emmuree「e'【acute】」(2012)

01. an「acute」
02. Gray Note Freak Show(再録)
03. バレリーナ
04. 熱帯夜(再録)
05. 祈り(再録)
06. ジザスカ
07. 雪月花
08. 春想う、色彩よ。(再録)
09. strawberry
10. 葬列とxxx (再録)
11. miss【drain】
12. 瓶詰少女
13. Lovers -ラヴァーズ-
14. The darkside of the moon.
15. 灯陰 -orange-(再録)

全曲作詞:想
作曲 01、02、04、05、07、08、12、13:想/03、06、09〜11、14、15:ハルカ

※備考
01:配布CD「an「acute」」(2006)収録
03:ミニアルバム「灰色」(2006)収録
06、11:アルバム「灯陰」(2010)収録
07:配布CD「雪月花」(2011)収録
09、12、13:アルバム「love letter -Dark Mania-」(2007)収録
14:ミニアルバム「Lover's -Dark side-」(2007)収録

発売日:2012/04/11
品番:GNR-001

Members
Vocal:想
Guitar:ハルカ
Bass:朋
Drums:ゆき


***

2012年にリリースされた、emmureeのキャリア初となるベストアルバム。初の全国流通音源でもあります。
2006〜2011年にかけての楽曲をリマスタリングしていますが、15曲中6曲が新録音バージョン、2曲がライブ会場配布音源から採られているのも、それまで音源を追ってきた人にとって嬉しいポイントではないでしょうか。

このバンドだけに限った話ではありませんが、ベスト盤のブックレットには、ディスコグラフィーやどの音源から持ってきたのか等の記載があると嬉しい。一応オフィシャルブログに記載はあるのですが、広く流通させた本作を切っ掛けにハマった人が遡りやすいようにしてもバチは当たらないと思うのですけれど。
(※細かいバージョン違いの確認に、pinkblood(管理人:行様)のレビュー記事を参考にさせて頂きました)


01. an「acute」
2004年にリリースされた同名シングルに収録されていた楽曲を、配布用に録音し直したバージョン。
冒頭で「ロックンロール!」と叫んでいるから……かどうかは分かりませんが、シンプルながら迫ってくるような曲調と、時に妖艶に・時に荒々しく歌い上げるボーカルが前に出た、彼らの中ではストレートな印象のロックナンバー。
乾いた感触で叙情的な旋律を出すギターも印象的です。

02. Gray Note Freak Show(再録)
オフィシャル通販・会場限定だった「絶望を奏でる古時計、灰色のピアノ。」(2006)収録曲の再録バージョン。
これ書いている現在、原曲を聴けてないので比較できませんが、激しい曲調とアップテンポに攻めながら、サビで一気に開ける展開に90年代的王道感を感じます。間奏でのギターソロが壮大感を煽ってまた好み。
比較的聴きやすいこの2曲を頭に持ってくることで、このベスト盤への掴みとして機能させているように思えたり。

03. バレリーナ
ミニアルバム「灰色」(2006)より。
這いまわるようなリズムと、オリエンタルっぽいギターが妖しいムードを醸し出す楽曲。こちらもサビで一気に突き抜ける展開との対比が心地良い。
個人的に、アンミュレを段々気にし始めた2008年頃マイスペで良く聴いていた為、印象深い1曲でもあります。

04. 熱帯夜(再録)
オフィシャル通販・会場限定シングル「真っ赤な林檎」(2010)収録曲の再録バージョン。
レトロな印象の旋律とジャジーなリズムがメインの、エロティックな雰囲気を持った楽曲になっています。ボーカルの歌いまわしがその艶やかさを担っているのでしょう。
「熱帯夜」というタイトルですが、音質の関係かシングルバージョンよりも若干湿度が下がったような気も……w そしてほんのちょっとだけテンポが上がってノリやすくなったような。ドラムがそう思わせるのかなぁ。

05. 祈り(再録)
2003年にリリースされた、同名ミニアルバム収録曲の再録バージョン。
原曲で打ち込みだったドラムが生になったほか、イントロにスローバラードパートが追加され、徐々に盛り上げるような構成になっているように思われます。潰れた打ち込みが生ドラムに替わったことにより、絶望的な重さは薄れましたが悲壮感のあるメロディーはより前に出て来た印象。ボーカルもより感情豊かに歌っていますが、やっぱりこのBメロ→サビへの流れがたまらんです。

06. ジザスカ
2ndフルアルバム「灯陰」(2010)より。
シャッフルリズムに乗って、怪しく舞うようなアレンジのアップテンポな楽曲。
サビパート、音だけですと「リィライリラッラァ」とひたすら反復しているように聴こえますが、ブックレットを見ると……。

07. 雪月花
2011年にライブ会場限定で配布されたCDより。
ギターによるダークな雰囲気のアルペジオをはじめ、初期のKagrraにも通じる、和の要素を強く感じるダウナーなスローバラード。緊張感すら感じる終始切々とした進行ですが、色気ある歌メロは日本人好みする所があるのではないでしょうか。
元々活動初期から合った曲ですが、当時のライブレポが重い重いと評判だったのもちょっと分かるような気がします。

