一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2011年04月

SEX-virgin killer-「SEX or DIE」(2008)

01.I・BA・RA
02.Vagina Fucker
03.愛玩動物
04.SEX or DIE
05.Nothingness

作詞 01、02:masa、だいchan/03:GAKI/04、05:masa
作曲 01、02、05:masa/03:GAKI/04:masa、GAKI
編曲 SEX-virgin killer-

発売日:2008/03/07
品番:FAST-3


***

でてくるじだいをにじゅうねんほどまちがえたとしかおもえない、さいけでりっくばいおれんすくらいむおぶびじゅあるしょっくないでたち…! (下のAmazon画像参照)



3年ほど前に、CD店で配布されていたDVD-Rジャケ(と手作り感溢れるPV)のインパクトにやられ、ほぼジャケ買いした記憶がある「SEX-virgin killer-」の1stミニアルバム。ボーカル・ギターのmasa以外のメンバーが流動的なようですが、本作リリース時のメンバーは、masa、EL(ギター)、GAKI(ベース)、DIE-DECONTROL だいchan(ドラム)でした。そう言えば、昔のこの手のバンドって○○chanと名乗るメンバーが一人は居たような気がするのですが…(特にドラム)。因みに本作をリリースした当時、masaさんは21歳だったそうで。もう色々と凄すぎます。

曲の方ですが、ほぼヴィジュアル通りというか、初期X(「VANISHING VISION」や「BLUE BLOOD」辺り)のYOSHIKI曲直系と思われる、ツインギターを生かした疾走メタルナンバーとなっています。イントロの展開やギターのリフが、BLUE BLOODっぽ過ぎる「Vagina Fucker」、少し物悲しいメロディーを乗せた間奏にYOSHIKIを意識したような語りが入る(こちらは日本語ですが)「愛玩動物」、男臭いコーラスを交えた盛り上がりが、Xの「X」を意識したとしか思えない「SEX or DIE」など、VANISHING VISION辺りのXに関しては、そこまで思い入れが無い私でさえニヤニヤしてしまう出来上がり。
ラストの「Nothingness」は、本作収録曲の中では比較的ドラマティックな展開の多い長尺曲。個人的には、これにメロディアスなピアノやオーケストラが絡めば更に…! と思ってしまいますが、そこまですると流石に本家(?)まんまになってしまいそうなので、あくまでバンドサウンドメインな辺りが彼ら流という事なのかな。

ネックはボーカルでしょうか。こちらも本家を意識したような高音なのですが、常に苦しそうでヘロヘロしているので、曲に比べて迫力不足に思えてしまうような。ただ、コレさえ当時のインディーズ臭として計算してやっていたとしたら恐ろしい…w
繰り返しになりますが、見た目から想像される通りの音を出しているので、半ばネタで聴くも良し、初期Xのフォロワーが2000年代後半になって現れた事に向き合ってみるのも良しだと思います。
ただ、前述の通りメンバーが安定しないからか、この後シングルが1枚出ているだけなのですが、リリースペースの方はあまり本家をなぞらないで欲しゲフンゲフン

***

Amazon
SEX OR DIESEX OR DIE
SEX-virgin killer-

PLAY FAST 2000-12-31
売り上げランキング : 220669

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

XA-VAT「XA-VAT」(2010)

01.ZEROTCA
02.XANADOoM

remix DCD
01.NUMANS-ROXETTE by YASUYUKI OKAMURA

発売日:2010/12/02
品番:VICB-35025/35026


***

石井秀仁(cali≠gari、GOATBED)、小間貴雄(元goatbed)、SADIE PINK GALAXY(SPEECIES、元JUBILEE)、Kozi(Eve of Destiny、DALLE、MALICE MIZER)の4人による「XA-VAT」の1stシングル。
面子の濃さもさることながら、結成のニュースを聞いたタイミングが、個人的にSPEECIESのライブを見てアルバムを購入した後という事だったこともあり、自分内注目度はかなり高かったバンド。どんな音になるかと思っていましたが、印象としてはGOATBEDとSPEECIESの色が強く、そこにギターも加わり、少しマッチョな感じを受ける曲になっているかなという印象。歌詞カードには作曲クレジットが記載されていませんでしたが、リリース当時Koziが出たFOOL'S MATEのインタビューによると、ZEROTCAがSADIE、XANADOoMが石井作曲となっているそうです。
「ZEROTCA」のPVが収録されたDVDが付きバージョンも同時にリリースされましたが、私の手元にあるのは、リミックス音源が入ったボーナスCD付きバージョンとなります。

