一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2011年09月

Toshi「碧い宇宙の旅人」(1997)

01. 楽園
02. Birthday Eve
03. 天使のメヌエット
04. 碧い宇宙の旅人 〜愛の物語〜
05. さまよえる地球人
06. 星の舞踏会
07. HANA 〜いのちの芽ばえ〜
08. Simplicity
09. Passion of Love 〜P&P Family Version〜
10. ガイアの祈り
11. Morning Glory 〜Studio Live Version〜
12. Reprise 〜いのちの芽ばえ〜

作詞 01:Toshi & Celestia/02、03、06、07、09〜11:Toshi/04、05、08:Celestia
作曲 01、10:Norihiro Tsuru/02、04〜06:Toshi & Norihiro Tsuru/03、09、11:Toshi/07、08:Yuriko Nakamura
全曲編曲:Norihiro Tsuru

発売日:1997/01/22
品番:BVCR-774


***

X JAPANのボーカリストでもあるToshiが、1997年にリリースした4枚目のアルバム。彼のソロに関しては割と現在進行形で集めているのですが(本作を聴いたのもリリースから10年経ってからでしたし)、前評判通りヒーリング・ニューエイジ系寄りの音作りながら、哀愁メロディやポップスとしての聴きやすさも備えているアルバムといった印象を受けました。共同プロデュースを行い、共作を含め半分程の作曲にも関わっている都留教博の色が出ているのでしょうか。

以下各曲について。


01. 楽園
包み込まれるようなシンセが全編に亘ってなっている、穏やかなスローナンバー。Toshiのボーカルも幾分抑えめな歌い方から澄んだ高音を張り上げる展開になっており、幻想的な音作りに合っているように思います。5分程の尺がありながらオープニングSE的な役割も感じる、深い森の写真が使われている本作ジャケットの雰囲気そのままといった楽曲。

02. Birthday Eve
裏打ちリズムをバックに切々と歌い上げるアコースティック色の強いミディアムナンバー。Bメロで少し明るくなるも、全体的にはどこか仄暗く切ない旋律がメインになっており、要所要所で挿入されるバイオリンもよりそれを感じさせてくれます。
また、翌年葉加瀬太郎との共同名義で出したアルバム「壊れた世界でカナリアは歌う」には、葉加瀬のアレンジによる新録バージョンが収録されており、そちらはロック色を強めたアレンジになっています。

03. 天使のメヌエット
「星の舞踏会」カップリング曲。
教会音楽のようなオルガンとピアノがメインの、優しく穏やかな雰囲気のバラード。中盤からはバンドサウンドや子供のコーラスも入り壮大に展開しますが、基本はあくまで優しい雰囲気を持ったまま進行していく印象を受けます。
翌年からMASAYAプロデュースに入ったToshiですが、こういう曲を聞く限り、他人に全乗っけせずとも十分自分でそっち方面やれたんじゃないかい? …と過去にIfは禁物ながらも思ってしまったり。

04. 碧い宇宙の旅人 〜愛の物語〜
イントロの笛のハモリがクサくてたまらない、アルバムタイトル曲でもある三拍子バラード(因みに、笛の片方はToshiが演奏しています)。そこだけではなく、全編懐かしく物寂しいメロディーがてんこ盛りとなっており、個人的にアルバム中一番好みにハマった楽曲となっています。

05. さまよえる地球人
パーカションとシンセをメインに、力強く歌い上げているミディアムナンバー。比較的ゆったりした雰囲気の歌詞が多い本作中に於いて、飛び抜けてシリアスというか切羽詰まったような言葉が並んでいるのが印象的で(と言ってもこの歌詞は外部提供ですが)、後半前向きな歌詞になるパートでも、そこだけ狙ったかのようにくぐもったエフェクトがかかっているのも逆に怖いと言うか。楽曲の方は浮遊感のあるサウンドの中に切ないメロディーが映えており、時折挿入されるサックスソロも盛り上げに一役買っているように思えます。
本作の後にリミックスバージョンとしてシングルカットもされています。

