一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

カテゴリ: 映画・DVDの感想

今回にてひとまずホラー祭りはお終いです。

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音源感想ブログのやる事じゃねーよと怒られそうですが…もうちょっとだけ続けさせて下さいw
そう言えば、V系界隈には見た目や曲がアメリカンホラーなノリのバンドは多い気がしますが(SaTaNとかThe Candy Spooky Theaterとか。最近のCalmando Qualもなのかな?)、所謂Jホラーっぽい方々はあまり浮かばないような……あ、元メリゴのKazumaさんとか! 黒髪・長髪・呪われそうな眼力…完璧じゃないですか!(そんな)
でも初期のメリゴって、結構コミカルホラーなノリの曲も多かった気が。

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どこまで筆が進むか分かりませんが、取りあえず日本のホラー祭りは続くのです。

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画面端の見切れは正義!


先週ひいた風邪が長引いており、家に帰ると気が緩むのか体調がgdgdになっちゃうので、殆どブログに手を付けていませんでした。汚い話でアレですが、黄土色の鼻水なんて、ここ数年花粉症末期でしかお目にかからなかったのに…。
喉から来た風邪だからか鼓膜もパカパカ言うので、CDも集中して聴けないのだぜ('A`)

で、ブログ書いていた時間を、興味はあったけど置いていた、日本のホラー映画の鑑賞に暫く充てていました。折角なので、ここ1ヶ月位に見たのも合わせて並べてみようかなと。

ちょこちょこネタバレ含むので一応たたんでおきます。

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「パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO NIGHT」(2010)

監督・脚本:長江俊和
出演:中村蒼、青山倫子 他

ストーリー:
アメリカ旅行中の事故で両足を骨折した山野春花(青山倫子)と、買ったばかりのビデオカメラでの撮影に凝っている弟の幸一(中村蒼)。春花が帰国してから、部屋の車椅子が夜中勝手に移動するなど妙な現象が起こり、幸一はその真相を見つけようと面白半分で春花の部屋にカメラを設置するのですが…。


***

ナメてかかってごめんなさい長江監督ごめんなさいごめんなさいごめんなs(ry

フェイクドキュメンタリーの手法で低予算ながら大ヒットしたアメリカのホラー映画「Paranormal Activity(パラノーマル・アクティビティ)」の日本版オリジナル続編という位置付けで、前作の監督Oren Peliから日本で配給した会社を通じて制作オファーがあったそうです。最初に制作を知った印象は微妙な所だったのですが、監督・脚本が「放送禁止」シリーズなどを作った長江俊和という事で俄然興味が湧き、ハリポタへ向かう家族連れに隠れて観てきたのでした。
因みにアメリカでもこちらとは別に続編が作られています。ややこしい!w

実は前作の方も映画館で観ていまして、派手な表現を殆ど使わずに怖さを最大限に表現した、ドキュメンタリー方式のホラーとして結構リアリティのある映画だったと個人的には思っています。ただそれが長所でもあり短所でもあるかなと思うのは、イベントとイベントの間の「待ち」(生活描写とか)がちょっとかったるく感じてしまった部分があるかなと。他の作品の話でアレですが、「ほんとにあった! 呪いのビデオ」シリーズなどに「投稿」された映像をほぼ無編集で流しているような感じでしょうか。美味しいコース料理なんですが、次の料理来るまでが長い…みたいなw

そしてこちらTOKYO NIGHT、大まかな筋は前作を踏襲したものとなっており(あの「音」もちゃんと聴こえますよ)、続編というより舞台を日本に移したリメイクといった感もありますが、前作の主人公達の顛末もストーリーに関わってくる為、前作は興味無いけど長江俊和の名前に惹かれて…というような人はネタバレ感想を検索してみると良いかもしれません。
そのストーリーですが、前作で自分が感じた、間延びした部分をブラッシュアップし新たな演出を加え、テンポ良くお話を進めている印象を持ちました。ドキュメンタリー方式なのですが日本のホラーらしくジメッとした嫌〜な雰囲気も出しているのも好みでしたし。演技の方もそこまで不自然さは無かった気がします(恐怖に怯える姉の一部のシーンはちょっと叫ばせ過ぎな気もしますが…w)。特に終盤の畳み掛けっぷりは中々怖いと感じましたよ。

