一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

2013年02月

Kagrra「夜伽噺」(2003)

01.月下想葬
02.あまふらせ たんまいな
03.奇祭

全曲作詞:一志
全曲作曲:Kagrra

Members
Vo:一志
Gt:楓弥
Gt:真
Ba:女雅
Dr:白水

発売日:2003/07/30
品番:PSTA-0040


***

2011年に活動停止、その年の内にボーカリストの一志が逝去してしまったKagrraが2003年にリリースした、全国流通としては5枚目となるシングル。この前後に出たシングル「春麗ら」、ミニアルバム「桜花爛漫」と合わせて、個人的にこの辺りがカグラをきちんと聴き始めた時期になりますね。


01.月下想葬
終始疾走感を持って展開する、ダークながらスタイリッシュな感触も持ったメロディアスチューン。
前作「春麗ら」に限らず、和楽器風のウワモノを導入していたバンドですが(後期では実際に琴も取り入れていました)、こちらではほぼバンドサウンドのみで和の香りを演出しています。高音でキャッチーに歌い上げるサビを始め、歌メロ自体は結構ゆったり気味だったりするのですが、ギターの刻み方やドラムによって、このスピード感が出されているのかなと。

02.あまふらせ たんまいな
タイトルを連呼するお経風の低音コーラスから始まる、怪し気な雰囲気を持ったアグレッシブでアッパーな楽曲。
フワフワとした声ながら縦ノリで煽るようなサビパートもインパクトがありますが、その後のアコギソロをメインとした優美なメロディーを持った間奏がまた映えるというか。
当時某雑誌に付いていた試聴CDで最初に聴いたのですが、このサビがしばらく頭から離れなかった記憶があります。

03.奇祭
冒頭の巻き舌ボーカルにおっと思わせられる、Kagrraの中でもかなり弾けたアレンジという印象のロックチューン。
全編にわたってブリブリ動くベースやBメロでの男声コーラスとの掛け合いなど、ライブでの盛り上がりを意識したと思われる楽曲ですが、サビに入るとやはり優雅に歌い上げるあたりがこのバンドらしいでしょうか。

***

前後の音源に比べても、バンドサウンドメインに作られている印象があるシングル。3曲目のような適度なラフさと和風メロの優雅さとの兼ね合いも上手く、楽曲の幅を広げるのに成功したのかなと思っています(「桜花爛漫」では、ギラギラしたダンサブルな楽曲が入ったりするんですが)。
その「奇祭」はインディーズベストに未収録だったりもするので、今からでも気になる方は是非。


2005年再発盤(試聴あり)
夜伽噺夜伽噺
Kagrra

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「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 014 川島瑞樹」(2013)

01.Angel Breeze
02.ドラマ「目指せ! シンデレラNO.1! -川島瑞樹編-」
03.Angel Breeze (オリジナル・カラオケ)
04.ボーナス・トラック

作詞 01:高瀬愛虹
作曲・編曲 02:百引一

歌・トーク:川島瑞樹(CV:東山奈央)
コーラス 01:A.m.u(ZIZZ STUDIO)
ギター 01:伊東ヒロム

発売日:2013/01/23
品番:COCC-16686


***

久々にアイマス関連を。
GREEの方でも展開があったり、ちょっと前にアニメ版の映画化が報じられたりしていますが、こちらはモバゲーで展開されているシンデレラガールズ関連のキャラソンCDになります。
ゲームの仕様上楽曲面の充実は難しいと思うのですが、やはりそちら方面での展開は強力だと思いますので、ある程度手元にあるキャラクターのものを試聴してみて、気になったものを……という形で購入しています。これまでに5作纏めてという形で3度リリースされていますが、今回はその第3弾の1枚になりますね。


01.Angel Breeze
初っ端のシンセの音使いからして、80年代のアイドル歌謡臭が漂う、非常に爽やかなポップス。
具体的な実在アイドルの名前が浮かぶという訳ではありませんが、キラキラしたオーケストラヒット、ポコンとしたリズム、バックコーラス等など非常に「それっぽい」仕上がり。28歳という(女性アイドルの中では)年齢が若干高めというキャラ設定に合わせて作曲が行われたのだろうなと思わせられます。
ボーカルの方も落ち着きと爽やかさを持った声質で、楽曲にはかなり合っているのではないかと。
そう言えば、作曲を行なっている百引一という方、調べてもこの曲の情報しか出てこないのですが、外部の作曲家が変名で楽曲提供を――という感じなのでしょうか。