06. 星の舞踏会
ソロ9thシングルタイトル曲(ナイトホークスとの共同名義のシングルを含めると11枚目)。
前曲と打って変わって、アコギと笛のイントロに爽やかな気分にさせられるポップチューン。こちらはバイオリンやパーカションを中心に、優しさとノリの良さと併せ持った音作りになっている印象を受けました。

07. HANA 〜いのちの芽ばえ〜
Toshiのボーカルが前面に出た、穏やかなミディアムポップナンバー。歌詞・楽曲共に、アルバム中最も優しげなトーンに包まれている感があり、良い意味で真っ当な万人向けポップスとしての名曲になっているのではないでしょうか。「星の舞踏会」と合わせて、この中盤2曲によって本作の取っ付きやすさが増しているように思います。
こちらも「さまよえる地球人」の両A面としてリミックスバージョンがカットされました。

08. Simplicity
アコギとピアノをメインとした、のんびりと力の抜けた雰囲気が心地良い楽曲。歌詞もそんな感じですが(「さまよえる〜」と同じ人が提供しているのが信じ難いw)、「ぬくぬくもり」という表現はどうなんだろう…とちょっぴり思ったり。メロのすわりは良いのですが。アルバムの流れで映える、小じんまりした楽曲といったイメージがあります。

09. Passion of Love 〜P&P Family Version〜
8thシングルタイトル曲のアルバムバージョン。
割りとストレートにポップで爽やかだったシングル版から趣を変え、アコギやアコーディオンを前面に出した民謡寄りのクサさも感じる賑やかなアレンジになっています。終盤は子供の合唱も入ったりと、「みんなのうた」で流れてもおかしくなさそうな展開に。個人的には、アルバム版の雑然とワイワイした雰囲気が好みでしょうか。

10. ガイアの祈り
「楽園」と同様、フワッと包み込むようなシンセがメインの、冷たく幻想的なスローナンバーですが、途中からバンドサウンドが入り徐々に盛り上がっていきます。中盤のソロを始めとした尺八の音色に、凛とした雰囲気が感じられてツボ。

11. Morning Glory 〜Studio Live Version〜
「Passion of Love」と両A面でリリースされたシングルタイトル曲のアルバムバージョン。
タイトル通り、一発録りと思われるスタジオライブバージョンで、ピアノとストリングスをバックに伸び伸びと歌いあげる、スローテンポながら開けた印象を持つバラードになっています。クラシカルな音作りという意味では、Xのバラードでやっておかしくなさそうかな? とも思いますが、それ以上に柔らかく優しい雰囲気が全開なので、やはりどこかで線引きがあったのかもしれません。
こちらも本作の色を持ちつつ、取っ付き易さを持つ楽曲になっているのではないでしょうか。

12. Reprise 〜いのちの芽ばえ〜
「HANA」のサビパートをピアノをバックに一度歌い上げた後、穏やかなシンセのインストで幕を閉じる、エンディング的な楽曲。

***

一度Xを脱退する3ヶ月前、またMASAYAプロデュースに入る1年以上前にリリースされた事もあり、ある意味、Toshi自身によるヒーリング色が一番出ている作品かもしれません(後になってMASAYA曲の方も聴いてみましたが、メロディーのクサさという点では本作が上かな…と)。Toshiに攻撃的・アッパーな曲を求める人の好みからは外れるのかもしれませんが、冒頭に述べたように哀愁を含んだポップチューンが目白押しなので、そちら方面の楽曲が好きな人には大いにお勧めしたいアルバムです。

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碧い宇宙(ほし)の旅人碧い宇宙(ほし)の旅人
TOSHI

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myspace

La〜Mia「誘蛾灯」(1999)

01.DE-lude
02.sinner 〜自我崩壊〜
03.狂哀
04.Vacillate

全曲作詞:麗
全曲作曲:瑠叶

発売日:1999/06/13
品番:JI-T006MT


***

たまにはデモテープを――という訳でもないのですが、今回はLa~MiaがKey Party所属時代にリリースした音源を紹介してみますよ。
ボーカル:麗、ギター:瑠叶、ベース:朋の三人編成で、ほぼジャケットから想像出来るようなダークなコテコテサウンドを展開しています。同じく当時キーパ所属だったCROW(Kagrraの前身)とデモテープを同時発売したりと、当時のキーパが推していた新人バンドの一つだったのでしょうか(最もこの2バンドは、オムニバスを除くとデモテ1本で事務所を抜けるのですが…)。
解散後、麗はCannival Method、瑠叶はRIBBONを結成(現在は共に活動終了)、朋は現在emmureeで活動しています。