全体的には後日談とリメイクを合わせたような映画でしょうか。制作スタッフは違えど、自分のように前作に食い足りなさを覚えた人にとっては嬉しい出来上がりでした。この手の撮り方によるホラーが好きな人は、すんなりいけるのではないのでしょうか。
あ、そうだ一つだけ。今作はガチホラーなので、「放送禁止」の時のように見切れや言葉遊び的ヒントを探して、画面内をくまなく探す必要は無いです(←本編前半位まで視線を忙しく動かしていた馬鹿な男がココに)。


公式サイト

予告編


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以下適当にネタバレ感想箇条書き。

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ブログネタ
借りぐらしのアリエッティ に参加中!
Cecile Corbel「借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック」(2010)

01.The Neglected Garden (荒れた庭)
02.Our House Below - Movie Version (床下の我が家)
03.Our House Below - Instrumental Version (床下の我が家)
04.The Doll House - Instrumental Version (ドールハウス)
05.Sho's Lament - Instrumental Version (翔の悲しみ)
06.Arrietty's Song - Instrumental Version
07.The Neglected Garden - Instrumental Version (荒れた庭)
08.Sho's Walz (翔のワルツ)
09.Spiller - Instrumental Version (スピラー)
10.Rain - Instrumental Version (雨)
11.The Wild Walz (ザ・ワイルド・ワルツ)
12.Sho's Lament - Instrumental Version2 (翔の悲しみ)
13.An Uneasy Feeling (不安な気持ち)
14.With You (あなたと共に)
15.The House is in Silence (静寂の屋敷)
16.Sho's Song - Instrumental Version (翔の歌)
17.Precious Memories (大切な思い出)
18.Goodbye My Friend - Instrumental Version (グッバイ・マイ・フレンド)
19.I Will Never Forget You (あなたを決して忘れない)
20.Arrietty's Song
21.Tears in My Eyes (僕の涙)
22.Goodbye My Friend (グッバイ・マイ・フレンド)

※01、02、20、22:ボーカル曲
全曲編曲:Cecile Corbel、Simon Cady

発売日:2010/07/14
品番:TKCA-73537


***

2010年に公開された映画「借りぐらしのアリエッティ」の劇中BGM及び主題歌を担当した、歌手・ハープ奏者のCecile Corbelによるサウンドトラック。映画の登場人物達が小人ということもあってか、ブックレットが小さな冊子仕様になっているのですが、正直ちょっと扱いづらかったです(苦笑)

CM等で「Arrietty's Song」を耳にした時から、これは好きかも…と思っていましたが、実際映画を観て本格的にノックアウトされました。全体的にハープ、ストリングス、アコギ、木管楽器等をメインとした、ケルト寄りというか民族音楽要素を多く含んだ透明感のある楽曲が並んでいるのですが、その透明で穏やかなトーンを壊さないバランスで、哀愁を持ったメロディーが全編に亘って続くので、ここ数年この手のインスト曲を探している自分には思いっきりツボを突かれました。殆ど場所を変えずにストーリーが展開する映画本編の盛り上がりをBGMで支えている部分は大きかったのではないでしょうか。本CDはレンタルしたのですが、売店にサントラが売っていたのなら、映画鑑賞後のテンションで即購入した事でしょう。惜しかったな、某所のM○VIX!(笑)
本作はサントラという性質上、どの曲がどうというよりはアルバムを全編流して聴くのが向いているでしょうし、自分もそうしているのですが、好みなものを挙げるなら、やはりその哀愁っぷりが特に前に出ていると思われる「翔の悲しみ」「スピラー」「ザ・ワイルド・ワルツ」「翔の歌」などでしょうか。そして映画の主題歌「Arrietty's Song」は、日本語詞が少々たどたどしいのを差し引いたとしてもw、その儚げなボーカルとクサいメロディーがたまりませんでした。

