一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2010年07月

GONGON「GONGON Techno 04」(2002)

01.マスタリング エンジニア
02.CLUB CITTA 満員
03.タクシーの運てん手
04.不思議の国の…
05.ア
06.リ
07.ス
08.EARTH FACE そういちろう
09.暴欲団長
10.開けゴマ
11.ゴブリン粥
12.腹減りじごく
13.飯食い天国
14.仙豆ちょうだい
15.PURI PURI
16.ドゥクドゥクドゥ
17.ピンPOINT
18.スノボやった事ある?
19.オレ,まだない
20.しんごさん
21.成沢
22.中南海域
23.先っぽ
24.SS
25.3-4×11月

全曲作曲:GONGON

発売日:2002/03/20
品番:LTDG-004


***

B-DASHのボーカル・ギターを担当しているGONGONが2002年に5枚リリースしたソロアルバムの内の一つ。
B-DASHでも「Freedom」のエクストラトラックや「○」のおまけディスクで打ち込みのサウンドを披露してきましたが、このソロでは更にその路線を推し進めたような、シンプルでゆるーいテクノサウンドを展開しています。これを適当と思うか悟りを開いたと思うかで評価は分かれ…分かれないかも。殆どの曲が2分未満(中には20秒足らずの曲も…)、そして曲が出来た端からノリで決めたような曲名と、やりたい放題といった感じのGONGONテクノ。テクノという言葉から連想されがちな難解さはありませんが、掴み所もないかもしれません…w
一般的なB-DASHのイメージから聴くとなんじゃこりゃと思うかもしれませんが、前述した「○」の遊び心満載なノリが好きなら、面白く聴けるかもしれません。値段も安いですし(1曲が短いとは言え20曲超えて980円!)

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GONGON Techno 04GONGON Techno 04
GONGON

Limited Records 2002-03-20
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GONGON個人ホームページ

Node of scherzo「Node of scherzo」(2007)

01.Node of scherzo

作詞:Node of scherzo
作曲:KAMIJO

発売日:2007/10/31
品番:SASCD-029


***

Kaya、Juka(現在はShauraに改名)、VersaillesのKAMIJOの3人のボーカリストによるプロジェクト「Node of scherzo」のプロジェクト名を冠した1曲入りシングル。確か同名の合同イベントで披露された曲だったかな?

ヴィジュアル系の中でも耽美でメロディアスな楽曲を得意とする三者が集い、かつ作曲がKAMIJOという事もあってか、シンフォニックサウンドがごってりと盛られた、重厚な楽曲になっています。三人とも似ている声質なのですが、交互に歌うパートを聴くとやはり微妙に違っているなと思ったり(LAREINE時代のKAMIJOの歌い方なら、ある意味分かりやすかったのですがw)。サビは三人の合唱で、分かりやすいフレーズを繰り返すものとなっており、ライブでは観客も一緒に歌っている画が浮かんできます。
しかし、この手の大団円的な空気を持った曲は、先程書いたようにライブでのクライマックスや、アルバムのラストにおいては物凄いパワーを発揮すると思うのですが、1曲のみのシングルとして聴くとちょっと唐突感があるというか、映画のエンディングロールのみをいきなり見させられているような気分にもなったり(苦笑) 欲張りを承知で言うと、この3人が参加したオムニバスやオリジナルアルバムのラストに配置されていれば、聞き手の入り込み方は大分違ってきたのでは…と思ったりします。
とは言え、やはりこの手の壮大でクラシカルな楽曲は、自分のツボに入るのは間違いない訳で。この3人の関わってきた音が好きな人なら(一番近いのはやはりVersaillesでしょうけれど)、気に入る可能性は大きいと思っています。

***

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Node of ScherzoNode of Scherzo
ノード・オブ・スケルツォ

Sherow Artist Society 2007-10-31
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黒夢「Cruel」(1994)

01.CHANDLER
02.Sick
03.『sister』
04.意志薄弱
05.ICE MY LIFE 〜Album Mix〜
06.寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕 〜Full Acoustic Version〜

