世の漆黒「天球儀上の君と黄昏の摩天楼」(2011)

01. 天球戯
02. 喪失カテドラル
03. 黄昏の摩天楼
04. 乖離する蜉蝣
05. 平成23年12月6日14時28分57秒_東京都渋谷区渋谷宮益坂下
06. 奏鳴曲;有栖-alice-
07. 神様、もう少しだけ

作詞 02〜04、06:胡桃坂庵/07:胡桃坂庵、あえり
作曲 01〜03、06:胡桃坂庵/04:胡桃坂庵、美那瀬瑠那/07:胡桃坂庵、あえり
編曲 01:胡桃坂庵/02〜04、06、07:世の漆黒

発売日:2011/12/31
品番:T12T-007

Members
吐息、作詞、作曲、編曲、Guitar、Instruments、Mix、Mastering、Art Direction:胡桃坂庵
作曲:美那瀬瑠那
Vocal、Back Chorus:あえり
Bass:雀弥-sakuya-
Illustration:しいのゆこ


***

小説の影響を受けたイメージ楽曲という形を中心に音源制作を行なっている世の漆黒が、2011年冬コミで販売したミニアルバム。
先行シングルだった「142857」の2曲はどちらも再録音されて収録されています。シングルではツインボーカルだったのが、本作ではあえり一人となっていますが、再録2曲がどちらもパワーアップしたように思えるので結果的には良かったのでしょうか。

ピアノをギターを中心にした物悲しいメロディーによる短いインスト「天球戯」から、90'sV系の香りがする疾走曲「喪失カテドラル」「黄昏の摩天楼」の流れがもうたまらない。どちらも透明感のあるシンセを交えつつ、ギターで引っ張るメロディアスチューンなのですが、メタル風のギターや急ぎ気味のボーカルが気持良い前者は特に好み。間奏のクラシカルなギターソロもあってか、何となく女声ボーカル版Rapaelという発想が出てきたり。

再録1曲目の「乖離する蜉蝣」は、シングルでの気怠くザラついた音像から少しくっきりとしたアレンジになった印象。シングルのフニャッとした感じも好きでしたが、今作の流れの中ではこちらの方が馴染んでいるのかな?
他の楽曲に比べると、メロディーの即効性という点では譲るかもしれませんが、それでも物憂げで淡々としたアレンジから徐々に盛り上がる展開がじわじわハマってくるというか、個人的には本作のキモとなる楽曲になっています。

サビメロをベースにした鼻歌中心のSEを挟んで続く、再録2曲目「奏鳴曲;有栖-alice-」。シングルではツインボーカルながら、全体にもう少し声に力が入っていれば……と思うところがあったのですが、こちらではボーカル一人ながら(一人だからこそ?)歌い方がかなり力強くなっており、2,3曲目に通じる王道疾走V系といった趣の楽曲ともバッチリ噛み合っているように思えます。前述の2曲と併せ、その時期のシーンが好きな人には是非オススメしたい(笑
(そのSE、タイトルから見ると(平成23年〜)、実際にその日その場所で音声を収録したということなのでしょうか……それとも原作小説にそういうネタがあるのかな)

ラストの「神様、もう少しだけ」は、アコギとピアノを前に出し物憂げに始まり、中盤からバンドサウンド調に展開する、憂いのあるメロディーをメインとしたミディアムバラード。そのギターやそれまでに比べ激情的に歌い上げるボーカルもあって、どこかエモっぽさも感じます。
後半はそのバンドサウンドをバックに、ボソボソとした男声ナレーションパートが長目に続くのですが、これ展開昔どこかで聴いたような……と思っていたら、曲調は全然違えどMissalina Reiの「フィアンセ」を思い出してるんだこれー!? …ごめんなさいごめんなさい


7曲中SE2曲で24分程と、コンパクトながらバランス良くまとまっており、リピートしやすいボリュームでもあるでしょうか。
ラウド過ぎず軽過ぎずといった音作りな印象なので、何度か引き合いに出した90年代のメジャーV系サウンドが好きな方にもお勧めです。後、元ネタの小説(神様のメモ帳)を読んでいる方の感想も気になったり。


天球儀上の君と黄昏の摩天楼天球儀上の君と黄昏の摩天楼
世の漆黒

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