映画を観てBGMが気に入った人は勿論、民族要素のあるインストものが好きな人には、大いにお勧めできるサントラだと思っています。私はこれを聴いてオリジナルCDにも興味を持ちました。

***

Amazon(試聴あり)
借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック
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オフィシャルサイト

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鑑賞から3ヶ月近くたってしまいましたが、折角なので映画の感想も適当に箇条書き(ネタバレ気味なので続きからどうぞ)

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「告白」(2010)
監督・脚本:中島哲也
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫、橋本愛 ほか

公式サイト

ストーリー:
とある中学校の終業式後のHR。担任教師の森口(松たか子)は、数ヶ月前自分の娘が学校のプールで死亡していた件について話を始める。事故として処理された娘の死、実はこのクラスの2人の生徒による殺人だったと。森口は彼らを警察に訴えるつもりは無いと言うのだが…。


***

※ネタバレなし

湊かなえの同名小説の映画化。原作の方は読んでおり、サクッと読めて胃に黒いモノがたまるタチの悪い(誉め言葉)小説という印象だったのですが、こちらの映画版もその空気は十分に感じることができました。小説の方が基本モノローグで進行する為、映像にする際どうするのかと思っていたのですが、こちらでもほぼその形式を踏襲していたのにはちょっと驚きました(勿論会話シーンは普通にありますけれど)。それでも殆どダレを感じなかったのは映像とモノローグの使い方が上手かったからなのかな、と思っています。最初キャストを聞いた時には、松たか子じゃちょっと綺麗過ぎる気がしていたのですが、蓋を開けてみれば森口先生その人でありました。ラストの時計を使った演出も、下手したら原作以上の悪意の込め方を感じましたよw(ただ、あのシーンはちょっと長すぎるかな? とも思いましたが)。

私は中島哲也監督の映画を初めてみたのですが、映像の質感というか透明感のある色使いに、微妙に現実と位相のズレた世界、といった印象を受けました。というかミュージックPVっぽいなとも思ったり。BGMの多くがボーカル入りだったこともあり、シーンによっては本当にそのままPVに使えそうじゃないかな、と思ったシーンもちらほら(要所要所で入る雲の流れるシーンが綺麗なんですまた)。主要登場人物が皆悪い意味で中二病をこじらせたような人達ばかりなので、これ位フィクション分が強い画の方が調度良かったのかも知れませんが。
人によって大きく好みが分かれるであろう、ストーリーに対する意見はあまり多くは述べないでおこうと思います。ただ私は小説版のラストに、ある種のカタルシスを感じ、今回観た映画でも基本的に同じ感情を抱いたということだけ書いておきます。スタッフロールが終わり、電気が点いた後の客席はまるでお通夜のような沈黙に覆われていました。



また、ちょっとした小ネタですが、そのスタッフロールを見ていて、UnsraWが出ていた事を知ってびっくり。確かにバンドのライブ映像が2秒程映るシーンがありましたが…ファンの人は気付かれたんでしょうか。しかも「UnsrawW」と微妙に間違って表記されてましたし…特に彼らの曲を知っている訳でもないのですが、何となく気の毒になってしまいました(苦笑)


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LOFT


「LOFT(邦題:ロフト.)」(2009)
監督:エリク・ヴァン・ローイ
脚本:バルト・デ・パウ
出演:ケーン・デ・ボーウ、フィリップ・ペーテルス、ケーン・デ・グラーヴェ、ブルーノ・ファンデン・ブロッケ、マティアス・スクナールツ

