ピュエラ「Shadow Of Wizard」(1999)

01.(タイトル無し)
02.C.o.S
03.レクイエム
04.あやつり人形
05.月と君とボク

作詞 02:ピュエラ/03〜05:ライ
作曲 02:ピュエラ/03〜05:クルス

発売日:1999/11/24
品番:SLR-004


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単独CD音源は本作のみにも関わらず、今でも中古店等で見る率は高いような気がする「ピュエラ」のミニアルバム。ジャケットやCD盤面では4曲表記ですが、1トラック目にタイトルの無い短いインストが入っています。本作でのメンバーは、ライ(ボーカル)、クルス(ギター)、キヨト(ギター)ですが、後にボーカリストがyuraという女性ボーカルに交代するという、V系界隈でなくても珍しいメンバー変遷を辿ったバンドでした。
編成を観て分かる通りリズム隊が不在なので、ドラムが打ち込みになっているのですが、逆にその打ち込みドラムを前面に押し出しているのが音作りの特徴に思えます。

以下各曲について。


02.C.o.S
キーボードによる50秒ほどのインストを引き継いで始まる、ダークメロディアスナンバー。デモテープ収録曲「カメラオブスキュラ」の新録バージョンになっています(自分はデモテ版を聴いていないので聴き比べは出来ないのですが)。ギターが引っ張るアッパーなメロディーに少し猟奇的な歌詞が乗った、V系の王道と言えば王道の展開なのですが、冒頭で述べた打ち込みドラムがやかましいまでに前に出ており、バックのテケテケしたシンセも合わせ一種独特な印象を与えている気がします。サビメロもキャッチーなので、実質的な1曲目に持ってきたのは正解だったのかも。
…今更ですが、「カメラ・オブスキュラ」ではなく「カメラ・オブ・スキュラ」なのですねw

03.レクイエム
チャカポコしたリズムと、気の抜けたような笛っぽいシンセにどうしても耳が行くデジタルポップチューン。サンバっぽさも感じるリズムに乗るヴィジュヴィジュしたボーカルもさることながら、良い意味での打ち込みのチープさがたまりません。本作については、この曲以外は何だかんだでコテコテで王道寄りの曲がメインだと思っているのですが、ここだけピコピコ白塗りバンドになったようなインパクトもあり、個人的には本作中一番好みに入った曲になっています。

04.あやつり人形
V系らしいシャウトを交えた、ダークメロディアス系統の楽曲なのですが、やはり前面に出されたリズムと細かく刻まれるシンセが主役となっており、寧ろギターが効果音的な使われていると感じる所もあるのが面白いです。テンポの速さと3分程の尺という事で、一気に駆け抜けていく曲という印象。

05.月と君とボク
前曲から間を置かずに始まる、ザクザクしたギターが前に出た発狂チューン。前曲より更にハードさを増したような印象で、ギャウギャウシャウトも増量しておりますよ。暴れ曲の印象が強いですが、サビに入ると一気にキャッチーになったり、クサめのギターソロが入ったりと、デジタル感との対比も印象的です。

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後ろ2曲のカラーが若干被っているかな? という気もしますが、当時の王道V系らしさとそこからのズラし具合が、今聴いても面白い事やっているなぁと思わせられるミニアルバムでした。本作は安価で入手しやすいと思いますので、見かけた際に気にしてみると良いかもしれません。この後のデモテープやオムニバスに入っている女性ボーカル時代の曲も、今さらながら気になりますね。

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【中古】その他CD ピュエラ /シャドウ・オブ・ウィザード【10P04Jal11】【画】
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