自己満盲目企画もこれで最後なのですよ。


『iNDEEP lp 15th ANNIVERSARY EDITION』(2008)
iNDEEP lp“15th Anniversary・Edition”iNDEEP lp“15th Anniversary・Edition”
SPEED-iD

DOLLMETHOD RECORDS / EXELLEX 2008-04-08
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01. DON’T FEAR YOURSELF
02. ARMY OF THE CHURCH UNDER THE MOON
03. JUSTICE WITHOUT BLOOD-LUST
04. KICKS YOUR FREAKIN’ ICON
05. SENSELESS
06. FIRE OF DESIRE BURNS TO DUST
07. DEPTH
08. EVIL MOON RISING
09. BLACKOUT RIPPER
10. ANGELS IN THE DIRTY SNOW

全曲作詞:H.L.EURO
作曲 01、03、10:CAPTAIN MARQUEE/02、04〜09:H.L.EURO

発売日:2008/04/09
品番:YZXL-009


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2005年の活動再開後、幾度の発売延期を重ねようやくリリースされた5thフルアルバム。厳密には前年に同名のミニアルバムが発売されているのですが、収録曲5曲全部がリマスタリングされて本作に入っているため、ミニアルバムの方はほぼコレクターズアイテムと化しています……(苦笑
メンバーは優朗(VOX、BASS、PROGRAMMING)、CAPTAIN MARQUEE(GUITAR、PROGRAMMING)、HAL(DRUMS、CHORUS)ですが、02、05、08、09のサポートベースとして元CUT THE CRAPのMIDORIが、コーラスとしてTILLと当時はサポートメンバーだったle;ka(LIKA)が参加しています。

そのサウンドはゴシック路線と王道ロックンロールが融合した、かつて無いほどにワイルドな、しかしドス黒さも確かに感じるもので、80年代のゴシックパンクと活動再開後ブログなどで影響を挙げていたThe69Eyesの流れを汲んだ、正に本作の煽り文句でもある「ゴシックロックンロール」と言えるものとなっています。ある意味で、iDの前に結成していたThe Othersideに回帰した部分もある印象すら受けますが、それに比べてもかなり骨太になったというか(技術・録音環境の向上があることはもちろんですが)。
これまでの音源での優朗さんのボーカルは、キーを上げて歌いあげるとちょっとえげつなくなるというか、調子が外れてくる所があったのですが、本作では持ち味の低音に更に特化し、ダークで色気ある歌い方になっているのも個人的には嬉しい。

イントロを始めとしたスパニッシュなギターが印象的な、オープニングの「DON’T FEAR YOURSELF」から、熱さとダークさの両立を示し、「JUSTICE WITHOUT BLOOD-LUST」や「KICKS YOUR FREAKIN’ ICON」でアッパーな流れを作ります。
後半の肝と思っている「DEPTH」は、ソナー音のような不穏なイントロと一転してノリの良いポップなサウンド、サビでの低音ボイスと、バウハウスと69EyesをiD流に料理したような、正にゴシックロックンロールな1曲。
優朗ソロを含め、都合3回目の収録となった「EVIL MOON RISING」「BLACKOUT RIPPER」も、ソロや『UNHOLY NIGHT』に比べこちらに迫ってくるような攻撃性・疾走感を増した印象があります。やはりこの2曲の流れはたまらない。
また、曲ごとに作曲年がクレジットされており、基本的に活動再開後に作られた曲がメインになっているのが分かるのですが、98年のソロが初出の「EVIL〜」「BLACKOUT〜」以外では、MARQUEEさん作曲であるラストの「ANGELS IN THE DIRTY SNOW」が活動が途切れる前の2000年に作られており、冷たくメロウな歌メロがメインのバラードとなっています。時間の隔たりは感じさせないアレンジですが、それは本作に入っているからそう思うのかもしれません。

スリリングさ・ダークさを多く持ちながら、現時点で一番「開かれた」印象があるアルバム。
再発盤『UNHOLY NIGHT』初回盤に付いているライブアルバム『GOOD EVENING,EVILIAN』でも全曲聴けるので(そちらのベースは現メンバーのHIKOが担当)、一気に手にしたい人はそちらでも良いかもしれません。


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年内完結を目指していましたが、何とか間に合いました(誰も頼んじゃいないのに!
改めて振り返っても、(functioncode含め)変遷が繰り返しているのを感じさせますが、どこかヒヤリとした所がある点で芯はブレていないとも思わせられます。
文章力も知識もない中垂れ流していますが、新たに触れる方への一助になっていければ。

HALさんが大変な状況の中ですが、新譜『THUNDERBIRD』も気長に待っていますぜ、主人。