一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2012年12月

今年のマイ・ベスト10選アルバム編。やっぱり順位はフワッとした感じで決めています。
楽曲単体編はこちら


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今年は実質半年程しかブログを弄れなかったわけですが、それでも総括的なアレはやってみたくなるのです。
こちらでは2012年に世に出た音源から、楽曲単体で選んでみますよ。細かい順位付けはぶっちゃけめんどいあまり拘らずにこの辺りがよりツボにハマっていたと思っていただければ。
今回はタイトル曲以外がより好みだった場合にはそちらを表記してみたり。
アルバム編はこちら

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PLASTICZOOMS「STARBOW」(2012)

01. DREAM WAVE
02. SHOOTING STAR
03. KMKZ
04. SAVAGE
05. CRY.DISTANCE.
06. DOOR
07. WOODS UNDER THE MOON IN THE LOOP
08. SWAN
09. CAVE
10. WITCH
11. CAT
12. SCENT
13. STARBOW

作詞 02〜05、07、08、10〜12:SHO ASAKAWA/13:SHO ASAKAWA、ERI FURUSAWA
全曲作曲:SHO ASAKAWA

発売日:2012/01/11
品番:PECF-1036

Member
Vocals:Sho Asakawa
Bass:Jun Yokoe
Drums:Yuta Kurata
Keyboards:Shinpei Morishige
Guitars:Taiyo Ikeda


***

写真・映像作家やファッションブランドとのコラボなども行うPLASTICZOOMSが、2012年1月にリリースした2ndアルバム。前作はオリジナルとそのリミックスが5曲ずつという構成だったので、本作が実質的な1stフルアルバムという事になるでしょうか。2011年のシングル「WHITCH」の新録バージョンや、公式サイト・YouTube等で先行公開されていた楽曲らも収録されています。
クールな黒さを感じるビジュアルの彼らですが、本作では80年代ゴシック・ニューウェーブからの影響を受けながらも、そのバランスを壊さない塩梅のポップさを取り入れることで、予想以上の幅広さを感じる作品になっている印象があります。煌びやかなゴス、というか。

以下各曲について。


01. DREAM WAVE
規則的なギターのフレーズのみのイントロから音数を増やし、徐々に壮大なアレンジへ盛り上げていくスローなインスト。
開けた印象な次曲への前哨戦のような楽曲でしょうか。

02. SHOOTING STAR
浮遊感のあるシンセと跳ねるようなリズムが印象的なポップナンバー。
星空をモチーフにした本作のジャケットを象徴しているような、そのシンセを中心としたスペーシーなアレンジとポップなメロディーは聴いていて非常にワクワクさせられるものがあります。タイトル曲ではないながらも(歌詞中に「Starbow」というフレーズは登場します)アルバムの核となっているのではないでしょうか。
ここまでポップに振り切れるか、という驚きと共にすっかり掴まれたオープニングになりました。

03. K M K Z
2011年10月から、PVと共にオフィシャルサイトで無料ダウンロードが開始されたアグレッシブな疾走曲。
一転して生っぽさが強調されたドラムや前に出たギターで一気に畳み掛ける構成になっており、V系スキー的な視点からの分かりやすさがあったりもして、昨年視聴した際はそのかっこ良さに一聴き惚れしたものでした。
色々と前曲とは対照的な楽曲ですが、こちらではがなるような歌い方をしつつもボーカルのテンションは一定に聴こえるのが面白い。アレンジとその低音ボーカルもあってか、UNHOLY NIGHTを出した辺りのSPEED-iDを思い出したり。

04. SAVAGE
低音で反復されるフレーズを基礎にしている、こちらも激し目の楽曲。
……なのですが、淡々としたモノクロ映像が連想されるアレンジには、KMKZとはまた違うダウナーな冷たさを感じます。ベースとドラムをメインに、音の隙間を作ることを意識したゴシックパンク寄りの曲なので、彼らのヴィジュアルから想像しやすいという意味では分かりやすいかも知れません。前半ではソナー音のようにバックで鳴っていたギターが、進行するに連れ激しく絡んでくる展開も好み。