※参考
百引一さんによる「Angel Breeze」作成にまつわるエピソード

02.ドラマ「目指せ! シンデレラNO.1! -川島瑞樹編-」
こちらはボーカル担当の声優によるドラマトラック。ド頭からテンションがおかしいw
詳しい内容のネタバレは伏せますが、冒頭のそれをはじめとして、真面目な進行と暴走時との緩急のきつさが良い感じに笑わせてくれます。あと重曹

04.ボーナス・トラック
ゲーム内のセリフなどを集めたボイス集。

***

キャラソンという性格上、ある程度原作に触れたことのある人が楽しむアイテムなのは間違いない所ですが、ノーマルと劇場でのキャラクター程度しか知らない自分でも十分に面白がれたので、そこまでディープに入れ込んでいないという人でも大丈夫なんじゃないかな……とは思うのですが。1曲+ドラマ+ゲーム内で使える特典で700円という値段設定も妥当なところでしょう。

このシリーズも計15作が出た訳ですが、楽曲トラックだけをまとめたベスト盤的なアレがその内出たりするのかもしれませんね。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 014 川島瑞樹THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 014 川島瑞樹
川島瑞樹(CV東山奈央)

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日本コロンビア内商品情報ページ(試聴あリ)

アヤビエ「エム」(2005)

01.「エム」
02.蛙と首輪

全曲作詞・作曲・編曲:涼平

発売日:2005/02/10
品番:S.D.R-067

Members
Vocal:葵
Guitar:涼平
Guitar:猛飛
Bass:インテツ


***

彩冷えるの店舗販売としては3枚目のシングル。この時期から涼平脱退まで、暫くバンド表記をカタカナで通していた記憶があります。
A4サイズのハードカバー仕様に同サイズのミニ写真集付きと、結構場所をとるパッケージ。値段も2000円と、2曲入りシングルとして見るとちょっとお高かったですね。活動初期からとにかくリリースペースが速いバンドだったこともあり、当時は掻い摘んで音源を聴いていましたが、本作もそのコスパ的な理由もあり、実際に手に取ったのはかなり後になってからだったりします。


01.「エム」
ちょっとこもり気味のギターの音を含めて、あの頃の彩冷えるだと思わせられる、メロディアスな疾走曲。
販売パッケージはちょっと特殊でしたが、楽曲自体はメジャーっぽさすら感じるポップさと、ちょっと切ない涼平節とが全開の非常に分かりやすいものとなっており、当時のアヤビエの色を知るにはもってこいに思えるナンバー。
サビに入ると歌詞を詰め込み気味にして、速さを感じさせる展開にもそれっぽさを感じさせられます。

02.蛙と首輪
ファミコン音源を思わせるピコピコ音と子供の笑い声から始まる、ラウドなアレンジのハードナンバー。近年の葵は柔らか目の声質を全面に出している気がしますが、この時期は寧ろヴォイヴォイ言わされている印象が強かったんですよね。
タイトル曲との対比もあってこちらもクセになってくる所がありますが、こちらもやはりサビに入るとキャッチーに展開します。
因みにこの曲、歌詞の記載が一部のみ――というかそこすら歌唱通りに載っていないので、楽曲のイメージ的な言葉を載せているという事でしょうか。

***

この2曲で、当時のアヤビエ(涼平)のカラーがある程度掴みやすいシングルになっているのではないでしょうか。
冒頭に述べた通り、2曲8分弱に2000円という部分がネックでしたが、現在新品に拘らないのであれば、並のシングル以下の値段で手に取れるんじゃないかと思いますので興味のある方は。


まだSPEED-DISKでオフィシャル通販できるみたいです
ayabie_M


クローゼットチャイルド

emmuree「e'【acute】」(2012)

