一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2011年10月

PLASTICZOOMS「WHITCH」(2011)

01.WITCH
02.h c t i w ❖REMIX

作詞・作曲:SHO ASAKAWA

発売日:2011/02/11
品番:PZT009


***

PLASTICZOOMSの、三連続リリース第三弾となったシングル。こちらも前作シングルと同じく、ライブ会場・一部店舗限定の販売となっており、現在は完売しているようですが、タイトル曲のPVはYouTubeで視聴出来るようになっています。

タイトル曲は、ループするギターのフレーズが耳に残る、キラキラした雰囲気のポップな楽曲。前作「PINK SNOW」より更に光が指してくるような印象で取っ付き易さを感じます。が、何処か冷めたようなボーカルの歌い方も尚更浮き上がっているような(悪い意味ではなく)。間奏のキーボードソロにも暖かさ…というか、リリース時期に影響されているのかもしれませんが、何となく春っぽさも感じました。
カップリングのリミックスバージョンは、反転したタイトル通り(?)逆回転させたトラックをベースに、ボーカルを乗せ直しているように聴こえるのですが…気のせいかな。ノイズと潰れたドラム音をメインに、前作シングルのリミックス音源に近い雰囲気になっています。

最近オフィシャルで無料配信が始まった「KMKZ」は、攻撃的な楽曲だったりと結構幅が広いバンドに思えるのですが、ここらで一作、現体制によるまとまった曲数の音源も聴いてみたいですね。

witch

オフィシャルサイト
myspace

YouTube(公式)

PLASTICZOOMS「PINK SNOW」(2011)

01.PINK SNOW
02.bloosnow ❖REMIX

作詞・作曲 01:SHO ASAKAWA

発売日:2011/01/??
品番:PZT008


***

今回は、割と最近知ったバンドのCDを。
ボーカル:SHO ASAKAWA、ギター:JUNK、TIYO IKEDA、ベース:JOHN、ドラム:YUYA ISHIZUKA、キーボード:SINPEI MORISIGEによる6人組バンド「PLASTICZOOMS」の、三連続シングルリリースの第二弾となるシングル。ライブ会場や一部店舗のみの販売で、現在は完売となっているようです(私も8月にライブ物販で購入しましたが、一枚目の「BUG」は既に売り切れていました)。

タイトル曲の「PINK SNOW」は、柔らかい音色のギターや可愛らしいキーボードが前に出た、心地よい雰囲気のダンスポップナンバーですが、乾いたリズムや気怠げに歌うボーカルとの取り合わせによって、地に足の付かない雰囲気ながら何処か醒めた空気も感じられます。黒服にゴスメイクという出で立ちながら、こういったトローンとした世界観(?)もやるのだなと、ライブでも意外に思いながら不思議としっくりきた覚えがあります。
カップリングはタイトル曲のリミックス。こちらはシンセやノイズをメインに浮遊感溢れる音作りになっている印象ですが、どこか不穏な空気も感じたり。

前述の通り現在は完売していますが、PVを監督した方のYouTubeアカウントからフル視聴が出来(オフィシャルサイトにも貼ってありますが)、タイトル曲に触れるのは容易なので気になる方は是非↓

pinksnow

オフィシャルサイト
myspace

YouTube(公式)

ze零ro「零戦開花」(2003)

01.夢幻
02.サツリク
03.永遠のパズル

作詞 01、03:勇飛/02:ze零ro
作曲 01、02:朱李/03:勇飛
全曲編曲:ze零ro

発売日:2003/02/21(1stプレス)、2003/03/21(2ndプレス)
品番:S.D.R-041(1stプレス)、S.D.R-044(2ndプレス)


***

いづみ(ボーカル)、勇飛(ドラム)、朱李(ギター)、yuri(ギター)、蒼(ベース)によるバンド「ze零ro(ゼロ)」の1stシングル。単独音源はシングル3枚のみでしたが、デモテープやオムニバス収録の楽曲を合わせると、そこそこ世に出た曲は多いみたいですね。オサレ系が台頭する中、仙台から期待の正統派メロディアスバンドが! みたいな扱いを、当時のレビューサイトで見かけた気もしますがどうだったかな…。

