一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2010年10月

V.A.「XIII FILE Vol.1」(2010)

01.chaos system / FLASH BACK
02.Schwein / ugly
03.SaTaN / The Revenge of Toys
04.弾丸少女 / 幻影花
05.カル・ヴァリ / シュガーノイズ
06.パニックちゃんねる / EMERALD
07.L'eprica / Sephirothic tree
08.朱鷺 / 「眠れる森・・・」
09.DISH / ハニィドンクライ
10.CROSS BREED / SHADOW
11.BALLAD. / サイネリア
12.ElDorado / ノスタルジア
13.Deflina Ma'riage / True

発売日:2010/02/17
品番:TMD-003


***

ヴィジュアル系レーベル「THIRTEEN MUSIC」がリリースされたオムニバスアルバム。レーベル所属バンドはchaos system、弾丸少女、CROSS BREED(と解散済みのDeflina Ma'riage)ですが、他にも結構気になる面子が多かったので手を出してみました。結構前に解散したElDoradoの曲も何故か入っていたり。


01.chaos system / FLASH BACK
作詞:狂華、TOMO 作曲・編曲:Hi-Ball

元Aliene Ma'riage、元Deflina Ma'riageの狂華、元DEFLOWER、同じく元Deflina Ma'riageのTOMOが在籍している、かつての所属レーベルだったKEY PARTYのバンドが好きだった人はちょっと気になるかも知れないバンド。このバンド自体は結構前から活動していましたが、現在オリジナルメンバーは狂華だけかな? 一時期はツインボーカルだった時期もありましたが…。デフリナ結成のため活動が止まっていましたが今年になって活動を再開しました。
楽曲の方ですが、狂華の凶暴なシャウトと打ち込みも交えたザクザクとした攻撃的なサウンドでもって爆走しています。サビでは少しメロディアスに歌っていますが、左右でシャウトしまくりなのであんまり落ち着いた感じはしません。アリエネの頃のキ○ガイじみたシャウトに比べると、随分まとも(?)になったなぁとも思いますし、この手のラウド方面のバンドは現在飽和状態な気もしますが、変にキャッチーに持っていかないからか、ここまでやりきられるとやっぱり気持ち良いですね。でもこの曲、クレジット見るとエンジニアによる作曲になってるんですが…。

オフィシャルサイト

02.Schwein / ugly
作詞:ヒナ 作曲:耶要 編曲:Schwein

ボーカルのヒナはサリーやhurtsで活動していた人ですね。オフィシャルサイトを見ると同名の曲が配布シングルとして出ていますが、その音源をそのまま使っているのかな? こちらもchaos system同様、攻撃的なサウンドで疾走しており、耽美さを排してひたすら激しさを追求している印象。歌詞が載ってないのですが、聴いてみる限り、かなり直接的に下品な言葉がひっきり無しに出てきてますし…w 間奏ではギターが高速でピロピロしたりもしていますよ。

オフィシャルサイト

03.SaTaN / The Revenge of Toys
作詞・作曲:Shinya & HI-NA

一時期マイスペを延々と聴いていたりと気になっていたバンド。サイトの試聴のイメージ通り、ダミ声ボーカルにゴリゴリした激しめのバック、でもメロディーは人懐っこくてユーモラス…これは面白いw ちょっとチープなデジタル音もいい味を出しています。一言で言うなら邪悪なディズ○ーでしょうか。この後に出たアルバムにも入っているみたいですね。

オフィシャルサイト(NEWSページからCD視聴ができる販売サイトへのリンクあり)
MySpace

04.弾丸少女 / 幻影花
作詞・作曲:弾丸少女 編曲:TOMO、弾丸少女

NOi'X、モル・ノヲド等で活動してきた詩那を中心としたバンド。ミニアルバム「幻影花」からの収録になりますが、ちょっとダーク寄りのパンクチューンと、上に挙げた2つのバンド中間のような曲を持ってきた感じが。ベタッとしたボーカルがちょっと好みを分けそうですが、割と聴きやすくはあるかな? 今まで出た2枚のCDでは、曲タイトルを変えてNOi'Xのセルフカバーもやっているので興味のある人はどうぞ。

オフィシャルサイト
itadaki(試聴あり)

05.カル・ヴァリ / シュガーノイズ
作詞・作曲:シネマ 編曲:Kalvary

初聴きのバンド。沈んだダークな展開から、サビでは切ないメロディーを歌い上げるミディアムポップナンバーになっており、ピアノの音がその切なさを一層かき立てているように感じます。オフィシャルで他の曲も一通り視聴してみましたが、そちらはもっとアッパーな曲も多く、キラキラしたシンセを前面に出しているみたいですね。ポップなV系バンドが好きな人は気に入りそうです。

オフィシャルサイト(試聴あり)

06.パニックちゃんねる / EMERALD
作詞:MEGURU 作曲・編曲:パニックちゃんねる

名前だけは6、7年位前から知っていましたが、音を聴くのは初めてのバンド。名前と活動期間からして、王道オサレ系バンドなのかなと勝手に思っていたのですが、コッテコテなルックスにびっくり。楽曲の方もそれに違わぬ、ギターと薄く乗るシンセで引っ張るちょっとダークなメロディアス疾走曲と、これまたヴィジュアル系の王道。正直名前で敬遠していた部分があったのですが…ベタといえばベタな曲調ですが普通に好きです、これ。
オフィシャル見たら、コテ方面の時は「パニックちゃんねる」、オサレ寄りな時は「PANIC☆ch」と名義を分けているみたいですね。しかし字面からのイメージって怖いなぁ…かつてのダーク系バンド「Madeth gray'll」を「までぃす☆ぐれいる」と表記するだけで随分と…ほら、ねぇ?w

オフィシャルサイト(試聴あり)