以下各曲について。


01.ZEROTCA
試聴でSPEECIESっぽいと思ったらやはりSADIEさん作曲だった、80年代臭を感じるディスコ調の楽曲ですが、ザクザクしたギターが2本入っていることもあり、SPEECIESよりは若干硬質な印象が。それでもバッキバキの打ち込みによる高揚感は失われておらず、ダンサブルな曲調が嫌いでなければ取っ付き易い曲になっているとは思います。
先月(2011年3月)にリリースされた1stアルバム「艶℃」にも収録されました。

02.XANADOoM
こちらはこちらでGOATBEDでやってもおかしくなさそうな、疾走デジタルポップナンバー。しかし、意図的なスカスカ感を出すあちらに比べると、バシバシとしたリズムや散りばめられたノイズによって、ハードでエネルギッシュな印象を強く受けます。3分かからずスパッと終わる所も潔いと言うか。
今の所アルバム未収録ですね。


remix DCD
01.NUMANS-ROXETTE by YASUYUKI OKAMURA

新曲より前に、外部に委託したリミックスバージョンを世に出すのってあんまり聞かないような。オリジナルは「艶℃」収録。
そのリミックスを担当しているのは岡村靖幸。私はこの人の曲をあまり聴いた事がないのですが、ブリブリとしたビートが前に出た、こちらはまた違った形でノリの良いバージョンとなっています。こりゃカコイイ。
…というか、後半は岡村自身のボーカルが顔を出したり、最後は軽快なギターが曲を支配したりと、最早リミックスというか別物として捉えた方が良い気も…w
こちらは、「艶℃」の初回リミックスCD付き盤(アルバム10曲をそれぞれ異なる人にリミックスさせたアルバム)の方にも入っています。

***

上で述べた通りリミックス曲も、アルバムのバージョンによっては収録されているので(アルバムもライブDVD付き・CD1枚のみと、バージョンがありややこしいのですが)、先にリミックス盤付きの方を聞いおり、その上でシングルも回収したい人は、DVD付きの方を手に取った方が良いかもしれません(普段あまりPVとか見ないし――と、何時も通りに選んだのが今回裏目に出てしまった…(苦笑))
取りあえず個人的な見解としては、GOATBEDやSPEECIESが好きな人はマスト(逆にXA-VATからハマった人には、こちらの二者もお勧め)。対してマリスの名前から流れて聴いて気に入るかは未知数ですが、Koziのソロにはこの手の曲もあるので、そちらの方が好きならば――という感じでしょうか。後は打ち込みが嫌いじゃないならば試聴で判断してみるのが良いかなと。個人的には好物な音でした。

***

Amazon(試聴あり)
XA-VAT(CD付)XA-VAT(CD付)
XA-VAT

ビクターエンタテインメント 2010-12-02
売り上げランキング : 6168

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

DoLL「薔薇人形」「水槽」(2005)

01.薔薇人形
01.水槽

両曲作詞・作曲:りん

配布開始日:2005/06/28
品番 薔薇人形:DOLL-0001/水槽:DOLL-0002


***

MASASHI、AKIRA、りん、皐(皐とMASASHIは後に脱退)によるバンド「DoLL」が、都内CDショップやライブ会場にて、フライヤー付きで配布したCD-R。「薔薇人形」と「水槽」が収録されたものが2種類ありました。
フライヤーの方は処分してしまったので記憶が曖昧ですが、二つ折りになったフライヤーの裏に、CDが付き歌詞が載っていたように思います。ちょうどこの時期は、新たな耽美系メロディアスバンドが中々見つけられなかったこともあり、これは! と思った記憶があります。

厳密には2枚別々の音源なのですが、今回は2枚一緒に紹介したいと思います。


01.薔薇人形
イントロからのツーバスドコドコ+テロテロとしたクサいギターにやられた、クラシカル疾走曲。歌メロも全体に歌謡+クラシカルなクサメロがてんこ盛りで、当時ヴィジュアル系でこの手の音に飢えていた事もあり、これは良い拾い物をしたを思ったものでした。……というか、クサメタル寄りのアレンジで、耽美に装飾されているものの青臭さを感じる歌詞……当時も思いましたが、これアレだ、メジャーデビューした頃のRaphaelの匂いがするんだ!(メンバーが影響を受けていたかはさて置き、私個人の印象として) ボーカルも、活動初期の配布音源にしては充分に艶のある声をしていますし、間奏のギターソロもクラシカルに決めています。久しぶりに聴きましたが、配布のみなのが勿体無く思える位ツボにハマる曲だったり。

