一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2011年12月

heidi.「夕焼けと子供/マリア」(2006)

01.夕焼けと子供
02.マリア

全曲作詞・作曲:ナオ

発売日:2006/06/03
品番:SSCD-001


***

ライブ会場限定で販売されていた「heidi.」の1stシングル。シークレット出演を除くと初ライブとなった池袋サイバー無料ワンマンと同時に発売された事もあり、バンドの名刺代わりといった音源でしょうか。

以下各曲について。


01.夕焼けと子供
跳ねたリズムと湿っぽい歌謡曲調のメロディーが耳に残るポップチューン。当時、ハイヂにはナオとコースケが前に組んでいたカリメロのイメージが強かったのですが、そちらの匂いは残しつつ若干聴きやすくなった印象を受けました。後期カリメロほどヘヴィネス寄りの音にしていなかったり、義彦のボーカルに大きな癖が無かったりしたからでしょうか。実際、今聴き返してもバンドの色が分かりやすい1曲だと思いますし、この後に出たミニアルバム「慟哭」にも収録された辺り、初期の代表曲的な位置付けだったのかもしれません。

02.マリア
ゴツゴツとしたベースから始まる、アッパーでパンキッシュなナンバー。こちらもメロディーは和というか歌謡色が強いのですが、サビで激情的に疾走する展開が個人的にツボだったりします。メロとは対照的に、冒頭を初めベースのノリが良く全体的にはカラッとした音になっている印象。カリメロから彼らを知った人には、こちらの方が馴染みやすい曲だったようにも思えるのですが、どうなんでしょう。

***

現在は散発的に聴いているバンドのため断定的な事は言えませんが、現在から遡っても違和感なく聴ける2曲なのではないでしょうか。しばらく入手困難なCDになっていましたが、来年出るインディーズベスト(初回盤)へ、アルバム未収録だった「マリア」が入るので、今から聴きたい人は此方にプレミア値を出すより今度のベストを待つのをお勧めします。

yuuyaketokodomo

「Aristocracy Renaissance Vol.2」@高田馬場CLUB PHASE 2011/12/03

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V系バンドとメタル畑のバンドが共演するLacroix Despheres主催イベント。ラクロワはライブが少なく、これ見逃したら何時になるか分からないので思い切って行ってきました。メタル方面はあまり明るくないこともあり、のんびり見てて怖いメタラーのお兄さんに絡まれたらどうしようとか思っていましたが特にそんな事もなく…w(いや自分があの場でアウェイなのは分かってるんだよやっぱりちょっと怖いんだよ!)。

以下出演順に。V系→メタルと交互に出てきた感じですかね。


MARIO'†CHILD
ある意味今回の出演陣の中では個人的注目度No.1だったマリオクロスチャイルド。ギタリストで作曲担当であるMOGUのプロジェクトという事で良いのかな?
ちょっと前にツイッターの方で、彼らのホームページが色々凄いと話題になっており、私もその……な作りにおおうwおおうwwとなったりしていましたが、いざ今回蓋を開けてみたらすっごくマトモでした
とにかく女声ボーカルのミカヤ(Ambrosiaからのサポート扱いのようです)によるオペラティックな高音の伸びが半端ない。楽曲は基本クラシカルに歌い上げるスタイルなのでマッチしない訳もなく、前任の男性ボーカル時代の曲も違和感無く歌っていました。声量で言ったら出演者中一番だったんじゃないんでしょうか。急遽ゲスト出演が決まった、同じくAmbrosiaのバイオリニストも速弾きソロを披露したりと、楽曲に色を添えていたように思います。
ちょっと似通った雰囲気の曲が並んでるかなと思ったり(これ各出演者に言える事かもしれませんが)、同期メインなのは別に気にならないのですが折角MOGUさんギター弾いてるのですからもう少しギターの音を前に出しても良いのではと感じたりと、課題も相応にある印象でしたが(アルバムもこんな感じの音なので、ある意味音源に忠実とも言えますが…)、好みな方向には間違いないので、トラック作りを磨きながら是非この路線を突き詰めて行って欲しいところ。いっそシンセをバンバン前に出して、硬派なメタラーさんを嫌がらせるのも手かもしれませんがw
その注目の(?)MOGUさんは楽曲面やヴィジュアルもさることながら、ステージ上のキャラクターもM○naを意識しているのか喋らないキャラを貫いていましたが、2度目のMCにて