全曲作詞・主旋律:清春
作曲 01、03、05、06:臣/02、04:人時

発売日:1994/08/31
品番:TOCT-8494


***

メジャーデビューアルバム「迷える百合達」と同年に発表された、黒夢のミニアルバム。また臣が在籍していた最後のCDとなっています。

以下各曲について。


01.CHANDLER
ド頭からハードに爆走するパンキッシュな楽曲。サビもひたすらタイトルを連呼するもので、とにかく勢いで押しまくっている印象を受けます。シンプルで短いながら、素直にカッコいいと思える曲になっています。

02.Sick
こちらもその勢いのまま走るハードなパンクチューン。ただこちらはサビではメロディアスに歌い上げており、後のパンク路線の片鱗を感じられるかもしれません。というか、後にBURST VERSIONとして再録されるので当然といえば当然でしょうか。

03.『sister』
ちょっとスカっぽい要素も感じる、ライトな演奏に憂いのある歌メロが乗ったポップチューン。

04.意志薄弱
「迷える百合達」の方に入ってもおかしくなさそうな、薄く鳴るシンセとクリーンなギターが前に出た、影のあるミディアムナンバー。途中に入る「笑って…」という声は、笑うより寧ろ心配したくなるような弱った声ですがw、楽曲の繊細な雰囲気には合っているのではないかと。

05.ICE MY LIFE 〜Album Mix〜
セカンドシングルタイトル曲のアルバムバージョン。シングル曲になるだけあって、キャッチーなサビメロが印象的。サビの後のギターソロや、要所要所にキラキラしたシンセなど、90年代のポップなヴィジュアル系が好きな人にはドツボだと思います。

06.寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕 〜Full Acoustic Version〜
「迷える百合達」に収録されていた曲のアコースティックバージョン。自分が持っているオリジナル盤の裏ジャケには曲名が記載されていなかったので、ボーナストラック的な位置付けの曲でしょうか。
元々アコースティック色が強い曲でしたが、タイトル通り更にアコギを前に出したシンプルアレンジになっています。構成に大きな変更はありませんが、間奏で笛のソロがあるのがちょっと好み。

***

前作のダークさはちょっと薄れたかなと思いますが、ハードな曲はハードに、ポップな曲はポップにと、前作に比べ曲ごとの振り切り方が大きく印象に残りやすくなった感があります。曲数の少なさもあってこちらの方が聴きやすいと思う人もいるかもしれません。

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Amazon(2009年再発盤・試聴あり)
CruelCruel
黒夢

EMIミュージック・ジャパン 2009-01-28
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黒夢「迷える百合達 Romance of Scarlet」(1994)

01.開化の響(おと)
02.棘
03.for dear [album version]
04.masochist organ
05.aimed blade at you
06.百合の花束
07.寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕
08.neo nude
09.autism -自閉症- (※再発盤には未収録)
10.romancia
11.utopia
12.開化の響(おと) [reprise]

作詞 02〜10:清春
作曲 01、12:Masahide SAMUMA/02、05、09:人時/03、04、06〜08、10、11:臣

発売日:1994/03/09
品番:TOCT-8305


***

2009年に復活&解散ライブを行ったと思ったら、翌2010年にはSADSと共に正式に活動再開&新作リリースがアナウンスされた黒夢。V系好きには、今更自分が説明するまでもないかもしれませんし、ボーカルの歌い方を初め、後のヴィジュアル系バンドに影響を与えまくっていると思いますが、今回は彼らのメジャー1stアルバムを紹介しようと思います。当時のメンバーは清春(ボーカル)、臣(ギター)、人時(ベース)、Hiro(ドラム)ですが、ブックレットの写真にHiroが含まれておらず、サポートドラムとしてそうる透がクレジットされていること等から、本作リリース時には既に脱退しているようです。
1998年と2009年にリマスター再発されていますが、9曲目の「autism -自閉症-」は歌詞について自閉症協会から抗議を受けたため、いずれの再発盤にも収録されていません。