01.水槽
こちらも疾走曲ですが、こっちは白い雰囲気のメジャー感を感じる、キラキラとしたシンセを乗せたメロディアスチューン。キラキラした爽やかな色を添えるシンセや、サビでの広がりのある歌謡曲的なメロディーにやはりRaphael臭が。何となく、90年代後半にメジャーデビューしたV系バンドのシングルっぽい雰囲気も感じます。まあとにかくこちらもツボという事で。
こちらは、2006年にシングルタイトル曲としてリメイクもされました。

***

当時結成したてだったであろうバンドが、この手の音を出していたのは単純に嬉しかったのですが、この後2枚シングルを出した後活動休止してしまいました。メインコンポーザーのりんも、現在活動しているのか分からないのが残念(活休後、りんを除くメンバーはKECH4.5を結成し現在も活動中)。
この手のバンドにしては、結構ボーカルがちゃんとしているwので(リメイク版水槽は、オフィシャル通販でまだ取り扱ってるみたいです)、気になる人はV系音源ショップ辺りを探してみると良い……かもしれません。

IMG01


オフィシャルサイト

BUMP OF CHICKEN「宇宙飛行士への手紙/モーターサイクル」(2010)

01.宇宙飛行士への手紙
02.モーターサイクル
03.good friends
04.油

作詞・作曲 01〜03:藤原基央

発売日:2010/10/13
品番:TFCC-89318


***

BUMP OF CHICKENの18thシングル。「バンプ史上初の3曲入りシングル」という宣伝文句を少なくない所で見ましたが、インディーズの「LAMP」や2004年の「車輪の唄」も3曲だったのでは……。最も、その2枚はそれぞれ既出音源からのリカットと新録バージョンだったので、正確には「全曲新曲による3曲入りシングル」が初という事なのでしょうね。

以下各曲について。


01.宇宙飛行士への手紙
透明感のあるシンセをバックに響かせながら展開するミディアムナンバー。そこまでスローテンポという事でもないのですが、バンプがスケールのある曲調をやるとこうなる的な、壮大な雰囲気を持った楽曲という印象があります。私の中で、彼らの曲には遅く効いて来るものがあるのですが、この曲もそちらに分類される事となりました。サビメロも特に派手な展開がある訳でもないのですが、一気に開けてくる印象。
年内にもっとリピートしていれば、自分内2010年名曲の中に入ってきたのかもと思ったりします(笑)。

02.モーターサイクル
前曲と合わせてタイトル曲。こちらはシンプルにバンドサウンドによる軽快なポップチューンですが、Aメロ→Bメロ→サビと展開するにかけて、徐々にシリアスな色を帯び疾走感を増すのが心地良いです。シニカル視点と焦燥感が混ざったような歌詞も、曲調には合っているような気が。

03.good friends
アコギが印象的な賑やかなバンドサウンドに、ハーモニカを交えたのどかな雰囲気のポップチューン。初聴時、本シングルで一番ツボに入ったのはこの曲だったかな? 間奏のハーモニカソロにもほっこりした気分になりますが、裏腹に歌詞は、人の嫌な所あるある…というかブーメラン的同属嫌悪? をテーマにしたような感じで、中々痛々しいというか。
先にレビューを書かれていたBeautiful DreamerのMOMAさんも取り上げていらっしゃいましたが、「好きになれないもの見つけたら わざわざ嫌わなくていい そんなもののために時間割かず そっと離れればいい」の一文に胸がすくような気分になったり(こと娯楽に関しては、自分で時間やお金を費やしながら文句言い続けて楽しいかい? と思うような人もネットではちらほら見かけryゲフンゲフン)。まぁ私も性格が悪く、アレなものを追いかけてニヤニヤする暗い楽しみの味も知っていますので、実際人格者になれてるかと聞かれれば、曖昧な笑顔で目を逸らすしかないですけどね!
音作りとメロディーの取っ付きやすさでは、3曲中最も上位に来るような気がします。