日本版公式サイト

ストーリー:
建築家のビンセントは、自分が手掛けた新築マンションの最上階をルク、マルニクス、クリス、クリスの異母弟フィリップの友人5人で共有し、秘密の部屋として使う事を提案する。妻や恋人には内緒で女を連れ込むなどして楽しんでいた彼ら。しかしある朝、鍵のかかっている部屋のベッドに手錠で繋がれた女の死体が発見され…。


***

製作されたベルギーでは大ヒットしたらしい(宣伝文句によると全国民約1040万人中110万、つまりほぼ10人に1人観たとか)この映画に興味を持ったきっかけが、題名を見て「また黒沢清の映画が外国でリメイクされたのかな?」と勘違いした事だったりしますが、そんな事はどうでもよくw

この手のサスペンス・ミステリー作品だと「途中の展開で驚いた」とか「いやいや最初に予想した通りだった」とかいう感想を書いてしまうだけで、その書き手にネタバレの意図は無くともその感想を読んだ人がある程度の予想を持って鑑賞し、結果的に満足度に影響を及ぼしてしまう、という事が往々にしてあると思うのですが、この映画もそういう風に書き方に気を遣う程の面白さを持った作品ではないかな、という事はとりあえず伝えたいと思います。オススメしたい映画なので本当は色々書きたいのですけれどw 観終わってから腑に落ちない所や分かりにくい所も特に無く、多くの人が楽しめる娯楽サスペンス映画になっているのではないのでしょうか。それだけに上映館数の少なさが勿体無いなあ(都内でも1ヶ所)…単館上映にありそうな小難しい雰囲気は皆無(寧ろ映画の雰囲気はハリウッド臭を感じました)ですしもっと増えてもおかしくなさそうなんですね。

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「REC2(邦題:[REC/レック2])」(2009)
監督:Jaume Balaguero、Paco Plaza
オフィシャルサイト

ストーリー:
前作「REC」のラストシーン直後、封鎖されたアパートの調査の為、オーウェンという博士とSWAT4人が建物に進入。感染すると凶暴化するという未知の感染症の調査と記録(録画)が主目的という事だったのですが…。


***

※基本ネタバレはなしですが、前作のストーリーには触れていますので1作目を見ていない人はご注意下さい。あと、パンフレットは前作と今作のストーリーがどちらも載っているので注意。前作観てないけど映画観る羽目になっちゃった人は、取りあえずパンフの1、2ページ目を読んでおけばいいと思います。

前作「REC」が、ドキュメンタリー番組の撮影という設定で観客の視点=カメラ視点のスピーディーなゾンビ映画で大変に怖面白かったのですが、続編に当たる今作も基本的な視点はほぼ同じく、特殊部隊の記録係によるカメラが観客の目となってストーリーは進んでいくのですが、今回は隊員のヘルメットに装着されたCCDカメラが時折サブ画面として挿入される為、主観映像の切り替えが何度か起こっています。まあ続編というか、前作ラストからは2時間も経ってないのでしょうけれど。またそのサブ映像が視界は狭いわ画像はちょっと粗いわでゾンビ(と言って良いのか分かりませんが)が出た時の嫌さ倍増ですw この視点切り替えによってストーリーの補完(詳しくは触れませんが、今回ある理由により、カメラは何台か登場します)がテンポ良く進められ、スピード感の持続に役立っているている印象があります。あ、前作でゾンビ化した人たちも元気に登場しますよ。前作同様、流血描写もバンバン入っています。
前作との繋がりとしては、ラストでちょっとだけ出てきた「メディロス」についての詳細が詳しく語られる事になります。ぶっちゃけネタバレもへったくれも無いノンストップお化け屋敷映画だった前作(勿論良い意味で)に比べ結構オカルト色は強くなっているのかな? この辺どう思うかは人それぞれでしょうが、個人的にはあれだけゾンビゾンビした中で、ラストに繋がる伏線とオチが用意出来た事は上手くいった証拠なのではないかなと。
鑑賞後は尺が90分未満の映画とは思えないグッタリ感が。考えてみればひっきりなしに化け物が出て来るお化け屋敷に1時間以上放り込まれていたようなものですからそりゃ疲れますよw
そんな訳で、都合の良いアングル…! と思う場面が無いわけではありませんがw(特に終盤)、前作以上にスピーディーで怖い映画になっている印象でしたので、前作が面白かった人には十分に楽しめる内容になっているのではないでしょうか。




