V.A.『HOLD YOUR KEY=DUAL SHOCK VERSION / DIRECTORS CUT=』(1999)

01. NeiL(DAISUKE from NeiL) / Bastard
02. Aliene Ma'riage(狂華 from Aliene Ma'riage) / 蝕
03. NOi'X(SHINA from NOi'X) / 思郷病〜ノスタルジア〜
04. Missalina Rei(ありすがわありす from Missalina Rei) / 一九九九五三〇 草々
05. Eliphas Levi(Kei from Eliphas Levi) / -糸-
06. Noir fleurir(TERU from Noir fleurir) / 骸の肖像画
07. SPEED-iD(H.L.EURO from SPEED-iD) / HOLD YOUR KEY
08. NeiL / プラチナ
09. Missalina Rei / メルヘン遊園地
10. NOi'X / DARK SIGHT

※備考
()内:一般発売盤『〜DIRECTORS CUT』内名義
08〜10:一般発売盤『〜DIRECTORS CUT』のみ収録

配布日:1999/05/30
一般発売日:1999/08/11
品番:ELCR-10026P(配布盤)、ELCR-10026(一般発売盤)


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V系レーベル:KEY PARTYの2作目となるオムニバスアルバム。元々、前作オムニバスである『HOLD YOUR KEY 鍵を握れ1999』(1999)の裏ディスク的な扱いで、レーベルのイベントで配布されたCDが元なのですが、後にNeiL、Missalina Rei、NOi'Xの楽曲を追加し、一般流通盤としてリリースされた経緯があります。
配布盤と一般流通盤で共通する01〜07は、配布版が各バンド名義、一般流通盤がセッションバンド:GOD HANDS名義となっていますが、一部の細かい点を除き同じ音源が使用されています(因みに、その1〜7曲目までは、全てリズムが打ち込み)。
その辺の違い、またSPEED-iDの「HOLD YOUR KEY」に関しては、以前単独で記事を書いておりますので、そちらをご覧頂ければと思います。
SPEED-iD20周年を勝手に祝う (8)「HOLD YOUR KEY」『HOLD YOUR KEY=DUAL SHOCK VERSION=』(1999)


01. NeiL(DAISUKE from NeiL) / Bastard
作詞:DAISUKE 作曲:GOD HANDS

要所要所で何度も挿入されるシャウトが印象的な、ハードな疾走ナンバー。
楽曲としてはシャープな勢いがあり、DAISUKEの男らしい歌唱にも合っていると思うのですが、リズムが打ち込み感丸出しなため、この後の同系曲「プラチナ」に比べると、やや急拵えのデモ音源的な匂いがしてしまうかもしれません。

02. Aliene Ma'riage(狂華 from Aliene Ma'riage) / 蝕
作詞:狂華 作曲:GOD HANDS

歪んだギターをバックに、終始語りと叫びで構成された発狂チューン。
前作オムニバス収録の「SUICIDE」は、ライブでのノリどころ、盛り上がりどころが分かりやすく提示されていた印象ですが、こちらはひたすらに激しさを叩き付けてきており、ある意味上級者向けと言えるかもしれません。
こちらも今聴き返すと、打ち込みのドラムがやや迫力に欠ける印象を受けてしまいますが、曲としてのキャラ立ちは申し分ないかと。後に、シングル『Ma'ria』(2000)のセカンドプレス盤にて、ボーナストラックとして再録されたバージョンは、よりヘヴィでラウドな音使いとなっています。

03. NOi'X(SHINA from NOi'X) / 思郷病〜ノスタルジア〜
作詞:SHINA 作曲:GOD HANDS

正確なタイトルが打てませんでしたが、ブックレットでは「郷」は、郷の下に「心」が付いた表記となっています。
淡々としたリズムとシンセをバックに、これまた穏やかな歌唱が乗ったバラード。サビを含めて静かに進行するためやや地味な印象ですが、間奏のアコギが中東風なメロディーを奏でており、平板になりそうな楽曲のアクセントとして機能していると思われます。
バンドの単独音源ではやらないであろう部分を出してきたという意味では、確かに裏ディスク的な選曲と言えるのかも。

04. Missalina Rei(ありすがわありす from Missalina Rei) / 一九九九五三〇 草々
作詞:ありすがわありす 作曲:GOD HANDS

難読漢字を詰め込んだ歌詞を、これまた早口でまくし立てる疾走メロディアスナンバー。
基本的にギターソロ→Aメロ→サビを数回繰り返す展開なのですが、ちょっと和風なサビのキャッチーさと、ありすがわありすのふざけたような歌い方によって、やり逃げ的なインパクト(褒め言葉)を与えられます。早口過ぎて所々口が回っていないのはご愛嬌(笑