04.油
4トラック目を暫く再生していると始まるボーナストラック。アコギ一本+四人全員ボーカルによる(多分)一発録りのバラード。相変わらず、まともな歌詞を載せてアレンジすれば感動的な曲になりそうなメロディーなのに、期待通りのgdgdっぷりが素敵です(ボーカルが軒並みバラバラ、間奏のコーラスはフリーダム、ラストのサビの入りを一人間違える)。しかし盛り上がり所では何気に軽くエコーが掛かったりと、地味に仕込んではいるみたいです。
ところでこの曲、メインテーマは油というより寧ろ「水を弾く事」にある気がするのですが……w

***

バンプ流壮大曲・シリアス疾走・穏やかなポップ寄りと、丁度良い具合にバンドの色が別れたシングルになっているように思います。タイトル2曲はこの後出たアルバムに収録されましたが、good friendsも中々の力を持った曲だと思いますので、シングルは追ってないという人も、レンタルや中古で安く見かけた際には是非。

***

Amazon
宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル
BUMP OF CHICKEN

トイズファクトリー 2010-10-13
売り上げランキング : 5523

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


YouTube(トイズファクトリー公式)
宇宙飛行士への手紙


モーターサイクル

nuvc:gu「Dance Romanesque」(1995)

01.Dance Romanesque
02.FIND LOVE

全曲作詞:CHIKA
全曲作曲・編曲:nuvc:gu

発売日:1995/11/22
品番:VIDL-215


***

1stアルバム「SENSUAL WORLD」からのシングルカットされた、結果的にラストとなったnuvc:guの2ndシングル。アルバムからほぼ1ヶ月後のリリースでした。

以下各曲について。


01.Dance Romanesque
イントロの流麗なギターのメロディーが、目茶苦茶ツボに入るディスコロックナンバー。ギターとボーカルの憂いのあるメロディーが非常に立っており、キャッチーさにおいてもシングルに選んだのは正解だったのではないでしょうか。とにかく流れるような曲調が耳に残り、個人的にニューボーグの中でも上位に入る曲だったり。
アルバムに収録されたものとはバージョンが異なっており、冒頭と最後に跳ねたピアノとデジタルサウンドを主にしたパートが挿入されています。1stシングル同様、ベスト盤にはアルバムのテイクが収録された為、こちらのみで聴けるバージョンとなっています。

02.FIND LOVE
序盤の穏やかなピアノのメロディーが印象的なバラード。前作シングルのカップリングの様に、壮大なギターのメロディーとフワッとしたシンセによる、透明感のある楽曲という印象なのですが、曲の雰囲気が優しい上に尺が七分を超えるので、ちょっとダレてしまう人も居るかもしれません。とは言え、こちらもボーカルだけでなく、シンセやギターソロ等による美麗なメロディーを前面に出しているので、聴き所は結構あると思いますよ。
こちらもアルバム未収録。


***

結局ニューボーグが残したメジャーでのCDは、3ヶ月の間にシングル2枚・アルバム1枚、解散した98年になって出たベストが1枚という結果でしたが(新曲とインディーズ時代の楽曲の新録がメインなので、こちらもほぼ新譜みたいなものなんだけど)、当時のシーンでは新しい所を開拓していたバンドという点では、相応の力はあったのではないでしょうか。実際メジャー行くだけあって、奇を衒っただけで終わらず、聴きやすさとの両立は出来ていたと思いますよ。
時代を感じる部分はあれど、デジタルサウンドが普通に取り入れられている、今のV系界隈のファンの方が寧ろすんなり入れたりするんじゃないか……なんて思ったりします。そんな訳で、中古店でアルバムの方でも見かけましたら、是非(笑)

***

Amazon
Dance RomanesqueDance Romanesque
nuv gu ニューボーグ

ビクターエンタテインメント 1995-11-22
売り上げランキング : 460299

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

nuvc:gu「SENSUAL WORLD」(1995)

01.SENSUAL WORLD
02.WISH DREAM

全曲作詞:CHIKA
作曲 01:JEANA/02:nuvc:gu
全曲編曲:nuvc:gu

発売日:1995/09/21
品番:VIDL-214


***

メジャー進出にあたり、vogueからnuvc:gu(ニューボーグ)にバンド名を改名してから初のシングル。というかオムニバスや配布物を除けば、初の一般流通音源となったメジャーデビューシングルになりますね。ウェーブのかかった長髪や眼帯によるヴィジュアルも当時は強烈だったのでしょうが、サウンドの方も、ダンサブルなディスコサウンドとバンドサウンドを違和感無く融合させた、1995年当時のV系シーンでは、先を行き過ぎなんじゃないかと思えるものでした。ヴィジュアル面も含めて、多分Dead Or Aliveの影響が強いバンドだったのかな?

