Revo「リヴァイアサン 終末を告げし獣」(2005)

オープニングテーマ:
01.March After Millennium
エピソード1:終末を告げし獣
02.辺境からの生還者
エピソード2:ハルトゼーカーの小人
03.少女曰く天使
04.メルトキアの女王
エピソード3:闇の紳士録
05.召喚という儀式
06.死刑執行
エピソード4:なくしもの
07.ブードゥーの心臓
エピソード5:DayDream
08.さつきの箱庭
09.砂の城
エンディングテーマ:
10.The Beast of the Endness

全曲作曲・編曲:Revo

発売日:2005/03/02
品番:ABCA-5061


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Sound Horizonで活動しているRevoが楽曲制作を手がけた、漫画「リヴァイアサン 終末を告げし獣(原作:大塚英志、作画:衣谷遊)」のイメージアルバム。参加メンバーとして、当時Sound HorizonのボーカリストだったAramaryや、Sound Horizonの方にもゲストとして参加しているRIKKI(ボーカル)、若本規夫(ナレーション)、斎藤"Jake"慎吾(ギター)、坂上領(フルート)らが名を連ねています。その所為もあってか、Sound Horizonと全く一緒ではないものの、引きの強いメロディーや展開の多さ、要所要所で入れられる語りなど、Revoの曲が好きならば惹かれるものが多いアルバムになっていると思います。
ただ、漫画の方を全く知らないという人は、本作はあくまで原作付きのイメージアルバムという事を念頭におく必要はあるかもしれません。実は自分も、結構前に途中まで読んだきりだったり…。

以下各曲について。


01.March After Millennium
民謡チックなアコーディオンとフルートのメロディーから、一気に盛り上がる楽曲。行進するような軽快なリズムとクサいメロディーが映える曲になっています。後半はアルバム全体を通して登場するフレーズがコーラスと共に表れ、一層盛り上がりを見せます。これがまた印象的。そのコーラスを担当しているおおたか静流の声、最初日本人だと思わなかったなあ。

02.辺境からの生還者
若本規夫の渋い語りとバグパイプ? の音色からスタートする楽曲。メインボーカルはRIKKI。
穏やかに展開したり、急に疾走したり、デジロック調になったりと結構忙しい曲ですが(疾走中にこっそり拍子が変わっていたり)、Sound Horizon聴いている人には寧ろ丁度良いかもしれません。歌詞を見る限り、原作のかなり序盤のストーリーみたいですね。

03.少女曰く天使
こちらもボーカルはRIKKI。切ないメロディーが前に出たミディアムナンバー。今聴くと、2期のSHっぽい曲調にも思えて面白い。個人的に、ダークなパイプオルガンの間奏からギターソロを経てからの大サビのメロディーが切なさ爆発で目茶苦茶ツボです。

04.メルトキアの女王
再びアコーディオンと笛のメロディーが映える民族音楽寄りのインスト。陽気さと妖しさが一体となった雰囲気を感じます。民謡ポップ好きにはたまらない楽曲なのではないでしょうか。

05.召喚という儀式
ボーカルはAramary。ピアノとバイオリンを中心に、レトロでお洒落な雰囲気で軽快に進行しますが、後半は切ないバラードへ。歌詞も原作のストーリーを濃く反映したものになっていますが、会話部分の歌メロの一部がちょっと詰め込み気味にも感じます。

06.死刑執行
疾走感のあるイントロのまま勢い良く進行するデジロック。もうちょっとギターが喧しくても良いかな? とは思いますが、キラキラしたシンセやストリングスのスリリングなメロディーがツボなので概ね好み。こちらにもAramaryがコーラス・一部ボーカルで参加していますが、メインで歌っているのはHawk Spencer(円道一成)。しゃがれた良い声をしています。後半ボーカルを途中で切ったり反復したりしてスピード感を出す演出が面白い。

07.ブードゥーの心臓
パーカッションを中心としたちょっとアンビエントっぽい序盤から、一気に冷たい印象のコーラス音に包み込まれ、文字通り体温を下げられるような感触の曲。展開自体は後半になるにつれどんどん盛り上がっていきますが。不穏なSEと相まって、ジャングルの中を追われているような気分にも。

08.さつきの箱庭
ボーカルはGeila Zilkha。ピアノを前面に出した切ないバラードになっており、歌詞を除けばRevoの中でも割と普通のポップス寄りな気がします。サビのメロディーが特に切なく印象的。これはさつきが幽体離脱する話だったかな…?

09.砂の城
引き続きボーカルはGeila Zilkha。こちらも前半はスローバラードですが、途中からテンポアップしサイバーな雰囲気に。個人的に前後の曲と比べると、ちょっとインパクトは薄かったかもしれません。終盤には次曲のメロディーが登場しエンディングへ。

10.The Beast of the Endness
ボーカルはおおたか静流。風の音とピアノによる重々しいイントロから始まる壮大なバラードになっています。途中ストリングスが入ってからの盛り上がりがたまりません。
サビでは1曲目にも登場したメロディーが大々的に使われていますが、この部分、感情的になるのをギリギリで抑えているような、揺れのある(?)歌い方をしている印象があり、大体こういう曲はオペラティックに歌い上げる人があてられる気がするので(勿論それも好きですが)、その点でも聴いていて面白かった記憶が。

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メロディーのインパクトではSound Horizonのオリジナルには譲るかな? とも思いますが(あくまでSHと比較して、ですけれど)、アルバムのテーマとなるメロディーを曲を跨いで配置するなど、Sound Horizonでもある手法も用いられているので、Revoの作る曲が好きな人なら割と楽しめるアルバムになっているのではないでしょうか。勿論理想は漫画の方を読んでから、でしょうけどね。
漫画の方からこのアルバムに興味を持った人は、曲中にナレーションやSEが結構な頻度で入ってくるので、一度オフィシャルサイト等で試聴をしてみてから、手に取るか考えてみるのをお勧めします。
…一回読み直さなきゃなあw

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イメージ・アルバム おおたか静流 RIKKI Aramary ギラ・ジルカ Hawk Spencer

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