以下各曲について。


01.DE-lude
クラシカルなシンセをバックにした語りパートが1分ほど続いた後に、ギターとツタツタリズムを前面に出した展開に雪崩込む、ダークハードナンバー。
V系然としたジャリシャウト、要所要所でキメられるリズム、サビに入るとキャッチーになる歌メロ等、正に当時のダーク系バンドのお手本といった感があり、最初の印象は正直あまり強くなかったのですが、今聴くとそのいかにもな展開にニヤニヤしてしまったりします。
前述の語りやギターを重ねたツインギターのハモリソロ等、何気に展開も多い印象。

02.sinner 〜自我崩壊〜
ザ・王道ツタツタ発狂曲! 尺も前曲の半分以下と勢い重視ですよ(というか、DE-ludeが6分越えとそこそこ長い方なのですけれど)。
この手の暴れ曲は、好き嫌いはさて置きあまり言葉が見つからなかったりしますが、ギターにSE的な歪ませている方とザクザクしたリフを重ねているのが面白いでしょうか。

03.狂哀
クリーンなギターもバックで鳴る、この中では比較的ポップ寄りの楽曲ですが、やはりメインはツタツタリズムや軽めのギターとなっています。後にオムニバスアルバム「Punishment Party Vol.2」でリメイクされますが、サビメロがほぼ別物といって良い程変わっており、歌メロを重視したオムニバスのバージョンに比べ、こちらはあまり起伏がなくハードさを重視した展開になっている印象を受けます。サビだけ取り出したら同じ曲と分からない人も居そうな気が。

04.Vacillate
薄く鳴るシンセをバックにした疾走ナンバー。キーパだった所属というバイアスがかかっているからなのでしょうが、早口なBメロにMissalina Reiを思い出したり。というかこれ、まんま「白い翼」のBメロな気がしてきましたがどうなんでしょう…w ただ、クラシカルなフレーズを弾くギターを始めとしてダークな色が強いので、全体的にはあまり似ている印象はないのですけれど。

***

良くも悪くも何処かカッ飛んでいたバンドが多かった(笑)Key Party所属の中では、王道が故に地味な印象を持ってしまうかもしれませんが、4曲共当時のダークV系バンド然とした楽曲が並んでおり、そういう意味での安心感はあるかなと(音質的な部分は当時のデモテープのそれという前提で)。
彼らの一般流通した音源は、オムニバスを除くと本作のみとなっており、本作を含むデモテープ・オムニバス収録曲をまとめた、ベスト盤的(全曲新録かな?)なフルアルバム「La〜Mia」も会場・オフィシャル通販限定だった為、メンバーの所属バンドを遡りたい人にとっては、ちょっと手に入れにくい方のバンドかと思いますが(私も本作とオムニバス2枚のみ所持)、本作は割りと数が出ているのか、あれば基本投げ売りな印象なので、気になる人はV系専門店などをチェックしてみると良いかもしれません。

La~Mia - 誘蛾灯

Sound Horizon「Sound Horizon Live Tour 2011 第一次領土復興遠征 追加公演」@横浜アリーナ 2011/09/17

横浜アリーナで行われたSound Horizonのライブ(追加公演2日目)へ行ってきました。本当は横浜観光もしたかったのですが、盛大に寝坊をかました所為で、会場に着いたのは時間ギリギリだったのだぜ…:

Sound Horizonは、新譜に伴うライブとは別に「第○次領土拡大遠征」と題されたツアーを2006年から行っていますが、今回は東日本大震災の被災地復興支援を兼ねるという意味を込めてこのようなタイトルになったそうで、ライブの収益金の一部が義援金として寄付されるとのこと。歌詞を公募したテーマソング「Revive」も、そちらへの意識が強い言葉が選ばれています(オフィシャルサイト内のライブインフォメーションからフル視聴可能)。