07.L'eprica / Sephirothic tree
作詞:raya 作曲・編曲:L'eprica

2ndシングルからの収録。
他サイトのレビューを見て気になっていたバンドだったのですが…やられました。浮遊感のある冷たいシンセをイントロにゆっくりと展開し、サビで一気に歌い上がるバラードなのですが、予想以上のスケールの大きさとダークさを持って迫ってくる感じがたまりません。艶のあるボーカルも曲にバッチリ合っていますし、本当に何故こんなバンドのHPがまだふりーぺなのさとw
確かにこれは話題に登るのが分かります。個人的に本オムニバスの中では一番の収穫でした。

オフィシャルサイト
MySpace

08.朱鷺 / 「眠れる森・・・」
作詞・作曲:吏 編曲:朱鷺

こちらもL'epricaと似た経緯で音を聴いてみたかったバンド。フワフワと漂うようなギターの音が印象的な、薄暗い(?)印象を与えられるミディアムナンバー。ボーカルの方は逆にちょっとヘナッとし過ぎというか、もうちょっと力強く歌っても良いような気もしますが、これが狙いなのかも知れませんし…うーんw 全体にはシンプルな音ながら心地良く包み込まれる曲になっていると思います。

オフィシャルサイト
MySpace

09.DISH / ハニィドンクライ
作詞:渋谷ヒロフミ 作曲:DISH

ギターボーカルとベースによる二人組バンド。曲だけ聴いたらV系とは思う人は少ないのではないかと思われる、グシャッとした轟音ギターが前に出たロックナンバーになっておりちょっと驚きました。ボーカルも高音でがなり立てるスタイルですが、メロディーは良い意味で普遍的なので、V系好きな人が敢えて手を出すかは別として、曲調含めてバンドサウンドが好きなら結構取っ付き易い気がします。

オフィシャルサイト
MySpace
YouTube(公式)


10.Cross Breed / SHADOW
作詞:透雅 作曲:隆聖 編曲:Hi-Ball

ラウドになりきらない適度にやかましく鳴るギターが前に出るパートと、抑えめなアレンジのパートのバランスがいい塩梅な印象の、切ないメロディーの疾走曲。最初はラウド系っぽく展開するかと思いましたが、前述したように押し引きが丁度いい感じなので、ヴィジュアル系らしい湿っぽいメロディーもちゃんと映えているのかなと。
しかしついこの間、ボーカル、ギター、ベースがごっそり脱退してしまったそうで…最近そんな展開が多いなあ。

オフィシャルサイト

11.BALLAD. / サイネリア
作詞:一葵 作曲・編曲:BALLAD.

ここにきてやっと今っぽいバンドが!w ラウドでアッパーなアレンジにサビはあくまでメロディアス。自分は特に好きも嫌いもなくといった感じですが、何気にここまでそういうバンドが居なかったので、やっぱりこういうのも必要ですよね、という事で。ただこちらは今年9月にバンドが解散してしまいました。オフィシャル見ると、この曲が前身バンド時代を含めて最初の一般流通音源だったようですし、まだこれからという時期だった筈ですが…まあ、色々難しいですよね。

オフィシャルサイト
MySpace

12.ElDorado / ノスタルジア
作詞・作曲:瞬介

ここから2曲は解散済みバンドの音源ですが、1組目は2004年に解散したElDorado(後にEllDoradoに改名)。ミニアルバム「SILENCE」からの収録で合ってるかな?
細いギターで引っ張る疾走感、切ないメロディー、こちらも細いですが歌い上げるタイプのボーカルと、ヴィジュアル系の疾走曲のお手本のような曲ですが、だからこそツボをグイグイ押されるのです。とにかく最初から最後まで勢いが落ちない名曲だと思います。バックのシンセも透明感を演出していて顔がニヤける…w 前のBALLAD.が今のスタンダードなら、こちらは2000年代前半のメロディアスV系の王道でしょうか。ですが何故ここにきてこのバンドが収録されたんだろう…次のデフリナは13music所属だったから分かるのですが。
また、このオムニバスが出た翌月、作曲者でベーシストだった瞬介が逝去していたと知った時は驚きました。2010年はV系界隈で訃報や病気による休養が相次いでアナウンスされた年だった気がします。

13.Deflina Ma'riage / True
作詞:狂華 作曲・編曲:Deflina Ma'riage

そしてこちらが1曲目のchaos systemから狂華、TOMOが在籍していたバンド。こちらはミニアルバム「MARY」に収録曲されていた曲の新録バージョンになります。
元々このバンドが90年代後半〜2001年位までV系レーベル「KEY PARTY」で活動していたバンドのメンバーによって(そしてそれぞれのバンド名を混ぜて)結成されたバンドなので、どうしても当時の曲調を期待してしまうのですが、全体的には最近のインディーズV系的な音を出していた印象がありました(過去のバンドのセルフカバーもやってはいましたが)。
しかしこの曲に関しては、2000年前後っぽさのあるポップなメロディーが前に出して疾走する、デフリナの中でもかなり明るい曲調に振り切った曲となっています。ただ狂華さんのボーカルはノーマル歌唱が微妙なので(苦笑)、それがまともに表れるこの曲を敢えて新録しなくても…とも思ったり。まあゴリゴリ方面の曲持ってくるとchaos systemと被っちゃいそうですし、差別化を図るという意味では良かったかもしれません。「MARY」収録バージョンとの違いとしては、シャウトコーラスが無くなっていたり、メインのギターソロがアコギになるなど、少しシンプルなアレンジになった印象です。

***

個人的にはかなり当たり、特にSaTaN、L'eprica、DISH辺りが好みでした(後ギャップに驚いた意味でパニックちゃんねる)。上でも貼っているように、今はMySpaceやYouTubeなど、こちらからいくらでも視聴できる環境が出来ているので、こういう新規発見的なオムニバスの意義は段々薄れていくのかもしれませんが、私みたいに古い人間は、CDという形で手に取りたかったりする訳で…w 気になるバンドが幾つか入っている人は試しにいかがでしょうか。

