Revo「GUNSLINGER GIRL Image Album 『poca felicita』」(2005)

01.La ragazza col fucile 〜少女と銃〜
02.Il fratello 〜『兄妹』に捧げる弦楽四重奏〜
03.Lui si chiama... 〜私の大切な人...彼の名は...〜
04.La principessa del regno del sole 〜無邪気なお姫様〜
05.Biancaneve bruno 〜白雪姫と8人の小人〜
06.Pinocchio 〜殺し屋ピノッキオ〜
07.Claes tranquillo 〜眼鏡と1つの約束〜
08.La principessa del regno della pasta 〜可哀想なお姫様〜
09.Io mi chiamo... 〜貴方だけの義体...私の名は...〜
10.La ragazza 〜『少女』に捧げるピアノ独奏〜
11.La ragazza col fucile e poca felicita 〜少女と銃と小さな幸せ〜

作詞 01、03〜05、07〜09、11:Revo
全曲作曲:Revo
編曲 01〜05、07〜11:Revo/06:Revo & Shingo jake Saito

発売日:2005/12/21
品番:MJCD-20043


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Sound HorizonのRevoによる、相田裕原作の漫画「GUNSLINGER GIRL 」及びその同名アニメのイメージアルバム。このアルバムが出た2005年は、これより前に「リヴァイアサン 終末を告げし獣」のイメージアルバム、Sound Horizonではアルバム「Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜」をリリースしているので、Revoにとってはかなりの数の曲を出した年となりました。
1、11曲目とインストを除く曲には、アニメで各登場人物を演じた人がメインボーカルを当てており、キャラクターソングが集まったアルバムという見方もできるのではないでしょうか。ただ今作については、リヴァイアサンの方と違い原作に殆ど触れていない為、楽曲中心の感想になるのを予め御了承頂ければと思います。

以下各曲について。


01.La ragazza col fucile 〜少女と銃〜
クラシカルなイントロからバンドサウンドに入り、一気に疾走するロックチューン。ブックレットには日本語が表記されていますが、実際に歌われているのはイタリア語(多分)。この曲と11曲目はJOSEFAというボーカリストが歌っているのですが、オペラティックかつ情熱的に歌い上げる人で、楽曲の空気にバッチリハマっていると思っています。効果的にストリングスが鳴ったり、途中プログレ要素のある間奏が入ったりと、楽器隊も要所要所で主張しており、Sound Horizonの要素を大いに感じます。楽曲としてはこれが一番好きでしょうか。SHのCDやリヴァイアサンのアルバムと同じく、この曲のサビメロが他の曲にもちょこちょこ登場してきますよ。

02.Il fratello 〜『兄妹』に捧げる弦楽四重奏〜
タイトル通り、ストリングスによる憂いを含んだ優美なメロディーが前に出たインスト。ラストの盛り上がり部分では、前曲のサビメロが登場します。

03.Lui si chiama... 〜私の大切な人...彼の名は...〜
ボーカルは南里侑香。アコギをメインに可愛らしい雰囲気で淡々と進行しますが、その中でサラッと「素手で人を殺せるんです♪」とか歌っているのが良い意味で引っかかりを作っていると思います。後半からはちょっと疾走しますが、基本的にはライトな楽曲でしょうか。

04.La principessa del regno del sole 〜無邪気なお姫様〜
ボーカルは三橋加奈子。ストリングスをメインとした、牧歌的で優しいメロディーが映える曲で、ボーカルも可愛らしいのですが(JOSEFA以外のボーカルは大体そんな感じですですが)、妙に無感情に聴こえるのはキャラクターの性格によるものなのでしょうか。作中子供を殺す描写がありますが、その抑揚の少ない声で「ごめんね」→乾いた銃声→何事もなかったかのような優しいメロディー、という展開が穏やか過ぎて逆に怖いというか。間奏のフルートソロも心を落ち着かせます。バックで銃声や爆発音がするのは気にしない方向でw

