一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2012年08月

SPEED-iD「UNHOLY NIGHT」(2011)

01. EVIL MOON RISING
02. BLACKOUT RIPPER
03. IN COLD BLOOD
04. HENRY LEE LUCAS
05. A PRAYER
06. THE HOUSE OF HORRORS
07. QUEER
08. ALICE
09. UNHOLY
10. VAMPIRE OF DUSSELDORF

全曲作詞、作曲:H.L.EURO


DISC TWO (2011年初回盤のみ)
「GOOD EVENING,EVILIAN」

01.SE "EVIL HYMN"〜DEPTH
02.JUSTICE WITHOUT BLOOD-LUST
03.KICKS YOUR FREAKIN' ICON
04.FIRE OF DESIRE BURNS TO DUST
05.ARMY OF THE CHURCH UNDER THE MOON
06.SENSELESS
07.ANGELS IN THE DIRTY SNOW
08.EVIL MOON RISING
09.BLACKOUT RIPPER
10.DON'T FEAR YOURSELF
11.THIS CORROSION

作詞:01〜10:H.L.EURO/11:TAYLOR、ANDREW
作曲:01、03〜06、08 、09:H.L.EURO/02、07、10:CAPTAIN MARQUEE/11:TAYLOR、ANDREW


発売日:2011/11/23
品番:YZXL-10031(初回限定盤)、YZXL-10032(通常盤)

Members
Vocal、Bass、Tracks、Rec and Mix:H.L.EURO
Guitar:CAPTAIN MARQUEE
Drums and Chorus:J.P.HAL.J
Vocal、Chorus:le;ka
Additional Bass on "GOOD EVENING,EVILIAN":HIKO


***

先日紹介したSPEED-iDのヨーロッパ限定発売だった4thフル「UNHOLY NIGHT」をリマスタリング+現メンバーのle;ka(森永理科)のコーラスパートを加えた(なので一部新録と言えば新録)再発盤。
現在のライブで演奏されている曲もありながら、ほぼ国内では出回らなかったアルバムなので、昨年の再発の報には驚かされたものでした。初回盤には2009年に配信限定でリリースされた2ndライブアルバム「GOOD EVENING,EVILIAN」が収録されたCDが付いており、当時CDで出たら買おうかなぁ……と思いつつスルーしていたので、そういう意味でも願ったり叶ったりのリリースでしたよ。しかもクラウン徳間からの全国流通…。
何故かオリジナル盤のラストに入っていた「SHOOT THE HEAVEN」が、こちらに未収録という点だけが残念。現在国内では入手がかなり困難なアルバムですし、敢えて外す理由も無かったと思うのですけれど。

リマスタ自体は、原曲の音圧をそのまま上げたといった感じで、特に大きく音を弄ってはいない印象。
やはり大きな変化はリカさんのコーラス追加になりますが、女声ボーカルが入ったことで少し華やかな色が加わり……なんてことは全然なく、エフェクトのかけ方に因るのか歌い方に因るものなのか、寧ろ怖さ・冷たさを強調しているように思え、さながら楽曲に亡霊が取り憑いたような印象さえ。一部の曲では、エフェクトの具合かちょっとボカロっぽく聴こえたりもしますが……(個人的にあの無機的な感じはちょっと怖く感じる所もあるので、ある意味間違ってはいない)。
「VAMPIRE OF DUSSELDORF」では、優朗の語りに重ね、ここに来てやっと感情を露わにした、主人公を嘲笑うような口調の語りが挿入されており、その辺りは声優業もしている強みでしょうか。

ライブ盤の方は2009年8月22日の池袋手刀でのイベントを収録したものとなっており(参考:優朗氏のブログ)、5thフル「iNDEEP lp」全曲+Sisters of Mercyのカバー「THIS CORROSION」という並びになっています。
ライブ盤だから当然と言われれば当然なのかも知れませんが、UNHOLY NIGHTに比べるとが大分血が通った感じを受けるというか(iNDEEP自体がロックンロォォォルしているアルバムですし)、一発録りの荒っぽさもありつつ、その対比が面白い。
「EVIL MOON RISING」「BLACKOUT RIPPER」はどちらにも入っているのですが、大きく構成が違う訳でもないのに結構印象は違って聴こえますし、Sisters of Mercyのカバーがゴキゲンなロックチューンと化しているいることからも、当時のバンドのモードが伺えます。また、リカさんがサポート扱いだったiNDEEPに比べると、若干ツインボーカル色が強まったようにも思えます。