以下各曲について。


01.SENSUAL WORLD
いかにもなデジタルビートと信号音(?)によるイントロにギターが絡みあう、メロディアスなデジロックナンバー。打ち込みリズムもバンバン導入されていますが、バンドサウンドがそれに飲まれる事もなく、艶のあるボーカルを乗せたダンサブルなロックを展開しています。サビでもう少し盛り上がりというかインパクトのあるメロディーがあると…とも思いますが、この時代にこれだけやれれば充分ではないでしょうか。
因みに、本作の約一月後に出た同名のアルバムに収録されたものはアルバムバージョンとなっており、分かりやすい所では、シングル版ではギターソロが入っていた間奏がシンセソロに変わっています。解散時に出たベスト「BEST SELECTIONー1993〜1998」には、アルバムバージョンが収録された為、本シングルのみで聴けるアレンジになっています。

02.WISH DREAM
こちらはうって変わって、壮大感のあるポップナンバー。アレンジはダンサブルですし、キラキラしたシンセも入りますが、あくまでメインはバンドサウンドにとなっており、ギターの音に微妙に白系の匂いも感じる、懐かしく爽やかなメロディーが映える良曲になっています。後追いの自分にははっきり分かりませんが、当時のV系ファンには、王道寄りのこちらの方が取っ付き易かったような気も。今聴くと、寧ろこちらの方が90年代前半っぽさを感じるような……。
こちらもアルバム未収録ですね。

***

アルバムの「SENSUAL WORLD」は、個人的に名盤ながらもブックオフ等で良く安く投げられているので(笑)、そちらの方をまずはお勧めしますが、前述の通り2曲共アルバム未収録ですし、アルバム気に入った人が8cmシングル売り場でこちらを見つけた際は、ちょっと気にしてみてはいかがでしょうか。

***

Amazon
SENSUAL WORLDSENSUAL WORLD
nuv gu ニューボーグ

ビクターエンタテインメント 1995-09-21
売り上げランキング : 562871

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

メガマソ「トワイライトスター」(2010)

01.トワイライトスター
02.パレット
03.純粋培養
04.トワイライトスター (instrumental)

※03:初回盤Bのみ収録

作詞 01、03:涼平/02:インザーギ
全曲作曲:涼平
編曲 01、04:大西省吾 & 涼平/02、03:涼平

発売日:2010/05/26
品番:AVCD-38083


***

2010年にリリースされた、メガマソのメジャー3rdシングル。CD2曲+DVD付きの初回盤A、CD3曲で3曲目違い2種の複数売りですが、自分の手元にあるのは「純粋培養」収録の初回盤Bになります。タイアップ先のアニメで初めてメガマソを知る人を取り込む為か、ジャケットはアニメ仕様、値段も840円と通常盤よりも安くなっています。

以下各曲について。


01.トワイライトスター
疾走感が気持ち良いポップチューン。サビでの高音ボーカルの突き抜け振りも爽快感があり、かなりメジャー向きのストレートなメロディーといった印象ですが(そう言えば、タイアップ先のアニメのタイトルも「メジャー」だ…)、そこに涼平の特徴的なギターフレーズも曲と喧嘩せずに盛り込まれており、歌詞と合わせて耳にスッと入りやすい曲を持ってきたのではないでしょうか。

02.パレット
何気にバックのリズムが忙しい、メロディーにちょっと和の要素も感じるポップチューン。バックのシンセも曲に華やかな演出をしていると思います。実はサビよりも、Aメロ前や間奏でのギターソロの方が耳に残るような気もしますがw、どちらにせよこちらも普通に好みな楽曲でした。