01. an「acute」
02. Gray Note Freak Show(再録)
03. バレリーナ
04. 熱帯夜(再録)
05. 祈り(再録)
06. ジザスカ
07. 雪月花
08. 春想う、色彩よ。(再録)
09. strawberry
10. 葬列とxxx (再録)
11. miss【drain】
12. 瓶詰少女
13. Lovers -ラヴァーズ-
14. The darkside of the moon.
15. 灯陰 -orange-(再録)

全曲作詞:想
作曲 01、02、04、05、07、08、12、13:想/03、06、09〜11、14、15:ハルカ

※備考
01:配布CD「an「acute」」(2006)収録
03:ミニアルバム「灰色」(2006)収録
06、11:アルバム「灯陰」(2010)収録
07:配布CD「雪月花」(2011)収録
09、12、13:アルバム「love letter -Dark Mania-」(2007)収録
14:ミニアルバム「Lover's -Dark side-」(2007)収録

発売日:2012/04/11
品番:GNR-001

Members
Vocal:想
Guitar:ハルカ
Bass:朋
Drums:ゆき


***

2012年にリリースされた、emmureeのキャリア初となるベストアルバム。初の全国流通音源でもあります。
2006〜2011年にかけての楽曲をリマスタリングしていますが、15曲中6曲が新録音バージョン、2曲がライブ会場配布音源から採られているのも、それまで音源を追ってきた人にとって嬉しいポイントではないでしょうか。

このバンドだけに限った話ではありませんが、ベスト盤のブックレットには、ディスコグラフィーやどの音源から持ってきたのか等の記載があると嬉しい。一応オフィシャルブログに記載はあるのですが、広く流通させた本作を切っ掛けにハマった人が遡りやすいようにしてもバチは当たらないと思うのですけれど。
(※細かいバージョン違いの確認に、pinkblood(管理人:行様)のレビュー記事を参考にさせて頂きました)

続きを読む

ブログ利用状況を見てみたら、開始日が2008年2月16日。いつの間にか5年が経っていました。
何とはなしに始めてみた当ブログですが、意外と時間が過ぎるのは速いというか。

特に5周年企画的なアレは考えていないのですが、2013年中にやれれば良いなと考えているのは「初期感想記事のリメイク」でしょうか。
正直今でも、文才・語彙・知識諸々の欠如に自分でも辟易することが多いのですが(なので感想書く時は、極力主観ベースを全面に出すようにしていたり。娯楽作品に対して「客観的・常識的」なんて言葉を持ち出すと一気に胡散臭くなるような気がしてあばばばばry)、それにしても7、8年位前に某所に投稿していた感想(function code();のミニアルバムなんかそれですね)をそのままこちらに持ってきているのものは、今見返すと流石に……、こう、カユいので(苦笑)


そう思ってこれまでの投稿数を確認したところ、


これまでの投稿数 573件


573件


……


('A`)コレハヒドイ(実働期間約1年半的な意味で



中の人の環境的には色々あったりなかったりですが、こちらではのんびりのんびりやっていけたらなと。
時には半年以上放ったらかしたりしますが(!)、よろしければこれからも。

Syndrome「SLEPT DOLL」(2001)

01.SLEPT DOLL
02.衒学主義者の自称
03.SEXUAL〜CYBER OF CHARCTER MIX〜

全曲作詞・作曲・編曲:Syndrome

発売日:2001/01/20
品番:MSY-001(SYN-002)

Members
Vocal:龍夜
Guitar:Ruiza
Guitar:Ken
Bass:KISAKI
Drum:紫音


***

長年インディーズV系シーンで活動しているKISAKIが、MIRAGE解散後に在籍していたSyndrome。2年あまりの活動中にあったメンバーチェンジを境に1期、2期と分けられます。
活動期間の短さもさりながら、1期ギタリストKen(健一)が現在メリーで、解散後2期メンバーだったRuiza、浅葱、SINでDが結成されるなど、現在有名所で活動している面子がいた点でもKISAKIバンドらしいといえるでしょうか。

本作はその1期Syndromeが2000年から続けていたツアーのファイナル、渋谷ON AIR EAST(現O-EAST)にて限定販売したシングルで、新曲・再録・リミックス各1曲ずつという構成。帯には500枚限定と記載されています。