前述した通り、1曲欠けた形での再発になってしまっていますが、90年代の総括的と復活後の流れがどちらも追え、個人的には現時点での入門に相応しいアルバムではないかと思っています。サイコな暗黒ロック(ンロール)が聴いてみたい人は是非。

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myspace

ライブアルバムだけ欲しい人はiTunesストアから
Good Evening, Evilian Live In Tokyo 2009 - SPEED-iD

SPEED-iD「UNHOLY NIGHT」(1999)

01. EVIL MOON RISING
02. BLACKOUT RIPPER
03. IN COLD BLOOD
04. HENRY LEE LUCAS
05. A PRAYER
06. THE HOUSE OF HORRORS
07. QUEER
08. ALICE
09. UNHOLY
10. VAMPIRE OF DUSSELDORF
11. SHOOT THE HEAVEN

全曲作詞・作曲:SPEED-iD

※原曲 03〜06、08、09:優朗「UNHOLY」(1997)/01、02、06、07、10:同「UNHOLY2」(1998)/11:SPEED-iD「「i-D THE M・A・S EDITION」(1997)

発売日:1999/??/??
品番:JI-T008

Members
Vocal、Bass、12 strings guiar、Synth、Programming:HENRY LEE EURO
Guitar:MARQUEE 24
Live drums Grooves and Programming:J.P.HAL.J


***

SPEED-iDが欧州限定でリリースした、通算4枚目のアルバム。リリース後ドイツでツアーを行うなど、現在のV系界隈における流れを先取りしていたと言えなくもない……かも。当時優朗がプロデューサーを務めていたKEY PARTYからリリースされました。
本作は、ボーカリスト優朗がソロでリリースしていた「UNHOLY」シリーズをバンドでレコーディングし直したものがメインに収録されており、轟音ギターが前に出たサイケなロック色が強い1st「INNER DIMENSION」、クラブ・トリップホップ方面に急接近した「i-D THE M・A・S EDITION」「D・O・S EDITON」とはまた趣を変えた、インダストリアル要素を加えたゴシックパンクと言えそうな音作りになっています。

優朗さんがほぼ全ての演奏を手がけ打ち込みメインだったソロに比べると、冷たいシンセや潰れた打ち込みのリズムを挿入しつつもバンドサウンドがメインとなったことで、V系バンドを好む人にはある意味で聴きやすくなった印象。特にソロ1作目のUNHOLYは、曲によって音が潰れすぎている気もするので、その辺もレベルアップしているでしょうか。また日本語だった歌詞は全て英語に改められており、実際の殺人をモチーフにしたという言葉の重みという面においては、日本語を母語とする側にとってはどうしても伝わりづらくなってしまうのは致し方ないところかもしれません。

現時点の最新作「iNDEEP」でもセットで新録されている「EVIL MOON RISING〜BLACKOUT RIPPER」のダークな疾走感はやはりカッコ良く、EVIL〜での早口の語り+ブレイク→ラストのサビという流れは原曲よりツボだったりします。
津山事件をモチーフにした陰鬱な「IN COLD BLOOD(原曲:冷血 pt.2)」、ループするシンセとノイジーでヒステリックなギターが印象的な「HENRY LEE LUCAS」「A PRAYER(原曲:祈る男)」は原曲で感じた音の軽さが改善され、英詩ながらより邪悪さが感じられる気が。
歪みまくった愛を歌うダウナーなバラード「THE HOUSE OF HORRORS(原曲:悪魔の庭)」は、原曲とのアレンジの大きな違いはあまり感じませんが、極端な低音ボーカルの響きはやはり素敵。
対して「QUEER」はノイジーなアレンジから目茶苦茶ポップに変わっていて、最初聴いた時何の曲だか分からなかった覚えが……w(原曲でも歌メロは割とポップな方なのですが)。人を喰ったような歌い方も含め、キャッチーに振り切ったバウハウス、みたいな印象もあります。
「ALICE」「UNHOLY」も原曲よりも音が整理された結果、前者はロマンチックなメロディーが(モチーフは宮崎勤だけど)、後者は現在のゴシックロックンロールの音作りに通じるようなノリの良さがより前に出ている感があり、レベルアップしているかなぁと。
「VAMPIRE OF DUSSELDORF(原曲:デュッセルドルフの吸血鬼)」は、英詩の語りメインで尺が10分あるため、言葉がストレートに入ってくるソロバージョンに比べると、流石にダレちゃう人が居るかもしれませんが、中盤からの呻き声のようなシャウトを交えドロドロとした展開は、原曲以上の凄みを感じられるものとなっているかもしれません。でもこのアレンジを日本語で聴きたかった部分も確かにあったり。

