V.A.『HOLD YOUR KEY 鍵を握れ1999』(1999)

01. NeiL / LEVEL:E
02. Aliene Ma'riage / SUICIDE
03. Rapture / 悲しくて…
04. NOi'X / Rushed Blue
05. Missalina Rei / 桜花乱舞
06. Eliphas Levi / 硝子の中の人形
07. DEFLOWER / 黒き華(死セル種)
08. SPEED-iD / METHOD TO KILL

発売日:1999/02/24
品番:ELCR-10017


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2000年前後に存在していたV系レーベル、KEY PARTY所属バンドの楽曲を集めたオムニバスアルバム。
既発音源からの収録と、(再録を含む)新曲が半々ずつの構成となっています。


01. NeiL / LEVEL:E
作詞:DAISUKE 作曲:NeiL

ミニアルバム『CLOUD〜SCREEN OF MIND』(1997)より。
レーベル所属バンドの中では、王道を踏みつつも比較的硬派なイメージが有りましたが、こちらは、イントロのベースソロをはじめシャープでスリリングな印象を与えられる疾走曲となっています。タイトルと同名の漫画がありますが、そこから採ったんでしょうか。
ボーカリスト:DAISUKEの声は粘りつくような低音が特徴で、同時期のバンドで言うとMerry Go Roundが近いかな? そのねちっこさが、楽曲の疾走感をやや削いでいるようにも思えますが、ボリュームと安定感はあるので、時間が経っても(経ったからこそ?)普遍的な格好良さを感じられるのではないでしょうか。
ベーシスト:TERUHIKOは、現在bastard、Rabbit of Labyrinth等で活動しています。

02. Aliene Ma'riage / SUICIDE
作詞・作曲:Aliene Ma'riage 編曲:SHINOVI SHINOZAKI

ダークでコテコテなビジュアルと、激しい楽曲がマッチし、当時急速にレーベルの看板バンドとなった感があるアリエネマリアージュ。ボーカリスト:狂華は、現在INSANITY INJECTIONで活動しています。
こちらは、ライブでの逆ダイループの光景が浮かぶ、激しい曲調にシャウトの応酬が乗った、所謂発狂チューン。後のアルバム『Les Soiree 夜の舞踏会』(1999)に収録されているものとは異なるバージョンで、イントロ・間奏が短く、アルバム版のほぼ半分の尺となっています。
この曲がCD音源としては初なのですが、この時点ではデモテープ期の音の軽さが残っており、バンドの特長といえる狂華さんの金切りシャウト含めてまだ迫力不足な印象。間奏のたたみ掛けるようなギターソロは格好良いのですが、逆にここだけが浮いてしまっているように聴こえるのがもどかしい(このソロパートだけ、メンバーではなくSPEED-iDのMARQUEEが弾いているように聴こえるんですが、どうなんだろう)。
個人的に、アルバムの方を先に聴いたため、余計にジャリ度が増して感じられたのかもしれません。

03. Rapture / 悲しくて…
作詞:KEITO 作曲:真雪

ミニアルバム『永遠の眠りの中で…』(1998)より。
ボーカリスト:KEITOは、前身バンド:LA VALLIEREのシングルを聴いた限りでは低音寄りの歌い方でしたが、Raptureでは高音ボーカルにシフト。ただ、その方向転換がまだ馴染んでいなかったのか、終始苦しそうな歌唱なのがちょっと聴き心地悪いでしょうか。
楽曲自体は、クリーントーンのギターによる、程よくファンタジックで開けたアレンジが心地よいポップナンバーとなっており、低音で歌ったからといって、良さが殺されるような楽曲ではないような気がするのですが。