08. 春想う、色彩よ。(再録)
Sugarとのスプリット盤「Darker meets Deeper」(2006)収録曲の再録バージョン。
こちらも和の装いを持ったバラードですが、「雪月花」とは対照的に暖かく穏やかなムードを感じます。ここの流れ、イイっすね。原曲との大きな違いとして、ギターソロが轟音アレンジになっています。
余談ながら、「Darker〜」は既に廃盤なのですが、スプリットながら楽曲の流れがミニアルバム並に良いと思っているので、手の出せる範囲で見つけられた時は是非。

09. strawberry
1stフルアルバム「love letter -Dark Mania-」(2007)より。
アンミュレの中でも特にライトサイドに振り切っていると思われる、跳ねたリズムと明るいメロディーによるカラッとしたポップチューン。これアルバムで最初に聴いた時はびっくらこいた記憶が……。
ギターソロ前のブレイクで、「ストロベリー」と女の子の声が入る展開が何気に好きだったりします。
こちら程極端ではないですが、最新作「EMMUREE」にも優しさを感じるポップな曲が入っていることを考えると、その辺も見越しての収録だったのかなとも思ったり。

10. 葬列とxxx (再録)
「祈り」収録曲の再録バージョン。
前曲との流れで聴くと、その攻撃性とダークさがより際立つような。
原曲では打ち込みツタツタだったドラムが、生になったことによりジャリ度は減退した気がしますが(笑)、キリキリとしたギターを含めてドロリとした雰囲気は維持しつつ、全体的に音が整理された印象を受けます。

11. miss【drain】
「灯陰」より収録。
「ハロー、ミスドレイン ゴ機嫌ハ如何?」と低音で反復するボーカルが印象的な、こちらも攻撃的なアレンジで押し通すダークチューン。全体的にリズムの音が引っ込み気味だった「灯陰」ですが、リマスタにより変速的なドラミングがより目立つことで、その恩恵をより強く受けた楽曲になっているのではないでしょうか。
デランジェと初期メリゴを融合させたような印象を抱いた楽曲でもあります。

12. 瓶詰少女
「love letter -Dark Mania-」より収録。
ジャジーなリズムと猥雑さやいかがわしさを感じさせる歌謡メロが主体の、レトロなポップチューン。
基本的にシンプルな音数のバンド、という印象があるアンミュレですが、こちらは小規模な劇場で行われるアングラ寄りなミュージカル……的な画が浮かんできたりします。

13. Lovers -ラヴァーズ-
「love letter -Dark Mania-」より収録。
イントロをはじめ、反復される沈んだムードのベースが耳に残る、ダウナーで落ち着きのあるバラード。
全体的には暗めの雰囲気で進行しているのですが、サビでの高音の歌い上げやギターソロ等には、逆に壮大感や力強さを感じたり。こう言えば、「love letter」と同じくラス2前に収録されているんですね。

14. The darkside of the moon.
ミニアルバム「Lover's -Dark side-」(2007)より。ただ、イントロのボーカルパートが若干変更されており、テンポが落とされたほか原曲よりボーカルが前に出ています。
初期BUCK-TICKをかなり彷彿とさせられる、80年代後半臭漂うビートポップチューン(!)。「HURRU UP MODE」〜「SEVENTH HEAVEN」が好きだった方には特にピンと来やすいかと 。ツインギターを意識したと思われるアレンジもまたそれっぽい感じがします。
何が凄いって、2000年代も後半になってこういう曲をしれっと書いてしまうハルカが凄い。

15. 灯陰 -orange-(再録)
「灯陰」収録曲の再録バージョン。
「darkside〜」に初期BUCK-TICKを引き合いに出しましたが、こちらも「悪の華」を出した辺りの彼らを彷彿とさせられる(もっと具体的に言うなら、その中に収録されている「MISTY BLUE」)、薄暗さを含んだ穏やかなミドルポップチューン。
再録バージョンは、乾いたギターの音がより印象的に聴こえるようになったのをはじめ、全体的にクリアに聴こえるようになったるかなと。原曲がモノクロ映画をテレビで見ていた感じとすれば、こちらはモノクロのままだけども3D映像になっていたというかw

***

「love letter -Dark Mania-」が(当時の)ベスト盤とするならば、こちらは既存曲を使ってオリジナルを作ってみたという印象のアルバムでした。(←ここの一文、ピンブラさんの2012年名盤投票へ添えたコメントをセルフ引用しちゃってますが; それ位アルバム全体の流れが良かったなと)
既にファンの方には勿論お薦めですが、上でチラッと書いたように、選曲の傾向に最新作「EMMUREE」に近いものを感じたりするので、手の取りやすさやタイミング的にも(値段も若干安いよ!)、気になっていた人にとっては現時点で最適の入門アルバムたり得るのではないでしょうか。


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