本作は、2011年に現メンバーle;kaのコーラスを加えリマスターも行った半新録? 的再発盤が出ているのですが、何故か再発盤に入っていないのがラストの「SHOOT THE HEAVEN」。M・A・S EDITION収録バージョンは打ち込みメインでしたが、バンドサウンドメインのこちらは、テンポを若干落としながらもスリリングで冷たい疾走感を感じられるアレンジになっており、個人的にiDにハマる切っ掛けになった曲の1つという事もあり、どちらも甲乙つけがたいというか。

***

ゴス・インダストリアルに寄り冷たくサイコな雰囲気を持つ本作、個人的には現時点でiDの最高傑作だと思っていますが、海外リリースという事からか、とにかく中古でもオークションでも見かけないアルバムでした(復活後しばらくライブ物販で売っていました)。上で述べた通り1曲少ないながら国内入手が可能になったので(初回盤は「iNDEEP」全曲が演奏されているライブ盤付き!)、気になる人は是非。
キーパ=ジャリ盤だらけ、のイメージで聴くと良い意味で裏切られると思いますよ……w

myspace

※ドイツのAmazonでオリジナル盤を取り扱っているようなので、興味のある方は↓
unholy night

参考リンク:ドイツのAmazonで購入する方法

Aioria「煌め逝く瞬間」(2002)

01. furitsumoru 〜降りつもる〜
02. 光彩
03. 凍てつく世界
04. ファンタジア
05. 瞬き…
06. 蠱惑ナ果実
07. 運命
08. 瑠璃蝶
09. いばらの森
10. 蒼月の陰影
11. 花詞

作詞 02〜09、11:sarino/10:ミサ
作曲 02〜11:ミサ
編曲 02〜11:Aioria

発売日:2002/04/01
品番:LOOP-2005CD

Members
Vocal:Sarino
Guitar、Dances:未散
Drum:大城
Guitar、Keybords、Chorus:ミサ

Additional Musician
Bass:Ren
Percussion:Tohru


***

Sarino(ex-未散プロジェクト、Sherry Trip Realize〜TINC、現ニンジャマンジャパン、Annie's Black)、未散(ex-L'yse:nore、未散プロジェクト、S to M etc)、大城(ex-未散プロジェクト、現D)、ミサ(ex-嘆キ使徒〜Davidノ使徒:aL、Klein Kaiser、BABYLON)によって結成されていた「Aioria」がリリースしたフルアルバムにして唯一の単独CD音源。収録曲の大半が、これより前にリリースされたデモテープ収録曲の新録ということもあり、ベスト盤的な位置付けもできるかもしれません。
全曲をミサが作曲していることもあり、これより前のダビデやAioriaの後に結成したBABYLONでも聴ける、シンセを導入した歌謡+クラシカルなメロディーが全開となっており、そこにSarinoの甘目の高音ボーカルが乗ることで、適度に浮世離れした世界観が出ている気がします。
また、サポートメンバーの2人は元JILSのリズム隊ですが、RENはその前ダビデのメンバーとしてミサと一緒に活動していました(当時はエルゼ名義。解散後はダビデのボーカルと共にpleurへ)。