***

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XIII FILE Vol.1XIII FILE Vol.1
オムニバス

インディーズ・メーカー 2010-02-17
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キリト「Hameln」(2005)

01.Hameln
02.DOOR
03.PLOT
04.INTER CUTTER
05.Ray
06.Awaking bud
07.誰もいない丘
08.再生の朝(Album Version)
09.THE SUN
10.EXIT

全曲作詞・作曲:KIRITO
編曲 01、02、08:KIRITO、Kazuhisa Yamaguchi/03、05、07、09:KIRITO、Tatsuya Nishiwaki/04、06、10:KIRITO、Atsushi Shimada

発売日:2005/08/03
品番:AVCD-17703


***

PIERROTのボーカリスト、キリトの1stフルアルバム。ボーカリストのソロということもあってか、バンドサウンドメインだった後期のPIERROTと比べ、ストリングスやデジタルサウンドもサクサク乗せられ、歌メロも前面に出されたアルバムとなっている印象です。

以下各曲について。


01.Hameln
ストリングスが映えるミディアムポップナンバー。サビで一気に開けるメロディーが心地良く、シングルタイトル曲になってもおかしくないキャッチーさと適度な壮大感を持っていると思います。アルバムへ引き込む曲としては大成功ではないでしょうか。

02.DOOR
1stシングルタイトル曲。感想はそちらの方をご覧下さい。流れとしては1曲目を引き継いだような構成になっている気がします。

03.PLOT
チキチキとした打ち込み音にサイバーな印象を受けるアッパーな楽曲。攻撃的ですが全体にキャッチーで、デジタル音も前に出ているからか後期のPIERROTほどはゴリゴリしていない感触があります。要は自分好みという事で。

04.INTER CUTTER
こちらもアッパーでキャッチーなデジロック…なのですが、歌詞が…。
もしかしなくても2ch、というかネットの匿名コミュニティを攻撃している内容なのですが、もうちょっと表現何とかならなかったのですか。何と言うか、ネット弁慶を顔真っ赤にして叩く中二そのものでもうねwwもうねwwww「A ha!」の掛け声も弱々しくて、逆にこちらが心配になってくるというかwwwww
――思わず草を生やしてしまいましたが、まぁ…実際芸能活動している人はこの手のアレって大変なんだろうなぁと。PIERROTのメジャー初期ではアルバムまたいで壮大なストーリーを書いていた人が、その後にある意味分かりやすい中二病の初期症状な言葉を使ってくるのは逆に興味深いかも(初期のストーリー仕立ても中二っちゃ中二ですが、普通順序が逆が気がするので)。私の中ではPIERROTの「ネオグロテスク」と並ぶ、お兄さんやっちゃったシリーズに入る楽曲。
散々おちょくってしまいましたが、何だかんだ嫌いじゃない曲です。だって自分も同じビョーキだもの!(あれ?)

05.Ray
前曲から一転、タイトル通り光が射してくる様な明るさを持った壮大なポップナンバー。「HEAVEN」辺りのPIERROTが好きだった自分には、こういうポップに振り切った曲がツボです。3分ちょっとで終わるため、サビパートがもう一回多くても良かった気もしますが、こういう潔い終わり方もありかな。しかし本当に前曲とのギャップが凄まじい…(笑)

06.Awaking bud
ガシガシとしたギターと攻撃的なドラムが前に出た、ハードめの楽曲。全体にライトなアレンジが多いアルバム内では、こういう曲が良いアクセントになりますね。

07.誰もいない丘
V系と言えば丘! キリトと言えば丘!
こちらもメジャー初期のPIERROTを思い起こさせる荒涼とした印象の序盤と、シンセやストリングスをバックに盛り上がるサビとの対比がたまらないバラード。シングルの「再生の朝」でベースを弾いていたMick Karnがこちらにも参加しており、この曲だけ他と比べ明らかにベース音が大きくウネっております。間奏や終盤でのギターとストリングスとの絡みもツボで、やっぱりキリトはこういう音やりたかったのかなと思わせられます。

08.再生の朝(Album Version)
「DOOR」カップリング曲のアルバムバージョン。シングル版とそんなに大きな違いはありませんが、Mick KarnのベースがKOHTAに変わっており、シングルと比べあまり主張はしていません。目立ってないわけではありませんけれど。

09.THE SUN
アルバム終盤を感じさせる、キラキラとした音作りをされたポップナンバー。明るく少し切ないメロディーが前面に出ており(PIERROTの方にこんなサビメロがあった気もしますが)、終始爽やかな印象を持ちます。しかし今歌詞を見返すと、抽象的ながらPIERROT解散を見越したような内容になっているような気がしなくもない。まぁ解散後のソロでは解散を引きずったメソメソした歌詞が増えるので、その辺分かりやすいというか、人間臭い人だなあとw

10.EXIT
シンセとストリングスによって、効果的にスケールの大きさが演出されている楽曲。流れるような展開とサビでの盛り上げ方もアルバム中一番と思え、1曲目と並んでシングルで出してもおかしくなさそうな曲になっています。

