一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2010年09月

SCIST「未完成」(2001)

01.魔界狂想曲
02.Breeze
03.Pain Love
04.メヌエルの樹
05.即興曲「未完成」

作詞 01〜04:Seraph
全曲作曲:Seraph
全曲編曲:SCIST

発売日:2001/11/10
品番:CAS-2033


***

Seraph(ボーカル・ピアノ)、Maki(ギター)、Yuki(ベース)によるバンド「SCIST」が2001年にリリースしたミニアルバム。後にほぼ同じメンバーで「Voyage」という名前でも活動していました。
楽曲としてはほぼMALICE MIZER直系と言える、バンドサウンドに拘らないクラシック要素の多いメロディーを前に出しています。全体的に音が引っ込んでいるのが気になりますが、メロディーがツボならそんな事は些細な問題なのです…多分。

以下各曲について。


01.魔界狂想曲
クラシカルなオルガンによるイントロから一気に盛り上がる、メロディアスなシンフォニックチューン。上述した音の篭もりが無ければもっと迫力ありそうですが、こういう曲は大好物なのでその辺は正直どうでもいいですw 展開も結構凝ってドラマティックに進行しており、本CD中では最も好み。今のバンドで言うとLacroix Despheresの楽曲に近い気がします。ボーカルはオペラティックと言う訳ではありませんが割と低音で歌い上げているタイプで、楽曲とも相性は良さげ。

02.Breeze
打って変わってこちらは底抜けに明るいメルヘンチックなポップチューン。色々と賑やかな音が入っていたり、マーチっぽい展開になったりと、イメージとしては遊園地のパレードでしょうか。終盤に子供のコーラスも入ってきますが…もうちょっと練習させてあげた方が良かった気がします(苦笑)
それにしてもこの可愛い曲調、マリスじゃなくて別のバンドで聴いたような…と思っていたのですが、今回改めて聴いて分かりました。ボーカルが鼻にかかってないpleurなんだ!(例えが微妙過ぎます)

03.Pain Love
こちらはデジタル音主体のダンサブルでアッパーな楽曲。クラシカル要素は薄いですが、曲としては普通に好み。

04.メヌエルの樹
跳ねたリズムに切ないメロディーが映える、クラシカルポップ。何度もマリスを引き合いに出してアレですが、曲調としては「au revoir」に近いと言うと一番分かりやすいでしょうか。要所要所でキーボードやストリングスがキメられ、心地良くも少し寂しげな雰囲気を出しています。

05.即興曲「未完成」
ピアノをメインにした、1分半程のスローなインスト。

***

何だかんだ言って、自分はこういう要素のバンドが好きなんだなぁと思わせられるこのCD。先達の影響をあまりにストレートに出している辺り印象を分けそうですが、逆に楽曲面でここまでマリスマリスしたバンドもあまり浮かばないので(ヴィジュアル面では沢山出たのでしょうけど)、マリスのフォロワーバンドを聴いてみたい人は安く手に入れて聴き比べしてみるのも良いかもしれません。というかmoraにあったことが地味に驚きだったりしますw

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未完成未完成
SCIST

ダイキサウンド(株) 2001-11-10
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mora(試聴あり)

Karma-Shenjing「流転輪廻」(2006)

01.四季楽踊
02.三国剣舞
03.慧-hui-
04.麗蛾
05.恋沙雪
06.天空渺茫
07.地獄変相図
08.劫-jie-
09.輪廻
10.光蒼彩々
11.夢浮月
12.天狼星

作詞 01、02、04〜07、09〜12:Karma-Shenjing
全曲作曲:Karma-Shenjing

発売日:2006/01/25
品番:UCCD-082


***

ボーカル:來鈴、ギター・シンセサイザー:幾都、ギター:祠乃、ベース:悠によるバンド「Karma-Shenjing(カーマ・シェンジン)」の1stフルアルバム。私が持っているのはこのCDのみですが、過去音源からの再録も多くベスト盤的な位置付けのアルバムかも知れません。
中華風のヴィジュアルを音でも表現したような、バンドサウンドに加え、オリエンタルなメロディーのシンセを前面に出した楽曲がメインとなっており、Kagrra,が中華風になったらこうなる、みたいな印象も受けます。流れるようなメロディーに対してボーカルがちょっともったりしているかな? とも思いますが、ヴィジュアル系聴いている人にはあまり気にならないかも。