以下各曲について。


01. furitsumoru 〜降りつもる〜
シンセによる、耽美でクラシカルなメロディーをメインとしたインスト。
そのまま次曲へと続きます。

02. 光彩
前曲の旋律を保ったまま展開する疾走曲。デモテープでは「光彩の沈殿」というタイトルでした。
ギターとシンセのクラシカルなハモリを随所に入れつつ、勢いを付けたままサビでキャッチーに歌い上げる展開は、実質的なオープニングに持ってくるのにふさわしいインパクトと、V系王道的な分かりやすさを備えているのではないでしょうか。当時はデモテープでしたが、今なら確実にシングルで切ってきそうな雰囲気を感じます。
また、2010年に一度再結成しオムニバスに1曲参加した際には、この曲が新たに録音し直されて収録されました。

03. 凍てつく世界
ダークなイントロから一転、ザクザクとしたギターが印象的な跳ねたアレンジへ移行するポップチューン。メルヘンチック、あるいはユーモラスにも感じる曲調ながら、どこか恐い雰囲気にダビデの匂いを感じたり。……というかこの曲、「ダビデをまともにしたらこうなる」感がひしひしと……(笑
こちらも、サビでキャッチーに歌い上げます。

04. ファンタジア
ベースの旋律に、こちらもどこかダビデ臭を感じるメルヘンなポップチューン。前半は全曲と同じく跳ねたリズムで展開しますが、後半疾走パートが挿入されるのをはじめ結構展開が多かったりします。そしてサビ前や終盤に入るミサの低音コーラスを聴くと、やはり彼のバンドだなぁと思ったり。

05. 瞬き…
イントロの高速キーボードソロが印象的な、疾走メロディアスチューン。
ギターの刻みや間奏のキーボードソロに、クラシカルメタルの匂いも感じますが、最近のバンドの主流になっている重ためのそれではなく、王道V系な音作りをメインとしつつ良い塩梅で組み合わせている印象です。サビでは再びミサとハモりつつ広がりのあるメロディーを歌い上げたり、終盤、更に疾走感を増した展開が聴けるのもツボ。

06. 蠱惑ナ果実
前面に出たのギターやエフェクトをかけたボーカルによって、モダンでヘヴィな印象を受ける、若干ハード寄りの楽曲。サビに入ると一転してミディアムテンポになり、メロディアスに歌い上げるのは逆に最近ぽいかも、と改めて聴いてみて思ったり。メタル要素で言えばこちらも中々だと思うのですが、この辺りはメタル方面のアプローチを目指し(?)ながら、素人にも一聴して音質が極端にくぐもっているのが分かってしまうのが残念だった、Klein Kaiserでの経験が整理された上で反映されているのかなぁとも。

07. 運命
ハードな出だしから、すぐにダンサブルなアレンジに展開するポップチューン。
パートによって沈んだ調子になったり、ギターソロがクラシカルにピロピロ弾き倒すかと思えば電子音を全面に出したりと、この曲も展開が多いのですが、難解な印象を持たないのはやはりサビにキャッチーなメロディーを持ってきているからでしょうか。

08. 瑠璃蝶
シンセが前面に入っている本作ですが、この曲は特にデジタルの比率が強くなっています(ドラムもほぼ打ち込みかな?)。
とにかく頭から入るサビを始めとするメロのクサさがたまらないというか、他の曲に比べると無機的なアレンジながら、その歌謡クラシカルな旋律にツボを押されまくりなので細かい事はもう良いです(笑
ピコピコ音を交えたシンセソロが続く間奏には、ちょっとゲームミュージックぽさを感じたり。ここも素敵だなぁ。

09. いばらの森
ちょっとゲームっぽいシンセによる導入から(一回入るSE、あれ犬の声でしょうか)、すぐにバンドサウンドで疾走するアッパーチューン。
こちらは派手なアレンジを基本に、ギターとシンセによる印象的なキメのフレーズをはじめとする、やりすぎなまでの歌謡+クラシカルなメロディーが全開となっており、終盤の盛り上がりドコロの一つになっているのではないでしょうか。
個人的に瑠璃蝶→本曲の流れが本作中特に好み。

10. 蒼月の陰影
コロコロと展開を変えるアレンジをバックに、Sarino・時々ミサのツインボーカルで進行する、こちらもダビデが成長したらこうなる的な印象を受けるダークメルヘン+ポップな趣の楽曲。ただ変テコなだけではなく、サビでは憂いのあるメロディーを歌い上げ印象を残すのがAioria流という事でしょうか。

