Karma『不死鳥のムジーク』(2013)

01. 不死鳥のムジーク
02. Whooper
03. Beautiful Days〜翼をください〜
04. 睡-nemuri- (Karma ver.)
05. キミのそばで (Karma ver.)

作詞・作曲・編曲 01、02、05:田澤孝介 / 03、04:櫻井有紀

発売日:2013/12/04
品番:AIRS-002

Members
田澤孝介
櫻井有紀

Guest Player
05:Yuta Yamamoto


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櫻井有紀(rice(2019年5月時点で活動休止中)、元Raphael等) 、田澤孝介(ソロ、Rayflower、元Waive等)によるユニット:Karmaの1stCD。
5曲入りなのでミニアルバムと捉えることも出来ますが、4、5がそれぞれrice、田澤ソロのセルフカバー音源という事もあり、ボーナストラックの充実したシングルとして聴いた方がしっくりくるでしょうか。5曲目以外ゲストミュージシャンは参加していないようですが、クレジットを読む限り、作曲者が編曲やレコーディングエンジニアも兼ねているので、作曲メンバーがDTM含めて作っているのかも知れません(※5曲目に参加しているYuta Yamamotoを検索した際、複数のミュージシャンが当たりましたが、田澤ソロにてサポートを務めるピアニスト:山本裕太さんの事だと思われます(参考:田澤孝介 Official Web Site)。
柔らかく伸びのある声の櫻井さん、爽やかなハイトーンの田澤さんと、ボーカリストとして抜群に映えるものを持っている両者。5曲を通して、各パートでリードし合ったりハモリを聴かせてくれたりと、安定した聴き心地の良さを感じさせてくれます。

「不死鳥のムジーク」は、ストリングスを交えたアレンジと、両氏のハモりを交えたコッテリとした歌謡メロがメインのバラード。前述の通り作曲者が編曲も兼ねているのですが、riceとはまた違ったクサさを持った旋律が田澤色なのかなと思わせられるも(Waive後の田澤さんに関しては、今の所Karmaしか聴けていない為断言はできませんが……)、オカリナっぽい音が挿入される間奏ではriceを思い出したりも。そういう意味で「共作」感が強く出ている印象で、タイトル曲になったのも納得の1曲と感じさせられます。

続く2、3曲目では、作曲者の得意分野にお互いを引き込んで――という流れなのかな?
「Whooper」は、メロディーのクサさは維持しつつ熱さを感じる疾走アレンジで展開。活動しているシーン的にこういう方向性は求められそうですが、このユニットではやらなさそうと勝手に思っていたので、良い意味で予想を裏切られました。個人的に、歌詞も色んな意味で強烈と言うか、最初聴いた際は「"意識高い系"の苦悩」のような印象を受けたり(←性根の腐った聴き方)。
「Beautiful Days〜翼をください〜」は、riceで時折聴けるゴスペル調のアレンジ。その上で二人のボーカルが乗るのですからサマにならないわけがなく。異なる歌詞・メロディーで歌い合うサビパートは聴いていて本当に気持ちが良い。前向きな別れを歌った歌詞は、ストレート過ぎるほどにストレートですが、V系界隈だからこそムズ痒くなりすぎず聴けてしまう部分もある、と思うんですが、どうなんでしょう。

冒頭で述べた通り、4、5曲目はそれぞれの既存曲をセルフカバー。どちらもピアノのみをバックにしたバラードアレンジとなっています。
「睡-nemuri-」は、原曲では疾走アレンジでしたが、シンプルになった分、爽やかで高揚感ある歌メロの力をより感じられるという人もいるかもしれません(原曲は2012年のシングル『糸』に収録)。「キミのそばで」は、現時点で原曲を聴けていないものの、一語一語伝えるようなしっとりしたメロディーが前に出ており、ピアノ一本のみであっても、作曲者の違いが感じられるのが面白い。

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曲数は少なめながらメロディー・アレンジ共に高値安定で、歌メロが立った曲を聴きたいという方に是非お勧めしたい作品。
Karmaとしてのライブ活動は定期的に行われているものの、単独の流通作品としては今の所本作のみというのが勿体無い気もするので、そろそろ新たな音源も聴いてみたいところです。

不死鳥のムジーク
Karma
Air’s Rock
2013-12-04