楽曲編に続き、こちらではアルバム単位で気に入ったものを取り上げていきます。

10
ZABADAK『ここが奈落なら、きみは天使』


全曲歌モノで、全体にやや大人しい印象もありますが(コブシの効いた「相馬二遍返」のアレンジはエネルギッシュ!)、楽曲編でも触れたように中盤から後半にかけての流れが好み。
長尺インスト主体の前作『夏秋冬春』とセットで聴くと、両作の魅力が引き立つかもしれません。
……実は初めてリアルタイムで聴けたアルバムだったりする。




9
HURDY GURDY『虚言癖の蝶と不眠症の赤い月』

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厳密には再発盤ですが、未発表曲・未発表バージョン大量収録ということでこちらに。
中心人物:レアが現在活動している地獄絵でも感じられる王道砂利要素が、こちらでは全開になっており終始ニヤニヤが止まりませんでした。
2010年代半ばになってこういうサウンドに出会った、という意味ではGravelを知った時の衝撃に近いかもしれません。


8
VELVET EDEN『blanc et noir』


インダストリアルばりの攻撃性や、歌謡曲的メロディーを前面に出した楽曲など、前作の感想で述べた「攻めの姿勢」がそのまま結実したような作品。




7
dieS『SOUND MASTURBATION』


2nd『VICTIM』より前のシングル曲、会場限定販売・配布曲を中心にボーカルを再録、リミックスを行ったベスト的アルバム(公式では3rd表記)。アルバム未収録で廃盤となっていた楽曲が集まっているのは、後追いで知った身としては嬉しい。
アッパーに盛り上げる楽曲も勿論好みですが、ミドル〜バラードが続く流れでも引き込んでくれるのは、ダークなアレンジながらも、大衆性のあるメロディーを大事にしているからなのではないでしょうか。


6
minus(-)『G』


2ndミニアルバム。
まずはダンサブルに上げて行く楽曲のインパクトが強く、前作の傾向とは間逆な印象すら受けますが、3曲目のような耽美なポップチューンも効いています。誤解を恐れずに言えば、再結成時のSOFT BALLETを感じさせる楽曲もあったり(こんな言い方は中の人達に怒られそうだけど)。
ブックレットのクレジットはユニット名義での作曲ながら、CINRA.NETでのインタビューによると、本作は森岡賢が作曲、藤井麻輝がプロデュースという体制だった、というのも作風に現れているのかもしれませんが、このユニットに関しては変にイメージを固めず、その時々の音を楽しんでいくスタンスが良いのかもしれません。




5
yazzmad『the strange blooomer』

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過去曲のリメイクと新曲3曲ずつで構成されたラストアルバム。
過去曲がそのアレンジや配置によってまた違った魅力が引き出されたり、ここにきて新曲にも新たな衝動性を感じたりと、まだまだ彼らの作る音を聴いていたかったと思わせられます。




4
Sound Horizon『Nein』


5年ぶりのStory CDは公式2次アンソロ集でした。いやマジで。
完全限定盤が諭吉一人分だったり、パッケージが某シュレディンガーのにゃんボックス仕様だったり(冗談抜きで子猫1匹入る大きさ)しますが、現時点で私は「阿漕なのは分かるけど、金出しちゃうんだよねぇ(c伊集院光)」な状態なので……まぁ、うん。
聴く側としてもドラマCDを聴くような準備になっているのですが、どんな展開になろうとキャッチーな歌メロを放り込んでしまうのは流石としか言いようがありません。




3
KAMIJO『Royal Blood -Revival Best-』


過去の在籍バンドの楽曲をリメイクを中心としたセルフカバーアルバム。
過去の活動期間から満遍なくセレクトされており、メジャー在籍時の音源からの選曲のみだった、直前に出たオールタイムベストよりオールタイム感はある気がします(笑
個人的に、NEW SODMYや後期LAREINEは飛び飛びでしか聴けていないのですが、その辺りの時期のリメイクもすんなり入ることができました。本作のために近い時期にアレンジされているからなのは勿論でしょうが、昨年の10選でも述べたように、世界観・メロディー共にクサさを突き詰める方針がブレていないからなのだろうと思わせられます。




2
highfashionparalyze『人は様々な自虐の唄を鳴らす』

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ほぼギターとボーカルのみなのに、ここまでグロテスクな音になるとは。
そのスタイルや曲タイトルも相まって、「音で表すスナッフフィルム」な印象もあったのですが、聴き込むに連れて、これは怪物の歌うラブソング集なのではないかと思えてきたのでもう色々と末期なんだと思います。
現在はリズム隊が加入し、gibky gibky gibkyとして活動中。
2月のアルバムがどうなっているか楽しみです。


1
rice『Genesis』


数年おきのアルバムリリースペースがデフォだったのが、前作から5ヶ月というハイペースで出たのにまず驚かされました。
だからという訳ではないでしょうが、楽曲構成も安定した歌唱と伸びやかなメロディーは維持しながら、勢いのある楽曲の割合が前作より更に増えてきたように思えます。リリース時点で活動14年を迎えていますが、ここに来て更に脂が乗ってきているというか。
また、こちらも前作から気付いたことですが、歌詞やライナー(今回はゲスト参加の声優によるナレーションという形)において、故・華月(Raphael時代のギタリスト・メインコンポーザー)について触れた内容が増えており、製作者側の意識ではRaphael→riceがシームレスで繋がっていた事に、今更ながら気付かされました。
単曲単曲ポップスとして完成されていますが、出来ればアルバム1枚通して聴いておきたい作品。



***

次点として、emmuree『窓の外は、カァニバル。』、ALI PROJECT『快楽のススメ』などが好みに入ったアルバムでしょうか。
……後、無料配布ながら色々とインパクトが凄かったZ-RAYDのミニアルバム『おててぱんぱん太郎のぷにぷに記録』も。

昨年に比べ旧譜を聴く割合が大きかったこともあり、新譜の購入数はあまり多くなかった年だった印象があります。その為か良くも悪くも自分の中で突き抜けた1作! というのは無かったのですが(上位4、5作が団子状態なイメージ)、それはそれで改めて魅力に気づけたりしたので良かったのかな。
2015年中のリリースで気になりつつも、まだちゃんと聴けていないのも多いのですが、変に義務感で急いで聴いてもアレでしょうし(シーンの俯瞰や分析は他の優秀な人がやってくれる! と丸投げ)、今年も娯楽の1つとして自分のペースでのめり込んでいければなぁと。