以下各曲について。


01.開化の響(おと)
ピアノメインのスローなインスト。

02.棘
このジャン、ジャジャジャジャンというイントロがザ・V系! といった感じで素敵。別に明るくないのにポップなメロディー、重くないのにダークな雰囲気を纏ったギターが映える演奏、キャッチーに歌い上げるサビと、90年代のV系が好きならたまらない楽曲になっているのではないかと。こういう言い方が良いのかどうか分かりませんが、実質的な1曲目にしてアルバム最大の山場を作っていると思います。

03.for dear [album version]
メジャーデビューシングルタイトル曲のアルバムバージョン。前曲の勢いをそのまま受けたような、ギターで引っ張るイントロが印象的なポップチューン。こちらも憂いを含んだようなサビのキャッチーさでは負けていません。癖のあるボーカルが大丈夫ならかなり取っ付き易い楽曲になるのではないでしょうか。

04.masochist organ
シャッフルリズムに乗せて、左右に分けられた耳に優しくないwギターが鳴る、ちょっとジャジーでアップテンポな楽曲なのですが、歌詞のせいか歌い方のせいか、どうにも不気味な感じを受けます。

05.aimed blade at you
柔らかいシンセの音が印象的な、ちょっと暗めながら透明感のあるミディアムナンバー。間奏などに入ってくるアコギソロが切ないです。

06.百合の花束
こちらは完全にドロドロした雰囲気のダークバラード。とにかく暗いんですが、ボーカルの所為か儚げな要素も感じられます。
これ原曲はインディーズ時代に配布されたシングル曲みたいですね。

07.寡黙をくれた君と苦悩に満ちた僕
跳ねたリズムのミディアムポップナンバー。このアルバム全体に言えるかもしれませんが、ポップなんだけどどこか薄暗い空気を感じます。音質の問題でもあるのかもしれませんが。こちらもアコギやマンドリン? の音が効果的に使われており、アコースティック色が強い印象ですが、この後に出たミニアルバム「Cruel」では更にアコースティックバージョンとして再録されることになります。

08.neo nude
重ねられたライトなギターが心地良い、アップテンポな楽曲。棘やfor dear に比べるとちょっと印象薄いのですが、こちらもサビで歌い上げるメロディアスな仕上がりになっています。あとちょっとだけシャウトも。

09.autism -自閉症-
前述したような問題で、再発盤には未収録の楽曲。ブリブリしたベースとバックで薄く鳴るシンセがダークな色を出しているミディアムナンバーになっており、左右から迫ってくるようなボーカルも楽曲には合っていると思います。で、これは歌詞の内容がどうこうより、この歌詞に自閉症というタイトルを付けたのがマズかったのかな、と後追いで聴いている自分は思ったり。

10.romancia
前曲からノンストップで始まり、徐々に盛り上がっていくバラード。キーボードがゴージャスな色を添えていると思います。このスローナンバー続きの流れだと、ちょっと印象が薄くなってしまうのが惜しいと言えば惜しいかも。

11.utopia
そしてラストに来て開けた楽曲が。細かく刻まれるクリーンなギターが印象的なポップでメロディアスな楽曲になっており、異論もあるかもしれませんが壮大な白系の要素も感じます。ラストはサビの途中で唐突に途切れエンディングへ。

12.開化の響(おと) [reprise]
ピアノメインのインスト。1曲目とほぼ一緒です。

***

後に脱退する臣がメインで作曲をしており、ハードさよりもメロディーを前面に出しつつ、ダークな味付けは忘れない楽曲が並んでいます。後半へ行くに従ってスローナンバーがメインになり、個人的にちょっとまったりし過ぎてしまうのが残念なのですが(「棘」方面の楽曲が1つあっただけで大分印象は違っていたかも)、その辺は好みの問題なので。後のパンク路線が最高! という人に勧められるかはちょっと分かりませんが(そもそもメイン作曲者が違いますし)、90年代のメジャーV系に興味がある人なら、ツボに入る要素は多いアルバムになっていると思います。

