『Dazzling light & Trick Shadows SP DAY1』@池袋手刀 2016-08-27

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LIGHT & SHADEの原徹が主催するライブイベント(通称:原フェス)へ行ってきました。今年は二日間開催だったのですが(私は1日目のみ鑑賞)、両日通しチケットが発売されるなど、本当にその手のフェスっぽい売り方をしていたのがちょっと面白い。

この日は開演前から人が非常に多く、転換時間中、前に詰めて欲しい旨のアナウンスが数度出たレベルの入り。自分がライブ無精ということもあるのですが、ここまでチョマンの手刀は初体験だったかもしれません。
原さん主催のバンド同窓会的な性格もあるのか、フロアの其処此処で出演者同士が楽しそうに話していたのも目に入りました。時間が進むに連れ、出番を終えた人達のYOPPARAI具合も進行していったようですが……笑

以下出演順に

・Velvet+Shade
Vo:TOHRU HARA(LIGHT&SHADE)
Gi:SHIGERU FUNABA(ex.LIGHT&SHADE)
Gi:HIROKI
Ba:DAIGO MIKAMI(LIGHT&SHADE)
Ba:HIDEKI TOKORO(ex.VELVET ENDROIT)
Dr:KATUYUKI AKAI(LIGHT&SHADE)
Dr:MASAHARU KAYAMA(ex.VELVET ENDROIT)


(手刀スケジュールより引用)

原さん中心による、半分本バンド、半分元VELVET ENDROITのメンバーとのセッションという位置づけでしょうか。
当初発表された布陣を見た際は、ツインギター+ツインベース+ツインドラムで、ステージに全員入りきるのかこれ……と思っていたのですが、蓋を開けてみると、原さん以外の楽器隊は、前半がライト&シェイド、後半がVELVET ENDROIT(TOKORO、KAYAMA)+HIROKIという入れ替え構成となっていました。それぞれ3曲ずつ披露され、尺的にはオープニングアクト✕2、といった印象。

シルクハットに黒服の原さんと、ほぼ普段着だったりバッチリ決めている他のメンバーとで、かなりバラバラな見た目でしたが、「どうかそこは分かって欲しい」とのMC。特に、黒い軍服風のHIROKIさんと、休日のお父さんのようなTOKOROさんが並ぶギャップは凄かった(笑

ライト&シェイドでは耽美なビートロック、ベルベットアンドロワではややポップなパンクと、同じ人が歌っても結構趣は変わっていた印象。
この日、原さんは足を骨折していたのか、足のプロテクターと補助柵を使用。そのことによる体調もあるのか、時々歌詞が飛んでいたのは気になりましたが、当時の音源で聴くより格好良かったので、その辺はペースはゆっくりながらも、継続は力なりということでしょうか(過去曲の再録盤とかどうですかね……)。
懐かしさを含んだシリアスな楽曲と程よくゆるい空気が、恒例のイベントで愛される理由なのかもしれません。


・DEMONS
約4年振りの鑑賞でしたが、爆音とボーカル:KIYOTOのダミ声がブチかまされる、安心感すら覚えるステージ。
KIYOTOさんは手刀の店長という立場からか、会場入りの際階段を降りるのを苦労していた原さんの話から、「半身不随だった母と比べても、リハビリを頑張っていないのが分かるんだ!」と、割とギリギリなイジりをしていました(笑って良かった……んだよね?)
物凄く好み、ということではないながらも、対バンで見て絶対に外さないステージングはやはり凄いと思うのです。


TOKYO YANKEES
シーン黎明期から活動しており、既に逝去したメンバーもいるTOKYO YANKEES。
名前は知っているがきちんと音を聴いたことは無かった、という位置だったので、今回しっかりと見る良い機会になりました。

バント名からの想像に違わない、ちょい悪以上……な方々による正統ハードロック。MC中に缶ビール一気呑みパフォーマンスがあったり、メンバー三人中二人がMotorheadのTシャツを着ていたのもらしいというか(実際モーターヘッドのカバーも2曲? ほど披露されました)。
デモンズと同じく、自分の好みど真ん中! という訳ではないのですが、自分のような初見にもバンドの色が分かりやすく伝わるという意味で、安心して鑑賞できたのは、ある程度以上の力が裏付けられているということなのでしょうね。

余談ながら、イベント終了直後にVSJ出演のニュースが出たのが個人的にタイムリー。


(TOKYO YANKEES後の転換時間に、ドリンクコーナーでスーパーでドライなアレを手にしていたあたり、自分の影響されやすさを痛感させられます(本当は日本酒にしようかな、と思っていたのですが……ほら、人多くて暑かったのもあって……))


AUTO-MOD
デモンズ〜TOKYO YANKEESの流れから、今回はハードロックモードで来るのかしら、と思ったりしていましたが、ボーカル:GENETによる冒頭の本を燃やす演出→ダンサブルなベルゼブスの流れからダークな空気全開。ダンサー:TAIZOのパフォーマンスも見ていて楽しい(スケジュールの関係か、コーラスのSeliaはこの日欠席)。
それでも、全体的にアッパーな流れを意識したのか、80年代の楽曲を中心に華やかに盛り上げる選曲になっていた印象でした。ジュネさんはブログで、今回はややアウェイになるのではと心配していたようですが、蓋を開ければ大いに盛り上がっており、実はこの日の出演者中、一番間口が広かったのではないかと。
ラストの「FRIEND」では、最近復活したEX-ANSのSEIJIをゲストベーシストに迎え、本隊のベース:HIKARUがボーカルにスライドしたツインボーカル仕様に。HIKARUさんのねちっこい低音ボーカルも映えており、しばらくご無沙汰なbluevoxがまた聴きたい気分にさせられたり。

