CRAZE「NEW SONG」(2006)

01.NEW SONG
02.カムカムエブリバデー
03.Be Rythem (live version)

全曲作詞:TUSK ITAYA
作曲 01、02:TUSK ITAYA/03:SEIICHI IIDA

発売日:2006/02/22
品番:TKCA-72984

Members
Guitar:瀧川一郎
Bass:飯田成一
Drums:菊池哲


***

2006年に解散したCRAZEの、その解散後にリリースされたラストシングル。
D'ERLANGER〜BODYで共に活動していた瀧川一郎、菊池哲、ZI:KILL(哲も短期間在籍)の飯田成一らを中心に著名な面子で結成されたCRAZEですが、その約10年の活動の中でのボーカリスト変遷が多いバンドとしても有名であり、スタジオ音源で残っているだけで計4人(藤崎賢一→緒方豊和→鈴木慎一郎→板谷祐)が在籍していました。最終的には、メンバーの3/4が元ジキルという布陣になっていましたね。
このシングルでボーカルをとっているのは、4代目にして最も長く在籍していた祐なのですが、正確には解散前年に彼はバンドを脱退しているため、脱退前にレコーディングが済んでいた楽曲をシングルとして最後に……という事なのでしょう。
その為か、ラストライブは楽器隊のみで本編1曲・アンコール1曲という形になりました。

精神的にお疲れだったのか、脱退時音楽業界からの引退を表明した祐ですが、現在はソロとCRAZE加入前に活動していたTHE SLUT BANKSとを並行して活動中。成一はちょっと前に感想を書いた元HATE HONEYの高木フトシ、元グニュウツール〜BUGのASAKIらと共にvezで、一郎と哲は2007年にデランジェを再結成し――と各々精力的に活動していますが、その辺は私より詳しい方が沢山いらっしゃると思うのでこの辺で……。

以下各曲について。


01.NEW SONG
ザクザクと刻まれるギター、叩きつけるようなドラムを中心にゴツゴツした塊のような音で迫ってくるようなアッパーなハードナンバー。加入当初から賛否が分かれた(ような気がする)祐の酔いどれボーカルですが、ここでも捲し立てて勢いのあるスタイルを貫いています。この最後のシングルまで聴く人にとっては、既に長所として機能しているのではないでしょうか(私も好きですよ)。
2分半をとにかく勢いで押しまくる楽曲ということもあってか、シングルよりもアルバムサイズの音源の中で映える曲なのではとも思いますが、リリースの経緯を考えると致し方ないかもしれません。

02.カムカムエブリバデー
こちらも荒々しいアレンジのアッパーな楽曲ですが、緩急のある展開と開けたサビのメロディーが中心になっているため、こちらの方がシングル向けかな? とも。芯のあるボーカルが歌えばそれはそれで光る曲だと思うのですが、祐の声と歌詞によって男臭さと適度に力の抜けたユーモラスな色が加わったような気がします。
改めて聴いたら、ラストの「内ゲバLove&Hate ひだまりで」が妙に頭に残りましたが、歌詞カードでは「肉ゲバ」と誤植が……w

03.Be Rythem (live version)
2005年7月28日、LIVE BAR The DOORSでのライブ音源。
ハードな音作りながら、楽曲の幅という点では割と何でもありだった印象のTUSK期CRAZEですが、飯田成一作曲のこちらは、無骨なノリながら初期から続くポップなビートロックが根っこに……といった印象のナンバーになっています。
サビも歌メロが立っているのですが、CRAZE時代の祐はノーマル歌唱がかなり弱くなっており、その弱点がここでモロに出てしまっているような……思い切ってガナリ声で押し通してもカッコ良くなった気もしたり。
イントロのベースソロに呼応する観客のOi声もあって、臨場感のある音源となっています。

***

解散後に後追いで聴いている立場ではありますが、各ボーカル期で色が少しずつ違いながら、どれも男臭さを放っていて面白いバンドです。実質的な前身のBODYも、(録音バランスに目をつぶれば)初期CRAZEにそのまま繋がりますし。
セルフカバーを含め、何度かベスト盤がリリースされているバンドですが、現在の所本作収録の3曲を収めたものは出ておらず、楽曲面でも変な末期感があったりする訳でもないので、祐期の楽曲が好きな方で未聴の方は今からでもいかがでしょうか。

※試聴あり
NEW SONGNEW SONG
CRAZE

徳間ジャパンコミュニケーションズ 2006-02-22
売り上げランキング : 224638

Amazonで詳しく見る
by G-Tools