***

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迷える百合達 〜 Romance of Scarlet迷える百合達 〜 Romance of Scarlet
黒夢

EMIミュージック・ジャパン 1994-03-09
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2009年再発盤(試聴あり)
迷える百合達~Romance Of Scarlet~迷える百合達~Romance Of Scarlet~
黒夢

EMIミュージック・ジャパン 2009-01-28
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小林靖宏「シチリアの月の下で」(1991)

01.SARA
02.水に映える都
03.花市場
04.TANGHESTA(ピアソラへのオマージュ)
05.夢の国
06.DANZA LUNATICA
07.天秤座の魚
08.スペイン階段の誘惑
09.カヴール通り2:00am
10.コロンブスの卵
11.君に涙とほほえみを(Se Piangi Se Ridi)

作曲 01〜10:Yasuhiro Kobayashi/11:Giovanni Marchetti & Roberto Satti
全曲編曲:Yasuhiro Kobayashi

発売日:1991/11/06
品番:TOCT-6264


***

テレビ番組やCM等でも楽曲が多く使われ、日本を代表するアコーディオン奏者の一人であろうcoba(小林靖宏)。数多くのアーティストへゲスト参加しているので、彼のCDは持っていなくとも、CD棚の中の1枚くらいはゲスト参加しているものが入っているかもしれません。うちのブログらしくV系界隈で言うと、MALICE MIZERのシングル「月下の夜想曲」にて、カップリングのde l'imageバージョンでアコーディオンを弾きまくっています。また私は未聴ですがメリーのCDにも参加しているようです。
そんなcobaのメジャー1stアルバムですが、タイトル通り異国情緒溢れる(実際にシチリアに行った事はありませんが、まあイメージとして;)情熱的なクサメロがたっぷり詰まっています。また2001年には「カヴール通り2:00am」の別バージョンを追加して再発されました。

以下ピックアップ。


01.SARA
1曲目から掴みにかかってくる、哀愁メロディが炸裂する楽曲。アコギとの絡みが熱いです。終盤の、転調を重ねて焦らす部分とかツボを心得てるなあとw インパクトの点でも、アルバム中でこの曲が一番好きでしょうか。

03.花市場
こちらも気温の高さを感じる、細かい音運びが小気味良いナンバー。タイトル通り、あちらの市場に迷い込んだような感じもあります。バイオリン、サックスとの絡みがこれまた熱い。

04.TANGHESTA(ピアソラへのオマージュ)
冒頭のバイオリンの弦を擦る音? が面白い、ちょっと妖しげな雰囲気の楽曲。途中メロディーが止まったり、フェードアウトすると見せかけて激しく巻き返したりと、インストでありながら歌劇っぽさを感じるというか。タイトルにあるピアソラはアルゼンチンの作曲家の名前のようです。

06.DANZA LUNATICA
思わず踊りだしたくなるリズムに乗せて、流れるようなメロディーが心地良いラテン寄りの楽曲。しかし何より前半に出て来る笛パートがクッサい! クッサい! そこまで長いパートではありませんが目茶苦茶好きな部分だったり。途中で口笛に変わりますがそれもまた面白いです。中盤からはエレキギターが前面に出ており、この異物感が逆に面白い。他にもちょっと壊れた感じの女性コーラスや男性の笑い声が入ってきたりと中々忙しい曲です。

08.スペイン階段の誘惑
アコーディオンとアコギの速弾き(だけじゃないですが)バトルとも思える、目まぐるしい演奏が8分近く続く楽曲。やっぱり演奏者としては弾き倒す系の曲を入れたかったのでしょうか。楽器をやられる方はより楽しめるかもしれません。

09.カヴール通り2:00am
打ち込みのリズムが前面に出た、ちょっとクールな印象の楽曲。と思えばジャジーな展開をしたりするのも面白い。後に「sweet poison」のようなテクノ要素の濃いアルバムも出すcobaですが、1stの時点でその要素は出てきていたのかもしれません。