03.純粋培養
初回盤Bのみ収録。
前2曲に比べると、音数がシンプルというか、ザクザクとしたギターが前に出たアップテンポナンバー。基本「Aメロ→サビ」を繰り返す構成なのですが、そのサビメロが涼平節を感じるどキャッチーな物なので、特に物足りなさを感じる事もなく。歌詞は、タイトル曲とはまた違った視点での応援歌ソングになっているのかな?
インディーズ時代では、こういう曲はしばしば音がこもってボヤけてしまっている印象もあったので、そういう意味でもメジャーに出られたのは正解だったのかもしれません。インパクトでは個人的に3曲中一番でしょうか。

***

3曲共、タイトル曲になりそうな取っ付きやすさを持っているのではないでしょうか。これを書いている時点で1年近く前に出たシングルですし、メジャー2ndアルバムも出たばかりですが、折角なのでこちらも如何でしょうw 「純粋培養」お勧めですよ。

***

Amazon(試聴あり)
トワイライトスタートワイライトスター
メガマソ

avex trax 2010-05-26
売り上げランキング : 108615

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


オフィシャルサイト(試聴あり)
myspace

V.A.「STRAWBERRY ROAD VOL.1」(1995)

01.SHO / LET IT GO
02.SHO / Leave me alone
03.勝珍太郎 / Mattaku Sono Tooriya!
04.ジョリーピックルス / ALL YOU NEED IS LOVE
05.BILLY & THE SLUTS / DO THE LOVE GAME
06.Red Tail Cat / Mellow
07.SPEED-iD / SNOWDUST
08.SISTER'S NO FUTURE / WAITING FOR YOU
09.堀之内貴視 / Wayward Life

発売日:1995/07/26
品番:CRCR-1002


***

「Free-Will ANNIVERSARY 1993」に続いて2枚目となる、Free-Will所属アーティストの楽曲を収めたオムニバスアルバム。…なのですが、8アーティスト中4組が同じ人から楽曲提供を受けていたりと、オムニバスとしてはちょっと歪な編成になっている気も。その作曲者、新実辰弥の曲は全体的にクラブ・ダンス寄りのアレンジで来ている印象ですが、当時の小室サウンドブームの影響がFree-Willにも来ていたのでしょうか。

以下各曲について。


01.SHO / LET IT GO
作詞:TEIO 作曲:TATSUYA NIIMI

02.SHO / Leave me alone
作詞:TEIO 作曲:TATSUYA NIIMI

BY-SEXUALを脱退したボーカリスト、SHOのソロ音源。2曲共アッパーなダンスチューンとなっており、作詞・作曲共に外部提供とは言え、メジャー進出したV系の人がこの手の華やかな音をやるというのは、当時としてはかなり異色だったのでは。どちらもザ・90年代! といった哀愁ユーロとなっており結構好みだったりします。
この後、SHOはこの2曲のリミックス音源を収めたシングルを1枚リリースした後、芸能活動から引退しています。

03.勝珍太郎 / Mattaku Sono Tooriya!
作詞:KATSU CHINTAROH 作曲TATSUYA NIIMI

日本語ラップの先駆け? と言うのか、ループする打ち込みをバックにコッテコテの関西弁による語りとラップを混ぜたコミカルな雰囲気の楽曲。良く知らない人ですが、色んな意味で濃いなぁ…w サビに入るといきなり壮大になったり、逆にエフェクトをかけてみたりしています。今聴くと、お笑い芸人に当時の先端の音に乗った曲をリリースさせてはみたものの……のような寒さも感じてしますのですが、特徴的なボーカルのキャラ立ちが半端ないので、ハマる人はハマる…かもしれません。当時はDA・YO・NEもヒットしていましたし、実は今よりこの手の音に寛容な時代だったのかも。

04.ジョリーピックルス / ALL YOU NEED IS LOVE
作詞:AKIRA 作曲:EBAKAN 編曲:JOLLY PICKLES

ちょっと懐かしい印象のメロディーに引きこまれる、ピアノも交えたカラッとしたポップなパンクナンバー。全編にわたってキャッチーな歌メロが全開で、90年代のV系バンドは、決してジャパメタ・ゴシックパンク直系の流れだけではないのだなぁと(そこからでは多分、「風呂上がりの夜空の下じゃ〜」なんてフレーズは出てこないと思うw)。本オムニバスの中では、一番の掘り出し物だったかもしれません。