01.SLEPT DOLL
イントロでフェードインするダークに這いまわるベースを軸に、アルペジオ主体のギターが絡むスローなダウナーチューン。
1期に関しては、龍夜のノーマル歌唱の弱さがよくネックとして挙げられていた記憶がありますが、こちらでもサビでの高音は確かに苦しく弱々しい印象。ただ、この手のボーカルは一昔前のダークバンドの典型的なアレでもあるので、今振り返れば彼のみが際立って……という訳ではないかも。そもそもこの曲、サビでも殆ど盛り上がりを見せず、終始ドロっとした不穏な雰囲気作りに徹しているような流れのため、歌メロが印象に残り辛いのです。ラストに若干盛り上げを見せますが、そこから発狂パートに移行することもなく沈んだ調子で〆るため、彼らの最初の配布CD「兎と羊」に近い印象もあったり。Syndrome流のゴシックパンクを聴ける楽曲とも言えるでしょうか。
これをタイトルに持ってくるのは色々と冒険だった気がしますが、熱心なファンが集まりやすいライブ会場限定という点で戦略的と言えるかもしれません。

02.衒学主義者の自称
2000年にリリースしたミニアルバム「蘇生」収録曲の新録バージョン。前曲と同じくザラついたベースがフェードインして始まります。
攻撃的ながらサビではメロディアス+間奏でナルシスティックな語りもつけるよ! な、これぞ2000年前後のダーク系バンドと言えそうなアッパーな楽曲。打ち込みを絡ませサイバーな印象もあった蘇生バージョンに比べると、こちらはバンドサウンドメインにまとめテンポも若干上げており、ライブでの演奏に近いのかな? と思わせられるアレンジとなっています。
個人的にはデジデジした原曲が好みだったりはしますが。

03.SEXUAL〜CYBER OF CHARCTER MIX〜
1stデモテープ「SEXUAL」収録曲のリミックスバージョン。
現時点でオリジナルを聴いていないので聞き比べられないのですが、サイバーでダンサブルなアレンジながらザクザクとしたギターのトラックもメインに使われており、ちょっとインダスリアルチックな面も感じられます。ボーカルのギャウギャウシャウトが反復されるのも面白い(笑
この前にも全曲リミックス音源で構成されたシングル「fiction」を出したりしているので、何気にそちら方面への意欲が1期ではあったのかもしれません(オムニバス「B.J maniac」には、この音源使ったメドレー型式の曲があったりする)。
本作ではリミックス担当のクレジットがありませんが、「fiction」と同じくBUZZ DEVILの人が手掛けているのですかね?

***

良くも悪くもファン向けといった感のあるシングル(販売形態が正にそうなので間違っては居ないのだけれど)。タイトル曲は2007年に出た2枚組ベストで聴く事ができますが、遡って集めたい人は「衒学〜」の新録バージョンを目当てにするのが良いかもしれません。
2016/06/29 追記:ベスト盤の「衒学主義者の自称」は、本シングルのテイクが収録されていました。失礼しました。

sleptdoll


ピュアサウンド

Moi dix Mois「Reprise」(2012)

01. En Lumiere [SE]
02. Dialogue Symphonie
03. front et baiser
04. Solitude
05. the Prophet
06. Invite to Immorality [SE]
07. Nocturnal Romance
08. Vestige
09. La dix croix
10. Secret longing [SE]
11. Pageant
12. Je l'aime

※オリジナル版収録音源
02:1stシングル「Dialogue Symphonie」(2002)、1stアルバム「Dix infernal」(2003)
03、04、09:「Dix infernal」(2003)
05〜08:2ndアルバム「NOCTURNAL OPERA」(2004)
10、11:3rdシングル「Pageant」

作詞 01〜05、07〜09、11、12:Mana
全曲作曲・編曲:Mana

発売日:2012/07/12
品番:MGCD-001

Members
Guitar:Mana
Vocal:Seth
Guitar&Voice:K
Bass:Sugiya
Drums:Hayato


***

2012年に活動10周年を迎えたMoi dix Moisが、その記念にリリースした再録ベストアルバム。
前任ボーカリスト:Jukaら在籍時の楽曲をメインに事前にリクエストを募り、人気の高かった楽曲を現プロジェクトメンバーでリメイクしています。