――とは言え、変にかしこまった雰囲気ということもなく、フリーダムな曲順・MC・無茶ぶり(!)によって、1月のメルコンとはまた違った濃さを楽しめたライブでした。

また、Revo以外のツアー参加メンバーは毎回異なっていたのですが、今回の横浜2日目のゲストメンバーは

ギター:YUKI(Λucifer、DUSTER-3、Rayflower etc)、斉藤jake慎吾
ベース:長谷川淳(GERARD)
キーボード:勝又隆一
バイオリン:崔誠一
ドラム:敦士(SIAM SHADE、BULL ZEICHEN 88)
マニピュレーター:田淵章宏
ダンサー二人(名前失念…;)
ボーカル・ナレーション:彩乃かなみ、Sacha、JIMANG、下川みくに、Ceui、MIKI、RIKKI、REMI


今回は私もフリーダムでカオスな流れに身を任せていたので、印象に残った所をずらずら箇条書していきますよ。
(…と書いていたら無駄に長くなったので、分かりやすいレポが読みたい方は他へ行った方が良いよ! 某pi☓ivには素敵なイラスト付きのツアーレポがあったりするよ!)


続きを読む

「毒針2011」@池袋手刀 2011/09/07
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再結成NOISY CROWDSのシングル先行発売も兼ねたイベント。ノイジークラウズかハイファッションかで入場するか迷ったのですが、配布DVDに釣られてw今回は前者で。開演前と転換中には、詩那がMCを務めるネット番組の今回のイベント出演者を中心とした回が放映されており、待ち時間も退屈しませんでした。

以下出演順に。


THE HIGH GRIP
初見。
ボーカルとベースがCalmando Qualのメンバーですが、メロディアスなロックンロールバンドといった印象で、ゴシックなあちらとはまたスタイルを分けているのでしょうか。ただ、バンド名を戻してからのCQは一気にバンドサウンド寄りになっているので、こちらの音楽性も影響を与えているのかもと思うと、ちょっと面白いです。メンバーがイイ笑顔で演奏していたのも印象的でした。マイスペで聴ける2曲はどちらもやったと思いますよ。
そう言えば、歌ってない時の響さんの動きはCQに似ていたような。


THE SOUND BEE HD
アルバムは2枚ほど聴いていますが、ライブは初見。Calmando QualのギタリストTakさんは、今回はこちらで出演ですね。
和風なSEをバックに、赤を基調とした和装のメンバーが登場。全員コッテコテのヴィジュアルの中、ベースYouさんの髪の盛りっぷりに嫌でも目が行ってしまう…w ただ、その濃いヴィジュアルと攻撃的なデジロックという楽曲とに少し乖離を感じたのも正直なところ。琴の音を同期した和風寄りの楽曲もあったのですが、全体的にアッパーな楽曲がメインだったので、そこまで「和」を押し出す必要はあるのかな? と思ったり。今回のセットリストがたまたまそうだっただけで、他のライブではもっとそれ寄りなステージなのかもしれませんけれど。
とはいえ、その楽曲はもろ自分の好みに入るものなので、ライブ自体は楽しく観ることが出来ました。今までボーカルのDAISUKEさんには、物凄く上手い! というイメージは特に無かったのですが(失礼)、スロー曲の歌い上げやガナって盛り上げるパート等のメリハリ、何より爆音の中で前に出るボーカルが心地良かったですよ。


highfashionparalyze
(あくまで個人的に)ハイペースでライブを見ることが出来ているハイファッションパラライズ。今回もアッパーな流れを一気に地に落とす、ボーカル・ギターのみの暗黒空間を展開していましたが、「蟻は血が重要である」に於けるKazumaさんのネチこいシャウトの割合がどんどん増えてきている気が……実際の所アレンジし直してたりするのでしょうか。そして終盤Kazumaさんがアンプに足を掛けてズッコケそうになっていたのも気のせいなのでしょうk――おや誰か来たようだ

何度か聴いており、今回もラストに演奏した曲(I kill my shadow〜と歌っている)も気になっているので、気が早いのですが次の音源も曲が溜まったらよろしくお願いします…w 欲を言えば、面子で気になってるけど手を出しきれていない人も多い気がするので一般流通もですね…。