オフィシャルサイト

05.BILLY & THE SLUTS / DO THE LOVE GAME
作詞・作曲:HIROSHI TAMADA

当時、SAMMYとROUGE(SHUDO MITSURU)のユニット編成だったビリスラ。これより前の時期は、前のジョリーピックルスのように、青春パンクを先取りしたようなメロディアスなパンクナンバーがメインでしたが、こちらでは一気にファンク寄り――というかもろファンクで、ベースとキーボードを前に出した音作りになってます。自分の好みとはちょっと外れてしまうのですが、決して付け焼き刃なアレンジにはならず、本気でファンキーなポップスで勝負していた印象を受けました。
同年に出したアルバム「JUSTICE」には、このファンク・ダンサブル路線を前面に出した曲が並んでいます。

オフィシャルサイト
myspace

06.Red Tail Cat / Mellow
作詞:LUCY&HIRO 作曲:LUCY 編曲:Red Tail Cat

高音ですがどこかフワッとしたボーカルと、穏やかなメロディーが前に出たミディアムポップナンバー。前のFree-Willのオムニバスでも感じましたが、当時から見ても、少し懐メロ方面の音作りをしていたバンドだったのでしょうか。エレキギターとアコギの絡みも、楽曲の優しい印象を深めているように思います。

07.SPEED-iD / SNOWDUST
作詞・作曲:EURO 編曲:SPEED-iD

キラキラしたデジタル音から始まる、ゆったりとした楽曲。2005年の復活ライブの1発目に演奏された曲でした。
シンセを盛り込んだクラブ寄りの雰囲気ですが、あくまでメインはバンドサウンドと、曲調的にも時期的にも「INNER DIMENSOIN」から「i-D THE M・A・S EDITION」「D・O・S EDITION」への過渡期の曲という感じも受けます。どこか冷たい雰囲気もありつつ、まったりとした起伏の少ない曲調ですが、ギタリストがMARQUEEに変わったせいか、要所要所でガリガリとしたギターソロが披露されたりも。
そう言えば、MARQUEEとベーシストのMACが一緒に居た時期の音源ってこの曲だけなのかな? 

オフィシャルサイト
myspace

08.SISTER'S NO FUTURE / WAITING FOR YOU
作詞:DYNAMITE TOMMY 作曲:TATSUYA NIIMI

DYNAMITE TOMMYとDEAD POP STARSのC.D.N.KENchan(KENZI)のユニット。自分が持っている1stアルバムでは、普通に自作をしていますが、本作では新実辰弥から提供を受けています。少しダークな打ち込みダンスサウンドに乗せて、ツインボーカル…というかスピーカーの左右でボーカルを完全に分けているという構成。ボーカルの上手さは…二人とも同じかな?w 割と何でもありのユニットだったのでしょうか。

09.堀之内貴視 / Wayward Life
作詞:TAKESHI HORINOUCHI 作曲:TATSUYA NIIMI

検索してもこのオムニバス以外名前が出てきませんが、全くの新人だったのかな? レゲエ・ラテンの要素を取り入れた、ゆったりとしたポップナンバーになっており、こちらも当時の先端の音を取り入れてみたのでしょうか。ボーカルがちょっと素人っぽい、というか歌い慣れていない感があるのが残念ですが、ゴキゲンなリズム・シンセ、南国風味を感じるギターソロ等、バックの音は意外と今でも面白く聴けるのではと思ったり。

***

当時の所属バンド(というか事務所?)が楽曲やアーティストの幅を広げようとしていた時期だったのか、所謂V系臭が薄いオムニバスとなっており、その手の要素を求めて手を出すと、ちょっと妙な印象をうけるかもしれません(勝珍太郎や堀之内貴視に関しては、V系畑の人なのかすら良く分からない…w)。逆に今、ダンサブルな要素やキラキラしたシンセを大いに取り入れたバンドが活躍している事を思うと、なかなか興味深いものがあります。
個人的には、やはりジョリーピックルス〜SPEED-iDのバンド勢の流れが好みですが(技術的に、当時の打ち込みが薄く聴こえてしまうのは仕方ない事だと思いますし)、ちょっと毛色の変わった外伝的なオムニバスと思って聴くのも面白いと思いますよ。

***

Amazon
STRAWBERRY ROADSTRAWBERRY ROAD
オムニバス SHO 勝珍太郎 ジョリー ピックルス BILLY & THE SLUTS Red Tail Cat SPEED-iD SISTER’S NO FUTURE 堀之内貴視

日本クラウン 1995-07-26
売り上げランキング : 55421

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

このページのトップヘ