『ハイスクール・オーラバスター Original Album』(1993)

01. Prologue -回帰-
02. ACT ON THE NIGHTFIELD
03. STRAWBERRY RAIN
04. VISIONS FOR DIVINITY -異空幻徨-
05. SWORD OF LIGHT
06. FAITH
07. ENDLESS WONDER
08. SILENT EYES -遠い約束-

作詞 03、07:K.INOJO / 05、08:若木未生
作曲・編曲 01、02、05、08:本田恭之 / 03、04、06、07:西村麻聡

発売日:1993/07/24
品番:PICA-1020

Drums (02):村石雅行
E.Guitar (02、05):辻剛
歌 (03)、E.Guitar (03):野村義男
Saxophone (03):山本拓夫
Synthesizer (03、04、06、07):ストロベリーポキノビッチ
Synthesizer operator (03、04、06、07):設楽篤志
Narration (04):YURIA (SUPER WING)
歌 (05、08):本田恭之
Gut Guitar (06):千代正行
Bass (06):イヤン・ハンマー
Chorus (07):ギタムゥラ・ベスコラドシ


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若木未生の小説『ハイスクール・オーラバスター』シリーズを原作とするイメージアルバム。
作編曲に本田恭之(本田海月 / 空夜coo:ya、face to ace、元GRASS VALLEY等)、西村麻聡(FENCE OF DEFENSE等)が参加しており、本作ではそれぞれ半々ずつ楽曲を担当。特に本田さんは、この後の同シリーズにおけるイメージアルバムやドラマCD・アニメ等での使用楽曲に、サウンドプロデューサーとして関わっていくことになります。
(※私は、空夜coo:ya等を切っ掛けに本田曲を遡る中、本シリーズのCDを手に取って、という形で入っており、現時点(2019年6月)で原作小説を読めていない者の感想になることを予めおことわりしておきます)

ピアノをメインとした静謐なオープニング「Prologue -回帰-」を経た、「ACT ON THE NIGHTFIELD」は、ギターの旋律が耳に残るプログレ寄りのロックナンバー。
野村義男がボーカルとギターで参加している「STRAWBERRY RAIN」は、ギラついたシンセとファンキーなリズムが印象的なデジロックナンバー。この路線は、7曲目「ENDLESS WONDER」でも聴くことができ、この「熱さ」という点で、透明感のある本田曲とのカラーの違いが感じられます。
また、上記2曲で作詞を担当した(「ENDLESS WONDER」では歌唱も)K.INOJOは、この後のシリーズでも歌詞提供だけに留まらない形で長く関わっていくことになります(本作の感想を書くにあたって調べたら、昨年出たドラマ+楽曲リアレンジ作品でもディレクターとしてクレジットされてて驚く)。

ミステリアスな雰囲気のインスト「VISIONS FOR DIVINITY -異空幻徨-」に続く、本田ボーカル曲「SWORD OF LIGHT」は、歌メロ・バック共に切なさを感じさせるメロディーや、浮遊感のある間奏パート等、実際のテンポ以上にゆったりとした感触(リズム自体は寧ろ軽快な曲だと思う)、あるいは上述した「透明感」が強く感じられる1曲と思っています。
この曲のアウトロからそのまま続く「FAITH」は、シンセとアコギを中心とした、ヒーリング色が強いナンバー。次が「ENDLESS WONDER」なので、一時休憩的なポジションにもなりえるでしょうか。

ラストの「SILENT EYES -遠い約束-」は、儚げなアレンジと優しさのある歌メロが前に出た穏やかなデジポップ。この曲は空夜coo:ya名義のリアレンジCDにも収録されています。

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特にボーカル曲において、両作曲者の得意分野が濃く出ている印象のアルバム。本田さんが音楽面をほぼ一手に手掛けていく後の作品群に比べると、まだ方向性を探る時期だったのかもという受け止め方も出来ますが、それ故に本作だけで味わえる構成の面白さも持っているのではないでしょうか。


試聴あり
ハイスクール・オーラバスター
イメージ・アルバム
パイオニアLDC
1993-07-24



参考リンク:
Highschool Aurabuster – official website