love solfege『Imperial Arc』(2013)

01.Imperial Arc(歌:綾野えいり)
02.終わらないチェス・クロック(歌:綾野えいり・真理絵)
03.dusk cage(歌:片霧烈火)
04.along the smart(歌:真理絵) 
05.Judgment(歌:片霧烈火)
06.青空の確率(歌:真理絵)
07.燋燄誓契(歌:Rita)
08.line of derivation(歌:真理絵)
09."Land art"(歌:綾野えいり)
10.交差するtalon(歌:綾野えいり)
11.永遠への誓い(歌:真理絵)
12.欠け月の夜に(歌:marina)
13.alba(歌:綾野えいり)

作詞 01、13:Simina stanzani pini/02〜04、06〜10:紺野比奈子/05、11:葉月ゆら/12:澄田まお
全曲作曲・編曲:松本慎一郎

備考
01、04:新曲
02、05、06:V.A.『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜 SONG COLLECTION「Beautiful World」』(2012)より
03:love solfege'『アクルグ解析による自由への教唆』(2008)より
07、08、11〜13:作品主題歌初音源化
09:love solfege' 『墟律のサンプル』(2010)より
10:V.A.『AMNESIA SONG COLLECTION「Remember」』(2012)より


***

ゲーム主題歌タイアップ曲を中心に、新曲2曲も収録したlove solfegeのベストアルバム。自主制作では頻繁にリリースを行っていますが、メジャー流通という形では約2年半ぶりとなりました。
過去にもメジャーで1枚のオリジナルアルバムと2枚のベストをリリースしていますが、自主制作盤からの出典が多かった過去のベストに比べ、本作はコンピレーション盤に散らばっていた楽曲や、正式音源化がされていなかった楽曲が中心にまとめられており、自主制作盤を揃えていた人にも美味しい内容となっているのがポイントでしょうか。

クラシック、R&Bなどの要素を取り込み印象的なメロディーを聴かせてくれるクラシカル・ポップスという路線は、このベストでも抜群の安定感を見せてくれますが、自主制作盤に比べると楽曲の幅が広めになっている印象で、クラシック色が減退しポップに突き抜けたものやロック寄りのアレンジを持った楽曲も目立つのは、タイアップ先の世界観も意識しているからでしょうか。特に「燋燄誓契」や「欠け月の夜に」のような、和風音階を前に出したポップロック調の楽曲は、(私が触れた範囲では)それまで出てこなかったタイプで驚かされました。
対して、新曲の1つであるタイトル曲「Imperial Arc」や「alba」といった、伊語によるオペラティックな歌唱とクラシカルな旋律がメインの王道路線曲(の1つと私は思っている)が最初とラストに配されているのに、これですよこれ! と思ったり。
特に好みに入ったのは、もう1つの新曲である「along the smart」と「交差するtalon」。どちらも終始鳴らされる軽快に流れるピアノと、サピでの突き抜けるようなアレンジが印象的な疾走曲で、聴いていて非常に爽快感があります。

前述したように楽曲の幅が広く、自主制作作品に比べ相対的にクラシック色は薄めなのですが、ポップス職人としての完成度は変わらず高い印象なので、その辺はこのグループにどのようなものを求めているかによって変わってくるかなと。個人的には、その求めるものが増えたという意味で手に取って良かったと思っています。

※参考リンク:axive (松本慎一郎(オーギュスト棒)による楽曲解説あり)

試聴あり
Imperial ArcImperial Arc
love solfege

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