一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2011年08月

SUICIDE SPORTS CAR「非情のライセンス」(2000)

01.RISKY
02.BACKSEAT BUTTERFLY
03.621PPK
04.WHO IS SEXY GUN
05.MONACO MOO
06.MOODIES BEAT
07.BOND GO
08.Spicy Step
09.ALLONS-Y,ALLONS-O
10.SECRET St.
11.脱・GO-IN DOWN
12.太陽のしずく (bossa version)

作詞 01、02、05、06、11、12:Mr,SUICIDE SPORTS CAR/04:Mr.SUICIDE SPORTS CAR、MARIE COCHRANE、YUMI MAMA/08:森雪之丞/09:Mr.SUICIDE SPORTS CAR、ONOZEKI.com
全曲作曲:Mr.SUICIDE SPORTS CAR
編曲 01、03〜12:Mr.SUICIDE SPORTS CAR/02:Mr.SUICIDE SPORTS CAR & 佐藤五魚

発売日:2000/09/27
品番:UUCH-1003


***

GRASS VALLEY、REV〜ソロ等を経て、最近ではジェントルマンテイクポラロイドのボーカリストとしても活動もしている出口雅之が、1998〜2004年頃まで結成していたバンド「SUICIDE SPORTS CAR」の1stフルアルバム。
メンバーはMr.SUICIDE SPORTS CAR(!)こと出口(ボーカル・サウンドマスター)、K-Ta(マリンバ・ビブラフォン)、KOJI(ドラム・パーカッション)でした。

兎に角どこを切ってもキザな香りしかしない! といった印象。
アルバムタイトルとジャケット絵の世界をそのまま音にしたというか(ジャケットは007映画のパロディーだそうです)、ジャジーだったりボサノバ調だったりと、色々なサウンドを織り込みながら、まるで架空のスパイ映画のイメージアルバムのように、ハードボイルドでクール、そして作り込まれたB級っぽさがプンプンで素敵です。そこに出口のダンディーな低音ボーカルが乗るのですから、カッコ良くならない訳が無い(笑) メンバーにマリンバ奏者がいることもあってか、全体的に涼し気な雰囲気も感じます。
個人的には、カッコ付ける男のクサさを全開にしつつ、その涼しい音色が心地よいミディアムナンバー「MONACO MOO」や、スペイン語のゲストコーラスも参加しいかがわしさ全開の歌謡ラテンナンバー「Spicy Step」等がインパクト大きかったでしょうか。あまり明るくない方面の音ながら、歌メロも耳に残る…というか癖になる所があります。

(今の所)自分の主食になっているV系の諸々や某幻想楽団等とは音楽性こそ違いますが、フィクション分てんこ盛りの世界観を体現しているという部分に於いて、共通する所はあるかもしれません。そんな濃さもありながら、あくまでポップに聴けるようにもなっていると思いますので、男臭いジャケットが気になる人は是非。

***

余談:
私はつい最近(ここ2年ちょい)になって、出口氏…というかGrass Valley周辺に手を出し始めたのですが、関わるプロジェクト毎の楽曲の幅が凄いなと今更ながら。今回のアルバムも数年前の出口ソロも、ミスターが参加したあの名曲(ミスター的には迷コーラsゲフンゲフン)「果てしない夢を(出口がREVとして作曲・参加)」も、同じ人が曲作っている事がにわかには信じがたいです…w

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SUICIDE SPORTS CAR

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mora win(試聴あり)

LUNA SEA「PROMISE」(2011)

01.PROMISE

発売日:2011/4/9


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震災から少し経ち、チャリティー関連のアレがともすれば薄れているかもしれないこの時期に、敢えてこの記事を書いてみた――という事は全然なく、単に自分の書くペースが遅いだけなのでした('A`)