個人的に気に入っているのは、オリエンタルなシンセとキャッチーな歌メロを乗せて疾走する「四季楽踊」「麗蛾」や、外国から見た間違ってるけど分かりやすい中国のイメージ?w のようなイメージの中華風メロディーが心地良いポップチューン「三国剣舞」、ダンサブルなアレンジの「光蒼彩々」でしょうか。他にも攻撃的な曲調の「地獄変相図」や沈んだバラード「夢浮月」等、メロディアスなヴィジュアル系のアルバムに1曲ずつ入っているような曲も、やはりそちら方面のメロが目立っておりバンドの色に染めている印象です。ラストの「天狼星」は、オリエンタルなメロディーのキラキラシンセと、アルバム中最もキャッチーに思える旋律が乱舞する明るい疾走チューン。

この手のシンセを盛ったメロディアスなバンドが好きな所為か、購入当時は結構な頻度で聴いていたアルバムでした。楽曲単体とかではなく、バンド全体でこの手のコンセプトでやっているのは何気に珍しい気もしますが、基本的にメロディーは取っ付き易いので、上記した要素が好きな人なら気に入る確率は高いのではと思っています。

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流転輪廻流転輪廻
Karma-Shenjing

UNDER CODE PRODUCTION 2006-01-25
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SHAKA LABBITS・175R「STAND BY YOU!!」(2002)

01.STAND BY YOU!!
02.175R / 僕の声
03.SHAKA LABBITS / G☆S☆G
04.STAND BY YOU!! (BACKING TRACK)

作詞 01:UKI・SHOGO/02:SHOGO/03:UKI
作曲 01:SHAKA LABBITS・175R/02:SHOGO/03:MAH

発売日:2002/07/24
品番:POCE-8601


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SHAKA LABBITSと先日2010年いっぱいでの活動休止を発表した175Rが2002年にリリースした、共作曲と各バンドの新曲が1曲ずつ収録されたシングル。当時両バンドの知名度が高まりつつあった中発売された印象がありました。

以下各曲について。


01.STAND BY YOU!!
SHOGOとUKIのツインボーカルによる、明るくアッパーなポップナンバー。元々高音なSHOGOのボーカルですが、この曲では更にキーを高くして歌っています。楽器隊は全員演奏している為、ツインギター・ツインベース・ツインドラムになっており、インストバージョンの方を聴くとドラムが左右に分けられているのが分かったりしますが、普通に聞く分にはそんなに気になったりはしないかな? とも思いますが途中にギター・ベースソロが交互に入りますし、その辺りの楽しみは作っているのでしょう。チョッパーでベースを弾いている方がシャカラビッツのKINGだった記憶が。全体に親しみ易さと適度なやかましさを持った、元気のある楽曲という印象で、自分はSHAKA LABBITSの方はあまり知らないのですが、ポップなバンドが好きなら普通に気に入るのではないでしょうか。

02.175R / 僕の声
スカっぽいライトなノリから、一気にサビでアッパーに盛り上げるメロディアスなパンクナンバー。ストレートな歌詞など当時の175Rのイメージど真ん中といった楽曲になっていると思います。終盤少し疾走する辺りも好み。メジャー1stアルバム「Songs」ではアルバムバージョンとして再録されました。

03.SHAKA LABBITS / G☆S☆G
可愛らしさを持ったボーカルが印象的な、疾走感が心地良いパンクナンバー。今の所このバンドの曲で聴いたことがあるのはこの曲のみですが、175Rが好きなら気に入る人は多い気がします。
そう言えば女性ボーカルで所謂バンドサウンドが主体のグループって、当時も今もあまり手を出した覚えが無いかもしれません。

04.STAND BY YOU!! (BACKING TRACK)
1曲目のカラオケバージョン。

***

収録された両者の曲のカラーが似ているからか、スプリットというよりも普通に1枚のシングルとして聴けるCDでした。今の所タイトル曲は両者のアルバムにも入っていませんが、初期の175Rが好きならばすんなり好きになれるCDだと思いますし、聴いて損はないのではないでしょうか。

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STAND BY YOUSTAND BY YOU
SHAKALABBITS 175R SHAKALABBITS 175R

XTRA LARGE RECORDS 2002-07-24
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SHAKA LABBITSオフィシャルサイト(試聴あり)

move「Gamble Rumble」(2001)

01.Gamble Rumble
02.strike on
03.destiny
04.Gamble Rumble(yin to deep mix:motsu)
05.Gamble Rumble(TV MIX)
06.strike on(TV MIX)
07.destiny(TV MIX)