11. 花詞
ラストは、序盤を始めとするインダストリアルチックな展開とボーカルパートとの対比が面白い、耽美なポップチューン。結構ベースがウネウネ動いているんですよね。
サビは1行のみの歌詞をひたすら繰り返すものとなっており、人によってはそこがくどく感じられるかもしれません。ただそのメロディーがまたクサく、バックのアレンジを変えたり途中からツインボーカルにしたりと色々していますので、個人的には気にならないかな。

***

今思うと、こういう曲にSarinoのようなボーカルが乗るのってありそうでなかった組み合わせという感がある点でも面白かったり。
打ち込み導入+クラシカル+何だかんだでポップ、と一貫した雰囲気を保ったまま進むので、最初は似通った印象を持つ人も居るかもしれません(バラードらしいバラードもないですし)。逆にその3要素が好きな人には、10年経った今でも是非手に取って欲しいアルバム。
個人的には、ミサ関連の中でも特に好みな名盤になっています。

Amazon
煌め逝く瞬間煌め逝く瞬間
Aioria

LOOP ASH RECORDS 2002-04-01
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PAP_0049


コミケ翌日は久しぶりのハイファッションパラライズ、久しぶりの手刀……というか久しぶりのライブ鑑賞。
DISHの根本コウヘイバースデーイベントだったのですが、丁度帰省に伴う終電的な理由により、トリだったDISHは途中退出……残念。

とりあえず出演順に。


O.A.有名人オブザディーパーズ
Vocal:摩天楼(munimuni)
Guitar:渋谷ヒロフミ(DISH)、工藤鬼六(カラビンカ)
Bass:根本コウヘイ(DISH)
Drum:Be...S(L'eprica)

による、コールター・オブ・ザ・ディーパーズのコピーバンド(面子合ってますかね?)。
とにかく摩天楼さんの出で立ちのインパクトが強すぎてもう。浴衣にあの不思議な形のサングラス……サングラス? は何だったんでしょう。コピー元の曲を知らないため楽曲的なアレは何とも言えませんが、皆さん楽しそうに演奏していたような。轟音気味のサウンドだったためか、munimuniに比べると拍子抜けするくらいボーカルは埋もれてましたが……。合間に工藤さん(※ネルフTシャツ着用)によるハッピーバースデー独唱もあり。


dieS
他のサイトさんによるライブレポや音源レビューで気になっていたバンドでしたが、今回初の鑑賞となりました
ボーカルとベースが正式メンバーで他はサポートメンバーなのですね。上手ギターとしてCalmando QualのTakが参加していました。
そのボーカルの荒瀬大、他の方の感想にもありましたが、確かにBUCK-TICK櫻井敦司を彷彿とさせられるなぁと(声質と言うよりは、(聴き取れる範囲での)歌詞選びや歌い回しが近いのかな?)。楽曲も「Six/NiNe」や「十三階は月光」辺りを思い起こさせる、耽美ながらメジャー感も感じさせるものがメインだった印象でした。後2度目のMC後披露したバラードは、活休明けのLUNA SEAっぽい…というか90年代後半の王道V系といった印象だったり。ラストはハード寄りな曲でしたが、手刀のフロア前半分がヘドバンゾーンと化したのが壮観でした。

確かにこりゃ格好良いですぜ、主人。実はこれ書きながら物販で購入したアルバムを聴いているのですが、こちらもツボですよ……。

セットリスト(参考:オフィシャルサイト)
birthday
シャーマン
fucker
(MC)
Honesty
(MC)
MA(裸)RIA
バーサーカー



dibs
ROUAGEの元ギタリスト、梨華がギターボーカルを務めるスリーピースバンド、というかもうこちらの活動の方が長くなっていますけれども。名前自体は結成頃から知っておりCDも何枚か聴いていますが、実際に鑑賞するのは今回が初めてでした。
初っ端から梨華の「根本ォォォォォ!」コールにビビる(笑)

私が聴いた範囲のCDでは、暗めのグランジロックといった趣の曲がメインな印象でしたが、今回はアッパーな楽曲も披露しており、思ったよりノリ易かったでしょうか。好みにストライクかと聞かれるとちょっと違ってくるのですが、10年前のシングル曲をセットリストに組み込んでいたりと(勘違いでなければ「花のように、、、」でした)、ブレが少なく活動できているのが、前のバンドに比べ規模はだいぶ小さいながら長く活動出来ている秘訣なのかなと思ったり。