・セットリスト
spoiled
蟻は血が重要である
形の無い 何よりも 愛したのは お前だけが
(タイトル不明)
(タイトル不明)



bluevox
ボーカルが、Justy Nastyのベーシストだった岸根光ということを知ってびっくりしたバンド。彼に関しては、ジャスティナスティ時代のアルバムと92年のソロアルバム1枚ずつを聴いているのみなので、実質前情報はゼロ。
だったのですが、予想を超えてストレートながらポップなバンドで、純粋に聴いていて楽しかった。ソロアルバムは和風ニューウェーブ(?)といった雰囲気でしたので、あれから20年近く経つと流石に変わるという事でしょうか。
その中でも岸根さんのボーカルは適度にネチッこく、何気に現在のV系スキーにも引っかかってきそうな気がするのですがどうなんだろう…。


NOISY CROWDS
去年11月の復活イベント以来の鑑賞。今回リリースするシングルからの新曲も織り混ぜたセットリストでしたが、その復活時にも「LIFE」「mousse」期の曲が中心だった事もあり、詩那さん的にはこのバンドはポップでお洒落(オサレに非ず)な方向で進めていきたいのかなと思ったり。新メンバーになってからの楽曲、「土砂降りの中で、僕は蹲る」「久遠」は寧ろV系色は薄いようにも感じましたし(配布DVDのコメントによると「久遠」はギターのシビィ(DISHと掛け持ち)作曲だそうです)。現在詩那さんは、NOi'Xのセルフカバーもやっている弾丸少女・パンクのカバー中心のファラオも平行しているので、バンド毎にやりたい事を分けていく方針なのかもしれません。ぶっちゃけ昨年の再結成は怖いもの見たさな部分もあったので、ここまで普通に楽しんで見られるとは正直自分でも思っていませんでした。

好みを分けた部分があるとすればMCでしょうか。――というかハルカ(ベース/emmureeではギタリスト)さんが、MC中に詩那さんに「ゲッツ!」の強要を初めとして無茶振りばかりする、ただのヨッパライおじさんと化していたのが…(苦笑) その所為で2011年にもなって、ステージとオーディエンスでゲッツ! の応酬をするという妙な流れになったり。人によっては内輪感が強すぎると思われたかもしれません。私はお酒が回ってたのもありゲラゲラ笑っていましたが(東北地酒美味しかった…)。

アンコールにはハイグリップの響に加え、多分一般人として来ていたemmureeの想(私服・スッピン)がステージに上がるサプライズがありつつ(W.A.R.Pのメンバーも上がっていたようです)、「サンダル」で〆。想さん、メンバー以上に動き回ってちょっかいを出したりしながらコーラスをしているのが目立っていました…w(因みに今回のシングルにもコーラスで参加)
終演後、物販でシングルと復活イベントの記録DVDを購入。

・セットリスト
水色の太陽
久遠〜KUWON〜
STEADY LOVE
MOON LIGHT EMOTION
土砂降りの中で、僕は蹲る
the MAD IN MY LOVE〜僕の愛で狂ったモノ〜

アンコール
Wish Song
サンダル


***

最後のカオスっぷりも含め、かなり楽しめたイベントでした。
そして、帰宅後観た復活イベントのライブ映像に、自分がちょいちょい映っていて何とも言えない気分に…orz

Kaya「QUEEN」(2011)

01.Arachne
02.Nouvelle Mariee
03.Awilda
04.Ophelia
05.Sorciere
06.Sugar Rose ※通常盤のみ収録
07.Rose Kingdom
08.Medusiana
09.Last Snow -piano ver.-
10.Addict
11.Transmigration

全曲作詞:Kaya
作曲 01:Hiro/02:匠-TAKUMI-/03、06、07:KALM/04、08、10、11:Hora/05:RIU/09:Kei Suzuki
編曲 01〜08、10、11:Kei Suzuki/09:Tetsuro Sugiura