作詞 01〜04:motsu
全曲作曲・編曲:t-kimura

発売日:2001/01/11
品番:AVCT-30034


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元FAVORITE BLUEの木村貴志(t-kimura)をメインコンポーザーに、yuri(ボーカル)・motsu(ボーカル・ラップ)の男女ボーカルを擁したユニット「move(現名義はm.o.v.e)」。2008年にt-kimuraは正式メンバーから外れましたが、現在でも殆どの楽曲・プロデュースは彼が手掛けています。長年の頭文字D関連のタイアップや、近年ではアニメソングをカバーしたアルバムも出す等、そちら方面との相性も良いのかもしれません。サポートギタリストにAGE of PUNK/BUGのASAKIが居たりしますよ。
今回は2001年にリリースされた10枚目のシングルを紹介します。


01.Gamble Rumble
バキバキとしたシンセが乗ったアッパーな高速ダンスナンバー。デジタルサウンドはmoveの基本としてあり、それまでのダンス寄りのミュージシャンでも珍しくはない曲調なのかもしれませんが、ここまで突き抜けてきたインパクトは当時凄まじいものがありました。如何にもお洒落な男女が踊りそうなアレンジ、言葉のノリの良さだけに特化したような勢いが気持ち良いラップ、クソが付くほどキャッチーなサビメロ等、自称「本格派音楽ファン」が喜んで嫌いそうな(?)楽曲ですが、ここまでやり切ったのは寧ろあっ晴れな気がします。moveの中でも知名度・分かりやすさ共に上位に来る曲なのではないのでしょうか。

02.strike on
こちらもタイトル曲と雰囲気はほぼ同じ、アッパーなダンスナンバー。こちらがタイトル曲でも違和感はなかったかもしれません。しかし今聴くとアレンジやメロディーが既に懐かしいというか、若干時代を感じる事にちょっと驚いたり。音楽に限らず、当時の技術を前面に出すと、少し後で触れると逆に…という事なのでしょうか。これ書くにあたって、1st、2ndアルバムも聴きましたが、リアルタイムで聴いたわけでもないのに結構懐かしさを覚えましたし。これ書いている時点でもう10年近く前の曲になるのですよねえ…。

03.destiny
シングルで3曲続けて同系統の曲が続くのも珍しい気がします。好きなので聴く分には問題ないのですが、書く事が少なくなってくる…w こちらは若干リズムとシンセを全面に出している気がします。そしてイントロには何故か馬の蹄といななく音が。

04.Gamble Rumble(yin to deep mix:motsu)
タイトル曲のmotsuによるリミックスバージョン。こちらは冷たく浮遊感のある音作りになっている印象があります。

05.Gamble Rumble(TV MIX)
1曲目のメインボーカルを除いたカラオケバージョン。

06.strike on(TV MIX)
2曲目のメインボーカルを除いたカラオケバージョン。

07.destiny(TV MIX)
3曲目のメインボーカルを除いたカラオケバージョン。

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初めにmoveを気にした曲として印象に残っているシングル(実際に好みに入ったのはもう少し後の曲でしたが)、アッパーな曲で占められた高カロリーっぷりに、人によっては疲れるかもしれませんが、デジタルサウンドが全面に出たポップな曲が好きな人には、若干時代も感じつつ強く印象づけられる楽曲なのではないでしょうか。

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Gamble RumbleGamble Rumble
move

エイベックス・トラックス 2001-01-11
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オフィシャルサイト(試聴・PVあり)

YouTube(公式)

分島花音「砂のお城」(2008)

01.砂のお城
02.skip turn step♪
03.砂のお城 〜オルゴール・ヴァージョン〜

作詞 01、02:分島花音
全曲作曲:Mana
編曲 01、02:Mana(02:Strings co-arranged by Yohei Shimada)/03:Ruca Kawada

発売日:2008/11/12
品番:DFCL-1514


***

チェロボーカリスト、分島花音の2ndシングル。こちらもManaプロデュース。初回盤には1、2曲目のカラオケバージョンとライブ映像が収められていますが、自分が持っているのは通常盤になります。

以下各曲について。


01.砂のお城
鋭いチェロの音色と重たいリズムによって緊張感を持って始まるスローチューン。ウィスパーボイスというか、地を這うような弱ったボーカルもちょっとホラーな感じですが、サビでは優美なメロディーを歌い上げ一気に開けた印象を受けます。前作タイトル曲「still doll」と同じアニメシリーズのタイアップが付いているからか、同系統の曲調ですが、楽曲の緩急が大きいからか個人的にはこちらの方が好みですね。