04. NOi'X / Rushed Blue
作詞:SHINA 作曲:RYOTA

1stアルバム『CROiX』(1998)より。
ベースソロから始まる王道疾走曲、という点ではNeiLと似ていますが、こちらはギターも主旋律として主張しておりメロディアスさが強調された印象で、サビにおける、そのギタリスト:RYOTAの野太いコーラスと、ボーカリスト:SHINAのオネエ寄りの歌唱でハモるキャッチーなサビも心地良い。
NOISY CROWDSから改名後、最初の音源からの収録ですが、1曲選ぶならば確かにこれだろう、と納得感ある選曲だと思います。
SHINAさんは現在、再結成NOISY CROWDS(メンバーは異なる)や、ヴィジュアル系演歌歌手TAKASHI等で活動中。

05. Missalina Rei / 桜花乱舞
作詞・作曲:彩

2ndミニアルバム『虹色した飴玉のもたらした幸福なひと達の生誕からその顛末まで』(1998)より。
ミサリナレイと言えば、ボーカリスト:ありすがわありすの豊富な語彙による詞と、それとは対照的に人を喰ったような歌い方が特徴だった気がしますが、この曲に関しては作曲者であるベーシスト:彩が作詞も手がけており、前者の要素はあまり感じられないかな?
タイトル通り、和の要素に寄ったメロディーが顔を出すミドルポップナンバーですが、単曲だけ取り出されると、鼻にかかった地声ボーカルが悪目立ちしてしまっている感が否めず。これに関しては、オリジナルのミニアルバムで聴いた方が、初期の彼らの色を把握しやすいかと思われます。

06. Eliphas Levi / 硝子の中の人形
作詞:Kei 作曲:Camus

アリエネと同じく、コテコテなビジュアルからのイメージと楽曲が合致していたと言えるバンド。
こちらも軽いドラムと、クラシカル・ホラーな印象のメロディーを奏でるギター・シンセが主体、サビではツタツタ疾走という、彼らの王道といえる耽美ジャリナンバー。
ボーカル:Keiはシャウトを含め、歌唱がやや弱いというか癖が強いのですが、本曲に関しては、その歌い癖が単独音源に比べ控えめに思えるので、そういう意味でもオムニバスに収録されたのは正解だったかもしれません。

07. DEFLOWER / 黒き華(死セル種)
作詞・作曲:可憐 編曲:SHINOVI SHINOZAKI

デモテープ『死セル種』(1998)収録曲の新録バージョン。後に名義をNoir fleurirに変えてからも、同じ曲のリメイクを何度か行っていたバンドですが、本曲もその例に漏れず、この後の単独音源で二度程再録されています。
こちらも、フォーマットとしては当時の王道を行くダークなジャリバンですが、そのアレンジにスパニッシュ要素を持ち込んだことで、飛び抜けた個性を手に入れてしまったバンド。お世辞にも音質は良いとはいえず(本オムニバスの中でも特に音が籠っているような)、楽曲の構成もAメロとサビの繰り返しがメイン。なのですが、スパニッシュ風味な旋律のギターや、ベーシスト:KENGOによる、滑舌が幼い合いの手コーラス等によって、妙に不気味な中毒性を纏った楽曲になった印象です。
今聴いても、このヘンテコ感が未だに味わえるのは単純に凄い。

08. SPEED-iD / METHOD TO KILL
作詞・作曲:H.L.EURO

個人的SPEED-iDおふくろの味な一曲。
以前単独で書いた記事がありますので、そちらを御覧下さい。
SPEED-iD20周年を勝手に祝う (7)「METHOD TO KILL」『HOLD YOUR KEY 鍵を握れ1999』(1999)

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今振り返るならば、ジャリバンスキーな方にお勧めということになるかもしれませんが、メジャー感のあるNeiL、NOi'X(実際ネイルはメジャーデビューしましたね)、所属バンドのサウンドプロデューサーを兼ねたEUROがいながら、音自体は他と違った位置にいたSPEED-iDなど、回顧ばかりではない面白さも持っているアルバムかと思っています。
あと好き嫌いは置いておいて、DEFLOWERは一度聴いて欲しい(笑)

オムニバス
日本クラウン
1999-02-24