BUCK-TICK「RAZZLE DAZZLE」(2010)

DISC1:CD(初回盤ブルースペックCD)
01.RAZZLE DAZZLE FRAGILE
02.RAZZLE DAZZLE
03.狂気のデッドヒート
04.独壇場Beauty -R.I.P.-
05.羽虫のように
06.妖月 -ようげつの宴-
07.BOLERO
08.Django!!! -眩惑のジャンゴ-
09.錯乱Baby
10.PIXY
11.くちづけ -SERIAL THRILL KISSER-
12.月下麗人
13.夢幻
14.TANGO Swanka
15.Solaris

作詞 02、04、05、07、08:今井寿/03、06、09〜13、15:櫻井敦司/14:櫻井敦司、今井寿
作曲 01、02、04、05、07〜09、11、12、14、15:今井寿/03、06、10、13:星野英彦

DISC2:DVD(初回盤のみ)
01.Talk About “RAZZLE DAZZLE” -BUCK-TICK Special Interview-
02.独壇場Beauty ~Music Video

発売日:2010/10/13
品番 初回盤:BVCL-20031〜20032/通常盤:BVCL-128


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BUCK-TICKの通算16枚目のオリジナルアルバム。この前にリリースされていたシングル曲は全てアルバムバージョンで収録されています。初回盤は、ブルースペックCD仕様に加え、メンバー全員のソロインタビュー映像・「独壇場Beauty」のPVが収録されたDVD、ミニポスターが付いています。
ここ3作程はバンドサウンドメインの音作りをしていた彼らですが、本作ではダンサブルな要素を大々的に取り入れてきました。過去にもデジタルサウンドを取り入れた時期は長くありましたが、今回は前にはなかった(褒め言葉として)アホっぽいノリも感じるというかw…あっけらかんとした感触があります。
また、長年キーボード・マニピュレーターで参加している横山和俊に加え、櫻井敦司のソロに楽曲提供をしたり、星野英彦が結成したdropzのメンバーとして参加していたCUBE JUICEが、今回04、06、10でプログラミング・シンセサイザーで参加しています。

以下各曲について。


01.RAZZLE DAZZLE FRAGILE
シンフォニックなサウンドがメインのシリアスなSE。…なのですが、あちこちにザ・打ち込み! といった感じの音が散りばめられており、良い意味で雑多な印象があります。アルバム本編の振れ幅の大きさを示している…かもしれません。

02.RAZZLE DAZZLE
カウント音(カウベル?)に続いて、派手なシンセが目立つ展開に雪崩れ込むポップチューン。そのジャジャン! としたシンセやポコポコしたリズム、乾いたギターなど、最近ではやらなそうなアレンジに敢えて手を出してみた印象があります。そしてエフェクトのかかったボーカルのバックには、今井の「チュッチュルーイェーイェー」というコーラスが…。それでも、全体に力が抜けていながら聴きやすいのは、サビを中心にメロディーがポップだからなのかもしれません。実質的な本編1曲目にして、陽性のパワー全開といった印象でやられてしまいました。

03.狂気のデッドヒート
こちらは星野作曲ですが、前曲の流れを更に悪乗りさせたような(笑)エフェクトのかかったボーカルが耳に残る、コミカルな雰囲気のダンサブルチューン。確信犯的なスカスカ感が癖になるというか、全体的に変テコなんですがノってしまうという。
アルバム内の星野曲には、必ず1曲エッチな雰囲気の曲があると思っているのですが、今回はこの曲がそれに該当しているような…と思っていたら、歌詞のモチーフは精子」だそうで。あぁ、「400000000〜500000000のBaby Face」ってそういう…。

04.独壇場Beauty -R.I.P.-
28thシングルタイトル曲のアルバムバージョン。
イントロを始め度々登場するリズムのフレーズが印象的ですが、全体もディスコ調のノリが懐かしいアッパーな楽曲になっています。全てをうっちゃって馬鹿騒ぎするような歌詞も相まって、とにかく聴いていて楽しい。シングル版との大きな違いとして、LAZYgunsBRISKYというバンドのボーカリスト:Lucyがサビにゲスト参加しており、力強くビッチなボーカル(褒め言葉)によって、曲のカラフルさが更に高まっている気がします。

05.羽虫のように
前曲まで明るい乗りの曲が続いてきましたが、こちらは4つ打ちのリズムをベースにした、少し沈んだ印象のダンスチューン。今井作詞という事で、ぶっ飛んだ歌詞になるかと思いきや、言葉選びは独特ながらシリアスな雰囲気に。艶のあるボーカルが乗り「愛なんて そうじゃなくて〜」と繰り返される、少し物悲しくもキャッチーなサビメロもツボです。

06.妖月 -ようげつの宴-
29thシングルカップリング曲のアルバムバージョン。
少しエフェクトをかけた、ダークで色気のあるボーカルが映える、レトロな雰囲気のミディアムナンバー。規則的なリズムの横で動きまわるベースや、不気味な打ち込み音、浮遊感を持ったギターなど、ゴスな空気とジメジメした和風な空気が同居した、日本の気候に合ったスルメ楽曲といった印象が。