02.skip turn step♪
こちらは可愛らしいクラシカルポップス寄りの曲。軽快なストリングスと、ちょっと懐かしさを覚える歌メロが、Manaのポップサイドというか、マリスの「Voyage」辺りの楽曲世界を感じさせてちょっと嬉しい。ほら、Moi dix Moisだとあんまりやらない曲調ですし…w ボーカルも可愛らしく歌っており、食い合せはバッチリだと思います。歌詞は雨上がりの放課後を舞台にしているのかな?

03.砂のお城 〜オルゴール・ヴァージョン〜
前作と同じく、タイトル曲のオルゴールアレンジバージョン。

***

デビューシングルと同じくゴスロリポップス(?)を展開していますが、カップリングには前作に無かった弾けた曲を持ってきており、楽曲に幅を持たせようとしている姿勢も感じました。こちらも1、2曲目は1stアルバムに入ってしまっていますが、1st同様お試しで借りてみるのも良いかもしれません。

***

Amazon(試聴あり)
砂のお城(初回生産限定盤)砂のお城(初回生産限定盤)
分島花音

DefSTAR RECORDS(SME)(M) 2008-11-12
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砂のお城砂のお城
分島花音

DefSTAR RECORDS(SME)(M) 2008-11-12
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オフィシャルサイト(試聴あり)

分島花音「still doll」(2008)

01.still doll
02.黒い鳥籠
03.still doll (オルゴール・ヴァージョン)

作詞 01、02:分島花音
全曲作曲:Mana
編曲 01、02:Mana(02:Strings co-arranged by Yohei Shimada)/03:Ruca Kawada

発売日:2008/05/28
品番:DFCL-1467


***

チェロの弾き語りという割と珍しいスタイルをとっているように思える歌手、分島花音のデビューシングル。MALICE MIZER/Moi dix MoisのManaが楽曲提供・プロデュースを行うという事で結構興味をそそれられましたね。現在はManaのプロデュースではありませんが、2ndアルバムでも楽曲提供を受けていました。

以下各曲について。


01.still doll
重厚でクラシカルなイントロが印象的な、スローテンポの楽曲。分島花音のボーカルはちょっと気怠げな可愛らしい声質で、楽曲にはマッチしている気がします。全体に漂う沈んだ雰囲気、途中で入るダークなチェロのソロやバックで散らされているチェンバロなど、Manaが女声ボーカリストを手掛けたらこうなるのでは、という予想をほぼ裏切らない楽曲になっているのではないでしょうか。個人的にはもう一盛り上がりあっても良かった気もしますが、概ね好みの方向でした。

02.黒い鳥籠
デジタルサウンドが全面に出た、ダークなダンスチューンになっており、全編に渡る打ち込みとストリングスのスピード感のある絡みがツボです。こちらにもクラシカルなチェロのソロパートが入っています。3分弱と短めですが、印象としてはこちらの方が強かったですね。
そう言えば、Manaと島田陽平が一緒に仕事するのってGackt在籍時のマリス以来でしょうか?

03.still doll (オルゴール・ヴァージョン)
タイトル通り、1曲目の主旋律をメインにしたオルゴールバージョン。ボーナストラック的な位置付け?

***

前述した通り、タイトル曲が少し大人しいかな? とは思いますが、2曲共方向は違えどクラシカルな雰囲気とポップスとして聴きやすさを合わせ持っているので、プロデューサーやジャケットのイメージで興味を持った人以外にもアピールしてくるのではないかなと思っています。2曲共1stアルバムに収録されていますが(still dollはアルバムバージョン)、取りあえずちょっと聴いてみたい人はこちらをレンタルしてみても良いかもしれません。

***

Amazon(試聴あり)
still dollstill doll
分島花音

DefSTAR RECORDS(SME)(M) 2008-05-28
売り上げランキング : 58483

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オフィシャルサイト(試聴あり)

CODE ZTS LABEL「うみねこのなく頃に musicbox Red」(2009)

a
01.cage
02.longingly *
03.movie passing by *
04.witch in gold
05.stupefaction
06.play
07.goldenslaughterer
08.worldend(babypiano)
09.suspicion
10.voiceless
11.dead angle
12.worldend

b
01.red leaf *
02.worldenddominator
03.far
04.miragecoordinator
05.haze
06.apathy
07.game *
08.death(from stupefaction)
09.dive to emergency
10.wingless
11.dreamenddischarger