***

バンドのボーカリストであり中心人物のソロなので、どうしてもPIERROTの方と比べざるをえないのですが、個人的にPIERROTでは最もポップな方向を向いていたと思っている3rdアルバム「HEAVEN」の音作りを、もう少しライトに発展させた――というか、もしあのままの方向でPIERROTが進んでいたらこんなアルバムが出来たかも知れないと思わせられる内容でした(「INTER CUTTER」はさて置くとしてw)。「HEAVEN」後のPIERROTがバンドサウンドメインの方向に進んでいったため、その点ではバンドとソロの違いは明確になっていたのではないでしょうか。当時は自分が一番好きな時期のPIERROTが、ソロの方で不意に出てきた感があり結構嬉しかったのを覚えています。こういう曲調をソロでやってバンドサウンド主体の音はPIERROTの方で行くのだろうと思ってたのですが、翌年PIERROT自体の解散という爆弾が落とされてしまい…。その後結成したAngeloとも並行して活動していましたが、一応2ndアルバムでソロの方は止まっている状況ですね(そちらも藤井麻輝やCMJKなどゲスト陣が豪華)。
基本メロディアスなので、バンド+ウワモノ好きな人には広くアピール出来るアルバムではないでしょうか。取りあえず、先に挙げたメジャー中期辺りのPIERROTが好きだった人には大いにお勧めしたいです。逆に最初にソロから入った人は、そちらの時期のアルバムを…。

***

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キリト「DOOR」(2005)

01.DOOR
02.再生の朝

DVD(初回盤のみ)
DOOR(PV)

全曲作詞・作曲:KIRITO
全曲編曲:KIRITO、Kazuhisa Yamaguchi
ストリングスアレンジ 01:Yuji Nomi

発売日:2005/07/06
品番:AVCD-30742


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PIERROTを経て現在Angeloのボーカリストとして活動しているキリトが、2005年にリリースしたソロデビューシングル。ギターの一部はキリト自身が弾き、他のパートをサポートで固める形を取っていました。

以下各曲について。

01.DOOR
ギターとチェロ(かな?)で穏やかに始まり、段々と盛り上がっていくポップチューン。特にサビでストリングスをバックにした切ないメロディーの盛り上がりは、後期のPIERROTでは聴けなかった音作りだったので、当時「まだこういう曲やるんじゃん!」と結構嬉しかった記憶が。メロディーはキリト節全開ながら、当時のPIERROTとの違いが分かりやすく示されているのではないでしょうか。
因みにPIERROTからKOHTAがベースで参加しています。

02.再生の朝
この曲はPIERROT時代からあった曲のようで、確かに少しダークながらメロディアスな曲調に神話っぽさを感じさせる歌詞と、インディーズ〜メジャー3作目辺りまでのPIERROTっぽさを感じる楽曲になっています。改めて聴くとギターのフレーズがPIERROT臭プンプンで面白い。こちらはベースにMick Karnが参加しており、彼のソロアルバム程ではないですがうねりのあるベースが聴けますよ(1stアルバム「Hameln」に入っているアルバムバージョンでは、こちらもKOHTAが担当しています)。

***

初回盤DVDに入っているPVも後に2ndアルバムの初回盤DVDに収録されたため、「再生の朝」のシングルバージョンに価値を残すのみとなりましたが(アルバム版とそんなに大きく違わないのですが、個人的にはこちらが好き)、ミックカーンの仕事ぶりを聴いてみたい人はこちらも是非。

***

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ブログネタ
借りぐらしのアリエッティ に参加中!
Cecile Corbel「借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック」(2010)

01.The Neglected Garden (荒れた庭)
02.Our House Below - Movie Version (床下の我が家)
03.Our House Below - Instrumental Version (床下の我が家)
04.The Doll House - Instrumental Version (ドールハウス)
05.Sho's Lament - Instrumental Version (翔の悲しみ)
06.Arrietty's Song - Instrumental Version
07.The Neglected Garden - Instrumental Version (荒れた庭)
08.Sho's Walz (翔のワルツ)
09.Spiller - Instrumental Version (スピラー)
10.Rain - Instrumental Version (雨)
11.The Wild Walz (ザ・ワイルド・ワルツ)
12.Sho's Lament - Instrumental Version2 (翔の悲しみ)
13.An Uneasy Feeling (不安な気持ち)
14.With You (あなたと共に)
15.The House is in Silence (静寂の屋敷)
16.Sho's Song - Instrumental Version (翔の歌)
17.Precious Memories (大切な思い出)
18.Goodbye My Friend - Instrumental Version (グッバイ・マイ・フレンド)
19.I Will Never Forget You (あなたを決して忘れない)
20.Arrietty's Song
21.Tears in My Eyes (僕の涙)
22.Goodbye My Friend (グッバイ・マイ・フレンド)

※01、02、20、22:ボーカル曲
全曲編曲:Cecile Corbel、Simon Cady

発売日:2010/07/14
品番:TKCA-73537


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2010年に公開された映画「借りぐらしのアリエッティ」の劇中BGM及び主題歌を担当した、歌手・ハープ奏者のCecile Corbelによるサウンドトラック。映画の登場人物達が小人ということもあってか、ブックレットが小さな冊子仕様になっているのですが、正直ちょっと扱いづらかったです(苦笑)

CM等で「Arrietty's Song」を耳にした時から、これは好きかも…と思っていましたが、実際映画を観て本格的にノックアウトされました。全体的にハープ、ストリングス、アコギ、木管楽器等をメインとした、ケルト寄りというか民族音楽要素を多く含んだ透明感のある楽曲が並んでいるのですが、その透明で穏やかなトーンを壊さないバランスで、哀愁を持ったメロディーが全編に亘って続くので、ここ数年この手のインスト曲を探している自分には思いっきりツボを突かれました。殆ど場所を変えずにストーリーが展開する映画本編の盛り上がりをBGMで支えている部分は大きかったのではないでしょうか。本CDはレンタルしたのですが、売店にサントラが売っていたのなら、映画鑑賞後のテンションで即購入した事でしょう。惜しかったな、某所のM○VIX!(笑)
本作はサントラという性質上、どの曲がどうというよりはアルバムを全編流して聴くのが向いているでしょうし、自分もそうしているのですが、好みなものを挙げるなら、やはりその哀愁っぷりが特に前に出ていると思われる「翔の悲しみ」「スピラー」「ザ・ワイルド・ワルツ」「翔の歌」などでしょうか。そして映画の主題歌「Arrietty's Song」は、日本語詞が少々たどたどしいのを差し引いたとしてもw、その儚げなボーカルとクサいメロディーがたまりませんでした。