ボーカル:RYUICHI、ギター:SUGIZO、INORAN、ベース:J、ドラム:SHINYAによるバンド「LUNA SEA」。これまでの活動に関しては、自分より詳しい方が沢山いらっしゃると思うので詳しくは書きませんが、2000年に解散(終幕)して以来、各メンバーはソロ・バンド等で活動、2007、2008年に単発ながらそれぞれライブ・イベント参加を行い、2010年にREBOOTという名の下に本格的に活動を再開しました。
Amazonとオフィシャルモバイルサイトでのダウンロード販売限定となる今回の「PROMISE」は、約11年振りの新曲になり(同年3月にインディーズ時代のアルバム「LUNA SEA」のセルフカバー盤のリリースがありました)、売上は全額東日本大震災への義援金として寄付される形になっています。
また、楽曲ファイル自体は同じですが200、500、1000円の3種類で販売され、聴く側が募金額を决められる形になっています。私自身はCDという形で欲しい古いタイプの人間なのですが、今回のように値段的な敷居も低かったので購入しやすかったですね。新譜が出るならば改めて収録はして欲しいですけれど…w

楽曲ですが、ジャケット画像のイメージにふさわしい光が指すようなポップチューン。朗々と歌い上げたり時にハミングを混ぜたりするボーカルや、打ち込みをメインにせずともギラギラ感を出すバンドサウンドには流石といった感があります。
この曲が震災を受けて書き下ろされたのか、それ以前からあったものなのか厳密には分かりませんが(少し調べた所、2010年のライブで一度披露されているようです)、シングルタイトル曲として用意されていた曲とは少し異なり、アルバム終盤に開けた雰囲気で入ってくる曲、という印象を受けました。勝手なイメージですが、LUNA SEAのシングルタイトル曲はどんな曲調であれ、強烈にキャッチーなメロディーを持つ物を持ってくる印象があり(「gravity」もあのドロリとした曲調なのに、サビは1回で覚えたしなぁ)、対する今作はサビで大インパクト! という事では決してなく、楽曲全体で徐々に盛り上げていくイメージがあります。そういう意味ではチャリティーという形に助けられた所もあるかもしれませんが、過去作のセルフカバーやライブアイテム中心のリリースの中で、再始動後初の新曲が早めに届いたのは結果的に成功だったのではないでしょうか。


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オフィシャルサイト
myspace

Andrew W.K.「PARTY TIL YOU PUKE」(2000)

01.Party Til You Puke
02.Party Til You Puke(Remix)
03.Party Til You Puke(Shout Out Mix)
04.Dance Party(Anti Never Ending Music Mix)
05.I Want To Kill(Build it up Mix)
06.Old Man

作詞・作曲 01〜05:Andrew W.K./06:Couch

品番:PCD-4183


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日本の曲のカバーも出したりしていたりする、Andrew W.K.(ボーカル・ピアノ・キーボード)を中心とする、彼の名前を冠したバンド「Andrew W.K.」がインディーズでリリースしたシングル。1stアルバムと同時期に日本盤がリリースされたため、初期の音源の中では比較的良く見かけるように思います。余談ですが、日本盤の帯(兼当時所属していたレーベルの主催者によるライナーノート)に印刷されている曲順は若干間違っていますので注意。
また、バンドと紹介しましたが本シングルの音は打ち込みがメインなので、この時期はアンドリュー一人でやっていたのかな?

以下各曲について。


01.Party Til You Puke
「Are you ready to party?」との雄叫びから始まる、勢いのあるパーティーチューン。打ち込みメインのため、後の1stアルバム「I GET WET」収録バージョンに比べると大人しい印象がありますが、これ単体で聴くならばそんなに気にならない…かも。鍵盤をメインにした「やかましさ」と「キャッチーさ」の目盛りを同時に振り切ろうとする音作りは既に現れている気がします。

02.Party Til You Puke(Remix)
タイトル曲のエクステンデッドバージョンといった感じのリミックス。勢いはそのままですが、尺が約2.5倍になった分新たな展開が挿入される…という事も特にないので、人によっては後半ダレてしまうかもしれません。

03.Party Til You Puke(Shout Out Mix)
これはリミックス、というかアカペラ…というか、原曲からアンドリューのボーカルのみを抽出した、30秒だけながら暑苦しさ満点のトラック(笑)
メジャーでも「Make Sex」という曲が似たようなノリで作られています。

04.Dance Party(Anti Never Ending Music Mix)
こちらもタイトル曲と同路線の、ダンサブルなリズムが前面に出た疾走曲。この曲、2ndアルバム「THE WOLF」収録の「LONG LIVE THE PARTY」の元になった曲らしく、曲調やフレーズに共通する部分が結構あります(後半からのスケール感のあるピアノのメロディーが特に顕著)。アルバムの方と聴き比べてみると面白いかもしれません。

