一人で全部食べるのかい?

CDの感想を中心に…なったら良いなぁ……

タグ:ROUAGE

ROUAGE「ROUAGE」(1994)

01.シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ
02.Function
03.めざめのうたげ
04.Cry for the moon
05.Mist of Tears
06.hide and seek
07.ark
08.Pa・ra・no・i・a
09.More Trance
10.Creation -審判-

作詞 02〜10:KAZUSHI
作曲 01:Mr.SASAKI/02〜10:ROUAGE

品番:RLCD-002-3


***

ROUAGEがインディーズで発表した1stフルアルバム。3rdプレスまであり、それぞれジャケットが異なっていました。確か1stプレスがメンバー全員の写真、2ndがKAZUSHIが一人で写っているもの、3rdが赤を基調としたバックにバンドロゴが載っているもの(自分の手元にあるのはこれ)だったかな? 後にメジャーでリメイクされた曲もあり、当時のベストアルバム的なCDだったのかもしれません。
また、ブックレットの記載では作曲が1曲目以外全てバンド名義になっていますが、前に出たシングルや後に採録されたCDではメンバー個人名義になっているものが多いので、一応そちらも各曲コメントの方に付け加えておきます。


01.シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ
インダストリアル的な打ち込みリズムと浮遊感のある音で構成されたインスト。歌詞として「シ・ク・マ・レ・タ・ト・キ」と1行だけ記されていますが、実際に曲終わりで呟かれる言葉は…

02.Function
RIKA作曲。イントロからいきなりドラムとシンセによるドドドッと攻撃的に攻めて来るフレーズが印象的。所謂勢いで押す暴れ曲といった印象を受けますが、ボーカルが終始低く呟くように歌っているため、激しさと同時に閉塞感も感じます。
メジャーでもシングル「冷たい太陽」のカップリング曲として再録されますが、そちらは尺がかなり短くなっています。

03.めざめのうたげ
RAYZI作曲。こちらもダークで攻撃的な楽曲。改めてこういうドラムがツタツタ言う曲を聴くとニヤニヤしてしまいますwああヴィジュアル系聴いてるなあと。サビでもツタツタしたまま疾走しますが、盛り上げるように歌い上げずに、低音で這い回るように歌っているのが面白い。まあこのアルバムのKAZUSHIの歌い方は大体そんな感じなのですが。

04.Cry for the moon
KAZUSHI作曲。メジャー感を感じる開けたサビから始まる、ネガティブな歌詞をキャッチーなメロに乗せて全力で届ける(笑)ポップチューンになっており、初聴時のインパクトを大きく残す曲なのではないでしょうか。間奏後のサビで一度音数を減らし、そこから一気に盛り上げるあたり王道ですが、だからこそツボなのです。この曲も後に「冷たい太陽」のカップリングとして再録されます。

05.Mist of Tears
KAIKI作曲。物悲しいメロディーが乗ったバラード。薄く鳴るシンセが幻想的な雰囲気を出すのに一役買っていると思います。この後に出たシングル「理想郷」で再録されました。

06.hide and seek
SHONO作曲。軽めながら鋭いギターのフレーズが印象的な、アップテンポナンバー。サビ前でボソボソ言う台詞パートが地味に好きだったり。こちらもサビではメロディアスに展開しますが、キャッチーながらも微妙にドロリとした雰囲気を感じるのは、やっぱりボーカルの声が低いからでしょうか。

07.ark
後にファンクラブの名前としても使われる曲ですが、アルバム中最も暗いのではないかと思わせる、沈んだトーンで展開するスローテンポの楽曲になっています。歌詞もほぼ同じフレーズの繰り返しになっているため、ちょっと楽曲としては印象が薄くなってしまうかもしれません(ベースは結構動きまわってますが)。
個人的にはちょっと前に感想を書いたオムニバス「emergency express 1995」に入っている、「too late」と改題したリミックス版の方が好みだったりします。

08.Pa・ra・no・i・a
RIKA作曲。こっちの方が暴れ曲でした。要所要所で耳に優しくない音を出すギターや、ヒステリックなボーカルにダークで不安定な雰囲気を感じます。後のメジャー再録バージョン(シングル「insomnia」カップリング)よりは流石に粗っぽいですが、こちらはこちらで好み。何度か聴いていると「equal Jesus」の繰り返しがクセになってきます。

09.More Trance
SHONO作曲。シングル「SILK」収録曲の再録バージョン。大きな変更はありませんが、シンセが追加されており、ドラムも若干前に出ているかな? 