映画を観てBGMが気に入った人は勿論、民族要素のあるインストものが好きな人には、大いにお勧めできるサントラだと思っています。私はこれを聴いてオリジナルCDにも興味を持ちました。

***

Amazon(試聴あり)
借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック
セシル・コルベル

徳間ジャパンコミュニケーションズ 2010-07-14
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オフィシャルサイト

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鑑賞から3ヶ月近くたってしまいましたが、折角なので映画の感想も適当に箇条書き(ネタバレ気味なので続きからどうぞ)

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Dear you 製作委員会「Dear you」(2006)

01.Dear you -Cry-
02.Dear you -Feel-
03.Dear you -Kind-
04.Dear you -Hope-
05.想い-You were in the wind of summer-

全曲作詞:hinaco*
全曲作曲:dai
編曲 01、04:WAVE/02、05:dai

発売日:2006/8/13
品番:DY-01


***

同人ゲーム「ひぐらしのなく頃に」に使用されていた楽曲「you」を中心に、オリジナルの歌詞と5人のボーカリストによってカバーしたCD。…と言っても、編曲に原曲作曲者のdaiさんが参加していたり、1曲目でボーカルをあてているのが、そのdai氏のサークルから出ているひぐらしのサントラ「Thanks/you」やアニメ版ひぐらしのイメージアルバムに参加している癒月氏だったりするので、位置付け的には半セルフカバー? でしょうか。

全体的には、叙情的なメロディーを前に出し穏やかに盛り上がる原曲に忠実な楽曲が並んでいるのですが(というかdai編曲の02、05については、バックは「Thanks/you」とほぼ同じ?)、それ故どの曲も差の少ないバージョン違いというか、似た様な印象を受けてしまう所も。折角原曲作曲者が参加しているのですから、他の方は敢えて違いを出す作り方をして良かった気もします。歌詞も所々詰め込み具合が気になりますが、これは原曲ボーカル版にも感じる所なので何とも言えないかも。
しかし1曲1曲は丁寧にアレンジされており、原曲やゲーム内のBGMに親しんだ人にはすんなりと気に入る事が出来るのではないでしょうか。個人的には、曲全体に細かく流れるようなピアノのメロディーが心地良い「Dear you -Cry-」や、ボーカルとしてはちょっと危なっかしいかな? とも思ってしまいますが、プレイ済の人からするとそれが逆に歌詞のキャラクターにぴったりとハマっていると思わせられる「Dear you -Kind-」が好みでしょうか。
そう、歌詞ですが、1曲毎にゲーム内の登場人物へスポットを当てた内容となっており、発売時期的に原作のストーリー・設定を大きく反映したものとなっているので、これkら原作をプレイ予定でネタバレ気にする人は、少なくとも全部通してプレイしてから手に取るのをお勧めします。純粋にdaiさんの楽曲が好きだという方は、ついこの間再販がかかったので、近くの同人ショップか通販へダッシュすれば良いじゃない!(基本旧譜はランダムに選んで感想を書いているのですが、これ書くにあたって調べたら今月頭に再販されててびっくりしました…w)。

***

オフィシャルサイト(試聴あり)
dy-bana1

メロンブックス(試聴あり)

M���go de Oz「Atlantia GaiaIII」(2010)

Disco I
01.El latido de Gaia (Intro)
02.Dies Irae
03.F���r Immer
04.Vodka'n'roll
05.El Pr���ncipe de la Dulce Pena (Parte IV)
06.Mi Hogar Eres T���
07.Fuerza y honor (<<El Dorado>>)
08.El Viol���n del Diablo
09.Siempre (Adi���s Dulcinea Parte II)

Disco II
10.Mis demonios
11.Que el viento sople a tu favor
12.Sue���os Dormidos
13.Aun amanece gratis
14.La soga del muerto (Ayahuasca)
15.La ira de Gaia
16.Atlantia

作詞 02〜06、09〜16:Txus Di Fellatio/08:Patricia Tapia
作曲 01、13:Carlos Prieto<<Moha>>、J.C.Martin<<Carlitos>>、Frank、Sergio Cisneros<<Kiskilla>>、Fernando Ponce、Pedro D���az<<Peri>>
02、06、10、12:Txus Di Fellatio、Javier Diez
03〜05:Txus Di Fellatio
07、08:Carlos Prieto<<Moha>>、J.C.Martin<<Carlitos>>、Frank、Sergio Cisneros<<Kiskilla>>、Fernando Ponce、Pedro D���az<<Peri>>、Patricia Tapia
11、14、15:Carlos Prieto<<Moha>>、J.C.Martin<<Carlitos>>、Frank、J.Andr���a、Sergio Cisneros<<Kiskilla>>、Fernando Ponce、Pedro D���az<<Peri>>
16:Txus Di Fellatio、Frank、Javier Diez

