V.A.『SATORI -A Tribute To BAUHAUS-』(1998)
satori

SATORI-A Tribute To Bauhaus-SATORI-A Tribute To Bauhaus-
オムニバス Cheerful-Brian Key Party KIYOSHI fiction GENET Hamlet Machine #9 Pilar Stupa CHU-YA Loopus

日本クラウン 1998-10-15
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01. Hamlet Machine & Sponge / Spirit
02. #9 / Who Killed Mr.Moonlight?
03. Pilar Stupa & ちわきまゆみ / Slice of Life
04. CHU-YA / Silent Hedges
05. Loopus + 広石武彦 / In The Flat Field
06. SPEED-iD / Bela Lugosi Is Dead
07. Screaming Mad George / Stigmata Martyr
08. DEF.MASTER / She's In Parties
09. Dummy / Mask
10. Cheerful-Brian / Lagartija Nick
11. KEY PARTY / Dancing
12. ZIN featuring Kiyoshi / Nerves
13. fiction / In The Flat Field
14. GENET / The Passion Of Lovers

発売日:1998/10/15
品番:CRCP-20199


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GENET(AUTO-MOD)と宙也(LOOPUS)の共同プロデュースによる、BAUHAUSへのトリビュートアルバム。バウハウスが一度再結成を行った1998年にリリースされました。

80年代に直接的な影響を受けただろう2人のプロデュースという事もあってか、本作のみで手を組んだユニットを含めた濃ゆい面子が集まっていますが、この2人の他にスペシャル・コーディネーターとして、当時V系インディーズレーベル:KEY PARTYの社長だったSinozaki Sinovi(殺戮党)の名がクレジットされていることから、参加人選は篠崎氏を中心に行われていたということでしょうか。
だからかどうか分かりませんが、SPEED-iDのメンバーが絡んでいる曲は多く興味をそそられたものでした。

06. SPEED-iD / Bela Lugosi Is Dead
バンド単位のカバーは1stシングルタイトル曲を。
優朗が参加したAUTO-MODトリビュートから彼のソロへの流れを思わせる、浮遊感のあるシンセと低音ボイスによる暗黒ダブとも言えそうなアレンジになっています。

09. Dummy / Mask
ドラマーのHALがボーカリストとして参加。
アレンジとしてはプログラミングを行ったRickyの色が出ていると思われますが、ミックスのクレジットにはRicky、HAL両氏がクレジットされています。
余談ですが、HALさんはNOi'Xのラストアルバム(の皮を被ったセッションアルバム)『Ende Noi'』(2000)でも2曲ボーカルをとっています。

11. KEY PARTY / Dancing
レーベル名を冠したユニット名で、篠崎忍(Vocal)、優朗(Program、Manipulate)、Ryota(Guitar)という編成。Ryotaさんは上で触れたノアのギタリストでした。
ダークで攻撃的なテクノアレンジは、キーパ=コテコテなジャリバンという、当時を知る人が少なくない割合で抱くだろうサウンドのイメージの真逆を行くものですが、キーパ在籍期のSPEED-iDや優朗ソロの方向性から考えるとさほど違和感がなかったり。
このカバーを聴いて、篠崎さんが在籍していた殺戮党&s1wのCD(これまたタイトルが『KEY PARTY』!……というよりこれがレーベル名の元となった筈)を手に取ったのですが、そちらはまた全然違う方向だったのでした。

14. GENET / The Passion Of Lovers
プロデュースを務めた1人であるジュネさんによるカバーで、こちらにも優朗さんがプログラミングで参加。
こちらもKEY PARTYと似た印象の、打ち込みメインのダークなアレンジですが、ジュネさんの独特なクセのある歌唱や後半の日本語ナレーションの挿入などに演劇的な要素も感じます。

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プロデュースの方針か、iDをはじめ複数のユニットをまたいで参加している人が多いこともあるのか、オムニバスながらオリジナルアルバムを聴いているような統一感があるため、一人でも気になった参加面子が居た場合はハマる可能性は高いと思います。
AUTO-MODトリビュートと被る〆ですが、オリジナルを知らずとも楽しめ入門盤としても機能するアルバムではないでしょうか。