黒夢『中絶』(1992)

01. 中絶
02. 浮遊悲
03. IN SKY

全曲作詞:清春
作曲 01:臣 / 02:人時 / 03:清春 & 臣
編曲 01、03:臣 & 清春 / 02:黒夢

発売日:1992/07/20 (2ndプレス)
品番:HR-004

Members
VOICE & BACKING VOICE:清春
ELECTRIC & ACOUSTIC GUITAR:臣
BASS:人時
DRUMS:(鋭葵)

CHORUS (01):YOWMAY (SILVER ROSE)


***

インディーズ時代にリリースされた、黒夢の3曲入りCD。初回プレス盤とセカンドプレス盤でジャケットが異なりますが、私の手元にあるのは後者になります(上記した発売日はクレジットに未記載ですが、ピュアサウンドの記載を参考にしました)。
また、当時在籍のドラマーとして鋭葵が参加していますが、本作発売時点では脱退していたためか、制作クレジットには()付きの記載となっています。

01. 中絶
ツタツタとしたドラムが印象的な、ダークな疾走ナンバー。今聴くと、イントロでニヤけてしまうほどのベタさがありますが、逆に言えば、このアレンジが後続に与えた影響の凄まじさの裏返しでもあるのですよね。
また、激しさだけでなく、メロスピっぽさも感じさせる華やかなギターソロ、終盤の転調で疾走感を増すサビなど、この時点でメロディアスさへの志向が高いことも窺えます。

02. 浮遊悲
ドロドロしたアレンジをベースとした、ゴシックパンクに「和」の要素を入れた感がある楽曲。
サビパートで3拍子に変わる展開や、時折クラシカルな匂いのするメロディーが入ることで耽美な色も纏わせるなど、こちらも後のダークV系への繋がりを感じさせます。

03. IN SKY
アコギをバックにしながらも、イントロや間奏でのキリキリとしたギターソロが歌メロ以上に主張するミディアムナンバー。そのギターによって、東洋的なメロディーも顔を出します。
Bメロや終盤のサビにて、主旋律から外れたコーラスを重ねることにより、不穏なムードを出す演出には、歌う側の技術的課題を感じさせにくくする手法として受け継がれた部分も含め(それが悪いと言っているわけではなく)、コロンブスの卵的なものを感じます。

***

変な言い方ですが、今聴くとプレーンなダークさ(!?)を感じる本作。現在のV系界隈を聴いている事にアイデンティティーを見出だしている層に、音質面も含めてどう響くかは分からない所はあるかと思います(私自身、インディーズ期の黒夢に関しては参考文献を遡る感覚で手に取ったので)。
しかしこの3曲だけでも、直近に多大なフォロワーを生んだというのも、大いに理解できるところで。

また、その後の彼らの音に比べ、相対的な暗さ・ハードさは強いのですが、タイトル曲でも述べたように歌メロの強さも感じさせ、激しさだけが初期の魅力ではなかったことも、改めて感じさせられる作品だと思っています。

中絶
黒夢
Haunted House Records



ピュアサウンド