05.I Want To Kill(Build it up Mix)
イントロからの軽快でちょっと懐かしいフレーズを弾くキーボードが印象的な、ポップなダンスチューン。ここまでの曲は、打ち込みドラムが軽く聴こえてしまう部分もあったのですが、この曲に関してはこの軽さが良い方向に働いているというか、微妙なピコピコ感が可愛らしく聴こえたりも(ボーカルは終始ダミ声ですが…w)。今回改めて聴いたらかなり評価が上がりました。

06.Old Man
所属レーベルの主催者:Peter Larsonが結成していたバンド「Couch」のカバー。
原曲を知らないので聴き比べは出来ないのですが、潰れたリズムとノイジーなギター、アンドリューのシャウトを前面に出したヘヴィな楽曲となっています。1分半と尺は短めですが、これまでの流れとは全く異なる曲なのでインパクトは結構大きかった覚えが。

***

バンドサウンドメインとなったメジャーでの音に比べると軽さは否めませんが、インディーズ時代からこの手の姿勢は一貫していたと思えたシングル。今入門として適しているかと聞かれると難しいかもですが、1stや2ndの後に手を出してみると面白く聴けるのではないでしょうか。

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パーティー・ティル・ユー・ピュークパーティー・ティル・ユー・ピューク
アンドリューW.K.

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オフィシャルサイト(試聴あり)
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「CRY FOR THE MOON GIG」@池袋手刀 2011/08/11

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8月前半は東北の方へ旅行したりフラっとコミケに行ってみたりしてましたが、取り敢えず通常進行に戻ったようなそうでもないような…な感じで。 
そんな訳で、ちょうどその合間を縫うような形で参加してきたイベントでした。「スペシュアルプレゼントあり」という事でしたが、入場時に頂いたのはmunimuni摩天楼氏の顔写真入り缶バッジでした……ww

以下出演順に。


ピエール中野と加納摩天楼+成毛慎吾
凛として時雨のピエール中野(ドラム)と、この後主演したmunimuniの摩天楼(ギター)、そしてもらん、Pqの成毛慎吾(ギター)によるインストセッション。以前はピエール中野・摩天楼の組み合わせで何度か行っていたようです。

ピエール中野さんが途切れることなくリズムを刻み、それに二人がギターを乗せていく即興的なスタイルだったのですが、一言で言うなら……カオスの極み。摩天楼さんのギターも、munimuniでも聴ける空間的なエフェクト寄り…と思っていたらいつの間にかソロを掻き鳴らしていたりと、目まぐるしく熱い演奏をしていたように思います。個人的に、これ一回で飲み込みきれたステージかどうかは微妙ですが、取り敢えず凄まじい物を見せて頂きました。
凛として時雨がオリコン上位に普通に顔を出すバンドということもあってか、一発目の出演ながらフロア前方の密度は一番濃かったよう気がします。


highfashionparalyze
1ヶ月空けずの鑑賞となりましたが、今回もkazumaは網目状のメイク(というかマスクに近いのですけれど)を施していました。そして私は気付かなかったのですが、Tシャツがミニーちゃんだったそうで。
前半はシングル収録曲を続けて演奏していましたが、「spoiled」と「蟻は血が重要である」は少しテンポを落としていたような。特に蟻は〜の方ではギターが結構アレンジ変えられていたような印象でしたが、即興的に変えたのか単に間違えたのか…実際のところはどうだったのでしょうか。いや、kazumaさんが二度程aieさんの方を、「ん?」という感じで振り返っていたように見えたので…w そしてkazumaさん以前観た時にも増してねちっこいシャウトを連発していました。
ダァくという言葉を使うのもはばかられる程ダァクな人達ですが、ラス前に演奏した曲は随分優しい、というか白い雰囲気を持った曲でした。最初はとにかく「漠然とどす黒い何か」といった印象のユニットでしたが、叙情的な面も感じられるようになってきたのは、演奏側の変化なのか自分が洗脳されてきたのか…w


