LUCA『SUICIDE EP』(2000)

01. requiem
02. 愛を知るには早すぎたのか
13. (SECRET TRACK)

作詞 01、02:KAZUKI
作曲 01:Jun / 02:SHUJI
編曲 01、02:Takeshi Tsuji

発売日:2000/10/25
品番:UPCH-5012


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KAZUKI CLASSICS、歌月大五郎(ソロ)等で活動しているKAZUKIが在籍していた、LUCAのメジャー4枚目・通算7枚目のシングル。2ヶ月連続リリースの1枚目でもあり、アレンジには辻剛(元Justy-Nasty、Coccoサポート等)が参加しています。

インディーズ期の1stミニアルバムの時点で、シンセを乗せた透明感あるサウンドと、KAZUKIさんのハイトーンボイスによるメロディーという方向性が既に確立されていたバンドであり(所謂「ソフビ」)、メジャーでの唯一のアルバム『CUSTOMIZE』(2000)までほぼその路線で進んできたと思われますが、本作では、これまでに比べ骨太なアレンジに舵を切った印象を受けます。裏ジャケにおける、革ジャンとサングラスというビジュアル面(モヒカン+髭の人含む)も、分かりやすく効いているのかもしれませんが……。

01. requiem
ザラッとしたギターを全面に出した、テンポは速めながらも冷たい印象も受けるナンバー。
サビのキーがBメロよりも低いという要素は、キャッチーなサビメロという(後追いで聴いたなりに付いた)彼らのイメージの逆を行くもので、最初に聴いた際はちょっと驚いたのを覚えています。
ややボーカルが後ろに引っ込んでいるミックスも含め、パッと聴きではやや印象に残り辛い部分もありますが、これまでの音とは違うぞ、と思わせる点では成功しているのではないでしょうか。

02. 愛を知るには早すぎたのか
こちらも疾走感あるシリアスなアレンジですが、歌謡色を交え歌い上げるサビメロも印象的。歌詞含めハードボイルドな方向への変化と、これまでの特長との良いとこ取りな1曲になっている印象を受けます。これより前の楽曲については、どうしても時代を感じてしまう部分があるので(それはそれで好きですが)、今からフラットに聴いてみたいという人にとっては、この曲の塩梅が実は丁度良いのかもしれません。
この記事を書くにあたって調べたら、アニメ番組エンディング曲でもあったということで、そういった意味では、実質的タイトル曲はこちらになるのかな?(ジャケット背側でも、本曲のタイトルが書いてありますし)

13. (SECRET TRACK)
13トラック目に収録されているシークレットトラック。
ザ・モップスの「たどり着いたらいつも雨降り」のカバー音源で、ライブでファンと合唱する光景をイメージしたような、陽性で勢いあるアレンジとなっています。
今振り返ると、2000年代前半におけるメロコア・青春パンクバンドの名曲カバー流行を、別の畑から一足先にやっていたような感触も。

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色々な面で分かりやすい変化を感じるシングルで、リアルタイムで追っていたファンにどう映っていたかはさて置き、これはこれで格好良い路線と思わせられます。次作『REBOERN EP』と併せて聴きたい1枚。

試聴あり
愛を知るには早すぎたのか
LUCA
ポリドール
2000-10-25