10.コロンブスの卵
前曲と一転して、バタバタと走りまわるような演奏が聞ける、賑やかな楽曲が。サックスと一緒に暴れまわる演奏が単純に楽しいです。何となく昔の海外コメディドラマで流れていそうとか思ってしまいました。また終盤、一瞬「Smoke On The Water」のあの有名なメロが演奏されているような…w

***

ラテン色に限らず色々な事をやっているのでしょうが、ユーモラスな曲にもまったりした曲にも、基本的に日本人好みのメロディーが詰め込まれた聴きやすいアルバムになっていると思います。cobaはベストアルバムも沢山出ているので、そこから入るのも良いと思いますが(自分も現時点ではまだオリジナルを把握しきれていない;)、メロディアスなインストが聴きたい人はこちらもオススメですよ。

***

Amazon(試聴あり)
シチリアの月の下でシチリアの月の下で
小林靖宏

EMIミュージック・ジャパン 1991-11-06
売り上げランキング : 163154

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2001年再発盤
シチリアの月の下でシチリアの月の下で
小林靖宏

EMIミュージック・ジャパン 2001-07-11
売り上げランキング : 186194

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the band apart「FOOL PROOF」(2001)

01.fool proof
02.disappearing man
03.reminisce
04.siete
05.(シークレットトラック)

全曲作詞・作曲:the band apart

発売日:2001/10/03
品番:LTDC-027


***

荒井岳文(ボーカル・ギター)、原昌和(ベース・コーラス)、川崎亘一(ギター)、木暮栄一(ドラム・パーカッション)によるバンド「the band apart」の1stシングル。CD帯にも書いてありますが、ボサノバやフレンチポップの要素を含んだポップなバンドサウンドを展開しています。

以下各曲について。


01.fool proof
もろボサノバといった感じの穏やかなオープニングから一転、軽快なバンドサウンドになだれ込むポップチューン。このバンドを知った切っ掛けは、当時所属していたリミテッドレコーズのバンドの例に漏れず、ハングアウトでの番組内で流れていたPVやCMで知ったのですが、数秒聴いただけで覚えてしまう、少し憂いを含んだどキャッチーなサビが強烈だったのを覚えています。3分足らずの曲ですが、無駄なくこのバンドの魅力が入ってるのではないかと。

02.disappearing man
柔らかなツインギターと爽やかな歌メロが涼し気な、流れるようなパンクチューン。サビに入ると更に疾走しますが、清涼感を失わずに展開する辺り、オサレパンクといった言葉が浮かんできます。

03.reminisce
こちらも柔らかな感触のバンドサウンドで進行しますが、サビでは一気に歌い上げ、2曲目と異なり熱を感じます。間奏ではフレンチポップ寄りの展開になったりしますが、緩急を見せつける風ではなく、あくまでしてサラッと聴かせられるのは、実は凄いことなのかも。そしてやっぱり漂うお洒落臭w

04.siete
ミディアムテンポのロックチューン。本作の中では比較的オーソドックスなロックをやっている印象があります。サビに英詩で「醤油なしの寿司」とか出てきてちょっとびっくりしますが、これは人との別れを歌っている…のかな?

05.シークレットトラック
30秒程の曲間を経て始まるシークレットトラック。女性ボーカルが乾いたパーカッションとギターに乗った歌うボサノバ調ナンバー。途中からボーカルが入り、そのまま1曲目の冒頭部分に入っていきます。

***

正直1stシングルとは思えない安定感を持っている印象です。色々な要素を取り込みながらも、それが悪い意味で鼻につくこと無く、基本キャッチーなサウンドを聴かせてくるあたり、品の良さと間口の広さを感じます。実はかなり久々に聴いたのですが、当時の自分より好みにハマっている気がしてきました。バンドサウンドが特に嫌いでなければ、誰にでも入りやすいシングルなのではないでしょうか。

