Dir en grey『「楓」〜if trans...〜』(1998)

01. Ash
02. 惨劇の夜
03. 業
04. GARDEN

発売日:1998/07/08
品番:SK-002-V

Members
VOCAL:京
GUITAR:Die
GUITAR:薫
BASS:Toshiya
DRUMS:Shinya

Director:KONDOH HIROYUKI


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1998年にリリースされた、Dir en greyのMV集。
前年に、メッセージCD等の特典が付いた限定盤が発売されていますが、私の手元にあるのはVHSのみの通常盤になります。
これを書いている時点(2017年8月)でDVD化されていないのを知りましたが(本作を含む、インディーズ時代に出された映像作品は未DVD、Blu-ray化)、現在のバンドの規模を考えるとちょっと意外な扱いかもしれません。

01. Ash
インダストリアル寄りな音使いが時折挿し込まれる、攻撃的な楽曲。現時点で聴けていないのですが、前年に参加したオムニバスアルバム『Behind the Mask vol.2』(1997)収録のものとは異なるバージョンとのことです。
性急なドラムをバックに吐き捨てるような歌い方が印象的なA・Cメロ、少し和の要素を感じるB・Dメロ、再び攻撃性を増しつつポップさも意識したサビと、尺・テンポに比した展開の多さによる、緩急の付け方が印象的。
後に、シングル『脈』(2000)のカップリング曲としてもリメイクされ、そちらでは新たな歌詞・メロディーの追加、大サビのメロディー変更がなされています。

MVは、暗い牢獄での演奏シーンをメインとした、当時の王道を行くものですが、実際の手術映像が挿入されるので、その辺苦手な方は若干注意でしょうか (その手術映像、資料映像を引用・編集したのかと思っていたのですが、本作のディレクターで、DIR EN GREYの他のミュージックビデオも手がけている近藤廣行(VISUAL TRAP)らのブログによると、この為に撮影されたものの上、なかなか凄い状況だったようで)。

02. 惨劇の夜
1stミニアルバム『MISSA』(1997)に収録されている「霧と繭」のオリジナル歌詞バージョン。
全体としてはツタツタしたドラムを主体に突き進み、サビではメロディアスに展開する、ダーク・ハード系統の楽曲。諸先達バンドの影響がストレートに出た印象のアレンジや、子供の誘拐殺人を直截に描写した歌詞も含め、今聴くとむず痒さを感じないと言えば嘘になります。が、こういうのにツボを押されてしまう部分は確実にあるのでしょうがない、しょうがないんです。

MVは、血飛沫やグロテスクなCGアニメ等を交えた、廃墟内の演奏シーンをメインとしたもの。歌詞に合わせたのか、ボーカリスト:京が首吊りをする描写も収録されています。

03. 業
「惨劇の夜」を更に先鋭化させた印象の、所謂発狂チューン。
映像も、楽曲の勢いをそのまま反映させたような、フラッシュと高速再生を多用したものなのですが、前後のMVからの引用が多く、続けて観ていると、このシーンやCGさっきも観たぞ……となってくるところも。
CGアニメに関しては、こちらの方に尺が割かれており、「惨劇の夜」MVの方が引用側だと思われること、また映像の切り替えが非常に多く、MV単体としては凝った編集であることを、映像制作者の名誉の為に付け加えておきます。

一般発売音源としては、長らく映像作品のみの収録でしたが、2008年に着うたフルとして配信が開始。ただ、現在普及している携帯端末がスマホ・タブレット等に替わっていることを考えると、正規手段で聴く敷居は再び高くなってしまったでしょうか。
2013年のミニアルバム『THE UNRAVELING』にて、リメイクバージョンが収録されているので、そちらを気にしても良いかもしれません。

04. GARDEN
終始ツインギターで引っ張る疾走感が心地良い、メロディアスナンバー。曲タイトルを歌い上げるするキャッチーなサビや、白さを意識したと思われる間奏など、これまたベタに王道を行くものですが、好きな人にはたまらないものがあると思わせられる(私も好きです)。
アレンジはほぼ同一ながら、『MISSA』収録のものとは異なるテイクとなっており、若干テンポが落とされたバージョンとなっています。

草原での演奏シーンをメインにした映像も、これまた王道感溢れる印象。今観ると、アップシーンにおける京さんの髪型に、ちょっと笑いの方へスイッチが入りそうになりますが……(外ハネか。漫画のような外ハネのせいなのか)。

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彼らの歴史の中では初期の音源であり、まだバンド自身の顔が完全に見える前、という印象もありますが、それ故、映像・楽曲含め、当時のベタを気持ちよく踏んでくれているのが良い、とも思わせられます(あまり懐古を拗らせてもアレですが)。もしこの構成のミニアルバムが出ていたら、そこそこハマっていた筈。

本作のみ収録のバージョンが多く、遡って聴くファンには今からでも回収しがいのある作品だと思うのですが、冒頭で述べた通り、現状VHSのみということで、流通量や値段以外の所で(現在、中古の通常盤であればV系専門店でも安価で購入できる模様)、観る手段が限られてきているのがもどかしい所です。

参考URL:【〜1998】 MUSIC CLIP (VISUALTRAP WORKS ※VISUAL TRAP Staffのブログ)

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