これまでにも、初期曲の再録をシングル・オリジナルアルバムでしばしば行なっており、その時には新たなコーラスパート・キー変更といったオリジナルとは違った面も見せて来ましたが、本作でのリメイクは基本的にオリジナルの構成に忠実にアレンジしつつ、全体に各楽器の音の迫力を伝わりやすくしてきた印象です(「front et baiser」冒頭にCメロのボーカルパートを持ってきたりはしてますが)。私自身はそこまで気にしていないのですが、1stアルバムでドラムの軽さが気になったという人にとっては、特に嬉しい再録ではないでしょうか。
JukaとSethは、前者が比較的甘さを含み、後者が攻撃的な面に強いイメージがありますが、基本的に同系統の低音でオペラティックに歌い上げるボーカリストなので、(好みの範囲内で色々あるでしょうが)今回もその辺は危なげないなぁと。
人気上位曲を集めただけあってか、ギターにオルガン・チェンバロが絡む、攻撃的且つ耽美でクラシカルなメロディーを併せ持つ楽曲が並んでおり、10年間における作曲姿勢がブレていないのが分かります。当時は金太郎飴状態な印象だった1stアルバムの楽曲も、本作の流れに組み込まれることでその魅力を再認識させられたり。

ラストに配置された新曲「Je l'aime」は、その10年間の集大成とも言えるような、ザクザクとギターを刻み疾走するダークな面と、サビを中心にゆったりと歌い上げる白い面を併せ持つ、プログレ的な色も感じる楽曲になっています。イントロでスローバラードと思わせる展開、また前曲がMdMの中でもポップに振り切っている「Pageant」だったこともあり、割りとまったり〆るかとも思っていたので、最初に聴いた時は結構驚きましたね。タイトルや歌詞も、それまでのManaのキャリアの中でも、(それこそマリス時代を含めて)かなり直接的な言葉を乗せてきたと受け取れる内容となっており、ファンへの感謝メッセージ色が強そうです。

SE除いて実質9曲という事もあり(1曲目「En Lumiere」は「Dialogue〜」のイントロをベースにしたインスト)ベスト盤にしてはボリュームがちょっと控えめでしょうか。制作の趣旨や前述の「Je l'aime」からも、それまで聴いてきたファン向けの部分もあるでしょうし。
楽曲の幅広さという意味での入門盤は、この前のアルバム「D+SECT」の方がお勧めかもしれませんが、1stアルバムの前に本作を聴くと、よりその魅力が伝わりやすくなるんじゃないかなとも思っています。やっぱりこの人のメロディー好みなんだよなぁ。


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Moi dix Mois

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世の漆黒「デカダンス・ヴァニラ」(2013)

01. 最愛の四月
02. 不夜城
03. 音無の森-デカダンス・ヴァニラ-
04. 不夜城-オリジナルカラオケ-

作詞 02:胡桃坂庵
作曲 01〜03:胡桃坂庵
全曲編曲:世の漆黒

発売日:2013/01/17
品番:T12I-002

Members
Vocal:亜莉亜
Guitar:胡桃坂庵
Bass:雀弥
illustration:御煮はね


***

世の漆黒の2013年一発目のシングル。2012年冬コミで先行発売されました。
3曲入り表記ですが、実質的にはインスト2曲に挟まれた02がメインという構成。量的な食い足りなさは否めませんが、ワンコインするかしないかという値段設定は妥当でしょうか。
また公式サイトによると、当初参加予定だったボーカリストが負傷したため、今回の人に替わった経緯があるそうです。


01. 最愛の四月
ダークで不穏な雰囲気を持った旋律を奏でるピアノをメインとしたインスト。
中盤からは「不夜城」のサビメロをアレンジした展開となり、次曲に繋がります。