***

Amazon(試聴あり)
FOOL PROOFFOOL PROOF
the band apart

ASIAN GOTHIC 2001-10-03
売り上げランキング : 43365

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RAIN TREE CROWの感想を書いた流れで。

既に一ヶ月以上前にニュースになっていますが、元JAPANのベーシストでもあるMick Karnが癌であることを公表し、経済的な問題から医療費サポートの為のPaypalでの寄付を求めてます。現在オフィシャルサイトにて、ソロアルバムにMick Karnが参加したSUGIZOの支援曲がアップされており、そちらの支払いもPaypalになっています。オフィシャルの記載を読むと、現在では取りあえず資金面での目処は立った、らしいのですが(英語不案内なもので;)、現在でも寄付は募っているので一応。快癒すると良いのですが。
BARKSのニュースによると、8月には支援コンサートが開かれる予定。


Mick Karnオフィシャルサイト
http://www.mickkarn.net/

日本ではあまり一般的でないPayPalの使い方が分からない方の為に、amnesiac's music box(管理人:skysong様)内の記事を勝手ながらリンクさせていただきます。
PayPal

BARKS「ミック・カーン、ガン医療費の寄付金を呼びかけ」
http://www.barks.jp/news/?id=1000062494

RAIN TREE CROW「RAIN TREE CROW」(1991)

01.Big Wheels In Shanty Town
02.Every Colour You Are
03.Rain Tree Crow
04.Red Earth (As Summertime Ends)
05.Pocket Full Of Change
06.Boat's For Burning
07.New Moon At Red Deer Wallow
08.Blackwater
09.A Reassuringly Dull Sunday
10.Blackcrow Hits Show Shine City
11.Scratching On The Bible Belt
12.Cries And Whispers

作詞 01〜03、05、06、08、10、12:David Sylvian
全曲作曲:R.T.C

発売日:1991/03/21
品番:VJCP-30087


***

1982年に解散したJAPANの解散時のメンバー、David Sylvian、Steve Jansen、Richard Barbieri、Mick Karnによって結成された「RAIN TREE CROW」が1991年にリリースした唯一のアルバム。国内盤を含めて何度か再発されていますが、現在新品で出回っているのはシングルのカップリング曲を1曲追加したバージョンがメインのようです。

ここ2年程JAPANやその周辺を聴き始め、このアルバムはJAPANやDavid Sylvianのソロを何枚か聴いた後に手を出したのですが、低く粘りのあるデヴィッドの特徴的なボーカルは楽器の一部のようにも感じられ、そこに乾いた音のドラム・パーカッション、少し控えめにも聞こえるミックのベース、薄く広がるような感触のキーボードが合わさった、スローテンポな楽曲がメインとなっており、架空チャイニーズ(?)なメロディーに変テコなポップ感があったJAPANのラストアルバム「Tin Drum」のイメージを持ったまま聴くと「あれっ」となるアルバムかも知れません(例:自分)。実質的な再結成にも関わらず、JAPANの名前を使わなかったのも頷けるような。
デヴィッド自身の解説を読むと、今作は各メンバーの即興演奏をメインに組み合わせて作成したらしく、確かにメンバー各々が好きに演奏しながらも、荒涼としたジャケット写真の様な温度の低い所で纏めている音という印象もあります。後にEvery Colour You AreとBlackwater、Cries And Whispersは、David Sylvianのベストアルバムにも入りましたし、Davidのソロ色が濃く出ていたアルバムなのかもしれません(そのBlackwaterは、アルバム中でもホッとする温かさを感じられる曲になっていると思います)。
そういう訳で、ちょっと取っ付きにくい印象もありますが、環境音楽として浸っても良さそうなアルバムかなとも思いますね。最近熱帯夜が続いていますが、夜体温を下げて落ち着きたい時にこういうアルバムもいかがでしょうか(笑)

***

Amazon(2008年再発盤/試聴あり)
レイン・トゥリー・クロウ(紙ジャケット仕様)レイン・トゥリー・クロウ(紙ジャケット仕様)
レイン・トゥリー・クロウ

EMIミュージック・ジャパン 2008-07-02
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Sound Horizon「イドへ至る森へ至るイド」(2010)

