yazzmad『yazzmad』(2011)

01. さよならブルー
02. 烏が鳴いた
03. その愛を
04. 遠遥
05. ウィズアウト。
06. ユートピア

作詞 01〜04、06:yazzmad
全曲作曲・編曲:yazzmad

発売日:2011/06/22
品番:TSBR-003

Members
Vocal:ナオキ
Guitar:健希
Bass:巧
Drums:裕哉


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2015年10月に解散したyazzmad。本作は2011年にリリースされた1stミニアルバムになります。
当時のベーシストとドラマーが参加した最後の音源ということや、この後のサウンドの変遷と合わせて、ここまでがバンド第1期として区切られているのだったかな?
1曲目「さよならブルー」は、ラウドなイントロから一転して、切ないサビメロを乗せ疾走する流れが鮮烈なナンバー。当時、この曲の入った配布サンプルCDで彼らを知ったのですが、サビのみならず全編に渡って繰り出される切なメロと、ボーカル:ナオキのハスキーボイスが強烈な印象を残した覚えがあります。
本作中におけるアップテンポな楽曲はこれのみと言って良いのですが、オープニングに配置されたことで全体の流れに引き込む役割も果たしているのではないでしょうか。
こちらと「ユートピア」は、ラストCD『the strange bloomer』(2015)でリメイクされています。

続く「烏が鳴いた」「その愛を」は、後の彼らの音から遡るとやや意外にも思えるようなダークでダウナーな楽曲が連なっている印象。特に「烏が鳴いた」は、恨みを吐き出すようなボーカルと和の要素も感じるドロドロとした演奏となっており、変な言い方ですが、彼らの中では分かりやすく「ヴィジュアル系」っぽいような(笑
この後のyazzmadは、ハートフルボッコな形で痛みを表現していく印象があるのですが、この辺りは歌詞と曲調が合致しており、彼らなりの初期衝動が表れた楽曲といえるのかもしれません。

「遠遥」は、軽やかなアレンジに切ないメロディーが乗るミドルポップナンバー。
この時点での印象はやや薄かったのですが、フルアルバム『picturesque』(2013)の再録バージョンでは音の隙間を活かしたアレンジになり、楽曲の魅力が引き出されたように思えます。そういった意味で、彼らの王道へ繋がる1曲なのではないかと。

SEの「ウィズアウト」を挟んだラスト「ユートピア」も、この後の楽曲で強みとした痛みを含んだ歌詞が乗った温かいメロディーが映えるバラードとなっています。これを書いている現時点では、こちらのバージョンの印象が強いのですが(私の聴き込みの問題ではあるのだけれど)、コーラスが強化された『the strange bloomer』のリメイクバージョンも甲乙付けがたいです。

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聴いた当初は最初と最後にピークがある印象だったのですが、改めて聴き返すと中盤も良い流れを持っていたことに気付かされました。
リメイクされた曲とそうでない曲とで、楽曲の色がハッキリ分かれている(ような気がする)こともあり、強みを模索していた時期だったのかなと思わせられますが、そこも含め当時の集大成的なアルバムと言えるのではないでしょうか。

解散前にもう一度だけライブ見たかったなぁ



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