highfashionparalyze『人は様々な自虐の唄を鳴らす』(2015)

01. 脳内に
02. 下から舌へ
03. 掌る肉
04. 頭蓋、紛い
05. 箍を外す場合、穴に群れる具合
06. grotesqueに明らか
07. 管
08. 劇中劇

発売日:2015/02/06
品番:PMHF-002

Members
vocal:kazuma
guitar:aie


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2011年の1stシングル以来のリリースとなった、highfashionparalyzeの1stアルバム。現時点でライブ会場及びzoisite通販で販売されています。
本作リリース時点ではkazuma、aie二人の編成でしたが、後にリズム隊にsakura(ドラム)、kazu(ベース)が相次いで参加し、現在はバンド名義をgibkiy gibkiy gibkiyにして活動しています。

シングルでも提示された、ザラついたギター一本をバックにkazumaさんのドロリとしたボーカルが乗るという、シンプルながら緊張感のあるアレンジは本作にも引き継がれていますが、本作ではボーカルを重ねたり、曲によってはギター以外の音が入ったりと、限りなく一発録りに近かったシングルに比べ、少しだけ音が整理された印象を受けます(1stシングルでは、ノイズが音割れに近い域まで達しているような瞬間もあり、作り手の意図を越えた聴きづらさが出ているようにも思えたので)。
その為、aieさんのギターも耳に残りやすく、1曲目「脳内に」のように、ダークな中に叙情的なフレーズを織り込んでくる楽曲が主張するようになり、サビで穏やかに物悲しくなる歌メロにも、前後の怨嗟の声のような歌い方との押し引きの妙を感じます。「管」も、穏やかな歌メロが印象的であり、ネットリしてるのに滑舌が良いというkazumaさんの特長を堪能できるバラードになっています。歌詞が聴き取りやすくなったことで、各曲タイトルに散りばめられた単語から想像されるような、血生臭い言葉選びも入ってきやすくなったため、その辺やはり好みは分かれそうですが。
(本作は歌詞ブックレットが付いていないのですが、通販した際、メンバーのサイン入りカードが付属しており、(恐らく)kazumaさんのサイン横に一言だけ「呪い込めて」と「管」のサビの一行が書かれていました。そこも併せて、同曲で繰り返されるサビが耳に残っているのかもしれません)

対して、キリキリとしたノイズをバックに全編朗読で通す「下から舌へ」、規則的なリフから一気に暴れる展開の演奏を、呻きとシャウトが蹂躙する「箍を外す場合、穴に群れる具合」といった、静と動、両極端に振りきれたカオティックさを増した、聴き手のMPを容赦なく削りにかかる楽曲の存在感も健在と言えるでしょう。「箍を外す場合〜」は、途中途中でホイッスルの音が挿入されるのですが、入ったところで華やかさなど一切なく、逆に不穏さが増すというのがまた。
個人的に、この「箍を外す場合〜」と「管」の2曲が、対照的ながらも印象に刻まれた楽曲になります。

先に「血生臭い」と表現したように、聴き始めたばかりの印象は「聴くスナッフフィルム」というものだったのですが、何度か聴く内、これは怪物による(倫理観が違うなりに作った)ラブソング集なのではないかと思えてきたのは、色々まずい気がする(笑
激情的に歌い上げる、ラストの「劇中劇」を聴くと余計にそう思うのですが、どうなんでしょう。

アレンジ・ボーカルともに好き嫌いはハッキリ別れるでしょうし、個人的にも普段使いの音楽にはならないのですが、それだけにこのシンプルで張り詰めた感じが癖になる。
ポップスの構成を守っている曲と、そこから割と距離をとっている曲とによって、構成にメリハリが生まれたため、人によってはシングルの時より聴きやすいと思うかもしれません。

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