CD
01.光と闇の童話
02.この狭い鳥籠の中で
03.彼女が魔女になった理由
04.シークレットトラック(※初回限定盤のみ収録)

全曲作詞・作曲・編曲 01〜03:Revo

DVD(初回限定盤のみ)
01.光と闇の童話【Music Clip】
02.イドへ至る森へ至るイド【5.1ch Surround Audio Mix】

発売日:2010/06/16
品番:KICM 91311


***

Revoを中心とした「Sound Horizon」の、プロローグマキシと銘打たれた3rdシングル。要するに次のアルバムからの先行シングルですね。
多くのミュージシャンを呼んでいるSHですが、今作では新たにJoelle(ボーカル)、Marty Friedman(ギター)、元SIAM SHADEの淳士(ドラム)、桜庭統(ピアノ・キーボード)らが参加しています。桜庭統は霜月はるか・Revo名義で出したシングル「霧の向こうに繋がる世界」にも参加していました。
今回のストーリーに関しては、登場人物の名前、ペスト流行・魔女狩りを思わせる歌詞等から、中世ヨーロッパ(ドイツ?)が舞台と思われますが…。

以下各曲について。


CD
01.光と闇の童話
渋いドイツ語の語りと子供達の会話が乗った優雅なストリングスパートから一転して、バンドサウンドに入る疾走ロックチューン。メインボーカルはMarchen von Friedhof(中の人はRevo)…墓場の童話?
まず最初に気になったことを書いてしまうと、Revoがこのボーカルでメインを張るには、まだちょっとパワー不足なのかなあ…という所でしょうか。アルバム「Moira」の「冥王」ではKlahaっぽい低音で歌い上げておりかなりツボだったのですが、この曲では前作アルバム「ROMAN」の「朝と夜の物語」の歌唱に戻ってしまった感もあり、エフェクトも掛けてV系に通じる艶のある歌い方をしたいのが分かるだけに、中々ままならないのがもどかしい…(苦笑) いっそ本当にV系バンドのボーカル招いてしまうとかどうでしょう。DのASAGIとかハマりそうに思えるのですが。
しかしながら、楽曲の方はゲストミュージシャンの色やシリアスなストーリーもあってか、SHの楽曲の中でもバンドサウンドが前に出たスリリングなものになっており(ちょこちょこ音が妙に引っ込んでる? と思う部分もありますが)、決して悪い印象はなく-―というか今作では一番好きだったりします。「霧の向こうに〜」でも聴けるスピード感のあるキーボードソロやギターソロ→ストリングスの流れもたまりません。そしてゲストボーカルというか音声ソフトとして、近年有名になっている初音ミクが使われているパートがありますが、その人工的な(あ当たり前だけど)声質と歌詞の中で当てられている役割と相まって、非常に不気味な印象を抱かせるボーカルになっており、上手い使い方をしてきた印象があります。初音ミクが使われた曲を聴いたのは今回が初めてでしたが、これからあの声を聞く度、少なからず恐怖を感じる気がします。また言葉遊びや視覚に訴えかける文字の使い方も健在。○○と土塊のミルフィーユは勘弁してw


02.この狭い鳥籠の中で
クラシカルな笛のメロディーから始まる、穏やかなアレンジのバラード。メインボーカルはJoelle。ピアノとアコギをメインに展開しますが、サビに入るとストリングスが入り盛り上がりを見せます。ちょっと歌謡曲っぽいかな? 終盤に入るとちょっと疾走。彼女のボーカルは初めて聴きましたが、柔らかな声質ながら盛り上がる所でも力強く歌いあげており、危なげない歌唱を聴くことが出来ます。男性ボーカルもこれ位良い人を見つけられれbゲフンゲフン

