ZABADAK「遠い音楽」(1990)

01.満ち潮の夜
02.夢を見る方法
03.遠い音楽
04.二月の丘
05.愛は静かな場所へ降りてくる
06.生まれた街へ
07.Sarah
08.Around The Secret
09.とぎれとぎれのSilent Night
10.harvest rain(豊穣の雨)

作詞 01、02、05〜07、09、10:小峰公子/03:原マスミ/04:Harry Butterfield、小峰公子/08:覚和歌子
作曲 01〜03、06、07、09、10:吉良智彦/04、05、08:上野洋子
全曲編曲:ZABADAK


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ZABADAKが1990年にリリースしたアルバム。現在は吉良智彦のソロ名義となっていますが、この時期は上野洋子と吉良の2人組でした。私がザバダックを知る切っ掛けが、タイトル曲「遠い音楽」を試聴し一聞き惚れしたからだったりします。

以下各曲について。


01.満ち潮の夜
民俗音楽チックな哀愁のあるメロディーが印象的な曲。イメージとしては北欧かロシアか…フォークに詳しくないので上手く言えませんが; 即効性のあるサビのメロディーに、1曲目から完全にノックアウトされました。

02.夢を見る方法
前曲とは逆に吉良がメインボーカルをとっている、ギターとマンドリンの音が前に出たミディアムテンポの曲。間奏のバイオリンとギターの絡みがまた哀愁のあるメロディーでツボです、サビよりもw 派手さはありませんが温かみを感じる曲でした。

03.遠い音楽
シングルタイトル曲。もうこの曲に関しては、聴く度に涙腺が壊れそうになるので冷静に書けないのですが(苦笑)、ゆったりとした優しい印象のメロディーと、浮遊感のある音作りが特徴的なバラードになっています。そのメロディーと透明感のある音、上野のボーカルが完全にツボに入ってしまった曲ですね。個人的には1曲目と並んでこのアルバムの2トップを張っています。後に出たミニアルバム「trio」では吉良がボーカルをとったバージョンもあり、そちらもなかなか。ザバダックの名曲の1つだと思います

04.二月の丘
この曲も民謡色の濃い、哀愁を感じる楽曲になっています。イントロを初め要所要所で鳴っている笛がクサい! リズムの跳ねた感じも好みですし、この手のフォーク寄りの哀愁メロディアスな曲は、自分のツボに入りやすいみたいです。

05.愛は静かな場所へ降りてくる
何となくケルトっぽさを感じるふわっとした音の中に、上野の高音ボーカルが映えるスローナンバー。後に上野のソロアルバムでもリミックスされているようです。

06.生まれた街へ
3拍子のリズムとフォークソングっぽいメロディーが印象的な吉良ボーカル曲。サビでは一気に盛り上がります。ファンタジックな曲が多いイメージのアルバムでしたが、この曲の歌詞は凄く地に足の着いた感じがします。リアルな哀愁というか、それこそ昔のフォークソングみたいな。

07.Sarah
こちらも5曲目に近い浮遊感のある曲になっていますが、結構ギターの音が目立っています。嫌いな曲ではないのですが、この中盤の流れで聴いていると、自分はちょっとまったりし過ぎてしまいますw 途中で赤ん坊の声らしきものも聞こえるので、子守唄的なイメージの曲なのかもしれません。

08.Around The Secret
ヨーロッパのフォークダンスや童謡を連想させるメロディーが好みな、民謡チックなポップナンバー。素朴な感じのコーラスがまた良い効果を出していると思います。歌詞も色々な童話を色々混ぜたような印象をあたえます。この曲も初聴時のインパクトは強かったですね。

09.とぎれとぎれのSilent Night
この曲は吉良ボーカルですが、加工された上野の声がサビで使われています。ドラムと哀愁のあるキーボードが前に出た、プログレ色の強い曲になっています。歌詞を見る限りではクリスマスソングと言って良いと思うのですが、曲調とあいまって、壮大ながらもちょっとダークな感じを受けるのは自分だけなのか。しかもその加工された上野のボーカルが場所によってはちょっと怖く感じるw 終盤では何気にギターソロが歪んだ音で頑張っています。

10.harvest rain(豊穣の雨)
イントロのマンドリンとストリングスの物悲しいメロディーが既にツボに入りました。冷涼感のある雰囲気と哀愁を感じるメロディーが印象的なバラードになっています。リリース当時小学校にも行っていない自分が聴いた覚えも無いのですが、たまらなく懐かしい気分にさせられました。この曲はシングルタイトル曲ですが、シングル盤とは異なるバージョンのようです。

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全体的を通して懐かしさを感じるアルバムでしたが、自分がどの時点でこのアルバムを聴いたとしても、恐らく同じ様な感覚を持った気はするので、懐メロ的な物とはまた別な所にある、自分の好みのメロディーに対する感覚のような物なのだろうな、と思っています。民謡色の強いバンドや哀愁のあるメロディーが好きな人にはかなりツボにはまるアルバムなのではないでしょうか。あくまで勝手な印象ですが、最近の人達で言うとSound Horizonのフォーク寄りの楽曲や志方あきこなどに影響を与えたのかなという気がします。

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