以下ネタバレ。

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「ハサミ男」監督:池田敏春 出演:豊川悦司、麻生久美子、阿部寛、樋口浩二 ほか(2005)

※あらすじ
女子高生を絞殺し、その死体の首に鋏を刺すという連続殺人事件が発生。マスコミはその手口から犯人を「ハサミ男」と呼ぶように。「ハサミ男」は3人目のターゲットの目星を付けるのですが、自分が手を下す前にそれまでの自分の手口と同じ方法で彼女が殺されているのを発見してしまいます。「ハサミ男」は自ら事件について調べ始めます。
一方、事件の捜査をしている刑事課の磯部達は、警視庁科学捜査研究所から派遣されてきた堀之内と共に、「ハサミ男」の逮捕に向けて調査を始めるのですが…。


***

※ネタバレなし感想

この映画、1999年に出た殊能将之の同名小説が原作なのですが、昨年人に薦められ読み、久々に「やられた!」感を味わった小説で、デビュー作ながら展開の面白さと読みやすさがあり(この後の殊能将之作品も一気に読んだのですが、これが一番入りやすいかな、と)、個人的にもお勧めしたいミステリーになっています。ただこの小説、映像化したら即座にネタバレしちゃうだろ! と思っていたので、既に映画化されていたと知った時には驚いたものでした。あ、でも刑事課の面々の微妙なスチャラカ集団ぶりはドラマ向きかも、と思ったりはしましたけれど。そんな訳で、映画の出来はぶっちゃけどうでも良くw、あのストーリーをどう映像で見せてくるのか、という点のみが気になり、今更ながらDVDをレンタルしてきたのでした。

始まってすぐの感想としては、「なるほどこういう視点で来ましたか!」といった所でしょうか。原作未読者にはネタバレにならない程度に微かな違和感を感じさせストーリーを運んでいく方法は上手くいっていると思いました。物語の設定に幾つか変更はありますが、基本的に原作通りに進んでいきます。ただ終盤に原作には無かったストーリーが加えられており、映画の後味が幾分健康的になった印象を受けました。ここはちょっと好みが分かれるかも。個人的には狂気を残したまま終わる原作のラストが好きですが、先に触れたほうに印象が引っ張られるのは仕方が無いのかもしれません。また、磯部達刑事のキャラクターは、あの軽めの感じが上手く出ていた気がします。映画版のラストならこの面子のままシリーズ化出来ますよw 麻生久美子の乾いた雰囲気も良かったです。被害者の弟役で出てきた柄本祐は、この後出演した「夜のピクニック」や「コワイ女」に比べると、そんなに年数に差が無いのに、演技がこう何というか、…良く言うと初々しいw

あとこの映画、画面の感じ、というか演出・BGMがどうにも古臭い、と言うか昔の刑事ドラマを連想させ、夕方にやっている70~80年代の2時間ミステリードラマを見ている気分になってしまいました(苦笑)。これがこの監督の色なのかは分かりませんが、この辺も雰囲気作りと見るか安っぽいと思うかで好みが別れるかもしれません。…いややっぱりちょっと安っぽいかも(苦笑)。

細かい点では色々ありますが、トータルでは原作既読・未読に関わらず、結構楽しめる内容になっているのではないでしょうか。ただ個人的には先に原作を読んだ方が良いかな…とは思いますが。あの驚きを是非共有したいw


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