07.BOLERO
と思ったら今度は、頭から「ダッ ドゥビッダ ドゥビダディーダ…」とまったりしたコーラスが。
浮世離れしながらも、のどかなな空気をまとったミディアムポップな楽曲で、薄くフワフワした打ち込みとオリエンタル色を感じるメロディーが心地良い。過去曲で言うと「GIRL」に近い雰囲気でしょうか。

08.Django!!! -眩惑のジャンゴ-
そしてまたまた流れは変わって、冒頭で述べた「アホっぽさ」が頂点に達したような(繰り返しますが褒めてます)ラテン要素も感じる、ご機嫌なダンスチューン。小気味良いメロディーも勿論ツボなのですが、2曲目に通じるような派手にキメられるシンセ、そして「ビビデバビデブー(櫻井)」「ジャンゴォー(今井・ウィスパーボイス)」のコンボのインパクトといったら!w
本作リリース時には結成25年を迎えた彼らですが、まだまだ変化を続けているようです。

09.錯乱Baby
ズンドコしたリズム隊にまず耳が行く、本作の中ではロック寄りの楽曲。どちらかと言うと前作「memento mori」に入っていてもおかしく無さそうな曲かな? それでも抑えめのサビの裏ではスペーシーなデジタル音が散りばめられていたり、何だかんだで踊れるアレンジだったりと、周りに比べ浮いている印象はありませんでした。

10.PIXY
クリーンなギターの音やフワッとした感触のコーラスが前に出た、星野作曲による幻想的なミディアムナンバー。全体的に気だるい雰囲気の曲でですが、Bメロのリズムが民族音楽っぽさを感じさせる展開だったり、オリエンタル色を持ったメロディーが顔を出したりと、何となく今井作曲の「BORELO」と対になったような印象も受けます。いろんな意味で「狂気のデッドヒート」とは真逆なイメージ。

11.くちづけ -SERIAL THRILL KISSER-
29thシングルタイトル曲のアルバムバージョン。シングルはアニメ「屍鬼」のタイアップが付いていました。
現時点でシングルバージョンは聴いていないので比較はできないのですが、一定のフレーズを刻むリズムにギターやシンセが絡む、ダークなメロディアスナンバー。このシンセがともすれば淡々としかねない楽曲に暗さと艶やかさを加味しているように思えます。サビメロも聴けば聴くほどジワジワ効いてきますし、CMを観た時「シングル曲にしては地味かな?」と思っていた自分を叱りたいw

12.月下麗人
「羽虫のように」と同系統の、ダウナーな四つ打ちナンバー。
この曲も「くちづけ」と同じく「屍鬼」のタイアップが付いていますが、パッと聴きのキャッチーさに於いてはこちらの方が上かな? 終始ダークなトーンで進行しますが、クリーンな音とノイジーな音とで左右に分けられたギターや、サビでの朗々とした艶のある歌メロなど、シングルタイトル曲として出してもおかしくない程、ダークさと聴きやすさがしっくりきた楽曲でした。

13.夢幻
ダークな曲が2つ続いた後、ここで一発開けたのが来た印象の、キラキラしたシンセが印象的なポップナンバー。
軽くエフェクトがかかったボーカルが心地良く(歌詞も変な意味を含まず愛に溢れている印象)、サビでは爽やかに疾走してくれます。
前曲とは真逆なタイプですが、こちらもシングルで切れそうなタイプの楽曲という印象。

14.TANGO Swanka
櫻井と今井のツインボーカル、歌詞も共作による、いかがわしさと猥雑さを持ったロックナンバー。Aメロが今井パートなのですが、やはりこの人がメインで歌うと曲が変テコな色に。どっしりしたドラム・ベースに対して、ギターは遊びが多そう、というか色んな音を思いついただけ試してみました、的な落ち着かなさが面白かったり。
歌詞についてですが、「こめかみバンバーン!」が飛び抜けて印象に残っています…w

15.Solaris
いかにも本編ラストで映えそうな、壮大なスローバラード。浮遊感のある音をバックに、アコギをメインにした優しい空気を持った曲で、個人的に激しく好きや嫌いはなく…なのですが、終盤になって歪ませたギターソロが延々入ってきたりと、やはり普通には終わらせたくない気持ちがあるのでしょうか。

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本作の前まではバンドサウンドをメインにしたアルバムが続いており、「とっくにベテランの域に達しているし、流石に曲調は安定してきたのかな」と感じていたのですが、とんでもありませんでした。ここに来てまだ新しい色を持ち込み、かつポップバンドとして聴きやすさは変わらない辺り、長く活動しているバンドとしては理想的な展開に思えます。打ち込みとバンドサウンドが混ざった音が個人的に好み、というのも大きいでしょうが、ここ最近のBUCK-TICKでは一番好みに入ったアルバムになりました。

全体としても、特に取っ付きにくいメロディーはない…どころか15曲という長さを感じさせない位には聴きやすかったので、(打ち込みが嫌いでなければ)2枚のシングルで気になっているという人には、是非お勧めしたいアルバムですよ。

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