発売日:2010/04/06


***

スペインのフォークメタルバンド「Mago de Oz」が2010年リリースにリリースした2枚組アルバム。タイトルから分かるように、少し前からGAIAシリーズというアルバムを作っており、今作がその3作目&完結編のようです。(因みに「GAIA II」は前作ではなく前々作になります)
私が最初にこのバンドを聴いた前作「La Ciudad De Los ���rboles」に比べると、陽気な民謡要素が少し減退し、モダンで若干のサイバーっぽさや王道のハードロック寄りの要素が入った曲が目立っているように思います。そのせいか初聴時は自分の好みとは少し違う方向を向いたかな? という印象だったのですが、そういう物だと思って聴きこむとかなりカッコいいアルバムに思えてきました。別にそういう要素が嫌いというわけでもないですし、前作程前面に出ていないとは言えクサいメロディーもてんこ盛りですしね。
個人的にお気に入りなのは、そのモダンでヘヴィな要素と笛やバイオリンのクサいメロディーの乱舞っぷりが融合したような「Dies Irae」、メロディアスに疾走する「Vodka'n'roll」、自分が最初に彼らのイメージとして持った「海賊メタル(変な言い方ですが、彼らの佇まいを見ちゃうと…w)」という言葉が当てはまるような、壮大ながらおおらかで陽気なメロディーが映える「Que el viento sople a tu favor」でしょうか。ラストの表題曲「Atlantia」は20分近くの大作。

前作に比べるとシリアスな雰囲気に寄っているため、少し飲み込みづらいかな? とも思いますが(実際ボリュームもありますし)、それはこのバンドにどんな曲を求めているかによって変わってくるかもしれません。実際自分は聴きこむごとにハマり度を上げていきました。民謡要素のあるメタル・ロックバンドが好きで、大作好みの人にはお勧めしたいアルバムです。

***

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Gaia III - AtlantiaGaia III - Atlantia
Mago De Oz

Warner Music Latina 2010-04-27
売り上げランキング : 41085

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オフィシャルサイト

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YouTube(公式)
Vodka 'n Roll(PV) 現在公式トップにも貼ってあるのに、埋め込み無効で弾かれるのは何故なんだぜ
http://www.youtube.com/watch?v=dapK0eqVQQU

Que el viento sople a tu favor(PV)

SCISSOR「NUMBER CUT #2」(2003)

01.「SH」
02.理想street
03.Night Show 〜シワシワ老婆のNANA不思議〜
04.「NC」
05.オトメ
06.ブラインドマン(〜シークレット音源)

作詞 02、03、05、06:MIKI
作曲 01、03、06:SEIICHI/02、04、05:子雲

発売日:2003/12/10
品番:LOOP-4002CD


***

SCISSORの2ndミニアルバム。前作「NUMBER CUT」から間を置かずにリリースされたこともあってか、ほぼ曲の雰囲気やアルバムの構成も似ている印象があり、前作が好きな人にとっては安心クオリティでしょうか。

以下各曲に付いて。


01.「SH」
英語のナレーションが入った壮大感のあるイントロから一転し、ガチャガチャとしたバンドサンドとシャウト中心の展開に。ほぼインストと捉えて良いと思います。途中少しだけホラーチックな展開が入るのも面白いですし、短めですが1曲目にしてバンドの色が良く出ているのではないでしょうか。

02.理想street
前作でもあった、ウネウネとしたギターのフレーズが印象的な激しめの楽曲。サビではメロディアスに歌い上げますが、パンキッシュで攻撃的な要素とレトロなメロディーを前に出した要素が交互にやってくる曲という印象があります。

03.Night Show 〜シワシワ老婆のNANA不思議〜
時計の音? や冷たさを感じさせる演奏と、鼻にかかったようなボーカル(と歌詞)との取り合わせが、コミカルホラー風味な印象を与える曲。語りを入れたり、一部でボーカルに極端なエフェクトをかけたりと、ギミックも色々入れています。そこまで大きく盛り上がる訳ではないのですが、今作中では結構好きな曲。エロイムエッサイム…。

04.「NC」
前作にもあった、語りメインというかネタトラック。バックの音はシンセメインの冷たくゴシックチックで結構好き。今回メンバーはゾンビになっている…らしいですw

05.オトメ
こちらもレトロなオサレパンク? な印象のアップテンポな楽曲。このガチャガチャ感がシザーの特徴なのでしょうね。

06.ブラインドマン
最後は疾走パンクチューン…って本当に前作と構成似てる気が。サビも明るく歌い上げており、エフェクトをかけたシャウトが無かったら、V系ボーカルが青春パンクを歌ってみましたみたいな感じになっていた気も。ブックレットのヴィジュアルは結構怖い感じですが、基本何でもありのバンドだったのかな? 曲自体は普通に好きです。

〜シークレット音源
ブラインドマン終了後、そのまま再生を続けるとまもなく始まります。
ライブ録音ですが、これはメンバー紹介を兼ねたコール&レスポンスでしょうか。結構盛り上がっており、観客のメンバーを呼ぶ声もはっきり聴こえます。「切っちゃえ 切っちゃえ 切っちゃえ」の繰り返しが印象的。ライブでは毎回やってたのかなあ。

***

繰り返している通り前作を踏襲したような雰囲気なので、あまりこちらで言う事が無いのですが(苦笑)、Night Showのようなダークな空気を混ぜ込んだものもあり、決してオサレ一辺倒ではないバンドだったのかなと思っています。この後に出た「NUMBER CUT #3」は未聴なのですが、今更ながら気になってきました。

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SCISSOR

LOOP ASH RECORDS 2003-12-10
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SCISSOR「NUMBER CUT」(2003)

01.ニセ恋愛占い師(ver.トランプの君)
02.咲いたメリーゴーラウンド
03.『NC』
04.夕暮れ片隅占い師(ver.夕暮れの君)
05.From 住人 to イロ。

全曲作詞:MIKI
作曲 01、02、04:SEIICHI/03:子雲/05:GRIF

発売日:2003/7/23(2ndプレス:2004/04/01)
品番:LOOP-4001(2ndプレス:LOOP-4003CD)


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2005年に解散したSCISSORの1stミニアルバム。ブックレットのダークなヴィジュアルに比べると、楽曲としてはガチャガチャした感触の、当時の真っ当なオサレ系の匂いがしますが、コミカルホラー的な要素や1トラック使ってナレーション主体の寸劇(コント?)を入れたりとなかなか面白いことをやっています。ボーカルのMIKIは現在Mix Speaker's,Inc.で活動中。この時の他のメンバーは、GRIF(ギター)、シノ(ギター)、SEIICHI(ベース)、子雲(ドラム)でした。この時は加入前ですが、現在DのベーシストであるTSUNEHITOも在籍していました。