05. CRY.DISTANCE.
ダンサブルなリズムに物悲しいメロディーが乗った、ちょっとダウナーなポップナンバー。こちらもアルバム発売前にPVが先行公開されました。
浮遊感のあるアレンジやキラキラしたシンセもあり、決して陰鬱一辺倒というわけではありませんが(本作中ではポップな部類に入る曲かと)、前述の甘さを感じさせながらも憂いのある歌メロや、心中を連想させる歌詞もあってか、どこかしんみりとした余韻を残す楽曲となっています。終盤の大サビにおける盛り上がりも、むしろ切なさを強調されているような印象を受けました。

06. DOOR
次曲「WOODS〜」のメロディーを使った50秒程のインスト。
弦楽器をメインにしたクラシカルなSEといった趣です。

07. WOODS UNDER THE MOON IN THE LOOP
そしてこちらでバンドサウンドに切り替わるポップナンバー。
歌詞にも引っ張られているのかも知れませんが、可愛らしさも感じる柔らかく跳ねるようなアレンジや、「DOOR」にも使われていた弦楽器音の存在もあってか、メルヘンチックな印象を受けた楽曲です。

08. SWAN
フワッとした感触のギターが印象的なスローナンバー。時折挿入される女声コーラスもあり、神々しい雰囲気もあります。
ただ、個人的にメロディーが印象薄かったこともあってか、現時点であまり好き嫌いに振れることが無い曲だったりも。前述のギターが、後半になるとノイジーな演奏に変わって徐々に盛り上げていく展開もあり、メロディーよりトータルの雰囲気重視で聴くべき曲なのかもしれません。
店舗限定特典CDである「BEDROOM」にはアコースティックバージョンが収録されています。

09. C A V E
打ち込みを中心とした、不穏でサイバーな雰囲気を持ったインスト。

10. WITCH
2011年にリリースされたシングルの再録バージョン。
構成は大きく変えないながらも、シングル版に比べテンポが挙げられており、最初聴いた時はちょっと忙しなく感じましたが、慣れればこれはこれで疾走感が気持ち良いというか。暖かさを感じたのがシングルなら、こちらは爽やかな色が出ているでしょうか。

11. CAT
こちらも「WOODS〜」に近い、柔らかいアレンジと跳ねるドラムがメインのポップな楽曲……なのですが、タイトル通り歌詞が猫視点となっており、訳詞を読むと若干ツンデレ気味だったりと非常に可愛い(笑) 相変わらず一定ののトーンで歌うボーカルも、これは他の曲とは違った意味でまた合っているというか。
ほっこりすると同時に、ある意味本作中最も衝撃的な曲だったかもしれません。
「この先12年 一緒に過ごそう
僕のしっぽが割れて 化猫になるまで」


12. SCENT
クリーンなギターと流れるようなメロディーが映える、メロディアスながら耽美でゴシック的な雰囲気も感じられる楽曲。
その憂いのあるサビメロがとにかくツボにハマりますが、時折クラシカルなフレーズが挿入されたり、間奏でのヒヤリとするようなダークな展開もまた好み。個人的には、KMKZと合わせてV系好きにとって入りやすい1曲なのではないかと思っています。

13. STARBOW
ラストのアルバムタイトル曲は、包み込むようなオーケストラ音とシンセをメインにしたスローバラード。こちらも「BEDROOM」にアコースティックバージョンが収録。
「SHOOTING STAR」と対を成していそうな、壮大なエンディング曲といった印象を受けるアレンジになっており、ボーカルは前に出ると言うより全体の音の一つとして機能している感があります。
こちらも間奏でクラシカルなメロディーが入るのがツボ。

***

個人的に今年最も聴いたアルバムなので、何とか2012年中に感想を書きたいと思っていましたが、ギリギリで間に合いました……(苦笑)
各曲感想にもしばしば書きましたが、どの曲でもボーカルのテンションが一定の冷たさをを保っている事が、幅広い曲調の本作を一つに纏めているのかもしれません。
ゴス・ニューウェーブという言葉を使わずとも、ちょっとだけ現実を離れた雰囲気を持つ良質なポップアルバムとしてお勧めしたいCD。


試聴あり
STARBOWSTARBOW
PLASTICZOOMS

felicity 2012-01-11
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myspace

YouTube(公式)