全曲作曲・編曲:zts
*:未使用曲

品番:ZTSL-018


***

ゲーム「うみねこのなく頃に」でBGMを担当している一人、ztsさんのサークル「CODE ZTS LABEL」からリリースされた2枚組サウンドトラック。うみねこEP1〜4までに使われた楽曲+ゲーム内未使用曲が収録され、アコースティックな優しい曲からダンサブルで攻撃的な物まで振れ幅の大きいアルバムになっています。

以下うみねこの話題も出しつつピックアップ。ネタバレにならない程度ですが、その辺気にされる方はご留意下さい。




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螺旋ウィルス「真実のオモチャ箱」(1999)

01.でんでん寄生虫
02.顔無し男
03.けんびきょうざんげのミクロ
04.腐乱のムスメ
05.真実のオモチャ箱
06.反応ナシ〜ウソ
07.反応無し〜ウソ ※

作詞 01〜04:毒きのこ
作曲 01〜04、06:向日葵/05:美歪+すごい人
編曲:KEN KAWAMURA

発売日:1999/05/07
品番:ELCR-10021


※ブックレットの表記は6曲目までですが、6トラック目は曲の一部が15秒程流れ、その後無音部分が暫く続き、7トラック目から改めて曲が始まるのでこのように表記しました。

***

2008年にボーカルのShunのみで一度復活もしたDeshabillzが、覆面バンド「螺旋ウィルス」名義で1999年にリリースしたミニアルバム。
98年に交通事故で亡くなったベーシスト、美歪への追悼盤という形でリリースされましたが(特典として彼の写真が入っています)、やっている事はDeshabillzとほぼ変わらず、猟奇的で病んだ歌詞を地声で捲し立てるShunのスタイルはこちらでも同じですね(こちらでは名義が「毒きのこ」になっていますが)。復活時に出たベストアルバムにも、「反応ナシ〜ウソ」以外がゴッソリ収録されていますし。ただ、メロディアスなシンセが良く使われているDeshabillzの方と比べ、こちらは打ち込み音が目立つデジロック寄りの音作りの曲がメインになっている印象があります。全体的には激しくアッパーな曲が多め。
全身を寄生虫に冒された男が主人公の、聴いているこっちの体が痒くなってくる「でんでん寄生虫」からトばしてますが、続く「顔無し男」「けんびきょうざんげのミクロ」も病んだ感情を出した激しい曲。殺害し腐乱した女の体への執着を描いたグログロな歌詞の「腐乱のムスメ」は、Deshabillzっぽさを感じるシンセを含むメロディアスな疾走曲になっています。美歪が作曲に関わったタイトル曲「真実のオモチャ箱」は、ピアノメインのクラシカルで悲しげなメロディーに語りが乗った曲。
そしてラストの「反応無し〜ウソ」も語りメインの曲ですが、暗いギターのフレーズに乗せて猟奇的な詩が朗読され、最悪の後味(褒め言葉)でアルバムは終わります。

装飾的・抽象的ではなく、地に足の着いた内容(?)のサイコな歌詞は、ヴィジュアル系ではMerry Go Roundや初期の蜉蝣等が売りにしていた印象がありますが、そういう要素があるバンドが好きな人は、フニャフニャしたボーカルが大丈夫ならば気に入る可能性は低くないと思います。Deshabillzとしても後期のCDなので、音のショボさは殆どなくなっていると思いますし。

***

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真実のオモチャ箱真実のオモチャ箱
螺旋ウイルス

日本クラウン 1999-05-07
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Raphael「White Love Story」(1998)

01.White Love Story

作詞・作曲:華月
編曲:Raphael、Koichi Hirai

発売日:1998/11/01
品番:TG-0003


***

Raphaelがインディースでリリースした1stシングル。
ジャケットやタイトルから想像される通り、荘厳なオルガンから始まるクリスマスソングになっています。いかにもな歌詞といい跳ねるような明るい曲調に乗ったキャッチーなメロディーといい、非常にベッタベタな印象ですが、ここまでやりきっているからこそ良いのですw 壮大なシンセや聖歌隊コーラスも入って非常に賑やかな曲になっており、ラストはコーラス隊が入り再び荘厳なエンディングへ。コーラスの上に乗ったYUKIの声もハマっていると思います。