以下各曲について。


01.夢幻
スローテンポな出だしから、徐々に盛り上がって疾走し始めるメロディアスナンバー。どこを切っても切ない歌メロ、全編に亘って鳴っている透明感のあるシンセ、ちょっとネチッこい声質で歌い上げるボーカルと、あぁ確かに王道サウンドだわと思わせられる楽曲でした。時折ツインギターのハモリやシンセによる、クラシカルなメロディーが挿入されるのもツボなのですが、7分半超えというボリュームによって、少々ダレてくる人も居るかも知れません(個人的にも、もう少しコンパクトに出来たんじゃないかな…と思ったりしますが)。
そんな所もありつつ、何だかんだで好みに入っている曲ではあります。今のバンドがこういう曲やると、もっとシンセを前面に出して、シンフォニックメタル寄りのアレンジにするのかなぁ…と今回改めて聴くと思ったりも。

02.サツリク
こちらはこちらで如何にもと言った感のある、ハードなツタツタナンバー。早口で捲し立てるボーカルも印象的ですが、シャウトがエフェクトをかけたギャーウギャーウ!ではなく、現在主流のヴォイヴォイ!になっているのが、V系的表現のテンプレが変遷する様を感じられると言うか…w サビに入ると一気にメロディアスになるのも、この手の王道といった印象です。

03.永遠のパズル
前2曲からの流れをガラっと変えるような、陽性のパワー溢れるアップテンポのポップナンバー。キラキラとしたシンセが、1曲目とはまた違った形で音作りに貢献しており、潔いまでに明るく突き抜けた楽曲となっています。
私自身は3rdシングルの方を先に聴いており、この手の曲が寧ろメインになっているのを知っていたのもあってか、これはこれで好きなのですが、当時始めて聴いた人には、ちょっとバンドの方向性を分からなくさせてしまう恐れもあったかもしれません。
ある意味、キラキラした同期が入るのが当たり前になった、今のバンギャルさんの方がすんなり聴けるのかなとも。

***

3曲共違う方向を向いているので、バラエティに富んでいると見るか、バンドの顔が見えにくいと取るかで印象が異なってくるかもしれないシングル。バンド側も、時代の流れの中試行錯誤していたのかなという意味で面白く聴けるかもしれません。01、03とタイプは違えどメロディセンスは大いに感じるので、当時のそういったバンドを遡ってみたいという人の琴線にも触れてくるのではないでしょうか。

零戦開花

ピュアサウンド
駿河屋

Schwarz Stein「Recurrence of Hallucination」(2011)

01.REMIND
02.PREDICT -Rosen Clarion-
03.HYPNOS
04.GENUINE -Recurrence-
05.SIRIUS -Hallucination-

作詞 02〜05:Kaya
全曲作曲・編曲:Hora

発売日:2011/07/31
品番:KH-02


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Kaya(ボーカル)・Hora(キーボード、プログラミング)によるユニットで、2003年に解散した「Schwarz Stein」が、2ndアルバム「Artificial Hallucination」以来8年振りにリリースしたミニアルバム。現在の所Horaのオフィシャルサイトでの通販のみの扱いになっています。本作発売直後に一日再結成ライブも行われました。8年振りと書きましたが、2006年にはanother cell名義でのリリースがあったり、解体後のKayaソロにはHoraから継続的な曲提供があったりと、そこまでのブランクは感じなかったのも正直な所(寧ろもう8年経っていた事への驚きが…w)。個人的には、昨年Horaが体調面を理由に活動休止をしていた事もあり、ひとまず復帰が叶った事が嬉しかったりしました。
楽曲面では、5曲中3曲がHoraのソロアルバムからのリメイクという事もあり(サブタイが付いている02、04、05)、シュヴァルツシュタインやお互いのソロからの連続性を感じられる、耽美でダンサブルな楽曲がならんでいる印象があります。

以下各曲について。


01.REMIND
バックでポーンとゆっくり鳴るシンセの音色が心地良い、冷たくも高揚感を感じるトランス調のインスト。3分程の尺となっており、個人的にはもっと長くて良い位ですが、今回はソロではないので導入としてはこれ位で――という事でしょうか。

02.PREDICT -Rosen Clarion-
Horaの6thアルバム「REIGN」収録曲のボーカル入りバージョン。ダークでクラシカルな旋律を含みつつアッパーなアレンジはほぼそのままですが、低音ボーカルが入った事でサビパートのキャッチーさが更に上がったように思います(あとサビまでの繋ぎの長さや細かいタメの部分等が変更されているようです)。取り敢えず解体前の彼らを思い出させられる王道的な楽曲になっているのではないかと。