因みに、退場間際にも「根本ォォォォォ!」をいただきました。


highfashionparalyze
カメラ撮影が入っていましたが、何かの媒体で使われるのかしら。aieは割とラフな服装、対するkazumaは黒ジャケットに黒い眼帯とオーラと併せて黒々しい出で立ちでした。
個人的に昨年11月以来の鑑賞でしたが、その時のレポを見ても「I Kill My Shadow」が気になっている様子……音源化マダー? 今回セトリの半分以上が未音源化曲だったのもあり、そろそろ何らかのお知らせが欲しい所。対するCD収録曲は更に即興性を増してきた気がするのが面白い。久々にMPをガッツリ奪われました。

また4曲目、どこかで聴いたようなメロディー……と思っていたのですが、これDEAD OR ALIVE「YOU SPIN ME ROUND」のカバーですよね?(追記:kazuma氏のtwitterアカウントよりセットリストを確認しました) 凄いわ……原曲のあのパーティー感をここまで皆無にアレンジするhfp凄いわ……(褒め言葉) 最近のライブでレギュラー入りしているのでしょうか。こちらも是非音源化をですねry

セットリスト(参考:Twitter)
XX(「I Kill my shadow」?)
脳内に
MYFUNNYVALENTINE
YOU SPIN ME ROUND(DEAD OR ALIVEカバー)
蟻は血が重要である
spoiled


***

前述の通り、メインアクトのDISHで途中退出しなければならなかったのが心残りでしたが、久々にライブハウスに居られたので概ね満足なのでした。そして手刀で飲む日本酒は美味しいのでした…。

Kyoka (from Aliene Ma'riage)「M」(2001)

01.近親憎悪
02.リジーの斧
03.空想革命
04.埋葬蟲 (しでむし)
05.兇歌 (まがうた)

全曲作詞・作曲・編曲:Kyoka

店頭発売日:2001/??/??
品番:LMCA-1001


***

昨年、DROSERA OBLAATを結成したと思ったらすぐに解散させ、ソロでの活動を発表した狂華。本作はその狂華がAliene Ma'riage時代に発表したソロCDになります。当初アリエネのファンクラブ限定で販売され、後に店頭でも発売されました(地元の新○堂で買ったんだよなぁ……)。同時期に、同じくアリエネのメンバーだったRay、MASTもソロCDを発表したのですが、そちらの方は現在でもV系ショップ等に出てるのを見た事は無いですね……。
白黒二つ折りの歌詞カード、帯・裏ジャケもなしと寂しい仕様ですが、当時所属していたKEY PARTYが財政難気味? だったので致し方無かったのでしょうか。

楽曲面では、アリエネの名を知る人がまず思い浮かぶであろう、中世ヨーロッパ風でコテコテなイメージの真逆を行く、高速の打ち込みリズムとエフェクトのかかった音作りによって、デジタルスラッシュとも言えそうなサイバーな世界観を感じるものとなっています。その武器であるキ○ガイシャウトに比べノーマル歌唱の方では正直難のあったボーカルですが、本作ではほぼ全編シャウトで歌っている点も正解だったのではないでしょうか。というかこの作風、アリエネの最後のアルバム「21st Century」にそのまま受け継がれるので、ある意味そちらの予告編的な性格を持っていたのかも知れません。

以下各曲について。


01.近親憎悪
細かく刻まれる打ち込みビートと潰れたエフェクトをバックに、早口シャウトで捲し立てるデジタルパンクナンバー。当時、本作の前に歌モノをメインにしたシングル「Ma'ria」(2000)を聴いており、まだまだジャリバン慣れ(?)していなかった為か、微妙な印象を持っていたのですが、全編シャウトで押し切ったこちらの曲に驚くと同時にこっちのスタイルの方がカッコ良いじゃないか! と感じたのを思い出します(笑)

02.リジーの斧
前曲の流れを引き継いだ感のある攻撃的な高速チューン(リズムはツタツタ気味)ですが、実際に起った殺人事件を基にした歌詞には、当時キーパーティのプロデューサーを務めていた優朗(SPEED-iD)のソロ「UNHOLY」シリーズからの影響を感じさせます。