発売日:2011/04/20
品番 初回盤:DDCZ-1748/通常盤:DDCZ-1749


***

Kayaのメジャー1st、通算2枚目のオリジナルフルアルバム。間に1st「Glitter」を基にしたインディーズベストや(タイトルは同じくGlitter)、シャンソンをカバーしたミニアルバムがリリースされていましたが、オリジナルは約4年半振りと、V系界隈でなくともそこそこ間が開いている印象。
本作にはKalmやShwarz Stein時代の相棒Hora(最近一日復活しましたね)らに加え、元RENTRER EN SOIの匠、メトロノームのリウが1曲ずつですが提供をしています。

以下各曲について。


01.Arachne
浮遊感のあるコーラスから幕を開ける、儚げな雰囲気のバラード。ボーカルも、この後続く楽曲の力強い歌唱に比べると、幾分掠れさせたような歌い方をしており、楽曲の空気に合わせた声になっているのではないでしょうか。前作「Glitter」収録の「Hydrangea」を思い出させる雰囲気モノ寄りの楽曲ですが、イントロを含め何度か登場する中東っぽさを感じる旋律や、不協和音を感じるピアノソロなど、おっと思う所も。

02.Nouvelle Mariee
イントロのクッサいシンセから濃さを感じる、トランシーなメロディアスチューン。
トランス寄りの音作りにキャッチーな歌メロを乗せるというのは、これまでのKayaにとっても王道かと思うのですが、ここまで歌謡曲寄りのメロディーは珍しいかもしれません。ギラギラしたサウンドやクサいサビ、間奏のクラシカルなオルガンソロと、2曲目からそのクドさに嬉しい胸焼けがしてきますよ。楽曲提供者の匠が在籍していたリエントはそこまで聴き込んでいなかったのですが(シングルとアルバムが1枚ずつ手元にあるけど)、今更ながら聴き直してみたいと思わせられる楽曲でした。

03.Awilda
8th(メジャー4th)シングルタイトル曲。
勇ましいシンフォニック音が印象的な、アッパーなダンスチューン。歌詞のモチーフが(実在した"らしい")女海賊ということもあってか、歌い方含めて耽美さと力強さの両立を感じる楽曲となっており、一度音数を減らしてからバキバキとしたリズムを乗せ盛り上がるサビ→そのまま疾走する大サビという展開がツボです。

04.Ophelia
7thシングルタイトル曲。
物悲しいピアノのフレーズが耳に残る、冷たい印象のトランスナンバー。と言っても基本的に歌メロはキャッチーなので、取っ付き易い曲にはなっていると思います。こちらは曲調はアッパーながら、(これも歌詞のテーマに引っ張られているのかもしれませんが)水の底に沈んでいくような悲しさと透明感を感じました。また個人的には、Schwarz Stein時代の楽曲「Current」を思い出したりも…あちらのモチーフは人魚姫でしたが。

05.Sorciere
基本デジタル寄りの楽曲を歌っているKayaですが、この曲はリウの提供ということもあってか、ザクザクしたギターや打ち込みらしい打ち込みサウンドが前に出た、跳ねたデジポップナンバーとなっています。一部ボーカルにエフェクトがかかりますが、そちらも無機的に聞かせてくるような印象が。
と言っても、軽やかな歌メロやエロティックな歌詞もあってか、極端にアルバム内で浮いているという感じもなく、中盤の良いアクセントになっているのではないでしょうか。

06.Sugar Rose
通常盤のみ収録。
ベースのメロディーのせいか、ちょっとジャズっぽさも感じるライトなポップナンバー。他の曲に比べるとギラギラ感が抑えめに感じるからか、パッと聴きの印象は薄めでした。が、前述のジャジーな雰囲気からサビに入るとダンサブルになる曲展開や、ウィスパーボイスから力強く歌う切り替え、実は耽美なメロを奏でるバックのシンセ、終盤のエロ吐息(!?)等結構色々やっており、聴きこむ程に癖になってくる所があります。

07.Rose Kingdom
「Ophelia」カップリング曲。
硬質な音のシンセとマーチ調のリズムが映える攻撃的なゴシックトランスナンバー。そのシンセによるキメキメのフレーズや朗々と歌い上げるボーカルがバッチリハマっている印象で、歌詞もKayaさんお得意のヤンデレ全開のラブソングなので、この手の曲が好きな人にはたまらないのではないでしょうか。

