SHAZNA『PIECE OF LOVE』(1999)

01. PIECE OF LOVE(TV Mix)
02. NIGHTMARE
03. PIECE OF LOVE(Natural Version)
04. PIECE OF LOVE(Non-Vocal Version)

全曲作詞:IZAM
作曲 01、03、04:KUZUKI/02:A・O・I
全曲編曲:山口一久 & SHAZNA

発売日:1999/03/31
品番:TODT-5281

Members
Vocal:IZAM
Guitar:A・O・I
Bass:NIY


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1999年にリリースされた、メジャー9枚目のシングル。
当時放送されていたアニメのオープニングテーマでしたが、こちらとエンディング担当のPIERROT目当てに、第1話を見た記憶が……(笑
余談ですが、番組後半の主題歌がLastierとHibiki(D-SHADE)だったことを、今回の感想を書くにあたって今更ながら知ったりしたのでした。

01. PIECE OF LOVE(TV Mix)
メジャー時代に時々楽曲提供を行っていたKUZUKI作曲による、浮遊感ときらびやかさを持ったサウンドが印象的なミドルポップナンバー。同じくKUZUKIさん提供のシングル曲、「White Silent Night」と同じベクトルを持っているかもしれません。
当時のSHAZNAのパブリックイメージ王道と思われる(そして当時のV系としては異端だった)、甘いメロディーやシンセ主体のダンサブルなアレンジですが、今聞いても案外古くなっていないというか、下品になり過ぎない甘々具合をギリギリで攻めている印象を受けます。
IZAMのもったりしたボーカルが、その甘さを過剰にしてしまっていた部分はありますが、まぁそこ含めて彼らの色というか。基本的にシンセ主体のアレンジですが、ソロを始めとするGuitarのフレーズが、開けたファンタジックな印象なのも好み。
タイトルには「〜TV Mix」とありますが、この後出たアルバム『Pure Hearts』には、こちらが主体となったミックスが収録されていることから、事実上はこちらがメイン、ということなのでしょう。2000年のベスト盤『OLDIES』にも、『Pure Hearts』のテイクが収録されたため、何気にシングルバージョンが聴けるのは、活動再開時に出た『SINGLE BEST』だけだったりします。

02. NIGHTMARE
重苦しいバンドサウンドが前面に出たダウナーなスローナンバー。
バンドサウンド主体であることや、歌メロのキャッチーさが薄いことなどから、カップリングという位置を考えても、当時のSHAZNAにしては珍しいタイプの楽曲だったのではないかと思います(「das Spiel」みたいなインダストリアル寄りのはあったけど)
ざっくりした印象として、LUNA SEAがカップリングやアルバムでやりそうな曲といった感じなのですが、インディーズ初期のSHAZNAは、それこそ90年代インディーズの王道である、LUNA SEA影響下を思わせる楽曲が主体だったわけで。そう考えると、本人達にとっては、割りと自然に出てきた楽曲だったのかもしれません。

03. PIECE OF LOVE(Natural Version)
表題曲の別バージョン、というかタイトル的にはこちらがオリジナルに近いのでしょうか。
「〜TV Mix」と対照的に、ギターが前に出たアレンジになっており、歌メロは一緒にも関わらず、耽美な雰囲気が一気に強まったことに驚かされました。
バンドサウンド主体だから素晴らしい、などと安易なことは言いませんが、ダークな色を持ったポップロックに変貌したこちらのバージョンも、甲乙つけ難いところがあります。ギターソロがまるっと変わっていますが、こちらもカッコ良いのですよ。
アレンジ1つでここまで受ける印象が異なるとは。当時のダンサブル・ニューロマ路線の楽曲は普通に好きなのですが、こちらのアレンジを主体にしていたらどんなアルバムが出来ていたのだろう、というifの予想をしてしまいます。

***

取り敢えずNIGHTMAREを回収……といった感じで、割りと最近手に取ったら、3曲目がことの他ツボに入るという嬉しい誤算だったシングル。
その2、3曲目は現時点でもアルバム未収録なので、後追いで集めている方は気にしてみて良いかもしれません。

Piece of LovePiece of Love
SHAZNA

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