03.空想革命
迫ってくるようなビシビシやかましいリズムと要所要所でメロディアスなギターが絡む、インダストリアルスラッシュといった印象の楽曲。前曲と同じく、Aメロはノーマルボイスでサビはシャウト、また猟奇的かつサイバーな単語を並べ立てたような歌詞もあって、後期アリエネでやってもおかしくなさそうな曲調になっている気が。

04.埋葬蟲 (しでむし)
多分最も速い曲がこれかな? こちらはノーマル歌唱がメインになっておりサビも普通に歌い上げるため、本作中では比較的メロディアスな楽曲になっていますが、結局エフェクトがキツいので色々と良い感じに誤魔化されるという。アウトロは唐突に爽やかな音が挿入されてちょっとびっくりしたり。
因みに、2006〜7年に狂華ら元キーパ人脈を中心に結成されたDeflina Ma'riageの2ndシングルに同名の曲が収録されていますが、あちらはこの歌詞をベースに新たに曲を書き下ろしたものとなっています。

05.兇歌 (まがうた)
ラストは、ノイズを流したようなイントロから潰れた打ち込みが入る、本作唯一のスローでダウナーな楽曲。改めて聴くと、陰々滅々とした曲調やほぼ語りオンリーの歌詞、その内容はやはり殺人を連想させるもの……と、これこそUNHOLYシリーズの作風そのままな気がしてなりませんが(「冷血 Pt.2」や「デュッセルドルフの吸血鬼」とかあの辺)、そういう意味でも個人的には面白い1曲。ここまでの流れとは対照的なので、タルく思えてしまう人も少なく無いでしょうけれど。

***

ちょっとエフェクトが掛かり過ぎて音がショボくなってしまっている部分は否めませんし、現在のインディーズのクオリティに慣れた人が満足するかも厳しい所はあるのですが、それでも当時の私にとっては、そのデジタルでジャンキーな音作りに衝撃を受けたCDだったのでした。
アリエネ本体と比べ流通の絶対量が少ないのがネックですが、前述の通り後期アリエネの流れを多分に含む内容ですので、手に出せる値段でしたら気にしてみても良い……かもしれません。

M

あづまや本舗

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DALIS CAR「InGladAloneness」(2012)

01. King Cloud
02. Sound Cloud
03. Artemis Rise
04. Subhanallah
05. If You Go Away

作詞 01:DAVID HORNBY/02、03:PETER MURPHY/04:[TRADITIONAL]/05:Rod McKuen
作曲 01〜03:MURPHY、KARN/04:[TRADITIONAL]/05:JACQUES BREL

発売日:2012/04/04
品番:FIFO-0021(日本盤)

Members
Bass、Bass Clarinet+Additional Guitars:MICK KARN
Vocal、Keyboads:PETER MURPHY


***

元BAUHAUSのボーカリスト:ピーター・マーフィーと、2011年1月に逝去した元JAPANのベーシストで、日本でも様々なバンド・サポート等で活動していたミック・カーンによるプロジェクトのミニアルバム。元々両バンド解散後に結成されたバンドでしたが、中の人同士で色々とあったらしく、アルバムは「THE WAKING HOUR」(1984)の1作のみで活動が終了していました。2010年に、ミックの癌とDALIS CAR再結成のニュースがほぼ同時に入ってきたのを覚えており、その後続報がないままミックが亡くなったため、楽曲はお蔵入りになってしまったのかとも思っていましたが、彼の死後1年以上経って世に出ることになりました。本作のミックスは、同じくJAPANのドラマーでありミックのソロにも度々参加していたSteve Jansenが行なっています(本作のドラムも彼の手によるもの)。
全体的には、前作(と言って良いのかわからないけど)に比べスローな曲がメインとなりながら、作風自体は大きく変えないまま、2010年代の技術で音作りを発展させたらこうなる……的な印象を受けました。勿論ブヨブヨベースと低音ボイスは全開ですよ。