08.Medusiana
クラシカルなイントロから幕を開ける、ダークなダンサブルナンバー。Aメロ→サビという構成を繰り返しながら3分弱で駆け抜ける、勢いを重視した楽曲なのかもしれませんが、「Rose Kingdom」と「Last Snow」に挟まれているとちょっと印象が弱く思えてしまうかもしれません。同系統なら2曲後の「Addict」の方がインパクトあるように思えますし。
サビパートは吠えるような声を交えながら煽っているので、ライブで威力を発揮する曲なのかも。

09.Last Snow -piano ver.-
6thシングルタイトル曲のアルバムバージョン。
サブタイにピアノバージョンと銘打たれている通り、ピアノ一本をバックに歌うバラードとなっており、前作で言うと同じく鈴木啓が作曲した「Silverly Dark」と同じポジションでしょうか。全体的には物悲しい雰囲気で儚げに、終盤では力強く歌い上げるボーカルもハマって居ると思います。こういう曲調がメインになられると、個人的な好みとはまた違ってくるのですが、ベタでクサいバラードを正面から歌えるのは間違いなく強みだよなぁと。
因みにシングルの方はオーケストラアレンジになっています。

10.Addict
こちらもMedusiana同様、Aメロ→サビの基本構成によるアッパーでダークなダンスナンバーですが、サビメロがアニソンに使われてもおかしくない位どキャッチーなので、個人的にはこちらの方が好みでしょうか。クラシカルながら踊りやすいアレンジと力強く歌いあげるボーカルにも、Schwarz Steinから通じる安心クオリティーを感じます。歌詞についてはファンクラブ名をタイトルにしていることもあってか、ファンへのメッセージソングと受け取れる形になっているように思えます。

11.Transmigration
ラストはやはりダンサブルながら、前曲とは対照的に柔らかくキラキラした音作りな印象のポップチューン。PVも作られている辺り本作のメイン的位置づけに思えますが、それも納得なあざといまでの白さとキャッチーさを持った楽曲になっており、ここまで明るいと逆に裏があるんじゃないかと疑ってしまいそうな…w 実際、歌詞のモデルは処刑される直前のマリー・アントワネットなので、それを考えて読み返すと、うん……(このアルバム自体、彼女について書かれた歌詞がメインだそうです)。

***

耽美な世界観は踏襲しつつ、楽曲提供者の増加に合わせ少しずつ幅も増えてきた印象のアルバム。Kayaの歌い方もバリエーションが増えており、これまでのファンにも無理なくその広げ方を聴かせられているのではないでしょうか。耽美な言葉選びやデジタルメインのサウンドが嫌いでなければ、取っ付き易いメロディーがメインになっていますし、現時点でインディーズベストと並んで入りやすいアルバムになっていると思いますよ。

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YouTube(バウンディ公式)


オフィシャルサイト

「Dazzling light & Thick Shadows -生還special-」@池袋手刀 2011/08/21
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SPEED-iDが出演したLIGHT & SHADEの復活イベントへ行ってきました。この面子でカラビンカが一番後輩らしいという事に、出演バンドの平均年齢の高さが伺えます…w

以下出演順に。


カラビンカ
ギターボーカル工藤鬼六が、スクリーンが上がる直前に「あっ、よろしくお願いします」とひょこっと顔を出して始まりまったカラビンカちゃん。最近になって知ったのですが、工藤さんってNoir fleurirの草紙が参加していたAntique Post Paperのメンバーだったのですね(因みに前身バンドのボーカルはMissalina Reiのありすがわ氏)。
前回観た時もiDと共演していたのですが、今回は少し轟音寄りの音作りだった気がしつつ、やはり楽曲は和風怨念パンクでした。ラストの「宵待草」は配布音源になっていたように思いましたが、もう無くなったのか取り扱っていませんでした…無念。
そしてMCでは、工藤さんによる共演バンドへのリスペクト、と言うかオタバンギャル男丸出しの残念かつ素敵なトークが炸裂。「エマージェンシーエクスプレス(LIGHT & SHADEも参加した、90年代に出ていたオムニバスシリーズ)に入ってた曲コピーして良いですか?」とか後方のL&Sメンバー本人に直接訪ねたり、勝手にメンバーのCVを発表したり(因みにベースの天王サオリ:緑川光、ドラマー不思議なおじさん:関智一、工藤:沢城みゆきだそうで…ジャンクノクセニ!)等やりたい放題でした。そんな流れに一番盛り上がっていたのがLIGHT & SHADEのメンバー達だったのには、流石に内輪臭強すぎませんかと思わなかったと言ったら嘘になりますが、まぁ面白かったので良いです(笑)


