LAREINE「BLUE ROMANCE 〜優しい花達の狂奏〜」(1997)

01.Destinee「悲劇の朝」
02.BLUE ROMANCE「想い」
03.季節風「思い出の風」
04.SOLITUDE「鏡の間」
05.悲愁の花園「訣別の薔薇」
06.Feerie「不安」
07.再会の花「希望」
08.ROMANCIA「運命の迷い」
09.Feerie「希望」 (通常盤のみ収録ボーナストラック)

全曲作詞:KAMIJO
作曲 01、02、06、08、09:KAMIJO/03〜05、07:MAYU

発売日:1997/09/07
品番:LCD-001RN


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現在Versaillesで活動しているKAMIJOが2006年まで活動していたバンド、「LAREINE(ラレーヌ)」が1997年にリリースしたアルバム。過去に出したデモテープ・CDからの再録を中心としており、当時のベストアルバム的な位置付けと言えるかもしれません。KAMIJO以外のメンバーの脱加入が多かったバンドですが、今作リリース時のラインナップはKAMIJO(ボーカル)、MAYU(ギター)、EMIRU(ベース)、MACHI(ドラム)でした。このメンバーで後にメジャーデビューも果たしましたね。
曲タイトルやメンバーのコッテコテなヴィジュアルから想像出来るように、歌謡曲やクラシック要素の含んだ、徹底的にメロディアスな楽曲が並んでおり、その手の世界観が好きな人にはたまらないであろうアルバムになっています。

冒頭からゴッテリとしたロマンス歌謡(?)が続きお腹一杯にしてくれますが、甘ったるい歌い方のボーカルがちょっと好みを分けるかもしれません(特にVersaillesから遡って聴く人は覚悟が必要かも)。3曲目の「季節風」はギターとシンセがちょっとライトな爽やかさを演出するポップチューン。4、5曲目はクラシカルなギターのフレーズが初期MALICE MIZERを彷彿とさせるダーク寄りの楽曲になっており、特に「悲愁の花園」はツインギターのハモリがマリス臭プンプンで好みです。そう言えばKAMIJOとMAYUはMALICE MIZERのローディもしていました。
そして甘々ポップの極みとも言える「再会の花」。明るいメロディーに乗せて恋人への思いを延々と歌い続けるポップチューンになっており、ここまで徹底的にやられたら降参するしかないですよもう。この後にも再録したバージョンが発売されたりと、バンドの代表曲の1つなのでしょうね。本編ラストの8曲目「ROMANCIA」はピアノとシンセ中心の物悲しいバラードになってます。
また、6曲目と9曲目はアレンジ違いとなっており、「Feerie『不安』」はアコギとバイオリンが前に出たフレンチポップ風の切なくポップな曲に、対する「Feerie『希望』」はその要素を残しつつ、打ち込みのリズムを加えダンサブルなアレンジにしています。因みにこの「希望」の方は通常盤のみの収録となっています(初回盤はボックス入り仕様ですが私は未所持)。

歌メロがゆったりと歌い上げるタイプの曲が多いからか、自分が聞いたLAREINEのCDの中では個々の楽曲の印象が若干薄くなっているかな? とも思うのですが、それはあくまで比較の問題で、MALICE MIZERなどの影響を受けつつ、歌謡曲方面の切ないメロディーに特化した世界観はこの時点で確立しているのではないかと思います。少なくとも改めて聴いても中途半端な印象は受けませんでした。
私自身は彼らのCDを全部聴いているわけではないのですが(特にインディーズに戻って復活した後の音源が多くて多くて…;)、基本的にロマンティックかつフィクション分満載の世界を突き進んでいる印象なので(KAMIJO一人の時に出した「SCREAM」はちょっと雰囲気違いましたが)、その手の楽曲が好きな人はボーカルの癖が大丈夫ならば、今から手を出して損は無いバンドだと思いますよ。

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