03.HYPNOS
流麗で物悲しいメロディーが立っている、哀愁ダンスナンバー。過去曲ですと「Current」辺りに雰囲気が近い気もしますが、あちら程トランス色は強くないかな? もうちょっと音が詰まっている方が個人的には好みではありますが、ゆったりとした歌メロとループするバックの音の対比も面白いです。

04.GENUINE -Recurrence-
原曲は「REIGN」、及び8th+ベストアルバム「WISDOM」にリマスタリングされ収録。
こちらも哀愁を帯びたメロディーが前に出た、沈んだ雰囲気のダンスナンバー。歌メロは原曲の主旋律をそのままなぞっていたりと、アレンジに大きな変化は感じられませんでしたが、どちらかと言うと軽快な印象だった原曲が、声が入る事により切なさが強調されて聴こえるのは興味深い。最初は地味に感じましたが、段々とループするサビが癖になってきます。

05.SIRIUS -Hallucination-
原曲は7thアルバム「domiNATE」に収録。
元々テンポの遅い曲ですし、派手な印象があったという事でもないのですが、キラキラとした装飾のあった原曲よりも、ボーカルの歌い方によって切々と噛み締めるように進行するイメージがあります。改めて聴くと、こういう曲はKayaソロでは作らなくなっていた気もするので、やはりHoraの中で何処かに線引きはあるのかなと。

***

5曲中3曲が既存曲のリメイクという事で、正直量的な部分で食い足りなさを感じたのは事実ですし、攻撃的な曲が一つ入っていればもっと流れにメリハリが出た気もしますが…まぁそういう曲は現在のKayaで聴けますし好みの問題なので。逆に、解散以来久々に彼らの名前を聞いたという人にとっては、安心感を持って聴くことの出来るのではないでしょうか。本作からお互いのソロへ、というのもすんなり行けると思いますし。何だかんだ言っても、この音にこのボーカルという取り合わせは好みに入るのだなと思わせられたCDでした。
冒頭に述べた通り限定生産なので、欲しい方は早目に購入した方が良いかもしれません。

recurrenceofhallucination

Horaオフィシャルサイト

hurts「舌☓シザー」(2007)

01.sick baby
02.地獄の季節
03.レクイエム

全曲作詞:ヒナ
旋律 02:ヒナ
作曲 01、02:真綺/03:むっく
全曲編曲:hurts

発売日:2007/03/14
品番:UCHS-003


***

ボーカル:ヒナ、ギター:むっく、ベース:真綺、ドラム:楓によるバンド「hurts」の4thシングル。メンバーの過去のバンド歴がAZALEA、サリー、KeiL等、そこそこ長くやっている人達なのですよね。解散後ヒナはSchweinを結成しますが、昨年脱退しラリルレロで、真綺と楓は雀羅の元メンバーだった明透遊、尚と共にUNDEADというバンドで活動しているようです。今の所、私が聴いているのはこのシングルだけなのですが、王道V系をベースにしながらもシンプルでパンキッシュな音作りをしているように感じた記憶があります。
関係ありませんが、Amazonのカスタマー画像の1つが上限反転している…ww

以下各曲について。


01.sick baby
このバンドについて、当時他所で「黒夢っぽい」という評判を耳にしましたが……これは!
カラッとした音で突っ走る曲調に、掠れ気味にしゃくりあげるボーカル、正に「CORKSCREW」期の黒夢でやりそうな音になっています。メンバー好きなんだろうなぁと思わされニヤニヤしてしまう…w
ちょっと影響をストレートに反映し過ぎなんじゃないかと思わなかったと言ったら嘘になりますが、だからカッコ良くない訳でもなく、あからさまにメロディーをパクっている訳でもないので、すんなり気に入る事が出来ました。色んな意味で引きの強い一曲。

02.地獄の季節
ザクザクしたギターが映える、90年代後半のダーク寄りバンドがやりそうな雰囲気も持ったミディアムナンバー。演奏自体は当時にありがちな危なっかしさが無い(ような気がする)ので安心して聴けるのに加え、サビでは激情的に歌い上げたりと結構面白い展開をしています。

03.レクイエム
こちらもカラリとした音作りのポップナンバー。前半はギターが刻まれるパンキッシュな曲調ですが、最初のサビ以降王道寄りメロディアスな展開となり、1曲目ほどあからさまではありませんが、こちらはメジャー中期の黒夢を連想させられたり。イントロの印象からは裏腹に、意外と切ない余韻を残す曲になっている気がします。

