VELVET EDEN『blanc et noir』(2015)
01. Luzifer
02. Toxic queen
03. Jailed prince
04. Misery
05. No.15
06. Goodbye Alice
全曲作詞:DADA
作曲 01、03、05、06:DADA / 02、04:Chro
発売日:2015/03/25
品番:DLVE-001
Members
vocal:DADA
Gt、key、prog:Chro
***
VELVET EDENが2015年にリリースしたミニアルバム。Youtubeにアップされていた、デモ音源の完全版を中心とした構成になっています。
過去曲のリメイクも含んでいた、前年の2枚組アルバム『DOUBLE TWELVE』でも、新曲群を中心に感じていましたが、活動再開後におけるVELVET EDENの方向性として、物語性の強い歌詞+ダークなデジタルサンドによるアレンジという方向は維持しながら、本作では歌メロへの意識がより強くなった印象を受けます。
ボーカル:DADAによるエフェクトのかかった低音と、ダウナーながら耽美なアレンジが前に出ている「Luzifer」は、初期の楽曲を彷彿とさせる路線によるじっくりとしたオープニング。
かと思えば、続く「Toxic queen」でトランス調のアッパーなアレンジと歌謡色強めの歌メロが前面に出て、「Jailed prince」では叩きつけるようなリズムが強調されたインダストリアル路線になり、と前半から緩急を大きくつけて展開される印象。DADAさんの歌詞は、楽曲同士のリンクが多い印象がありますが、タイトルや歌詞を読む限り、この2曲は特に対となるように作ってあるように感じられます。
特に「Jailed prince」においては、サビ・大サビパートで朗々と歌い上げる構成となっているのに驚かされ、ユニットのイメージを壊さず新境地開拓にも成功した1曲になったのではないでしょうか(所々リズムアレンジが某悪意と悲劇バンドの某曲に似て……? と思ったのは内緒)。
シンフォニックアレンジのパワーバラード「Misery」も、歌謡曲の匂いのするサビメロが印象的。「Toxic queen」と併せてChro作曲のナンバーですが、活動再開後に加わったメンバーがこういう形でエゴを出せているのは良いことなのだろうと感じさせられます。
「No.15」は、分かりやすく開けた曲をベルベットエデン流に作ったらこうなる、という事になるのでしょうか、初期にも「花売り娘」・「Maze」等テンポの早い作品は存在しますが、ここまで疾走感のあるリズムを表にした楽曲は珍しいような。軽快さすら感じさせるサビメロ、メロディアスな間奏・アウトロなど含め、本作初聴きの際一番驚かされた1曲かもしれません。
ラストの「Goodbye Alice」は、耽美なダンスアレンジと哀愁あるメロディーが前面に出ていますが、その旋律に物悲しさだけではなく力強い印象も受けたり。これは、作詞面にて他曲との物語上のリンクがここでも感じられるのですが、ここでは、その主人公が物語の「外」へ出て行くような内容になっている部分も大きいかもしれません(あくまで個人の感想ですが)。
『DOUBLE TWELVE』で感じた、アレンジ・メロディー面での「攻めの姿勢」が、そのまま結実したような作品。6曲というサイズ、且つ程良く曲調がバラけていることもあり、活動再開期の音源において、濃さと入りやすさを併せ持った良作だと思っています。
試聴あり
YouTubeチャンネル
YouTubeチャンネル(Darkest Labyrinth)
01. Luzifer
02. Toxic queen
03. Jailed prince
04. Misery
05. No.15
06. Goodbye Alice
全曲作詞:DADA
作曲 01、03、05、06:DADA / 02、04:Chro
発売日:2015/03/25
品番:DLVE-001
Members
vocal:DADA
Gt、key、prog:Chro
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VELVET EDENが2015年にリリースしたミニアルバム。Youtubeにアップされていた、デモ音源の完全版を中心とした構成になっています。
過去曲のリメイクも含んでいた、前年の2枚組アルバム『DOUBLE TWELVE』でも、新曲群を中心に感じていましたが、活動再開後におけるVELVET EDENの方向性として、物語性の強い歌詞+ダークなデジタルサンドによるアレンジという方向は維持しながら、本作では歌メロへの意識がより強くなった印象を受けます。
ボーカル:DADAによるエフェクトのかかった低音と、ダウナーながら耽美なアレンジが前に出ている「Luzifer」は、初期の楽曲を彷彿とさせる路線によるじっくりとしたオープニング。
かと思えば、続く「Toxic queen」でトランス調のアッパーなアレンジと歌謡色強めの歌メロが前面に出て、「Jailed prince」では叩きつけるようなリズムが強調されたインダストリアル路線になり、と前半から緩急を大きくつけて展開される印象。DADAさんの歌詞は、楽曲同士のリンクが多い印象がありますが、タイトルや歌詞を読む限り、この2曲は特に対となるように作ってあるように感じられます。
特に「Jailed prince」においては、サビ・大サビパートで朗々と歌い上げる構成となっているのに驚かされ、ユニットのイメージを壊さず新境地開拓にも成功した1曲になったのではないでしょうか
シンフォニックアレンジのパワーバラード「Misery」も、歌謡曲の匂いのするサビメロが印象的。「Toxic queen」と併せてChro作曲のナンバーですが、活動再開後に加わったメンバーがこういう形でエゴを出せているのは良いことなのだろうと感じさせられます。
「No.15」は、分かりやすく開けた曲をベルベットエデン流に作ったらこうなる、という事になるのでしょうか、初期にも「花売り娘」・「Maze」等テンポの早い作品は存在しますが、ここまで疾走感のあるリズムを表にした楽曲は珍しいような。軽快さすら感じさせるサビメロ、メロディアスな間奏・アウトロなど含め、本作初聴きの際一番驚かされた1曲かもしれません。
ラストの「Goodbye Alice」は、耽美なダンスアレンジと哀愁あるメロディーが前面に出ていますが、その旋律に物悲しさだけではなく力強い印象も受けたり。これは、作詞面にて他曲との物語上のリンクがここでも感じられるのですが、ここでは、その主人公が物語の「外」へ出て行くような内容になっている部分も大きいかもしれません(あくまで個人の感想ですが)。
『DOUBLE TWELVE』で感じた、アレンジ・メロディー面での「攻めの姿勢」が、そのまま結実したような作品。6曲というサイズ、且つ程良く曲調がバラけていることもあり、活動再開期の音源において、濃さと入りやすさを併せ持った良作だと思っています。
試聴あり
YouTubeチャンネル
YouTubeチャンネル(Darkest Labyrinth)