PLASTICZOOMS
初見。マイスペを試聴した所、好みな方向だったので気になっていました。
スクリーンが上がると、全員黒ずくめ、しかもボーカルと並んでキーボーディストが辛気くさい空気を纏ってフロントに立っている時点で密かにテンションが上がりましたがw、楽曲の方もゴシックパンク寄り(ボーカルの声質もバウハウスとかXYMOXとかあの辺を連想させられました)ながらダンサブルな要素も取り入れていたり、といった感じで非常に私好みでした。暗黒界隈とはまた違ったところに居るかも知れませんが、そちら方面が好きな人の琴線に触れる所はありそうな気がします。
終演後、物販でCDを購入。


munimuni
最近、手刀の気になるイベントに行くと毎回主催な気がするムニムニさん(有難い…)。
今回登場SEが荘厳なものだったからかもしれませんが、浮遊感を持ちつつシリアスでドロっとした空気も持っていた気がします。真剣に時代を遡っていくつもりなのかなぁ。
そう言えば、ベーシストTETSU(登場・退場時に独特なポーズを決めるあの人)が改名するという事で、9月27日に手刀で改名記念3マンが行われるという告知があったのですが、そのイベント名と写真(※リンク先は摩天楼氏のブログ)……色々と危ないだろこれwwwwww

***

全体的に心地良いイベントでしたが、初めて見たPLASTICZOOMSが収穫だったでしょうか。
心残りらしい心残りを挙げるなら、ドリンクバーにて復活していた岩手・福島の地酒を注文し忘れたことかな?w

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BUMP OF CHICKEN「友達の唄」(2011)

01.友達の唄
02.歩く幽霊
03.仕事 〜job〜

作詞・作曲 01、02:藤原基央
ストリングス・アレンジ 01:Gen Ittetsu

発売日:2011/02/23
品番:TFCC-89333


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BUMP OF CHICKENの19thシングル。タイトル曲はその年のドラえもん映画主題歌にもなりました。
以下各曲について。


01.友達の唄
一言一言を噛み締めるように歌われる、ストリングスを交えたバラード。ここ最近のシングルの流れや、この前に出たアルバム「COSMONAUT」がバラード主体だったこともあり、良くも悪くもその流れの中の1曲といった印象でしたが、何度か聴いていく内にメロディーがグッと来るように。途中から挿入されるトランペットの音色が、段々と明るく開けていくような壮大感を加えているかなと。特に派手な展開をする訳でもないのに段々ハマってくる、バンプにおける遅効性な力を持った方面の楽曲でしょうか。ただ、本作はタイアップ先のドラえもん映画の内容をモチーフに作られたそうで、私は映画を観ていないので何とも言えませんが、そちらも鑑賞した上で聴いた人の感想は結構評判が良かったりするので、その辺で印象は違ってくるかもしれません。
……というかアレだ、もう少し聴く頻度を上げていれば自分内2011年上半期楽曲の上位に入っていたと思う(苦笑)

02.歩く幽霊
こちらは一転して、ちょっとカントリーっぽさも感じるアッパーなポップチューン。寧ろ初期はこういう曲調の方がメインだったなぁとも。軽快な曲調に乗った親しみ易いメロディーを早口でまくし立てるボーカルも小気味良く、パッと聞きの印象はこちらの方が強かった、という人も多い気がします。こういう曲調はタイトル曲にしないのが、最近の方針…なのかな?

03.仕事 〜job〜
3トラック目を11分程進めると始まるシークレットトラック。
軽めのバンドサウンドメインの哀愁歌謡寄りの曲ですが、今回はカオス分は控えめ…というかボーカルのgdgd感があんまりないのでw(変な所で合いの手が入ったり、一箇所極端にキーが低かったりはしますが)、振り切ったネタを期待する人にはちょっと物足りないかもしれません。また、曲が終わった後も5分程の無音時間があったり。
でも良いよね石油王、すごくいいよ石油王

***

最初はボートラ含めてちょっと地味かな? とも思えましたが、聴きこむ内に盛り返したシングルになりました。アルバムのバラードメインの構成にお腹一杯気味…という人は、歩く幽霊メインで聴いてみると良いかもしれません。

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友達の唄友達の唄
BUMP OF CHICKEN

トイズファクトリー 2011-02-23
売り上げランキング : 1783

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