「DARK SIDE ROCKERS -SPECIAL 3MAN-」@池袋手刀 2012/11/10

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functioncodeとしてはほぼ1年半ぶりに鑑賞することになったスリーマン。イベント詳細が直前に発表されたこともあり、ちょっと動員としては厳し目でしたが、取り敢えず予定が付けられたライブ、楽しんで参りましたよ。
この日は転換中BGMを担当するDJとして、マダム・エドワルダのZIN(Zinny Aerodinamica)がフロア後方を担当していました。こんな形で80年代からの重鎮を見る事になるとは……選曲は殆どが初聴きでしたが、基本ゴス・ニューウェーブ方面が中心だったかと。(一度だけ69eyesがかかり、おおっとなったり笑)


fucntioncode
スクリーンが上がると、天井から下がった首吊りの縄に繋がれたle;kaの姿が。今回はプロデューサーの優朗が不在ということで、久々にベーシストとして、1stアルバム「HeroinE」までレギュラーメンバーだったTILLことTADAOMIが参加。リカ、MARQUEE、TADAOMI、HALの布陣となっていました。ファンクションコードでティルさん観るのは4年ぶりですよ…。そのティル/タダオミさんが考案したセトリは事前にリカさんのブログで公開されていましたが、曲順はかなり変えてきていましたね(下に演奏順のセトリをまとめましたが、Justice〜の位置がイマイチ自信なし;)。

それまでのエレクトロ・ゴスな音作りやシアトリカルな要素を廃し、ハードロック方面に傾いた昨年の2nd「TERROR」を聴いた際は、レコ発ライブも含めてハードボイルドな世界観にしようとする余り、過度な力みが感じられた部分も正直な印象としてあったのですが、メンバーがほぼ同じになっているSPEED-iDの楽曲も披露したこの日のステージは、その時期の楽曲がいい塩梅にゴス寄りに馴染んでいた気がします。冒頭に、楽曲テーマになっている殺人犯のプロフィールの朗読を挿入した「The House Of Horrors」には、iDの時とはまた違った生々しさとドス黒さを感じたり。いっそJustice〜みたいにfcの方で再録してもいいのよ?

またMCでは、
le;ka「活動ペースがiD並になっているのは、年をとって心臓の鼓動がゆっくりになるのに合わせていると思って頂ければ……」
あぁ、ペースについての自覚はあるのですね……。

何にせよ、良い意味での変化を感じる事が出来たステージでした。後はオフィシャルサイトに記載されている通りに、来年春に新譜がきちんと出るのかどうか!w

セットリスト
Pale Rider
Freedom
Justice Without Bloodlust
Evil Moon Rising
Blackout Ripper
The House Of Horrors
Labyrinth Of Pain
Sex Jap
Whispering Ghost



BAAL
タトゥーにアーミーな出で立ちの3人組。公式の試聴やオムニバスで楽曲に触れてはいましたが、鑑賞は今回が初めてとなります。試聴では全然気づかなかったのですが、ボーカルのU-tarouは女性だったのですね。

素でそんな思い違いをするくらいに厳つい声で捲し立てるボーカルと、ほぼノンストップの爆音で展開するインダストリルナンバーで押しまくる楽曲。正直に言うとあまり曲ごとの区別はつかないのですが、個人的にこういうデジデジしたサウンドにはどうしても反応してしまうというもので。V系コテバンが長時間煽るのは逆に苦手だったりするのに、どの辺りで文法が異なるのか……(そんな
実は手刀来る前に、駅の階段で足を捻っていたのですが、我慢できずに(無理ない範囲で)前方に行ってしまったのでした。ラストではU-tarouさんがフロアに降りて煽りまくったりと、最後までパワフルでジャンキーなパフォーマンスを見せてくれました。

終演後、ミニアルバム「Religion 616」を購入。


THE LECHERY FROM MARS
これ書いている時点で、既に活動休止に入っているレチェリーさん。この日が最後から2番目のライブ出演でした。熱心なファンという訳ではありませんが、MCで活休には触れつつも特に湿っぽい空気もなく、良い意味でいつも通りの、ワルな大人達によるゴキゲンなロックンロールをかましてくれた気がします。
一度Rikki-8のギターの弦が切れるというトラブルもありましたが、メンバー(とおそらく一般の知人w)のハッピーバースデータイムにして笑いを取るなど、まったりしつつ危なげない繋ぎをするあたり危なげないというか。

もし次にメンバーが関わるバンドを観る機会があるとすれば……ファラオか?w

***

レチェリーの終盤に優朗さんの中の人がフロアに入ってきたような気もしつつ、足の調子がいよいよアレになってきたので、レチェリー終了後急いで帰宅の途についたのでした。
バンド終了後はZINさんのDJタイムが続いていたのですかね?