以下各曲について。


01.ニセ恋愛占い師(ver.トランプの君)
「シザーいきまぁーす…」という、人を馬鹿にしたような調子の(笑)一声から始まる、シャッフルリズムのアップテンポな楽曲。曲調自体は王道の哀愁オサレという感じ――とここまで書いて、既にこういう曲調を「王道」という書き方をしている事にV系の移り変わりを感じたり。

02.咲いたメリーゴーラウンド
エフェクトをかけたボーカルやちょっとラウドっぽい音の中、ウネウネとしたギターのフレーズが印象的。サビの明るくキャッチーな歌い上げとの対比が面白いです。

03.『NC』
レトロでチープな三拍子のトラックをバックにメンバー紹介やドラマ(?)を混ぜた、語り中心の楽曲。メンバーで色々声を作って役を演じていますが、カオス過ぎて正直良く分かりませんw 個人的に占い師役の女の人が結構上手いと思いました。ラストはア○トニオ猪○のあの掛け声に似た何かで〆。

04.夕暮れ片隅占い師(ver.夕暮れの君)
ズンタタと跳ねたリズムが印象的な、少しジャジーな要素を感じる、こちらも哀愁オサレといった趣の曲。こちらもポップですが、ギターソロやサビメロにちょっと切なさを感じます。

05.From 住人 to イロ。
全体にトリッキーな楽曲が並んでいた流れに比べると、少し色の異なるストレートな疾走曲。間奏のツインギターのハモリもスピード感を感じますが、アコギも前に出ているせいか、少し湿り気も感じるような。

***

自分がSCISSORを最初に聴いたのは、これよりも後に出たシングル「SPIDER」で、そちらとは作曲者が被っていないこともあってか、最初は少し違和感も感じましたが、ストーリー性を持たせた歌詞や飛び道具的なトラックを挟むことでミニアルバムながら構成に凝っている音源だと思わされました。少し影のある、というかフィクション分多めなオサレバンドという意味でも面白いCDなのではないでしょうか。

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LAREINE「BLUE ROMANCE 〜優しい花達の狂奏〜」(1997)

01.Destinee「悲劇の朝」
02.BLUE ROMANCE「想い」
03.季節風「思い出の風」
04.SOLITUDE「鏡の間」
05.悲愁の花園「訣別の薔薇」
06.Feerie「不安」
07.再会の花「希望」
08.ROMANCIA「運命の迷い」
09.Feerie「希望」 (通常盤のみ収録ボーナストラック)

全曲作詞:KAMIJO
作曲 01、02、06、08、09:KAMIJO/03〜05、07:MAYU

発売日:1997/09/07
品番:LCD-001RN


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現在Versaillesで活動しているKAMIJOが2006年まで活動していたバンド、「LAREINE(ラレーヌ)」が1997年にリリースしたアルバム。過去に出したデモテープ・CDからの再録を中心としており、当時のベストアルバム的な位置付けと言えるかもしれません。KAMIJO以外のメンバーの脱加入が多かったバンドですが、今作リリース時のラインナップはKAMIJO(ボーカル)、MAYU(ギター)、EMIRU(ベース)、MACHI(ドラム)でした。このメンバーで後にメジャーデビューも果たしましたね。
曲タイトルやメンバーのコッテコテなヴィジュアルから想像出来るように、歌謡曲やクラシック要素の含んだ、徹底的にメロディアスな楽曲が並んでおり、その手の世界観が好きな人にはたまらないであろうアルバムになっています。

冒頭からゴッテリとしたロマンス歌謡(?)が続きお腹一杯にしてくれますが、甘ったるい歌い方のボーカルがちょっと好みを分けるかもしれません(特にVersaillesから遡って聴く人は覚悟が必要かも)。3曲目の「季節風」はギターとシンセがちょっとライトな爽やかさを演出するポップチューン。4、5曲目はクラシカルなギターのフレーズが初期MALICE MIZERを彷彿とさせるダーク寄りの楽曲になっており、特に「悲愁の花園」はツインギターのハモリがマリス臭プンプンで好みです。そう言えばKAMIJOとMAYUはMALICE MIZERのローディもしていました。
そして甘々ポップの極みとも言える「再会の花」。明るいメロディーに乗せて恋人への思いを延々と歌い続けるポップチューンになっており、ここまで徹底的にやられたら降参するしかないですよもう。この後にも再録したバージョンが発売されたりと、バンドの代表曲の1つなのでしょうね。本編ラストの8曲目「ROMANCIA」はピアノとシンセ中心の物悲しいバラードになってます。
また、6曲目と9曲目はアレンジ違いとなっており、「Feerie『不安』」はアコギとバイオリンが前に出たフレンチポップ風の切なくポップな曲に、対する「Feerie『希望』」はその要素を残しつつ、打ち込みのリズムを加えダンサブルなアレンジにしています。因みにこの「希望」の方は通常盤のみの収録となっています(初回盤はボックス入り仕様ですが私は未所持)。

歌メロがゆったりと歌い上げるタイプの曲が多いからか、自分が聞いたLAREINEのCDの中では個々の楽曲の印象が若干薄くなっているかな? とも思うのですが、それはあくまで比較の問題で、MALICE MIZERなどの影響を受けつつ、歌謡曲方面の切ないメロディーに特化した世界観はこの時点で確立しているのではないかと思います。少なくとも改めて聴いても中途半端な印象は受けませんでした。
私自身は彼らのCDを全部聴いているわけではないのですが(特にインディーズに戻って復活した後の音源が多くて多くて…;)、基本的にロマンティックかつフィクション分満載の世界を突き進んでいる印象なので(KAMIJO一人の時に出した「SCREAM」はちょっと雰囲気違いましたが)、その手の楽曲が好きな人はボーカルの癖が大丈夫ならば、今から手を出して損は無いバンドだと思いますよ。

