Sound Horizon『少年は剣を…』(2006)

01. 終端の王と異世界の騎士〜The Endia & The Knights〜
02. 緋色の風車〜Moulin Rouge〜
03. 神々が愛した楽園〜Belle Isle〜
05. (シークレットトラック)

作詞・作曲・編曲 01〜03:Revo

発売日:2006/10/04
品番:KDSD-00111

Sound Producer、Computer Programming & Keybords:Revo

Lead Vocals(01、02)、Chorus(01、02):KAORI
Lead Vocals(01)、Chorus(01、02):YUUKI
Lead Vocals(03)、Chorus(03):RIKKI
Soprano Vocal(01、02)、Chorus(02、03):REMI
Voices(01):Akio Otsuka
Voices(02):Jimang
Voices(03):Rika Fukami (Vi-vo)
Voices(03):Ike Nelson
Guitars:Shingo Jake Saito
Bass:Atsushi Hasegawa
Drums:Kenichi Fujimoto
Percussions:Naomi Ishikawa
Pan Flute:Takashi Asahi
Violin(02):Hanako Uesato
Violin(03):Kana Ito
Strings(01、03):Kana Strings
Harp:Tomonori Asakawa
A Piano:Kenichiro Shinzawa
Sound Effect:Hirokazu Ebisu (Walla-Works,inc.)


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2006年にリリースされた、Sound Horizonの1stシングル。本作から、作曲者:Revo以外の参加メンバーが固定されない体制となっており、公式ではここから第二期SHという区切りになっています。
01、03には、それぞれ異なるゲームのタイアップが付いていましたが、当時Revo氏は「求められているものが異なっている複数の楽曲を、1つのシングルという世界観にまとめるのには苦労しました」と述べており()、本作での経験が、タイアップ専業プロジェクト:Linked Horizonの立ち上げへ繋がっていたのかもしれません。
(曲感想と併せて、ネタバレと言う程ではないですが、他作品も含めたストーリー・イラストに少し触れています)

01. 終端の王と異世界の騎士〜The Endia & The Knights〜
大塚明夫のナレーションから、間髪入れずにストリングスのイントロへの流れるのが鮮烈な、三拍子リズムの民謡風ポップナンバー。現在の時点で(2017年8月)アルバム未収録ですが、MVが作られていることから、実質的タイトル曲と言えるでしょうか。
その軽快なリズムや、KAORI、YUUKI、REMIのトリプルボーカルによる開けたサビなど、全体的に華やかな印象を受けるアレンジですが、中盤に一度転調する直前、『Chronicle 2nd』(2004)の「書の囁き」のメロディーが一瞬顔を出すのにドキリとさせられるところもあり(裏ジャケットにクロニカや白鴉が描かれているので、予想できた人もいたとは思いますが)。

このような、他作品のメロディー引用や、後述のシークレットトラックの使い方などによって、前後の作品間でストーリーに繋がりを持たせていく演出も、本作あたりから顕著になっていきました。そして、表記通りに読ませる気のない歌詞も、良い意味でエスカレートしています(10年以上経ち改めて読み返しても、「ものがたり」の当て字のバリエーションはどうかしてる! 笑)。

02. 緋色の風車〜Moulin Rouge〜
REMIさんのコーラスとバイオリンの旋律で引っ張る疾走ナンバー。その疾走感や、戦乱に巻き込まれた主人公を描いたような歌詞等、全体的にシリアスな印象を受けます。
メインボーカルのKAORIさんによるキャッチーなサビや、ギターとキーボードによるソロ合戦など、プログレメタル色が強いアレンジになっています。
こちらは、同年11月に出たフルアルバム『Roman』に収録されたものとは異なるバージョンとなっており、英語詞パートの存在(『Roman』は、日本語以外の歌詞は基本的に全て仏語)、一部のナレーション・台詞が無い、イントロ・間奏パートの違い等があります。

03. 神々が愛した楽園〜Belle Isle〜
哀愁のある笛やハープのメロディーが印象的なスローバラード。
メインボーカルを務めるRIKKIの、「揺れ」の入った歌い方も楽曲の壮大感を増す要素となっている気がします。印象的と言えば、要所要所に入るIke Nelsonによるサブタイトルコール(タイアップ先ゲームのタイトルが「ベルアイル」)も、渋さ満点で素敵。

05. (シークレットトラック)
短い無音トラックを挟んで収録されています。
『Roman』収録の、「朝と夜の物語」・「11文字の伝言」の主要メロディーが使用されたピアノソロ。
最初聴いた際は、穏やかな曲調ですね位に思っていたので、いざアルバムがリリースされて驚いた覚えがあります。ブックレット最終ページの記載と併せて、『Roman』予告編といった立ち位置のトラックになるでしょうか。
(この手法も、『イドへ至る森へ至るイド』(2010)に受け継がれていきます)

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3曲で(当時の)SHの曲幅が分かりやすく示されており、今振り返ると、SHの中では珍しく各曲の独立性が高い、シングルらしいシングルといった印象があります(これより後のシングルは、そのままアルバムに直結する構成や、3曲通した1まとまりの中編的なつくりだったりするので)。ある意味仕切り直しとなった、二期のお披露目といった要素もあるので、楽曲面であまり難解にできなかったという事情もあったかもしれません。その分、『Roman』と併せたストーリーは現在でも底が見えませんが。
「緋色の風車」のバージョン違いも含めれば、全曲アルバム未収録なので、今から遡って聴きたい方も是非。

:『とらのあな特典Another Jacket』より引用

試聴あり
少年は剣を・・・
Sound Horizon
ティームエンタテインメント
2006-10-04