枚数限定でリリースされましたが、現在はベストアルバム「Singles」に入っているので中古屋やオークションを探し回る必要は無いかと。

***

オリジナル盤のジャケット。今見てもこの華月のメイクは白く塗り過ぎな気がする…w
IMG01


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SinglesSingles
Raphael

フォーライフ ミュージックエンタテイメント 2001-08-01
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Raphael「LILAC -Second Edition-」(1998)

01.シナゴーグ前奏曲イ短調 〜第一楽章〜
02.Imitation White
03.Sacrifice
04.eternal wish 〜とどかぬ君へ〜
05.人間不信
06.窓際の夢(Live Version)

作詞 02〜06:華月
作曲 01:華月、T.D.Yokotsuka/02、05、06:華月/03:YUKI、華月/04:YUKI
全曲編曲:Raphael

発売日:1998/6/27(再発盤:2000/11/22)
品番:TG-2(再発盤:FLCF-3825)


***

ボーカル:YUKI、ギター:華月、ベース:YUKITO、ドラム:HIROによるバンド「Raphael」が1998年にリリースした1stミニアルバム。私の手元にあるのは6曲目が追加された2ndエディションになります。2000年にはメジャーから再発されました。
活動期間は僅か3年程ながら、クラシカルなメロディーと大半の曲を作っていた華月による、V系的に装飾されながらも青臭さの混じった歌詞が、同じく思春期真っ只中だった人達の心を掴んだのか結構な人気を持っていました。…と人事のように書いてみたところで、私だって彼らを知ったのは高校生の頃でしたけれど。
2000年に華月が19歳の若さで逝去してしまったため、その時点で決まっていたツアーを行った後バンドは活動を停止。現在YUKIとHIROはriceで活動しています。

以下各曲について。


01.シナゴーグ前奏曲イ短調 〜第一楽章〜
デジタル音メインによるインスト。高速でダンサブルなアレンジですが、引っ切り無しにクラシカルなメロディーが鳴っています。

02.Imitation White
グシャッとしたバンドサウンドが前に出たメロディアスな楽曲。激しいというより荒っぽい印象も受けますが、キャッチーな歌メロとクラシカルなキーボードが曲に華やかさを与えているように思います。

03.Sacrifice
イントロの透明感のあるギターが印象的な、こちらもアップテンポなメロディアスチューン。というかですね、このサビメロがクサくてたまらないのですよw この曲自体全体的にメロディーがクサイんですけどね。アルバム中の印象深さは一番なのではないでしょうか。間奏のギターソロに、後のメタル要素を取り入れていく予兆を感じます。

04.eternal wish 〜とどかぬ君へ〜
後にメジャーでもシングルタイトル曲として再録されたスローバラード。確かバンドが結成されて最初に作られた曲だったかな?
クラシカル歌謡バラードとでも呼べそうな、透明感のある楽曲なのですが、その歌詞がこれでもかと相手への愛を語るものなので、人によってはカユくなるかもしれません。16歳位だとこういうストレートな歌詞は書くの恥ずかしいんじゃないかとも思いますが…いや逆も然りか。
そう言えば、こちらのアルバムバージョンだけで思う事なんですが、バックのギターのフレーズが妙に沖縄音階っぽく聴こえてしまうのは私だけでしょうか…。

05.人間不信
当時のヴィジュアル系バンドは1曲は作っておかなければならない(?)ダークな発狂曲。とは言ってもサビメロは思いっきりメロディアスなので、割と聴きやすいとは思うのですが。

06.窓際の夢(Live Version)
Second Editionのみに入っているボーナストラック。ギター一本で歌い上げる、切ないメロディーが前に出た曲になっています。タイトル通りライブ録音ですが、音の響きがそれっぽい位で、曲としては普通に聴けます。こちらもメジャーで「eternal wish」カップリング曲として再録されました。

***

この段階ではまだメタル要素はそんなに感じませんが、歌謡・クラシカルなメロディーは既にてんこ盛りなアルバムになっている印象があります。最初のCDという事で粗っぽさもあり、YUKIの声も所謂ヴィジュ声とはまた違った特徴的な声なので(まぁ合唱団出身ですし)、メジャーで出たアルバム「mind soap」やベストが入門には良いとは思いますが、メロディアスなバンドが好きならこちらも気に入る要素は多いと思いますよ。

***

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LILAC-Second EditionLILAC-Second Edition
Raphael

フォーライフ ミュージックエンタテイメント 2000-11-22
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