***

とにかく1曲目が出オチ気味というかインパクト大だった事もあり、聴いた当初は2,3曲目の印象薄かったりもしたのですが、聴き直してみるとそちらの方も中々面白いシングルでした。アンダーコード所属にしては珍しく(?)シンプルな音作りなので、ウワモノがデフォなのはちょっと、という人にも向いているのではないでしょうか。
今からでもベスト盤聴いてみようかなぁ…。

Amazon
舌×シザー舌×シザー
hurts

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音源感想 AYABIE「Melody」(2011)

01.Melody
02.彼方、繋がる空へ
03.0010101.0 ※通常盤のみ収録

全曲作詞:夢人
作曲 01:夢人/02、03:インテツ
編曲 01:AYABIE、d-kiku、加藤貴之/02、03:AYABIE、d-kiku

発売日:2011/02/23
品番:HMCH-1027(通常盤)


***

2010年に彩冷えるから脱退した楽器隊4人(夢人、タケヒト、インテツ、KENZO)によって結成されたバンド「AYABIE」。ギタリストだった夢人がボーカルにパートチェンジした他は、担当は変わっていません(タケヒト:ギター、インテツ:ベース、KENZO:ドラム)。本作は彼らの1stシングルで、内容の異なるDVDが付いた限定版が2種、3曲目「0010101.0」が収録された通常盤がありますが、自分の手元にあるのは通常盤となります。現時点で前に出たデビューアルバム「Virgin Snow Color -2nd season-」は聴けていないのですが、3曲共それぞれ違った色を持っているので、入門としては良かったのかなと。

以下各曲について。


01.Melody
煌びやかなデジタルサウンドとの絡みが印象的なダンサブルナンバー。とにかく突き抜けるように明るい曲調と、90年代っぽさを感じさせるキャッチーなサビメロが非常に取っ付き易く、シングルタイトル曲にふさわしい楽曲になっているのではないでしょうか。夢人のボーカルは、この時点では極端な上手い下手はなく…という感じですが、こちらも癖のない聴きやすい声質のように思えます。

02.彼方、繋がる空へ
跳ねたピアノからスタートするミディアムポップナンバー。アコギと透明感のあるシンセによって、切ない曲調に更に色が添えられているように思えます。誤解を恐れずに言うと、歌詞を含めこういう曲はメジャー期の彩冷えるでやって違和感がないように感ずるのですが(Melodyのようなデジポップも少ないながらありましたし)、どんな曲をどんな割合で作っていくかで衝突があったのかなぁ、とも。

03.0010101.0
ゴツゴツしたベースと冷たさを感じさせる旋律のピアノが印象的な、モダンでヘヴィ寄りの楽曲。サビでスローテンポになって歌いあげるのも如何にもラウドっぽい感じですが、この手のが嫌いな訳でもないので、やっぱりAYABIEでもやるんだ…という感じでしょうかw 今のバンドでこういう曲調ですと、必ず何処かにデスボイスを入れてくる印象がありますが、(ボーカルの技術的な問題かもしれませんが)今回は全編普通に歌っているのが逆に新鮮で好印象だった部分もあるかもしれません。
それにしても、以前彩冷えるの感想でも書いた気がしますが、2、3曲目とインテツの作る曲は対照的だなぁ。

***

現時点でメジャーデビューを果たしているため、早くもこれがインディーズのラスト作となっていますが、冒頭に述べた通り3曲共違う方向を向いていながら、パッと聴きで取っ付き易いメジャー感があるので、彼らがどんなバンドかを最初に知るのには適したシングルなのではないでしょうか。

Melody 【通常盤】Melody 【通常盤】
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オフィシャルサイト

相川七瀬「終わりない夢」(2002)

01.終わりない夢
02.Cryin' in the rain
03.DO IT!!
04.終わりない夢 (instrumental)

作詞 01、03:相川七瀬/02:吉村由美
作曲 01:柴崎浩/02:相川七瀬/03:西村麻聡
編曲 01:KANAME/02:DJ TAKE/03:西村麻聡

発売日:2002/06/05
品番:CTCR-40127


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2002年にリリースされた相川七瀬20枚目のシングル。タイトル曲が元WANDS、元al.ni.co、現abingdon boys schoolのギタリストである柴崎浩の提供という事で、当時興味を惹かれた記憶があります(後ジャケット怖! とか…w)。
私自身現時点でもあまり彼女のCDを沢山聴いているわけではないのですが、この前後から楽曲提供者の幅を広げてきたのかな?

