうか。

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