Versailles「JUBILEE」(2010)

CD
01.God Palace -Method of Inheritance-
02.Ascendead Master
03.Rosen Schwert
04.愛と哀しみのノクターン
05.Amorphous
06.Reminiscence
07.Catharsis
08.The Umbrella of Glass
09.月下香
10.PRINCESS -Revival of church-
11.Serenade
12.Sound in Gate

作詞 01〜05、08、10、11:KAMIJO/07、09:HIZAKI
作曲 01、03、08:KAMIJO/02、05、09〜11:HIZAKI/04、06:TERU/07:HIZAKI & TERU
全曲編曲:Versailles

DVD(初回盤のみ)
01.Ascendead Master [PV]
02.Serenade [PV]
03.Making from Video Clips

発売日:2010/01/20
品番:WPZL-30169/70(初回盤)


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Versaillesのメジャー1枚目、通算2枚目のフルアルバム。本来は2009年にリリースされる予定だったのですが、ベーシストJasmine Youの急逝によりスケジュールが白紙に。どうなってしまうのかと思いましたが、4人で活動を継続し今年(2010年)1月にめでたく今作がリリースされました。クレジットを見る限りでは、ギタリストのHIZAKIがベースのパートを担当しているようです。初回盤には02と11のPVを収録したDVDが付属。

以下各曲について。


01.God Palace -Method of Inheritance-
ド頭から4部構成、10分超えの大作が。前半は壮大で緩やかに展開し徐々に盛り上がり、重厚なストリングスとバンドサウンドの絡みがたまりません。第二楽章終盤から英語の語りパートを経て更に盛り上がり、第三楽章ではギターソロに入り疾走開始。後半3拍子になる部分のメロディーもツボです。第四楽章では再びスローで重たく展開します。その尺の長さや展開の多さから、前作アルバム「NOBLE」の実質的なオープニングだった「Aristocrat's Symphony」のような即効性は薄いですが、聴き手をアルバムの世界に引き込むには十分過ぎる力を持った楽曲になっているのではないでしょうか。

02.Ascendead Master
メジャーデビューシングルタイトル曲。シングルと大きな違いは無いかな? 相変わらずシンフォニックでクサいです。この位置に持ってくるのは正解でしょうね。

03.Rosen Schwert
日本人好みしそうなキャッチーなサビメロと、ザクザクしたギターの対比が印象的な楽曲。アレンジが違えばLareineでやりそうなポップで甘い曲になってもおかしくなさそうですが(Bメロにそれが顕著に出ている気がします)、前述したバンドサウンド・ストリングスとピアノの絡みにVersaillesの色が出ていると思います。アルバム中では最もV系色が強くなっている印象が。要は好みということで。

04.愛と哀しみのノクターン
イントロからシンセを交えてメタリックに疾走するハード寄りの楽曲ですが、歌メロは相変わらずメロディアスで聴きやすくなっています。ほぼ全編にわたってクサく爆走する展開がたまりません。流れるようなピアノソロ→ギターソロへの流れもツボ。

05.Amorphous
バイオリンとアコギが前に出た切ないポップな曲。HIZAKIがVersaillesでこういう曲を作った事がちょっと意外でしたが、Kayaにトランス調の曲を提供していたりするので、そんなに驚くことではないのかもしれません(そのKayaは4、7曲目でコーラスとして参加しています)。サビではスローになり切なくも壮大に展開します。

06.Reminiscence
全編にわたってギターソロが主役のインストナンバー。オーケストラをバックに、明るく開けたクラシカルなメロディーが主張しています。2分半の楽曲ですが、メロディーのクサさは一番かもしれません。作曲者はTERUですが、彼がインストのソロCDを出したらちょっと聴いてみたいかもと思わせられました。

07.Catharsis
HIZAKIとTERUの共作による、Versailles王道といった印象のシンフォニックメタルナンバー。サビのメロディアスっぷりにこれまたツボをギュウギュウ押されますw 要所要所のコーラスや重厚なオーケストラ音、間奏のバリバリと主張するギターソロなど、シングル曲になってもおかしくない分かりやすさと濃さを持った曲になっていると思います。

08.The Umbrella of Glass
透明感のある打ち込み音のイントロでおっと思いますが、すぐにバンドサウンドが入ってくるバラード。メロディーには歌謡曲の要素を感じました。間奏のスパニッシュなギターソロが好み。

09.月下香
「Ascendead Master」カップリング曲。前曲と打って変わって攻撃的な曲を持ってきました。こちらもシングルと違いは無いみたいです。

10.PRINCESS -Revival of church-
インディーズでリリースされたシングル「PRINCE & PRINCESS」収録曲のアルバムバージョン。大きな違いとしてはイントロが女性コーラスと鐘の音に変わっています。こちらで聴いても、こういうドラマチックかつ王道な曲はツボですね。

11.Serenade
イントロではストリングス、そしてピアノが前に出たスローバラード。この曲がDVDでPVになっている事や本編ラストと言う位置、歌詞の内容等から考えるに、Youへの追悼の意味合いが強い曲になっているのでしょうか(まあ、それ言うと今作のアルバム曲の歌詞はそんな要素が多くなるのですが)。全体に切ないメロディーが前に出ていますが、終盤のバイオリンに特に物悲しさを感じます。

12.Sound in Gate
オーケストラ、時計のカチカチ音、英語の語り、コーラス隊などによるエンディング。ほぼインストですが、映画のオープニングのような緊迫感を持ったサウンドが好みです。

***

今作も非常に満足度の高いアルバムでした。05や08のような、前作には無かったような方向の曲も収録され、若干曲の幅が広がった印象も受けますが、基本的にはクラシカルでメロディアスなメタルサウンドが展開しているので、前作が好きな人はほぼ問題なく気に入るのではないでしょうか。個人的には3曲目のようなV系色が強い曲も好きですし、今作のような展開もメリハリがあって良いかもしれません。取りあえず、耽美でクサいヴィジュアル系が好きな人には強くお勧め、クラシカル要素のあるバンドを探している人はKAMIJOのV系声が大丈夫なら聴いてみると良いのではないでしょうか。

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