05. Eliphas Levi(Kei from Eliphas Levi) / -糸-
作詞:Kei 作曲:GOD HANDS

耽美なシンセと(打ち込みですが)軽めのドラムがメインの、エリファス・レヴィの王道と言えそうなミディアムナンバー。メロディーは、クラシカルというよりは歌謡曲的なクサさに寄っている印象ですが。
「思郷病」とアレンジがやや似通っている感があり、インパクトが大きかった、前後のMissalina ReiやNoir fleurirに挟まれたりと、位置的にやや地味になってしまったのは不運だったかもしれません。ナルシスティックな語りもしっかり入っており、決して没個性という訳ではないと思うのですが。
……ここまで書いて、ジャリ化したLA○EINE、あるいはオケがしっかりした賛○歌と捉えれば良いのでは、と思いつく(同意は求めません)。

06. Noir fleurir(TERU from Noir fleurir) / 骸の肖像画
作詞:Noir fleurir 作曲:GOD HANDS

前身バンド:DEFLOWERとして参加した、前作オムニバス収録曲「死セル種」を更にキャッチーにしたような疾走ナンバー。一般流通盤の名義では、ボーカル:TERUのみの参加扱いですが、ベース兼サブボーカル:KENGOの合いの手がしっかり入っていることからも、やはりバンド名義の音源として捉えるべきでしょう。
こちらも、掛け合い中心のAメロ→サビの繰り返しが主ですが、そこまで歌唱力があるわけでもないのに、そのスパニッシュなメロディーの引きの強さで聴き手を引き込んでしまうのがズルい。DEFLOWERでは、コテコテなジャリバンサウンドにスパニッシュなメロを持込み、Noir fleurirではそのメロディーにデジタル要素を大幅に加えていった印象ですが、本曲はその打ち込みリズムが味方となり、結果的に双方のいいとこ取りなサウンドになったと言えるかもしれません。
後のアルバム『黒き華の千年期〜真章〜』(2000)にて再録されます。

07. SPEED-iD(H.L.EURO from SPEED-iD) / HOLD YOUR KEY
作詞:H.L.EURO 作曲:GOD HANDS

前述の通り、こちらに感想を書いております。

08. NeiL / プラチナ
作詞:DAISUKE 作曲:NeiL

ここからが一般流通盤の追加トラック。
ツタツタした急ぎ気味のリズムによる切迫感ある演奏と、サビで歌い上げるボーカルが印象的な疾走ナンバー。
ネイルに関しては、聴いた当時はネチっこいボーカルと演奏の取り合わせがあまりしっくり来なかった覚えがあるのですが、年月が経ち好みが少し変わったのか、2010年代に入ってからより好みに入ってきたのが面白い。当時の王道を堅実に踏んでくれるのが嬉しいのかもしれません。

09. Missalina Rei / メルヘン遊園地
作詞:ありすがわありす 作曲:HIRO

この曲と次の「DARK SIGHT」は、カップリングツアーで配布されたスプリットCD『果実と美麗なる十字架』からの収録なのかな?(配布CDは聴けていない為、同一音源かどうかは未確認)
こちらは、メロディーに爽快感があった「一九九九五三〇 草々」とは対照的な、パンキッシュでダークなアレンジと、裏声交えたフワフワした歌唱が不気味な印象を与えられるミドルナンバー。やはり難解な漢字を用いた歌詞ながらも、妙に生理的嫌悪感を催す言葉選びが続くように思えるのは、タイトルとのギャップを狙ったのでしょうか。
彼らの代表曲? にあたる「トキメキ」と共に、MV集に入ってる楽曲だったりします。

10. NOi'X / DARK SIGHT
作詞:SHiNA 作曲:RYOTA 編曲:NOi'X

スローな出だしでタメを作り、一気にテンポアップするのが心地良い疾走メロディアスナンバー。サビではSHINAとギター兼サブボーカル:RYOTAのツインボーカルのハモリが聴けますが、主旋律を歌っているのはRYOTAさんというのがこのバンドらしい。
前作オムニバスに通じる王道感ある展開ながら、よりダーク・ハードな要素が増しており、この後リリースされた2ndアルバム『Deluge』(1999)を予告したような1曲になっているかと思われます。またこの曲は、歌詞を変更し「蝙蝠〜DARK SIGHT FROM MANIA〜」としてリメイクされ、『Deluge』に収録されました。
大人しめだった「思郷病」との対比もあってか、この曲を切っ掛けに一気にノアにハマったのを覚えています。

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追加トラックによって、異なる要素を打ち出せたMissalina ReiとNOi'Xが、結果的に優遇されたことになるのかな。Eliphas Leviや、レーベルのテーマソングを担う位置になったSPEED-iDは、やや色を出しきれなかったかもしれません。
贔屓目的なアレとして、「HOLD YOUR KEY」のフルバージョンが入った配布版も聴いて欲しい気持ちもありますが、入手し易さ・追加曲のお勧め具合等を考えると、やはり一般発売盤がベターと言えるでしょう。

HOLD YOUR KEY〜DUAL SHOCK VERSION/DIRECTORS CUT〜
オムニバス
日本クラウン
1999-08-11