HURDY GURDY『虚言癖の蝶と不眠症の赤い月』(2002、2015)

DISC 1
01.holy grave
02.BLUE SHADE
03.EDEN
04.HCL
05.「D」less Sleep〜虚言癖の蝶と不眠症の赤い月
06.骸の花
07.unholy grave
08.グロテスク
09.EDEN(demo tape version)
10.(シークレットトラック)

※08〜10:再発盤収録ボーナストラック

DISC 2 (再発盤Aタイプのみ)
01.holy grave(demo)
02.BLUE SHADE(demo)
03.EDEN (eve)(demo)
04.H2SO4(demo)
05.Dreamless sleep(demo)
06.骸の花(demo)
07.グロテスク(demo)
08.EDEN(adam)(demo)
09.藍と紅(HURDY GURDY version demo)
10.(シークレットトラック)

作詞 DISC1-02〜09、DISC2-02〜09:レア
作曲 DISC1-01〜03、05〜09、DISC2-01〜03、05〜09:レア / DISC1-04、DISC2-04:シキ、レア

発売日:2015/01/25 (再発盤)
品番:gimmick05-06CD (再発盤)

Members
voice、synth & a.c.guitar、produce & art work:レア
guitar:シキ
guitar:ナユタ
bass:葉月
drums:yui


***

地獄絵、SCISSORS GARDEN等で活動するレアが、一度地獄絵が解散した後に結成していたHURDY GURDY。本作は、2002年にリリースされたミニアルバムのリマスター再発盤。現時点でオリジナル盤は手元に無いのですが、オフィシャルサイトによると、当時50枚だけ生産されたようです。
再発盤は、Aタイプ・Bタイプ共通の仕様として、オリジナル盤収録曲(01〜07)にボーナストラックを追加。Aタイプの方には、各曲のデモ音源と未発表曲を収めたボーナスディスクが付いています。
当時の販売形態は、レアさんへのメールorTwitterにて通販受付、その後余った分を通販・ライブ会場でも販売、という流れでしたが、今でも在庫があるかは良く分かりません(一応完売告知はされてないようですが)。

また本作については、レアさんのブログにて全曲解説がなされており、この後のgdgd文より魅力が伝わりやすいかと思われます(※楽曲情報などを参考にさせて頂きました)。
HURDY GURDY 「虚言癖の蝶と不眠症の赤い月」全曲解説 (怪奇骨董空箱)


地獄絵については、全ての音源を追えていないと前置きした上で、90年代後半におけるダークでベタなV系要素と、湿り気あるゴス・ドゥーム色が融合していると思っているのですが、今回取り上げるハーディガーディは、前者の方に接近したのだな、というのがざっくりした印象。
メロディアスにテロテロ引っ張るギター、軽めのドラム、ベタッとした歌い方など、2000年前後に沢山居た所謂「ジャリバン」を強く想起させるもので、再発盤とはいえ、2010年代にこういった作品に出会ったのは結構な衝撃でした。

LUNA SEA直系の教科書的メロディアスチューンをレアさんなりに作ったらこうなった、的な「BLUE SHADE」、「EDEN」、「骸の花」や、リズムがツタツタいうこれまたベタな発狂曲「HCL」、「グロ・テスク」など、時間が巻き戻ったような感覚に襲われます。
DISC2のデモバージョンの方は、基本リズムが打ち込みなのですが、地獄絵のイメージからするとこちらの方が聞きやすかったり(笑

対して、実質的なタイトル曲に当たる「「D」less Sleep〜虚言癖の蝶と不眠症の赤い月」や、DISC2収録の「藍と紅」は、構成はミドルテンポの歌モノでありながらも、全体に漂うジメッとした雰囲気がレアさんカラーでしょうか。特に「藍と紅」は地獄絵時代から存在した楽曲ということなので、そういう印象が強いのかもしれません。

更に、各ディスクにはそれぞれシークレットトラックを収録。
DISC1収録の「DUMMY(studio live)」は、Oi声を交えたシンプルなフレーズの反復を経てサビで歌い上げるパンキッシュな楽曲。DISC2収録の「 BLIND MICE(demo)」は、シャウトメインの煽りを主にした2分程の楽曲ですが、途中低音でまくし立てるパートの歌詞が、地獄絵の音源・曲タイトルを羅列したものとなっている点に遊び心が感じられます。

リマスターされているとはいえ音質面はそれなりですし、自主制作でも結構な音源が提供されている現在において、若いV系リスナーがどれだけハマるのかは正直保証しかねるところはあります。私自身も、地獄絵活動停止中にこういうアプローチをしていた事へのに驚き、という背景的な部分を加えて聴いている所は否めません。
それでも、個人的には終始ニヤニヤが止まらず楽しめたのは事実。中の人的に気恥ずかしさもあるようですが、蔵出しアーカイブのような形でリリースされた事は素直に嬉しいです。
地獄絵好きな方も面白く聴けると思いますが(ゴス・ホラーサントラ色が強いSCISSORS GARDENのイメージで入るとちょっと辛いかも)、往年のジャリバン好きには強くお勧めしたい作品となっています。


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地獄絵・SCISSORS GARDENオフィシャルサイト