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BLUE ROMANCE〜優しい花達の狂奏〜BLUE ROMANCE〜優しい花達の狂奏〜
LAREINE

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小松未歩「謎」(1997)

01.Dream'in Love
02.おとぎ話
03.謎
04.傷あとをたどれば
05.輝ける星
06.alive
07.錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
08.青い空に出逢えた
09.この街で君と暮らしたい
10.君がいない夏
11.MY SOUL

全曲作詞・作曲:小松未歩
編曲 01、02、07〜10:明石昌夫/03〜06、11:古井弘人

発売日:1997/12/03
品番:AOCS-1001


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最近活動が聴こえてこないのがちょっと心配な、小松未歩の1stアルバム。コナンの主題歌だったデビュー曲「謎」が印象に残っている人も多いと思います。私も例に漏れずその曲で彼女を知ったのですが、このアルバムを手に取ったのは何故か2ndアルバムを聴いた後でした。
全体的にはシンセと打ち込みリズムを前に出したライトなポップスで、この時点で彼女の音作りは既に出来上がっている印象が(…と言っても現時点で自分が聴いてるのは4枚目のアルバムまでなんですが)。編曲には明石昌夫と後にGARNET CROWでデビューする古井弘人が参加しています。

以下各曲について。


01.Dream'in Love
アイドルが歌ってもおかしくないキラキラした明るい曲調のポップチューン。シングル曲でもどこか影のある印象があるので、今聴くとここまで突き抜けてくるのは逆に意外かも。

02.おとぎ話
歌メロにちょっと気だるい雰囲気も感じる曲。ギターとリズムが結構前に出ており、これなら完全にバンドサウンドにしてもかっこ良くなりそうな気が。普通に聞く分にはポップな曲なのですが「もう神も仏もない 大罪さえ美徳」だの「この次 死んでも same stroy」だの、不穏な言葉が並ぶのが気になります。

03.謎
一般的に小松未歩と言えば思い出すのはやはりこの曲ではないでしょうか。
ダンサブルなリズムとキーボードが前に出た、ポップな曲になっており、当時サビメロのインパクトにやられた記憶があります。この人のボーカル、基本的にサビ以外でも微妙に声を重ねた無機的な歌い方な感じがあるのですが、このアルバム中では最もそれがハマっている気がします。微妙にサイバーな雰囲気を感じるのはそのせいかもしれません。
自分が視聴していたのが2000年辺りまでという事もありますが、コナン主題歌というと彼女を連想するのはやはりこの曲の存在が大きい気がします。

04.傷あとをたどれば
「輝ける星」カップリング曲。普遍的なミディアムポップな楽曲で、シングルタイトル曲に挟まれた位置だからか、アルバム中ではちょっと印象薄いかな? 跳ねるようなBメロから優しい印象のサビに行く展開は結構好きだったりします。

05.輝ける星
2ndシングルタイトル曲。アナログレコードのようなノイズ音をバックにしたミディアムバラードになっており、切ないメロディーのサビをはじめ全体に物悲しい雰囲気になっているのが好み。決して派手ではありませんがしみじみと効いてきた曲です。

06.alive
その物悲しい雰囲気を引きずったような展開の曲ですが、こちらは逆にサビで明るく盛り上がります。こちらはそんなに好きも嫌いもなく。

07.錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう
ここから提供曲のセルフカバーが続きます。これはWANDSへの提供曲。タイトルの長さにビーイングっぽさを感じるw
原曲はギラギラとした印象のバラードでしたが、こちらは曲展開はそんなに変えずにサラッと流すようなアレンジになっています(それ言ったらこのアルバム全体がそんな感じなんですが)。間奏のクラシカルなチェンバロ風シンセが可愛い。

08.青い空に出逢えた
原曲は辻尾有紗への提供曲。この記事書くまで提供曲だと知りませんでした。
コーラスとキーボード主体のベタなバラードですが、それ故かすんなり好みに入る曲になっており、段々と音数を増やして盛り上がっていく展開も良い意味で王道感があります。

09.この街で君と暮らしたい
原曲はFIELD OF VEWへの提供曲。こちらも原曲は持っていませんが、当時ヒットしていたので聴き覚えはありました。シンセが効果的な爽やかさを出しているポップチューンで、サビでスコンと突き抜けるメロディーが90年代っぽく懐かしくもたまりません。ほんのりクラシカルで壮大な間奏から転調する展開も好み。

10.君がいない夏
原曲はDEENへの提供曲だったバラード。序盤はちょっと音が寂し過ぎる気もしますが、後でちゃんと盛り上がります。「錆び付いた〜」同様、サラッとしたこちらのアレンジが好きという人も多いかもしれません。またDEENバージョンとはサビメロの歌いまわしが一部異なっています。

11.MY SOUL
左右に揺れるシンセと打ち込みリズムがメインのバラード。印象としては暗いというか…薄暗い。改めて聴くと、ラストにこんな辛気くさい曲を持ってきたのはある意味挑戦的な気もしますが、本当に暗く終わるのでアルバムの後味としてはどうなんだろう…w

***

そこまでアッパーな曲が多いわけではありませんが、提供曲含めてメロディーが印象的な曲が多いので、ポップ好きでシンセ主体な音が嫌いじゃなければすんなり気に入る事が出来るアルバムなのではないかと思っています。中古でも安くゴロゴロしているので試しに如何でしょうか。

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謎
小松未歩

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オフィシャルサイト(試聴あり)

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