03.彼女が魔女になった理由
アコーディオンをバックにした会話とナレーションから穏やかに始まる楽曲。メインボーカルはMoiraにも参加しているMIKI。こちらもJunger Marz_PROTOTYPE βというボーカロイドソフトが子供のボーカルとして使われているのですが、初めに聞いたときには全く気付かなかった程自然な声になっており、技術の進歩って凄いと思わせられます。前半はストリングスが前に出たポップチューンなのですが、展開も多く今作では一番ミュージカル色が強いかな? 間奏の流れるようなバイオリンソロも好み。そして後半からは緩急の差が激しく更に歌劇色が強まり、終盤では重厚なコーラスに乗せて一盛り上がり! 好きですよこういう展開。個人的にはもう1分位疾走してくれても良かったのですが、そうすると8分超えちゃいますからね…w

04.シークレットトラック(※初回限定盤のみ収録)
3曲目からそのままの流れで始まるインスト。水の流れる音をバックに、クラシカルなメロディーを奏でる、ストリングスをメインにした曲になっています。後半からはシリアスにテンポアップ。やはりこのトラックに入るメロディーが次のアルバムの肝になってくるのでしょうか。
また、買った後から知ったのですが、通常盤のボーナストラックはこちらとは異なるものが収録されており、私は未聴ですがピアノをメインとしたインストになっているようです。
複数売り…かあ…。


DVD
01.光と闇の童話【Music Clip】
CD1曲目のPV。ほぼ歌詞のストーリーを映像化した感のある映像になっており、ジャケットイラストに描かれている二人(+α)が実写になっています。前からSHのPVで感じていた、衣装の使い方や合成の微妙さはそのままですがw、演奏に埋もれがちなセリフもこちらでは映像もあって補完しやすくなっているのではと思います。
というか何より! 演奏シーンのV系臭さっぷりがもうw 黒と赤を基調としたゴッテリした衣装といい、何処のバンドを参考にしましたかと言いたくなるRevo-―じゃないメルヒェンさんの動きといい、下手なそちら界隈のバンドより余程ヴィジュヴィジュしいです。やっぱり次作では本職のV系ボーカリストを招いて(ry
オフィシャルの特設サイトでちょこっと見られるので是非。

また、DVDにはCD収録3曲の5.1chサラウンドバージョンが収録されているので、再生できる環境の方はCDよりこちらをメインに聴くのも良いかもしれません(チャプターでは3曲一緒に纏められています)。

***

フィクション分てんこ盛りの世界観と楽曲は、これまでと比べ特に目新しさは感じませんでしたが(逆に言えば、これまで聴いてきた人には安心クオリティという事でもあります)、バンドサウンドメインの1曲目など、やはり新しいサポートメンバーの要素は入ってきているのかな、と思わせられるシングルでした。3曲共6、7分台のため、シングルながら結構お腹いっぱいにもなれましたし。
個人的には、Sound Horizonでシングルで最初に聴くとするなら、クサい疾走曲がメインの「聖戦のイベリア」を推しますが、語りやストーリ性の強い楽曲を聴きたい人にはこちらも十分にお勧めできるシングルなのではないかと思っています。
さてアルバムはどうなりますやら…。

***

Amazon(試聴あり)
イドへ至る森へ至るイド(初回限定盤)(DVD付)イドへ至る森へ至るイド(初回限定盤)(DVD付)
Revo Sound Horizon

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イドへ至る森へ至るイドイドへ至る森へ至るイド
Revo Sound Horizon

キングレコード 2010-06-16
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オフィシャルサイト(試聴あり)

リンクタブに普段よく見ている音楽系サイトを幾つか追加しました。
基本ROM専のチキンなので、リンクフリー・報告不要の旨が明記されているサイトを選びましたが、何か問題がありましたら御連絡下さい。新作V系音源レビューサイトが結構増えてきた気がしてちょっと嬉しく思っていたりw

また、はじめましての方にも書いてありますが、うちのブログはリンクフリーです。個別記事へのリンクも全然大丈夫ですよ。自分が利用しやすい所へ繋げるのがネットのあり方だと思っていますので。

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