Japan『Quiet Life』(1979)

01. Quiet Life
02. Fall In Love With Me
03. Despair
04. In Vogue
05. Halloween
06. All Tomorrow's Parties
07. Alien
08. The Other Side Of Life
09. All Tomorrow's Parties (12-inch version)
10. All Tomorrow's Parties (7-inch version)
11. Foreign Place
12. Quiet Life (7-inch version)
※09〜12:再発盤収録ボーナストラック

Bonus Video on CD-ROM(再発盤収録)
・Quiet Life

作曲 01〜05、07〜12:David Sylvian/06:Lou Reed
全曲編曲:Japan

Members
Vocals、Occasional guitar:David Sylvian
Bass、Saxophones:Mick Karn
Drums、Percussion:Steve Jansen
Synthesizers、Keyboards:Richard Barbieri
Guitars:Rob Dean


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1979年にリリースされたJapanの3rdアルバム。
2004年にリマスター再発された際、ボーナストラックとしてアルバム曲のシングルバージョンやカップリング曲、表題曲のMVが加えられており、これ以降の再発盤はこの2004年のバージョンが元になっているようです(参考:Wikipedia 私の手元にあるのは2006年に再発されたもの)。

前年にリリースされた1st、2ndアルバムは、ファンク要素を荒く混ぜたロック(でもそんなに明るくない)という印象が強いのですが、本作では空間を漂うようなキーボード、シンセサイザーが前に出た耽美なエレクトロポップ路線に一気に舵を採っており、前2作ではがなり気味だったDavid Sylvianのボーカルが、日本のV系以前〜草創期に影響を与えたであろうヌメりある低音に特化した点や、Mick Karnの動きまくるベースの旋律が目立ってきた点など、後のキャリアにおける各メンバーの特長も、この時期に顕現してきたと言えるかもしれません。
バンドとしての「顔」が見えやすくなった、と個人的に思っているアルバムです。

構成としては、ループするシンセの音色と軽快なリズムが耳に残る表題曲「Quiet Life」、本作の中ではロック寄りのアレンジながら、終始気怠く仄暗い印象の「Fall In Love With Me」、穏やかに浮遊するようなアレンジの「Halloween」「All Tomorrow's Parties」のカバーといったポップ寄りの楽曲と、「Despair」や本編ラストの「The Other Side Of Life」のように、耽美な旋律のピアノを交えてダウナーに振り切った楽曲が半々ずつといった印象。本編の後ろ2曲が後者の路線のため、よりダークな聴き心地にはなりますが。
また、本作には未収録なのですが、同時期に制作されたシングル「Life in Tokyo」「European Son」といった、同路線でポップな楽曲もあるため、気になる方はベスト盤などを(時系列的には「Life in Tokyo」が先に作られている為、その路線が本作へ繋がっていったのだと思いますが)。

この後、より耽美な色を強めた次作『Gentlemen Take Polaroids』(1980)、西洋から見たちょっとズレたアジア・中華観をそのまま音としきったようなラスト作『Tin Drum』(1981)と、短い活動期間中に変遷したバンドですが(ボーナストラックに入っているインスト「Foreign Place」は、その中華っぽさが顔を出した楽曲だと思う)、本作は時期的にも楽曲傾向的にもその軸となるアルバムだと思うので、程よくポップで根暗な本作を起点にして、広げてみるのも良いかもしれません。


2006年再発盤