THE OTHERSIDE「WATERS OF FORGETFULNESS」(1991)

01.HIGH RISE (Introduction / DEF MASTER)〜夜光の街
02.ANGEL IN BONDAGE
03.SANCTUARY
04.SEASIDE SLAUGHTER
05.SUB ROSA
06.忘却の河 (Waters of forgetfulness)
07.叩き壊してくれ
08.遠イ自画像 (For your...)

全曲作詞:優朗

品番:G.O;005CD


***

現在SPEED-iD、functioncodeで活動している優朗、HALがSPEED-iDの前に在籍していたバンド「THE OTHERSIDE」の1stアルバム。メンバーは、HAL(ドラム)・Ryo(ベース)・Knob(ギター)・Mist(ギター・シンセサイザー)・優朗(ボーカル)で、解散後Ryo・Knob・Mistの3人はCRAW FISHというバンドを結成しています。
SPEED-iDではデジタル・ダンサブルな要素を大々的に導入した時期もありますが、アザーサイドの方は、基本はバンドメインながらどこか気だるく冷たい印象を受けるロックという感じでしょうか。当時優朗さんは20歳位だったはずですが、あの低音ボーカルはこの頃から確立していますよ(後に比べると荒っぽいというか、調子外れな部分もありますが)。

以下各曲について。


01.HIGH RISE (Introduction / DEF MASTER)〜夜光の街
冒頭はDEF MASTERによるSE。彼らについては、他ではyukihiro(acid android)のリミックスやBAUHAUSのトリビュートアルバムでしか聴いたことがないのですが、インダストリアルド真中! といった印象の不穏なオープニングになっています。確か、一時期SPEED-iDに在籍していたTSUYOSHI(現THE LECHERY FROM MARS)も居たような…。

「夜光の街」は、そこから打って変わってアッパーなロックンロールナンバー。中盤一度静かになりますが、一気に暴れる間奏に突入。途中語りパートも挟みながら、ラストまで一気に駆け抜けます。聴いた当時(SPEED-iD復活〜新譜リリースの丁度真ん中の時期)は随分健康的な音に思えましたが、現在のiDから遡ると逆に違和感がないのがちょっと驚き。

02.ANGEL IN BONDAGE
前半のドンドコしたドラムが印象的な、こちらもアップテンポな楽曲ですが、Bメロのボーカルや中盤の英詩パートには、冷たさというかドロリとした感触が(「割れた窓硝子に滑る込む暗い夏」というフレーズが何か好きだったり)。ただ全体的には跳ねた印象のリズムにカラッとしたギターが乗った、ノリの良いロックナンバーで、何気に現在のiDでリメイクしても違和感が無さそうなイメージがあります。

03.SANCTUARY
低音ボーカルと疾走感のある演奏の組み合わせが心地良い、スリリングなナンバー。特に打ち込みも使われていないのですが、ちょっとサイバーな印象も。曲調と3分ない尺とが相まって、あっという間に終わるイメージが。

04.SEASIDE SLAUGHTER
冷たい印象のシンセを乗せ、気だるく展開するスローナンバー…なのですが、徐々に不穏な展開が顔を出し途中からアップテンポに。まぁタイトルがタイトルだし…w 曲展開といいその歌詞の内容といい、後のSPEED-iD(と優朗ソロ)を彷彿とさせる楽曲で、初聴時に一番しっくり来たのがこの曲だったような。
アウトロは激しめながらも、再び気だるくドロッとした展開になるのですが、そのアウトロの初めにはH.R.Gigerのナレーションが。本当に直接ゲストに来てもらったのか、どこかの講演かインタビューから抜粋したのか…。

05.SUB ROSA
こちらも、今聴くとiNDEEPに入っていておかしくなさそうな曲調の、ポップなゴシックロックナンバー。ボーカルも、本作の中では一番現在に近いというか、朗々と歌い上げています。そのせいか、本作の中でもパワフルで聴きやすい曲なのに、どこか冷たく沈んだ感触が。これもリメイクしちゃいませんかね?w

06.忘却の河 (Waters of forgetfulness)
三拍子のリズムが印象的な、フォーク要素を感じるタイトル曲。アコギを中心にした音に、懐かしさを感じる牧歌的なメロディー等、どう聴いても裏ジャケの長髪黒服、ザ・初期V系! といった出で立ちのバンドがやる曲じゃないw(褒めてます) こういうのもやるのか! と驚かされた記憶が。
そう言えば、このタイトルって福永武彦の本とは関係あるんでしょうか。

07.叩き壊してくれ
こちらも低音ボーカルが映える、王道ロックンロールナンバーですが、個人的にはあまり好きも嫌いもなく…というか、アルバムの流れの中ではちょっと地味な位置かな?

08.遠イ自画像 (For your...)
ギター・ボーカルメインとした、気だるく穏やかなトーンで始まりますが、すぐにバンドサウンドメインの3連バラードに。ちょっとボーカルが荒っぽいですが、初期のiDが大丈夫なら、許容範囲かもしれません。どこか醒めた雰囲気の前半を経て激しくなる辺りは、「SEASIDE SLAUGHTER」が似ているかも。ただ、こちらはその緩急が更にきつく、後半はギターソロ合戦をはじめ各パートの応酬・暴れ気味のボーカルが飛び出しカオスな展開に。

***

正直最初に聴いた時は、好悪以前に大きな印象を受けたCDではなかったのですが、ゴシックロックンロールを煽り文句にしている、(今の所の)SPEED-iD最新作「iNDEEP lp」を踏まえると、意外と今に通じていると感じる部分も多く、色々やった上で一周し再びこの辺りの音に戻ってきたのかな? とも。そういう意味では遡って聴きたい人には丁度良いタイミングかもしれません。
上で述べた通り、ボーカルには若干クセがありますが、楽曲自体は古さを感じませんし(20年前のインディーズバンドにしては、音質もショボくないかなと)、当時のV系界隈でこういう音を出していたバンドが居た、という意味でも面白く聴けるのではないでしょうか。

***

Amazon
Waters of forgeWaters of forge
アザーサイド

インディペンデントレーベル 1991-03-25
売り上げランキング : 641897

Amazonで詳しく見る
by G-Tools