ミカヤ「物販のアルバム、2000円の所を今日は半額で販売します。……もう500円でも良くないですか?」
MOGU「!!!(フルフルフル)
ミカヤ「……駄目だそうです(笑)」
いきなり振られてうろたえるMOGUさんがちょっと面白かったです。

結論:彼らはあのホームページで損してるし得もしてる


CROSS VEIN
オフィシャルの試聴でちょっと気になっていたバンド。取り敢えずマリチャイの後だと音圧の差にびっくりする…w クラシカルなキーボードが印象的なサウンドが心地よく、例えとして合っているのか分かりませんがVersaillesが女声ボーカルになったような感じも受けました。そのボーカルJuliaの声はアニソン方面にも通じそうなハキハキした通りの良い声をしており、そういう所も好みでしたね。終演後シングルを2枚購入したのですが、そちらは若干苦しそうな高音ボーカルでちょっと印象が違っていましたが、ライブの方が声出てるのは良い事だと思うことにします。
因みにJuliaさんのMC、やけに落ち着いたお嬢様口調なのが印象的で(こちらも何かのキャラ作りでしょうか)終演後の物販等の告知までその喋り方と、その徹底ぶりが素敵でした。


Sito Magus
ツインボーカルのラクロワを除くと、男性ボーカルバンドって今回彼らだけだったのですよね。
黒い衣装・ドロリとした楽曲に乗る艶のあるボーカルと、今回の面子の中では比較的王道V系に寄っているのかなと思わせられます。クラシカルな同期も使っていましたが、盛り上げるというよりは冷たく重たい雰囲気を演出する為に使っているという印象でした。ただ、楽曲中のナレーションとは別に設けられたMCでは微妙にわやわやになっていたりして、妙にユルい空気が漂ったりも……w
前後がパワフルな女声ボーカルバンドだったこともあってか、変な言い方ですが安心して見られるステージでした。


Ancient Myth
こちらもクロスヴェインと同系統な印象を抱く、キーボードやギターのソロが目立つシンフォニックメタルな音作りでしたが、こちらのボーカルさんはかなりパワフルなステージングをしていました。髪が乱れるのも構わずこちらを煽る煽る+ヘドバンし放題! そのヘドバンのせいなのか曲の歌い出しで毎回辛そうなのがちょっと気になりましたがそこはそれというか(体は大事にね…)。こちらも中々の盛り上がりを見せていましたね。
そして何よりインパクトだったのは、ソロ弾いているギタリストさんのドヤ顔!! 本当に楽しそうに演奏していらっしゃいました……。
来年、現体制で初となるフルアルバムを発表するそうですよ。


Lacroix Despheres
舞台監督も立て、演劇寄りのライブになるというのは事前に知っていたのですが、ここまでやってくれるとは。2ndアルバム『Dernier Paradis act2』を視覚的に再現するライブだったのですが、それぞれの役を演じるレギュラーメンバーやゲストの役者による(フルートとオーボエ奏者の二人もかなり動いていました)、1曲1曲中細かく表情や立ち位置を決めていったのだろうと思われるステージング、自前のスクリーンを使った映像も使った演出等、(褒め言葉として)良くこの規模のハコでやりきってくれたなと。ステージが近いだけに転換中のバタバタが見えちゃったり、下手側のギターが微妙にトラブったりもしていましたが(MCでも触れてましたが薄いノイズがずっと続いていたような)、それを差し引いてもステージに見入るのに十分な力を持っていたのではないでしょうか。クラシカルで激しい曲は勿論好みですが、Sayaのソロボーカルによるバラード「Passiflora caerulea」で管楽器パートを生でじっくり聴く事ができたのも嬉しい。
「La rue de L'espoir」が終わって初めてMCが入りましたが、こちらは本編とは対照的にリーダー翔を中心としたユルーいノリ。この対比は物語音楽のメジャーどころ、Sound Horizonに通じる所があるような……w 前述の舞台監督の方もステージに招きつつ共演者やスタッフへの感謝を述べていました。