05.Biancaneve bruno 〜白雪姫と8人の小人〜
ボーカルは仙台エリ。アルバム中最も展開が多いのではないかと思われるポップチューン。穏やかにスタートし、明るくポップに展開、ちょっとシリアスにスピードダウンしたりと、ストーリーに合わせて目まぐるしく進行していきます。ちょっと忙しなくも感じるというか、個々のメロディーをもう少し堪能したい気もしますが、それは自分が原作に触れていないからかもしれません全体としては結構好きな曲。

06.Pinocchio 〜殺し屋ピノッキオ〜
渋いベースから入る、ジャジーなインストナンバー。普通にお洒落なお店で薄くかかっていても違和感無さそうな印象を受けます。サックスソロなんてモロそっち系な気がしますし。

07.Claes tranquillo 〜眼鏡と1つの約束〜
ボーカルは小清水亜美。アコギで刻まれるフレーズが印象的なミディアムナンバー。こうして聴くと穏やかな曲が多いアルバムなんですよね…なんて思っていると段々シリアスな曲調に。ギターソロを含むスパニッシュなメロディーが前に出て来る部分が特に好みでしょうか。

08.La principessa del regno della pasta 〜可哀想なお姫様〜
基本的に、曲中でボーカルをとっている人がナレーションもしているアルバムですが、こちらでは男声ナレーターも参加しています。メインボーカルは寺門仁美。
物悲しいストリングスからスローに展開していきますが、途中からクラシカルなメロディーが映える、やたら可愛らしく明るい展開に。曲中にもう一つのタイトルが読み上げられたりと、入れ子構造にしようという意図を感じます。後半はハードロック調になったかと思えば、一瞬民謡チックな間奏が入ったりと中々忙しい曲であります。個人的に後半に来る、疾走するサビの繰り返しが好み。原作未読の自分にも分かりやすいストーリーで、曲調もSound Horizonの方でやってもおかしくないように思います。

09.Io mi chiamo... 〜貴方だけの義体...私の名は...〜
ボーカルは能登麻美子。曲調自体はクラシカルでポップなのですが、アルバム中最も悲壮感漂うメロディーが前面に出た曲にも思えます。間奏のトランペットソロも何となくうらぶれている感じが。この人のボーカルは儚げというか、フワっとしているのですが、途中いきなり絶叫が聴こえてきてちょっとビビるw アニメの台詞を挿入しているのかな?

10.La ragazza 〜『少女』に捧げるピアノ独奏〜
2曲目同様、例のメロディーがメインになった、ピアノによる物悲しげなインスト。

11.La ragazza col fucile e poca felicita 〜少女と銃と小さな幸せ〜
10曲目の終わりからノンストップで始まる、ストリングスを前面に出した壮大なバラード。こちらも歌詞はイタリア語でしょうか。メインテーマのメロディーを改めてサビにして、オペラティックに歌い上げており、ラストにしてお腹一杯にしてくれる楽曲になっていると思います。間奏のフルートソロも哀愁を感じさせグッドです。

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何度も述べた通り原作に触れていない為、このアルバムを100%楽しめているかどうかはちょっと自信が無いのですが、リヴァイアサン同様、Sound Horizonの雰囲気に通じる所は大きいので、Revoの曲が好きな人は聴いてみても損はないCDなのではないでしょうか。激しさよりもポップな方向を向いている印象があるので、Revoのそちら方面の楽曲が好きな人はより楽しめるかもしれません。
漫画・アニメの方が好きな人は、語りやストーリー性の大きさ等から、やはり一度試聴してから手に取るのをお勧めしますが、原作ファンでアルバム聴いた人のサイトやブログをザッと回ってみたら、高評価な所が多い印象でしたので、変にSound Horizonのイメージが無い方が実は入りやすい…のかも。

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イメージ・アルバム JOSEFA 南里侑香 三橋加奈子 仙台エリ 小清水亜美 寺門仁美 能登麻美子

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