Kyoka (from Aliene Ma'riage)「M」(2001)

01.近親憎悪
02.リジーの斧
03.空想革命
04.埋葬蟲 (しでむし)
05.兇歌 (まがうた)

全曲作詞・作曲・編曲:Kyoka

店頭発売日:2001/??/??
品番:LMCA-1001


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昨年、DROSERA OBLAATを結成したと思ったらすぐに解散させ、ソロでの活動を発表した狂華。本作はその狂華がAliene Ma'riage時代に発表したソロCDになります。当初アリエネのファンクラブ限定で販売され、後に店頭でも発売されました(地元の新○堂で買ったんだよなぁ……)。同時期に、同じくアリエネのメンバーだったRay、MASTもソロCDを発表したのですが、そちらの方は現在でもV系ショップ等に出てるのを見た事は無いですね……。
白黒二つ折りの歌詞カード、帯・裏ジャケもなしと寂しい仕様ですが、当時所属していたKEY PARTYが財政難気味? だったので致し方無かったのでしょうか。

楽曲面では、アリエネの名を知る人がまず思い浮かぶであろう、中世ヨーロッパ風でコテコテなイメージの真逆を行く、高速の打ち込みリズムとエフェクトのかかった音作りによって、デジタルスラッシュとも言えそうなサイバーな世界観を感じるものとなっています。その武器であるキ○ガイシャウトに比べノーマル歌唱の方では正直難のあったボーカルですが、本作ではほぼ全編シャウトで歌っている点も正解だったのではないでしょうか。というかこの作風、アリエネの最後のアルバム「21st Century」にそのまま受け継がれるので、ある意味そちらの予告編的な性格を持っていたのかも知れません。

以下各曲について。


01.近親憎悪
細かく刻まれる打ち込みビートと潰れたエフェクトをバックに、早口シャウトで捲し立てるデジタルパンクナンバー。当時、本作の前に歌モノをメインにしたシングル「Ma'ria」(2000)を聴いており、まだまだジャリバン慣れ(?)していなかった為か、微妙な印象を持っていたのですが、全編シャウトで押し切ったこちらの曲に驚くと同時にこっちのスタイルの方がカッコ良いじゃないか! と感じたのを思い出します(笑)

02.リジーの斧
前曲の流れを引き継いだ感のある攻撃的な高速チューン(リズムはツタツタ気味)ですが、実際に起った殺人事件を基にした歌詞には、当時キーパーティのプロデューサーを務めていた優朗(SPEED-iD)のソロ「UNHOLY」シリーズからの影響を感じさせます。

03.空想革命
迫ってくるようなビシビシやかましいリズムと要所要所でメロディアスなギターが絡む、インダストリアルスラッシュといった印象の楽曲。前曲と同じく、Aメロはノーマルボイスでサビはシャウト、また猟奇的かつサイバーな単語を並べ立てたような歌詞もあって、後期アリエネでやってもおかしくなさそうな曲調になっている気が。

04.埋葬蟲 (しでむし)
多分最も速い曲がこれかな? こちらはノーマル歌唱がメインになっておりサビも普通に歌い上げるため、本作中では比較的メロディアスな楽曲になっていますが、結局エフェクトがキツいので色々と良い感じに誤魔化されるという。アウトロは唐突に爽やかな音が挿入されてちょっとびっくりしたり。
因みに、2006〜7年に狂華ら元キーパ人脈を中心に結成されたDeflina Ma'riageの2ndシングルに同名の曲が収録されていますが、あちらはこの歌詞をベースに新たに曲を書き下ろしたものとなっています。

05.兇歌 (まがうた)
ラストは、ノイズを流したようなイントロから潰れた打ち込みが入る、本作唯一のスローでダウナーな楽曲。改めて聴くと、陰々滅々とした曲調やほぼ語りオンリーの歌詞、その内容はやはり殺人を連想させるもの……と、これこそUNHOLYシリーズの作風そのままな気がしてなりませんが(「冷血 Pt.2」や「デュッセルドルフの吸血鬼」とかあの辺)、そういう意味でも個人的には面白い1曲。ここまでの流れとは対照的なので、タルく思えてしまう人も少なく無いでしょうけれど。

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ちょっとエフェクトが掛かり過ぎて音がショボくなってしまっている部分は否めませんし、現在のインディーズのクオリティに慣れた人が満足するかも厳しい所はあるのですが、それでも当時の私にとっては、そのデジタルでジャンキーな音作りに衝撃を受けたCDだったのでした。
アリエネ本体と比べ流通の絶対量が少ないのがネックですが、前述の通り後期アリエネの流れを多分に含む内容ですので、手に出せる値段でしたら気にしてみても良い……かもしれません。

M

あづまや本舗

YouTube
狂華氏はYouTubeにてキーパ時代を含む映像をちょこちょこアップしており、本作からは「近親憎悪」が上がっていました。こういうのって公式にあたるのか微妙な所ですが取り敢えず……。