以下各曲について。


01.終わりない夢
薄くかかったスペーシーな打ち込みと、細かく刻まれるリズムが印象的なポップチューン。サビで強烈なインパクトを残すと言うよりは、全体的に適度な疾走感を維持したまま聴かせてくるイメージが。アルニコではほぼ編曲に専念していた彼でしたが、このようなデジロック寄りの曲を持ってきた事に、当時ちょっと意外に思った記憶があります(アレンジ自体は柴崎氏が行なっている訳ではありませんが)。逆にabsから遡って聴く人は、割りとすんなり入れるんじゃないかという気も。

02.Cryin' in the rain
相川自身の作曲による、メロウなメロディーが前に出たバラード。全体的にフワッとしたサウンドですが、バックのブヨブヨとしたベースと効果音的に挿入されるリズムが結構耳に残ります。

03.DO IT!!
こちらは1曲目より更にデジタル色を強めた歌謡ロックチューン。作曲・編曲はFENCE OF DEFENSEの西村麻聡が手掛けています。
良い意味でベタなガールズロックといった感のある音作りや、彼女のボーカルを前面に出したキャッチーな歌メロは、これより前の彼女のイメージに近いのかな? とも思いますが、全編に散りばめられたデジタル音によって、より自分好みになってる気がします。タイトル曲以上にメロディーの引きは強いかもしれません。

***

(反町隆史に提供したりはしてましたが)丁度アルニコとabsの間に当たる時期でもあるので、当時の柴崎曲を知る意味でも面白い楽曲でした。この後も岡野ハジメがプロデュースしていたり、室姫深が楽曲提供していたりする事を知り、今になって改めて興味が出てきた人でもあります。

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highfashionparalyze「spoiled/蟻は血が重要である/形の無い 何よりも 愛したのは お前だけが」(2011)

01.spoiled
02.蟻は血が重要である
03.形の無い 何よりも 愛したのは お前だけが
04.(タイトル無し)

発売日:2011/04/04
品番:pmhf-001


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ボーカル:kazuma(元merrygoround、元Smells)、ギター:aie(the god and death stars、元Lamiel、元deadman、元the studs)によるユニット「highfashionparalyze」の1stシングル。この記事を書いている時点では、ライブ会場と通販のみの販売となっています。
メリゴやSmellsは一通り音源を聴いているのですが、aieのキャリアについてはあまり知らない状態で聴いたのですが(つい最近になってdeadmanの1stアルバムを聴いている程で;)、相変わらずねちっこいkazumaの声とザラザラしたギターのみによる、ダークと簡単に表現するのも憚られる位濃ゆい音を展開していました(音質があまり宜しくないのかワザとなのか、ノイズもちょこちょこありますが…)。また今回、作詞作曲別のクレジットは表記されておらず、「produced by:highfashionparalyze」となっています。

以下各曲について。


01.spoiled
淡々と弾かれるギターをバックに、これまた這うようなボーカルが歌う3分程のスローナンバー。シンプルですが妙な閉塞感を感じる……と油断していると最後にkazumaの絶叫が。

02.蟻は血が重要である
ギターとボーカルが交互に絡み合う、ドロドロとした雰囲気のスローナンバー。隙間を持たせたような音作りなのですが、それによってヒリヒリするような緊張感が出ているような気がします。ボーカルも低音で歌い上げたと思えばネチネチしたシャウトに突入したりと、初聴では疲れるの必至ではないかと思いますが、インパクトは4曲中一番ではないでしょうか。何気に展開多い曲だったりしますし。

03.形の無い 何よりも 愛したのは お前だけが
やはりザラついた音ながら、物悲しさを感じさせるギターのフレーズが耳に残るバラード。ボーカルも、沈んだ空気ながら実は切ないメロディーを歌い上げていたりと、聴けば聴く程に味が出てくる楽曲になっている印象があります。個人的にはこの2、3曲目が、対照的ながらこのシングルの肝になっているのかなと。

04.(タイトル無し)
トラック数は表記されながらタイトル表記が無いので、ボートラというより元々タイトルを作っていないという事でしょうか。
spoiledのテンポを上げたような曲調に、呻き声ボーカルが乗った1分半弱の楽曲になっています。

