「告白」(2010)
監督・脚本:中島哲也
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫、橋本愛 ほか

公式サイト

ストーリー:
とある中学校の終業式後のHR。担任教師の森口(松たか子)は、数ヶ月前自分の娘が学校のプールで死亡していた件について話を始める。事故として処理された娘の死、実はこのクラスの2人の生徒による殺人だったと。森口は彼らを警察に訴えるつもりは無いと言うのだが…。


***

※ネタバレなし

湊かなえの同名小説の映画化。原作の方は読んでおり、サクッと読めて胃に黒いモノがたまるタチの悪い(誉め言葉)小説という印象だったのですが、こちらの映画版もその空気は十分に感じることができました。小説の方が基本モノローグで進行する為、映像にする際どうするのかと思っていたのですが、こちらでもほぼその形式を踏襲していたのにはちょっと驚きました(勿論会話シーンは普通にありますけれど)。それでも殆どダレを感じなかったのは映像とモノローグの使い方が上手かったからなのかな、と思っています。最初キャストを聞いた時には、松たか子じゃちょっと綺麗過ぎる気がしていたのですが、蓋を開けてみれば森口先生その人でありました。ラストの時計を使った演出も、下手したら原作以上の悪意の込め方を感じましたよw(ただ、あのシーンはちょっと長すぎるかな? とも思いましたが)。

私は中島哲也監督の映画を初めてみたのですが、映像の質感というか透明感のある色使いに、微妙に現実と位相のズレた世界、といった印象を受けました。というかミュージックPVっぽいなとも思ったり。BGMの多くがボーカル入りだったこともあり、シーンによっては本当にそのままPVに使えそうじゃないかな、と思ったシーンもちらほら(要所要所で入る雲の流れるシーンが綺麗なんですまた)。主要登場人物が皆悪い意味で中二病をこじらせたような人達ばかりなので、これ位フィクション分が強い画の方が調度良かったのかも知れませんが。
人によって大きく好みが分かれるであろう、ストーリーに対する意見はあまり多くは述べないでおこうと思います。ただ私は小説版のラストに、ある種のカタルシスを感じ、今回観た映画でも基本的に同じ感情を抱いたということだけ書いておきます。スタッフロールが終わり、電気が点いた後の客席はまるでお通夜のような沈黙に覆われていました。



また、ちょっとした小ネタですが、そのスタッフロールを見ていて、UnsraWが出ていた事を知ってびっくり。確かにバンドのライブ映像が2秒程映るシーンがありましたが…ファンの人は気付かれたんでしょうか。しかも「UnsrawW」と微妙に間違って表記されてましたし…特に彼らの曲を知っている訳でもないのですが、何となく気の毒になってしまいました(苦笑)


告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊 かなえ

双葉社 2010-04-08
売り上げランキング : 19

Amazonで詳しく見る
by G-Tools