02. 不夜城
ド頭からバリバリ弾きまくるギターがインパクトを残す疾走メロディアスチューン。音の隙間なんぞ作らせないとばかりに走りまくる展開に特化する、この振り切り方が気持ち良い。
対して、ボーカルは比較的低音で湿っぽい声質と言う事もあり、楽曲に暑苦しくなり過ぎず憂いのある色を持たせるのに貢献しているように思えます。
この曲においてはそこまでクラシカルという訳ではありませんが、日本人好みのする歌メロと随所で顔を出すギターソロには、過去作でも感じていたRaphaelのメタリックな部分を引き継いでいる印象を更に強めることになりました。
冬コミで手に入るだけの過去作も集めましたが、その中でもこちらのインパクトは頭抜けているように感じさせられ、今の所彼らの中で一番好みな楽曲かもしれません。

03. 音無の森-デカダンス・ヴァニラ-
ライブ終わり? のようなガヤ音を頭に、ストリングスをメインにした切ないメロディーのインスト。
作品タイトルが入っていることも会ってか、何となくボーカル曲の主旋律を改めてインストにアレンジし直したような印象も受けますが、この後アルバムサイズの音源が出た場合、ボーカル入りで再録されるのかもと勝手に予想してみたり。

***

ボリュームは少ないですが、とにかく「不夜城」にツボをグリグリやられてしまったので、もう満足するしかない(笑)
二次創作作品でもないようですので、値段的な所も合わせて現時点での入門に適したシングルかもしれませんね。
もしこれを先行扱いにしたアルバムが出るとなると。当初歌う予定だった人が参加する事になるのでしょうか。


デカダンス・ヴァニラデカダンス・ヴァニラ
世の漆黒

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特設サイト(試聴あリ)

YouTube(公式)

goatbed「モニカ」(2005)

01.モニカ
02.ジュンカンノネイロ

作詞 01:三浦徳子/02:石井秀仁
作曲 01:NOBODY/02:石井秀仁
全曲編曲:石井秀仁

発売日:2005/04/06
品番:VICB-35001


***

昨年から実弟とのユニット編成となった? goatbedの、2005年に発表されたメジャーデビューシングル。
タイトルが吉川晃司のデビュー曲のカバーとなっていますが、年代的に石井秀仁のルーツの一つということでしょうか。2曲でワンコインという値段設定も、その辺の話題で手に取りやすいように――という意図があったのかもしれません(割と長い間1曲入りだと勘違いし、スルーしてしまっていたのは内緒)。


01.モニカ
冒頭から派手なシンセとロボボイスで展開しますが、いかにもといった覚えやすい歌謡メロディーとテクノアレンジによって、(褒め言葉としての)「ダサかっこさ」を保持したまま00年代にアップデートしたらこうなった、的な印象を受けます。サビでのしつこいまでのキメがまた楽しい。
原曲をリアルタイムで聴いていないので何とも言えませんが、翌月出たアルバムにも溶けこんでいたように感じますし、カバーとしては成功しているのではないかなと。

02.ジュンカンノネイロ
1stミニアルバム「goatbed」(2003)収録曲の再録バージョン。
反復するシンセのフレーズを含んだ、浮遊感と疾走感があるサウンド心地良いポップチューン。ボーカルも結構柔らかめに歌っている印象があり、タイトル曲との対比もつけられているのではないでしょうか。
初期曲からということからなのか、ギターがソロをちょろっと弾いたりと何気に存在感があったりします。

***

すべての音源を聴いたわけではないからか、このプロジェクトにおける石井さんの作曲姿勢はほぼ一貫している印象もあったのですが、現時点の最新作「HELLBLAW」(2012)が比較的硬派なテクノ寄りだった所から振り返ると、少しずつ変化を遂げていることを感じさせられたりします。
現在微妙にプレミア気味なのに驚きましたが、アルバム持っていてCDに拘らない人であればDL販売でも良いかもしれませんね。



試聴あり
モニカモニカ
三浦徳子 goatbed

Babestar/ビクターエンタテインメント 2005-04-06
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モニカ - Single - Goatbed