セットリスト:
BELZEBTH
時の葬列
DEATHTOPIA
REQUIEM
FRIEND(ゲスト:SEIJI(EX-ANS))



・GILLY & SEXAROIDCAPSULE SCHNEIDER
GILLY & SEXAROIDCAPSULE SCHNEIDER
GILLY (Vo.PHAIDIA)
SexyRoseHARRY (Ba.PHAIDIA,13-thirteen)
Tak(ex.Calmando Qual,Neurotic Doll,ローズマダー)
魔太朗 (Dr.ex The Willard)
Kozi (Gt. ZIZ,DALLE,Malice Mizer)


(同じく手刀スケジュールより引用)

近年活動を再開したPHAIDIAのボーカル:GILLYを中心とした編成。この日だけの結成・編成が多いイベントでしたが、本来の意味でのセッション枠はこちらになるのでしょうか。楽器隊も、Tak(元Calmando Qual)、Kozi(ZIZ、DALLE、元MALICE MIZER)、Sexy Rose HARRYらで構成された豪華な布陣。
基本はゴシック色が強いバンドサウンドで、ギターのアレンジとしては、Takさんが主旋律、Koziさんが空間にノイズを響かせるという分担だったのでしょうか。ダウナーなだけでなく、ダンサブルなリズムが前に出たりハードなアレンジの曲も披露していました。ブリブリいうHARRYさんの演奏も格好良かったですね。

しかし、GILLYさんの中性的な見た目・時折カクつくような動き・エフェクトやエコーを多用したボーカルなどにより、良い意味で無機的、一定に温度が保たれる雰囲気に引きこむようなステージングが印象的でした。
パイディアの方はどんな感じなのか、こちらとはまた違うのかという所も気になります(終演後、物販を見てみましたが、パイディアのCDは既に売り切れのようでした。無念)。


・The Otherside
SPEED-iDの優朗、HALが90年前後に活動していたThe Otherside。
6月のワンマンで、本イベントでの一日再結成がアナウンスされてから、久々にCDを聴き直してみたり、泥縄的に当時のオムニバスを注文したりと(届いたのはイベント後だったけど)、リアルタイムでの体験はなく、ある意味見られてラッキー位のテンションだったはずが、実はそれなり以上に楽しみではあったのかなと今になってみて思います。
事前予約した際のアナウンスでは優朗、HAL両氏と、当時のギタリストだったKNOBが出演するとのことでしたが、この日はベーシストとしてTILL(functioncode、ラボザベヰスメント)がサポートとして加わった布陣でした。

有名所が参加していたGILLYバンドの後は、ある程度人は捌けてしまうかな、と失礼ながら思っていたのですが、この日は通して人が多かった、本当に多かった。個人的に、この手の一日再結成の場には殆ど居合わせたことがなかったのですが、共演者を含めた観客の熱量の凄い事。

優朗、KNOB両氏は、当時のCDブックレット等におけるビジュアルに出来るだけ近づけようとした事が伺えました。
KNOBさんに関しては、アザーサイド後に活動していたCRAWFISHから後の活動は知らなかったのですが(現在はZ旗にいるのですね)、25年程前のアー写にそっくりだったことが軽く衝撃。優朗さんも当時の髪型っぽく逆立てていましたが、かなり早い段階で乱れて落武者チックに……笑

楽曲としては、1st『Waters of Forgetfulness』、2nd『Ride an Angel's Hair』からそれぞれ3曲ずつの選曲。個人的に2ndがより好みなので、自然そちらの曲がテンション上がるのですが、1stの中で好みな「Sub Rosa」が、アンコール含めて二回聴けたのは嬉しい。
SPEED-iDとThe Othersideは、自分の中では重なる部分もありつつ別物感があったのですが(実際別バンドだけど)、パワフルなゴシックロックという印象だった今回の公演に触れると、結構繋がっていたのかもと思わされます。

MCはやはり多めだったのですが、優朗さんが24、5年振りにアザーサイドに触れた際、黒歴史ノートを読み返している気分になって仕方なかったそうなので、「皆も学生時代の黒歴史ノートを見返して気分を共有してほしい」とのこと。ギャグめかして言っていましたが、ギラついていた時期の行いが記録として残っているのは(後から触れる側が好意的にとるか如何を問わず)、本人にとっては悲喜交交なのかもしれません(某月海バンドの人や、某brqバンドの人も過去に似たような発言をしていた記憶が)。

披露された楽曲の話に戻りますと、後追いで聴いた中でジワジワはまったバラード「蜃気楼」があったのも、個人的にポイント。あまり派手な曲ではないし、今回はどうだろうか……と思っていたので、余計に嬉しかったのかもしれません(一番聴きたかったのは「太陽の死」だけど、あれ入れると持ち時間のほぼ半分を食ってしまうので、流石に望み薄いのは分かっていた)

セットリスト:
SE(High Rise)
Flame Out
Sanctuary
Kiss Your Pale Face
Sub Rosa
蜃気楼
夜光の街

アンコール
Sub Rosa(2回目)


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終演予定時間を4、50分押して終了。5時間以上の立ちっぱは流石に疲れましたが、これも夏フェス的なアレと思えばあるいは(!
今回のような入りであれば、次回以降は会場のキャパ上げも視野に入れて良いかも、とは思いますが、手刀だから実現できるイベントという部分もありそうですし、その辺なかなか難しいですよね。
そして、優朗さんがMCで(勝手に)告知した、「来年は手刀のボスが、Rosenkreuz(KIYOTOさんが90年代に在籍していたバンド)を再結成」が、本当に実現するのかどうかが地味に気になります。

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※会場への階段踊り場に、アザーサイド、クロウフィッシュ等のフライヤーが沢山貼ってありました。
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