MAZOHYSTERIA『Dark Loves Dark』(1997)

01. BESTIAL BLUSTER
02. GIMME GIMME KISS
03. RELEASE yourself
04. 桃源郷
05. Dark Loves Dark
06. Just Open My Eyes
07. bell fleur〜綺麗な花〜
08. CYBER MAD SHOW〜CLIMAX MAD RAVE for you〜
09. UNHAPPY END
10. Dark Loves Dark〜never ending IV〜
11. Dark Loves Dark〜never ending II〜
12. Dark Loves Dark〜never ending VII〜
13. POISON〜Friday Version〜

作詞 01、03、05〜09、13:AZUSA / 02:鎌田昌郎 / 04:宙也
作曲 01、04、07、08、13:NITTA / 02:鎌田昌郎 / 03、05、11、12:遥 / 06、09:RUIJI
全曲編曲:MAZOHYSTERIA

発売日:1997/04/21
TCCN-30033

Members
Vocals、Guitar Solo(01):AZUSA
Guitars:NITTA
Guitars、Keyboard(05):遥
Bass、Keyboard(02):RUIJI
Drums:Toshi

Keyboard(08):TOSHIO EGAWA
Violin(04、07):Arise
Bass、Programming(07):TAKASHI"patch"KITAGUCHI


***

emmureeのハルカ(遥)、THE DEAD P☆P STARSのRUIJIらが在籍していたMAZOHYSTERIA。本作は1997年にリリースされたフルアルバムになります。
Gerardのメンバーがゲストプレイヤーとして参加していたり、元Loops、De-LAXの宙也が歌詞を提供したりと、何気にサポート周りが豪華だったり。
気になる点を先に述べてしまいますと、本作にはアルバムタイトルをつぶやく20〜30秒のSE「Dark Loves Dark〜never ending ○〜」が3バージョンあるのですが、それらがまとめて10〜12曲目に集められているのがちょっと解せないでしょうか。他曲と録音クレジットが異なっている、ラストの「POISON〜Friday Version〜」(音質もちょっと違うような?)をボーナストラック扱いにしているのかもしれませんが、「POISON」自体、曲間の無音部がやや長めにとられていますし、変な感じは拭えません。
勝手な想像ながら、本来アルバム各所の繋ぎとして散らされるはずだったSEトラックが、制作上の手違いで1ヶ所に入ってしまったのではないかと思うのですが、どうなんだろう。

楽曲の話に入りますと、1曲目の「BESTIAL BLUSTER」から野太いコーラスを交え突っ走っており、本作より前に先に聴いていたオムニバスでのイメージと違わない攻撃性を感じますが、次曲の「GIMME GIMME KISS」からいきなりポップな曲調となり驚かされます。「GIMME〜」で楽曲提供をしている鎌田昌郎は、プログレバンド:TERRE PIERCEのメンバーでGerardにも参加経験がありますが、この曲自体は90年代V系バンドの王道ポップチューンといった感触。「Just Open My Eyes」もポップ色が強く、勢いだけのバンドではないことを印象付けられます。
AZUSAのボーカルは、極端に下手ではないものの癖の強さを勢いでカバーする、良くも悪くも当時のスタンダードなタイプなので、こういったメロディアスな曲では厳しさも感じます。演奏自体は音質面含め安心して聴けるものなので、余計に目立って聴こえる部分はあるかもしれません。

バイオリニストがゲスト参加した「桃源郷」は、ファンキーなリズムと拍子をコロコロ変える構成により、ヤンキーV系とプログレが融合したような楽曲になっており、今振り返っても面白さを感じられるのではないかと。
アンミュレから遡って、という意識でハマったのは、遥作曲のタイトル曲「Dark Loves Dark」と、RUIJI作曲の「UNHAPPY END。前者はピアノが効いた耽美なバラードで、ボーカルが変わればemmureeでも通じそうなアレンジ。後者は、初期BUCK-TICKを髣髴とさせる、シンプルな音数ながら薄暗さを感じるゴシックパンク調のポップチューンとなっています。

他にも、永川敏郎がキーボードで参加した「CYBER MAD SHOW〜CLIMAX MAD RAVE for you〜」や、前述の「POISON」のような、攻撃性とともにサイバーなアレンジが施されたデジロック、LAREINEっぽさすら感じられる、フレンチボッサ歌謡「bell fleur〜綺麗な花〜」など、当初のイメージ以上に幅広い楽曲が揃っています。初聴時、「bell fleur」には本当に驚かされました……(笑

メジャー流通の単独音源という事もあり、当時はプログレ人脈のゲストがウリだったのかとも思いますが、結果的には、メイン作曲者のNITTAをはじめ、楽曲の引き出しの多さを感じられるアルバムになった印象があります。同時に、アルバム全体で見るとややとっ散らかった感じも。先述したSE3曲の配置が違えば、また違って聴こえた可能性はありますが。
所属していたアナーキストレコードのイメージ通りな、攻撃的でポップなノリは勿論のこと、現在のメンバーのキャリアに通ずるところもあり、逆に驚かされるところもありと、90年代V系幕の内弁当的アルバムと言えるかもしれません。

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MAZOHYSTERIA

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