カラビンカ『残片』(2018)

01. 六月の通り雨
02. 通り魔行進曲
03. クチナシの花

全曲作詞・作曲:工藤鬼六

発売日:2018-01-28
品番:KAV-02

Members
ギターと歌:工藤鬼六
ベース:松島ティル
ドラム:悠介


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「再編シリーズ」と銘打たれた、現メンバーでの過去曲のリメイクを収録したシングル(CD-R仕様)。
現在(2019年3月)、第二弾までリリースされていますが、作曲・録音クレジットは記載されるも、いずれも歌詞が未掲載というのは、ある種の方針なんでしょうか。
ライブ会場での販売と同時に公式通販でも取り扱われ、自分を含め聴き逃していた人への救済策にもなっていましたが、この記事を書いている時点で完売してしまっているのがちょっと残念。

01. 六月の通り雨
原曲は2014年のライブ会場配布CDに収録。
60年代っぽさを感じさせる軽快なサウンドに乗せ、直截に変態性の高い歌詞が入ってくるポップロックナンバー。一言で言うなら……黒いベンチャーズ (個人の感想です)
間奏に「タッチ」のイントロが挿入されますが、何も知らない状態で聴いたら引用だと気づかないのではと思わせられる、前後の展開との繋がりの良さに驚いてしまう。同時に、歌詞と曲の雰囲気の(良い意味での)落差を改めて感じさせられます。

02. 通り魔行進曲
原曲はシングル『ひとでなし』(2012)に収録。
個人的に、唯一前のバージョンを聴けているのですが、冒頭にサビの一節が新たに挿入されているのが分かりやすい違いとして挙げられます。
原曲の時点で、レトロで取っつきやすいメロディーを乗せた疾走感ある曲でしたが、先述のサビ始まりや、2コーラス目Aメロでのキー上げとコーラスが強調されたことなどにより、全体的により締まった印象を受けます。やはり歌詞は凄惨な描写がありますが、曲調もあるのか前後の曲に比べ程よい浮き世離れ感もあり、彼らの中では入りやすい印象。

03. クチナシの花
こちらのみ公式の音源情報なし。初スタジオ音源化、若しくはかなり初期に音源があるのかな?
前曲・前々曲と比較的カラッとしたアレンジでしたが、こちらはノイジーなギターが徐々に圧迫してくるような気にすらなる、ダウナーに振り切ったスローナンバー。
曲調と歌詞が一致しているという点では、以前感想を書いた中にある「唯、散る」にも通じるように思えますが、こちらは題材・舞台設定が相当具体的に固められているが故か、ダークというよりも胸糞の悪さが先立ってしまう恐れもあるでしょうか。個人的にも、ここまで来ると「作品」として入って来づらいところはあります。
(これは良い悪いではなく、制作側の塩梅と、聴く側の好みとタイミングの相性に大きく依る問題であることは、強く念押ししたいと思います)

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曲毎のキャラ立ちが明快であり、シングルらしいシングルといった印象を受ける作品。
冒頭で述べたように、再び入手しにくくなっているのが残念ではありますが、再編第二作にあたる『残片 弐』(2018)では、ダウンロードカードでの販売が行われるなど、需要に柔軟に対応していこうとする姿勢も感じるので、こちらも改めて購入できる環境が整えば良いなと。



オフィシャル通販 (BASE) ※2019年3月時点で在庫なし