01. King Cloud
語りと歌唱を交えたボーカルに、ベースと管楽器が絡むスローナンバー。決して派手な曲といった印象ではありませんが、サビ部分での朗々とした歌い上げと中東的旋律によって、どこか現実から離れた壮大さを感じられます。

02. Sound Cloud
こちらもメロディーに中東的な匂いを感じるポップチューン。フルートやストリングスの流れるようなフレーズは勿論、ハープのような印象も受けるギターやポワポワ跳ねるベースが聴いていて心地よく、前曲の壮大さを引き継ぎつつ、ポップスとして開かれた要素も備えている気がします。また、前作には感じなかった要素である「ピーターが伸び伸び歌っている」という点も大きいのではないでしょうか。

03. Artemis Rise
「THE WAKING HOUR」に収録されていたインスト曲「Artemis」に、ボーカルを入れて録り直したリメイクバージョン。日本盤のライナーによると、前述のレコーディング中における2人の衝突によって、ボーカル入れに至らなかった曲ということなので、25年以上経って録られた今回のバージョンが、元々想定されていた形ということでしょうか。
原曲は、ベースが前面に出ながらもちょっと印象に残り辛いというか掴み所がない印象だったのですが、曲自体のアレンジはあまり変えないながら、打ち込みだったリズムが生ドラムになったことや、ボーカル導入によって若干ノリが良くなり、インパクトも増したように感じます。結果原曲にも感じていた不気味なオーラも更に濃くなったという。
また今回原曲を聴き直してみた所、サビ部分のメロディーをサックスでなぞった形になっていることが分かりました。

04. Subhanallah
後ろ2曲はカバーになりますが、こちらはイスラム圏の民謡で、英訳すると「Glorious is God」だそう。
バックにベースとキーボードを鳴らしつつも、女声ボーカルをゲストに迎えたコーラスが前面に出ており、(当然かも知れませんが)日本人の耳からすると異国感たっぷりで荘厳な印象を受け、こういう曲をカバーに選ぶ辺りに、両者の出身が現れているのかも知れません。2分ちょっとと短めの曲ですが、パッと聴きのインパクトは中々のものではないかなと。

05. If You Go Away
こちらはジャック・ブレルのカバー。元々フランス語の曲を英訳したものが、カバーのスタンダードとして広まったそうです。
不勉強にして原曲・他のカバーとも未聴なので聴き比べは出来ないのですが、こちらはアコギと管楽器をバックにピーターの低音ボーカルが物悲しいメロディーを歌い上げる、しんみりとしたバラードになっており、(本人にそんな意図は無いのは分かりますが)結果的にピーターからミックへのはなむけでCDを〆ているような印象も受けてしまったり。

***

5曲中1曲がリメイク・2曲がカバーという事なので、量的な食い足りなさは如何ともしがたい所はあるのですが、既に作曲者がこの世に居ないという事情が事情なので、形として世に出ただけで御の字なのでしょう。84年の路線を更に成熟させた音を聴きたい人のみならず、中東・オリエンタル寄りのフレーズを用いた音に興味がある人もいかがでしょうか。

因みに、日本盤にはスティーブ・ジャンセンが撮影したミックの写真+スティーブら元JAPANのメンバーを始めとした彼と関わった人達(日本からは土屋昌巳、SUGIZO、屋敷豪太、キリト等)のメッセージ入りのブックレットが付いています。

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InGladAlonenessInGladAloneness
Dalis Car

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オフィシャルより

■ タイトル: 『Reverb』

■ 収録曲数: 7曲

松元治郎 本人作曲『少年』『古傷』、そして

綿貫正顕 氏作曲『彼方に浮かぶ月』を収録!

更にSound Producer 安保一生も楽曲提供の他、

あの木村真也 氏も楽曲を提供!

濃すぎる7曲☆


■ 価格: ¥2,000(送料¥200別)

※当オフィシャルHPからの通販と

ライブ会場での販売のみとなります。


■ 発売日: 2012年 10月 1日(月)

※この日より発送予定です。

http://jiromatsumoto.hp2.jp/JIRO_MATSUMOTO_Official_Website/CD.html


安保(杉本)一生、木村真也と、ここまでまるっと3期の面子が関わるとは。(因みに綿貫正顕は3期2枚目のシングル「BRAND-NEW LOVE」の提供者ですよ)

取り急ぎ出掛けにステマしてみる。



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