SPEED-iD
HIKOが急遽欠席という事で、ベースは同期で流す形となった今回のSPEED-iD。そのせいか微妙にやりづらそうだった、というかラストのTHIS CORROSIONで、ドラムの入りを一度間違えてしまったり。
今回は、いつも通りiNDEEP lpからの選曲をメインに、激し目というよりは横ノリっぽい方向だった印象がありましたが、その中で披露された新曲「ILL」はドライブ感のある疾走曲でした。今年11月に出る(はず)「UNHOLY NIGHT」のリマスタ再発盤の後の新譜に入ったりするのでしょうか。そしてそれはいつになることやら…。

…そう! 「UNHOLY NIGHT」が再発されるのですよ!! そして今回、その旨が書かれたフライヤーもありましたが、MCでは特にリリース関係のアナウンスがなかった事に一抹どころじゃない不安があったりしますが、Amazonにも登録されてますし、今度こそちゃんと出る…よ……、な…?

・セットリスト
DON'T FEAR YOURSELF
ARMY OF THE CHURCH UNDER THE MOON
(MC)
ILL(新曲)
JUSTICE WITHOUT BLOODLUST
KIKCS YOUR FREAKIN' IKON
THIS CORROSION(THE SISTERS OF MERCYカバー)


DEMONS
カラビンカの時に「DEMONSが面白い趣向を考えているみたいですよ」と聞いていましたが、いざスクリーンが上がると、そこには金具を足にくくりつけて身長3m近くになったKIYOTO(ギターボーカル)が! 不意打ち食らって爆笑してしまいました。そのまま2曲演奏しましたが、「全然動けなくて俺が楽しくない! そしてエフェクターが踏めない!!」との事で速攻で外すKIYOTOさん…。しかもこのネタ、頭2曲で諦めるのも含め今回が初めてじゃないようで…w
そんな事があったりしましたが、楽曲の方はやはり気持ちのいいロックンロールでありました。


LIGHT & SHADE
イベント直前に、90年代初期に活動していたらしいという情報を知った位で(ボーカルの原透がEX-ANSの初代ボーカリストだったり、前述のEmergency expressだったり等)、楽曲の予備知識は一切なし。後のTHE LECHETY FROM MARSのMC等から、原氏の入院等を経た約2年ぶりのライブだった事も知りましたが、素人目に観た感じでは演奏も危なげなく(原さん、MCや間奏中ちょっとステージ上所在無さげにウロウロするのが目立ってるかな? と思ったりしましたが)、ファンキーな色も感じる艶のあるサウンドを聴かせてくれました。メインアクトだったからか、お客の入りもこの時がピークだったように思います(というか、演奏後のお客さんとのやり取りを漏れ聞くに、リアルでの顔見知りが多かった模様。職場仲間とかでしょうか)。


THE LECHETY FROM MARS
今回のイベントの主催であるTHE LECHETY FROM MARS。ほぼ8カ月ぶりに見ましたが、やっぱり彼らはSPEED-iDとはまた違う、ゴキゲンなゴシックロックを奏でるゾンビさん達でした。
疲れと酔いがピークで記憶があやふやだったのが悔やまれますが;ギターのRIKKI-8さんが、バ●ブでギターソロを弾いていたのには度肝を抜かれたのでした(一回だけでしたが)。

***

終わってみれば11時になるかならないかでしたので、そこそこ長丁場だった今回のイベント。目当てのiDがメンバー欠席もあり、もう一声! な印象なのが心残りでしたが全体的には割と楽しめたでしょうか。そしてUNHOLY NIGHTの再発がスケジュール通りに成されることを祈りつつ…。

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