CRAZE「NEW SONG」(2006)

01.NEW SONG
02.カムカムエブリバデー
03.Be Rythem (live version)

全曲作詞:TUSK ITAYA
作曲 01、02:TUSK ITAYA/03:SEIICHI IIDA

発売日:2006/02/22
品番:TKCA-72984

Members
Guitar:瀧川一郎
Bass:飯田成一
Drums:菊池哲


***

2006年に解散したCRAZEの、その解散後にリリースされたラストシングル。
D'ERLANGER〜BODYで共に活動していた瀧川一郎、菊池哲、ZI:KILL(哲も短期間在籍)の飯田成一らを中心に著名な面子で結成されたCRAZEですが、その約10年の活動の中でのボーカリスト変遷が多いバンドとしても有名であり、スタジオ音源で残っているだけで計4人(藤崎賢一→緒方豊和→鈴木慎一郎→板谷祐)が在籍していました。最終的には、メンバーの3/4が元ジキルという布陣になっていましたね。
このシングルでボーカルをとっているのは、4代目にして最も長く在籍していた祐なのですが、正確には解散前年に彼はバンドを脱退しているため、脱退前にレコーディングが済んでいた楽曲をシングルとして最後に……という事なのでしょう。
その為か、ラストライブは楽器隊のみで本編1曲・アンコール1曲という形になりました。

精神的にお疲れだったのか、脱退時音楽業界からの引退を表明した祐ですが、現在はソロとCRAZE加入前に活動していたTHE SLUT BANKSとを並行して活動中。成一はちょっと前に感想を書いた元HATE HONEYの高木フトシ、元グニュウツール〜BUGのASAKIらと共にvezで、一郎と哲は2007年にデランジェを再結成し――と各々精力的に活動していますが、その辺は私より詳しい方が沢山いらっしゃると思うのでこの辺で……。

以下各曲について。


01.NEW SONG
ザクザクと刻まれるギター、叩きつけるようなドラムを中心にゴツゴツした塊のような音で迫ってくるようなアッパーなハードナンバー。加入当初から賛否が分かれた(ような気がする)祐の酔いどれボーカルですが、ここでも捲し立てて勢いのあるスタイルを貫いています。この最後のシングルまで聴く人にとっては、既に長所として機能しているのではないでしょうか(私も好きですよ)。
2分半をとにかく勢いで押しまくる楽曲ということもあってか、シングルよりもアルバムサイズの音源の中で映える曲なのではとも思いますが、リリースの経緯を考えると致し方ないかもしれません。

02.カムカムエブリバデー
こちらも荒々しいアレンジのアッパーな楽曲ですが、緩急のある展開と開けたサビのメロディーが中心になっているため、こちらの方がシングル向けかな? とも。芯のあるボーカルが歌えばそれはそれで光る曲だと思うのですが、祐の声と歌詞によって男臭さと適度に力の抜けたユーモラスな色が加わったような気がします。
改めて聴いたら、ラストの「内ゲバLove&Hate ひだまりで」が妙に頭に残りましたが、歌詞カードでは「肉ゲバ」と誤植が……w

03.Be Rythem (live version)
2005年7月28日、LIVE BAR The DOORSでのライブ音源。
ハードな音作りながら、楽曲の幅という点では割と何でもありだった印象のTUSK期CRAZEですが、飯田成一作曲のこちらは、無骨なノリながら初期から続くポップなビートロックが根っこに……といった印象のナンバーになっています。
サビも歌メロが立っているのですが、CRAZE時代の祐はノーマル歌唱がかなり弱くなっており、その弱点がここでモロに出てしまっているような……思い切ってガナリ声で押し通してもカッコ良くなった気もしたり。
イントロのベースソロに呼応する観客のOi声もあって、臨場感のある音源となっています。

***

解散後に後追いで聴いている立場ではありますが、各ボーカル期で色が少しずつ違いながら、どれも男臭さを放っていて面白いバンドです。実質的な前身のBODYも、(録音バランスに目をつぶれば)初期CRAZEにそのまま繋がりますし。
セルフカバーを含め、何度かベスト盤がリリースされているバンドですが、現在の所本作収録の3曲を収めたものは出ておらず、楽曲面でも変な末期感があったりする訳でもないので、祐期の楽曲が好きな方で未聴の方は今からでもいかがでしょうか。

※試聴あり
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CRAZE

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