ラストは今回配布されたシングル収録曲の「天啓の瞳」。この曲、1stアルバム『Dernier Paradis act1』に入っている「古の刻より舞い降りし者たち」の現メンバーによるリメイクなのですが、何故タイトルが変わっているのかについては翔さん曰く「act3で分かります」だそうで。個人的に彼らにハマる切っ掛けになった曲でもあるので、今回ラストで聴けたのはかなり嬉しいものが。帰宅後CDの方も聴いてみましたが、管楽器によるキメやギターソロの変更が目立つアレンジになっており、こちらはこちらでカッコ良かったですよ。

※セットリスト
Vox arcana
Scivias
Diaruim
Passiflora caerulea
Le Sortilege
Symphonia 〜静寂の誓い〜
La rue de L'espoir
(MC)
天啓の瞳


***

一応V系+メタルの混合という形でしたが、何処かしらカラーの共通するバンドが集まったからか持続して楽しめるイベントでした。デルニエパラディが完結した暁には、今度はホールクラスで今回のようなライブを1幕から3幕までフルで是非ですね……。

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UNLIMITS「七色の記憶」(2005)

01.七色の記憶
02.モノクローム
03.時風の鼓動
04.願い
05.19時の空白
06.帰り道

作詞 01〜03、05:群島洋子、清水葉子/04、06:清水葉子
全曲作曲:清水葉子

発売日:2005/12/07
品番:UXCU-1


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女声ツインボーカルを擁する「UNLIMITS」が2005年にリリースした、初音源でもある1stミニアルバム。この時期のメンバーは清水葉子(ギター、ボーカル)・群島洋子(ドラム、ボーカル)・伊藤怜(ベース)でしたが、伊藤は翌年に脱退、現在は石島直和(ベース)・大月義隆(ギター)を加えた4人編成となっています。

楽曲傾向としては哀愁パンク、と呼べばいいのでしょうか。ド頭のタイトル曲「七色の記憶」から歌謡曲寄りのメロディーを乗せた疾走ナンバーをぶつけてきており、荒々しさも感じるボーカルや3ピース編成のシンプルな音ながら、日本人好みのする旋律をモリモリぶち込んできている印象です(「七色の〜」は、後に1stフルアルバム『夢幻シンドローム』でも再録されました)。先に挙げたツインボーカルは、ハモり重視というよりはそれぞれに突っ走っている感じですが、その歌メロがツボなので個人的にはそんなに気にはなりませんでした。彼らを知った切っ掛けがこれということもあり、現在でも彼らの中で上位にある曲になっていたり。
同じく哀愁疾走チューンの「モノクローム」、ミディアムテンポで歌いあげる「時風の鼓動」「願い」を経て、おっと思わせられたのが5曲目の「19時の告白」。ディスコチックなリズムに乗せて湿っぽいメロディーを歌う展開が面白くもツボにハマるものがあり、ラストの爆走曲「帰り道」と合わせて、終盤の良い流れが作られている気がします。ボーカルこそ女声ですが、歌謡曲寄りの曲調が好きなV系スキーの方にもハマる要素は多いのではないでしょうか(最近のバンドで具体的な名前を挙げるならばheidi.とか……)。

此処2年位、現在進行形でCDを集めているバンドなので断定的な事は言えないのですが、その荒々しさも含め初音源でほぼ方向性は定まっている印象を受けるので、最近の音源で知った人にも危なげ無くお勧めできるかもしれません。

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