***

1stシングルの時点で判断するのは早過ぎますが、そのシンプルな音作りも含め、kazumaのキャリアの中でもダントツに人を選びそうなユニットという印象を持ちました(というかSmellsの時は、何気にバックの音がロックンロールしていたような…)。逆にドロドロと重たい(音圧的な意味ではなく)雰囲気の楽曲を求める人には、かなり強くアピールしてくるのではないでしょうか。二人共他のバンド・プロジェクトを平行している為、ペースはゆっくりになりそうですが、この空気でアルバムを出したらどんな物になってしまうのか気になります。

hfp

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aieオフィシャルサイト(トップページから通販フォームへのリンクあり)

Iceman「LOST COMPLEX」(1998)

01.LOST COMPLEX
02.Dizzy Boogie
03.LOST COMPLEX [Instrumental]

作詞 01:Iceman/02:Michihiro Kuroda
作曲・編曲 01、02:Daisuke Asakura

発売日:1998/03/21
品番:ESDB-3811


***

黒田倫弘、伊藤賢一、浅倉大介によって結成された「Iceman」が98年にリリースした6枚目のシングル。これより後、彼らのCDリリースがアルバム単位となった為、結果的にラストシングルという形になっています。

01.LOST COMPLEX
2ヶ月後に出たアルバム「Digiryzm Mutation」にはアルバムミックスバージョンが収録されていますが、構成はほぼ変わらないので詳しい感想はそちらを御覧下さい。改めて聴いても、こういうデジデジしたハイスピードナンバーはやっぱりツボだなぁ。アルバムミックスの方は、若干音が左右に広がっています。
構成や要所要所で光るクラシカルなメロディー、適度に中二で耽美な歌詞がXの某曲っぽいとも思っていたのですが、今回Amazonのレビューを覗いた所、似た感想を書かれている人が…w 99年のGATE三部作の流れを感じさせる曲になっている気もします。

02.Dizzy Boogie
こちらはファンキーな要素も感じる明るいダンスチューン。バックで隙間無く鳴っているボヨボヨ音や、ちょっと時代を感じさせるサビメロ等、タイトル曲とは別方向に突き抜けておりこれはこれで楽しい曲になっているのではないでしょうか。
こちらは今の所アルバム未収録になっています(タイトル曲は、浅倉大介のベストアルバム「DecAde」に収録)。

***

過去そうだった方も含め、V系とDA関連のファン層は結構被ってそうだな…と勝手に思ってたりしますが、Iceman黒田のボーカルもそちら方面の好みに入りそうな適度に低い声をしており、他のプロジェクトに比べギタリストの色も濃い気がするので、打ち込み嫌いでない方は「Digiryzm〜」や「GATEII」辺りから手を出してみると良いかもしれません。

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LOST COMPLEXLOST COMPLEX
Iceman

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sonymusic内アーティストページ(試聴あり)

Calmando Qual「(タイトル無し)」(2011)

01.タイトル無し

発売日:2011/06/03


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2011年6月3日、池袋手刀でのワンマンライブにて、東日本大震災へのチャリティー音源として500円で販売された1曲入りCD-R。売上は全額日本赤十字社へ送られました。メンバーのブログを見る限り、76枚が世間に出回っているという事でしょうか。

Calmando Qualと言えば、ネガティブな感情を叩きつける言葉が乗ったヘヴィなデジロックであったり、最近ではコミカルホラーな世界観を纏った楽曲がメインという印象がありました(Twisted Crock時代を含み、彼らの音源を全て聞いたわけではないので断言は出来ないですけれど)。しかしこの曲に関しては、凄く真っ当というか少し沈んだ雰囲気ながら穏やかなバラードとなっており、ライブで最初に聴いた時は驚いた記憶があります。歌詞の方もメジャーで出して何の問題もないような(甘過ぎない)ラブソングとなっており、こちらも意外。
この曲はインターネット配信の番組に出演した際、その番組で披露する為に1日で作られた曲ということなので、リリースの経緯を考えても敢えて奇を衒わず作ってきたということかもしれません。

そんな訳で、敢えてこの手のバンドを聴いているような「熱心なファン」がどう思うか分からない所もあるのですが、こういう外伝的な曲もアリではないかと。
…折角チャリティーという形で出しているのですから、1日限定と言わずずっと物販で売れば良いのにと思ったりはしますが、バンドの規模的に難しい所もあるのかもしれません。その内流通音源のボーナストラックに入ったりする日が来る…のかなぁ?w

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ニコニコ動画(秘密のクロヲゼット第1回ダイジェスト)
※16:20頃〜


オフィシャルサイト
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