オフィシャルサイト

PAP_0054


手刀で開催された弾き語りイベントへ行ってきました。
取り敢えず、カラビンカ工藤によるSPEED-iDカバーがどんな感じなのか気になって仕方なかったので……。


・鬼平(SPEED-井戸)
開演前から優朗ソロ「UNOHOLY」が流されていて本気具合がうかがえますぜ、主人。

今回は、工藤鬼六さんが鬼平名義で活動するカバーバンド「SPEED-井戸」の前哨戦的なステージだったのでしょうか(井戸自体は来月11日に手刀出演 ※工藤氏Twitterより)。
MCで「ぼんじゅーる、SPEED井戸です……(低音)」をやたら推しては、滑り笑いを誘発しつつのんびりしていましたが、カラビンカの「天井裏発電機」などではシンプルながらドロリとした雰囲気を醸していました。
後、「カラビンカの前のバンドでやっていた曲」という事で披露された「不浄」ですが、まだ残っていたantique post paperのオフィシャルサイトのディスコグラフィーに同名曲があったので、多分この曲でしょうね。こちらも和風旋律が耳に残って気になりました。
SPEED-iDからは「冷血」と「薔薇と摩天楼」のカバーを披露。何となく「ピエロが5人」も弾き語りに向いている気がしたのですが、パロ元の名前(iDの初代ギタリストIPPEI)からして、コピバン含めて1stアルバム限定でのカバーという事なのかな? 取り敢えずは……オリジナル音源(INNER DIMENSION)より声が聞き取りやすい(笑) 本家の活動がのんびりのんびりなので、こういうのを観てみるのも面白かったですねー。
バンド編成の方も気になるのですが、11日は行けるか分からないので……興味のある方、どうでしょう。

物販でカラビンカの音源あるかなと思っていたのですが、今回カラビンカのみ物販が出ておらず……無念。どうもタイミング悪いなぁ。

Setlist
通り魔行進曲
冷血(SPEED-iD)
不浄(antique post paper)
天井裏発電機
薔薇と摩天楼(SPEED-iD)
春を売る人



・詩美威(DISH)
1stアルバム発売が近いDISHシビィのソロステージ。ハニィドンクライ始まりのメロウイエロウ終わりでした。
弾き語りながらも、その激情的なボーカルによるパワーと緊張感には引き込まれるものが(ちょっと高音の調子がよろしくなさそうでしたが)。
あと、シビィさん曰く「曲終わりの拍手は恥ずかしいからいらない。けど、告知の時には欲しい」そうで。


・利華一人(dibs)
スクリーンが完全に上がってから、「こんばんわぁ」とノソリと現れはじまった利華弾き語り。
セトリの詳細は良く分かりませんが、前半はいかにも弾き語りといった素朴な楽曲が続いていましたが、後半にはダークなグランジ色をギター一本で出してきていたように思います。
MCではただの可愛いYOPPARAIおじさん(マジでギリギリというかフニャフニャというか……)だったというのに、この差は凄い。いやマジで。


・詩那(NOISY CROWDS/弾丸ファラオ)
そんなに久々な気はしなかったのですが、ブログ読み返した所、2011年末のノイジークラウズ以来の鑑賞でした。

恐らく弾丸少女の衣装と思われる中性的な出で立ちに自作の鬼面を帽子にくっ付けて登場、3日遅れの豆まき(実際に撒いたのはキャラメル)+シャボン玉撒きからの朗読タイムと、やりたい放題で始まった詩那ソロ。いつもこんな感じなんでしょうか。
その後カラオケを同期して始まった曲、どうも聴き覚えが……と思っていたら、これNOi'X時代の「悪戯」じゃないですか! 弾丸少女や再結成ノイクラでも過去曲やってますが、こんな形で生(カラオケだけど)で聴くことになるとは。その後弾き語りで「カラス」も演奏。新曲として「君色メタモルフォシス」(タイトルうろ覚え)も披露しましたが、こちらはRYOTA加入前後のノイジークラウズを連想させるポップな楽曲でした。

それに触発させられて、物販にあったNOi'X時代のライブ映像が入ったDVD-Rを購入したのですが、20数分で3000円という値段設定は正直ボッttゲフンゲフン いかにも90年代といたステージや観客のノリは非常に興味深かったので、無駄ではなかったと思、い……た…い………

***

そんな感じのシッティング公演、のんびりまったり見られましたが、その手刀の椅子があまり腰に優しくなかったのが心残りといえば心残りでした(苦笑)

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