地獄絵「異形の快楽あるいは、廬世の夢」(1999)

01.錯乱神楽
02.異形の快楽あるいは、廬世の夢
03.腐蝕斑
04.Dying
05.囮

全曲作詞・作曲:レア

品番:VELVET-CD002


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タイトルからしてアングラ臭ぷんぷんの、地獄絵の2ndミニアルバム。この時期のメンバーは、ボーカル:レア、ベース:ドヲル、ギター:シキですが、クレジットによると、レコーディングはレアとドヲルの二人によって行われた模様。リズムは打ち込みですが、ブックレットには「Rhythmbox:マーガレット」と書かれていますw
バンドは2000年に活動を休止、現在レアはSCISSORS GARDEN名義で、ドヲルはENDLESS DISMAL MOAN名義でそれぞれ活動しています。

実はリリースから7年程経ってから手に取った本作。初聴時の印象は、とにかく陰々滅々としたアングラ方面の音を出している……という物だったのですが、今回改めて聴いてみると、意外と当時のV系の色も見えるかな? とも。1曲目の「錯乱神楽」や4曲目「Dying」などは、潰れた打ち込みリズムや篭ったギターの音ながら、展開はツタツタ発狂曲といった趣ですし、別段メロディーも捨てては居ないように感じます(ボーカルはベタッとしてますが…)。これでギターが細くてテロテロ、ドラムが軽くパシャパシャしていたならば、完全にジャリバンとして親しみやすい音になっていた気がしてなりません(笑)。タイトル曲「異形の快楽あるいは、廬世の夢」も気持ち悪いボーカル(褒めてます)が乗りおどろおどろしい雰囲気ながら、3拍子でノリ易さも持っていますし。
それでも、約8分間ドロドロしたスローテンポな展開が続く「腐蝕斑」、ギターの篭もり具合が結果的にドゥームっぽくなった気もする「囮」にはヘッドホンを左右にグルグルする語りがあったりと、やはりそっち方面の要素は強いのですけれど。

当時のインディーズという点を考えても、お世辞にも音が良いとは言えないのですが、それが逆に日本的なジメッとしたホラー要素に繋がってもいる気がするので、そちらの要素に興味がある人は、探してみて損はないかもしれません。私自身、彼らの音源は今の所本作しか手元にないのですけれど。
上にリンクも貼ったSCISSORS GARDENのマイスペの曲を聴くと、本格的にホラーのサントラチックな音作りを進めている感じを受けますし、今更ながらそちらの方も気になります。

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igyounokairaku


ピュアサウンド