10.Creation -審判-
RAYZI作曲。こちらも「SILK」収録ですが、シングルには記載されていなかった歌詞が、こちらではちゃんと載っています。シングル版との大きな違いとしては、イントロのテープを逆回転させたような音がカットされており、こちらもシンセが目立っています。こちらで聴いてもやはり暗い曲ですが、意外と聴き終わった後マッタリした印象が無いのは、何気にテンポが早いからでしょうか。ただ、人によっては曲終わりの語りで力が抜ける恐れが…w いや良いんですよ! ヴィジュアルバンドなんですからこれ位やってくれなきゃ!(いや本当に)

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音質に関しては当時のインディーズ、といった感じですし(そこまで酷くはないと思うけど)、後にメジャーから音を聴きやすく整理したリミックスベスト「312604806」が出ているので(収録曲も大体一緒)、インディーズ時代のROUAGEを聴きたい人はそちらを最初に手に取った方が良いかもしれません。ただこちらの方もシンプルでダークな雰囲気を基調としながら、ハード・スロー・メロディアスな曲の並びが上手いと思いますし、音質面も含めて当時のROUAGE、もしくはヴィジュアル系バンドを聴いてみたいという人にはお勧めできるアルバムかもしれません。
しかしこういうバンドが6年後には、毎年夏が来ると頭の中で流れる「肌色。」のような曲を作るのですからバンドというのは面白い。

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ルアージュルアージュ
ROUAGE

インディペンデントレーベル 1994-10-01
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ROUAGE「SILK」(1994)

01.Creation -審判-
02.Silk
03.More Trance

作詞 02、03:KAZUSHI
作曲 02:RAYZI/03:SHONO

品番:RSCD-001


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90年代中盤から2000年にかけて活動していたバンド「ROUAGE」がインディーズ初期にリリースしたシングル。恐らくこれが1stシングルで合っている筈。プレス時期によって、ジャケットの色が異なるようで、私が持ってるのは緑色のものになります。
後追いで知った自分も大好きなバンドで、キャリアと共に段々と曲の方向を変えていきましたが、この時点ではLUNA SEA等の先達の臭いプンプンの、シンプルでダーク、メロディアスといった所謂ヴィジュアル系ど真ん中のサウンドを聴かせています。当時のメンバーは、ボーカル:KAZUSHI、ギター:RAYZI、ギター:RIKA、ベース:KAIKI、ドラム:SHONOでした。

以下各曲について。


01.Creation -審判-
タイトルも歌詞も記載されていない、恐らくシークレットトラック扱いな曲。後にアルバム「ROUAGE」で再録されました。
スローな3拍子のリズムにドロドロとしたギターのメロディーが不気味な楽曲になっており、サビではボーカルが「ラララ…」と繰り返すのみとなっていますが、この時期のKAZUSHIは後に比べると声が低く、そのサビの部分なんか今にも死にそうな調子で歌っているので余計に不気味に聴こえるというw

02.Silk
クリーンなギターとスピード感のあるテンポで展開する、メロディアスな楽曲。それこそLUNA SEAのシングルタイトル曲を思い浮かべてもらうのが手っ取り早いでしょうか。後のメジャーのシングル曲にも通じる部分があり、結構好みですね。90年代の臭いが濃いので、その時期のヴィジュアル系バンドが好きだった人には、反応する所があるのではないでしょうか。またこの曲は本シングルのみの収録となっています。

03.More Trance
前曲から間髪を入れずに、ドラムソロからスタートするアップテンポでダークな雰囲気の楽曲。こちらもアルバムで再録されますが、シンセが入っていない分、シングル版の方がシンプルに感じます。その替り、かどうか分かりませんが、アルバムには無いバックコーラスがサビに入っています。攻撃的な曲ですが、ボーカルの高音が上がりきらないからか、良い意味で気持ち悪さも備えた楽曲になっている気がします。

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メジャーのから出た曲を一通り聴いた後に手を出したシングルでしたが、思ったよりは音がショボくなくて安心した記憶がありますw(あくまで当時のインディーズとしては、ですけれど) インディーズ時代の、しかも8cmシングルなので他のCDと比べちょっと手に入れにくいかもしれませんが、当時のバンドの色が分かりやすい曲が入っていると思うので、他のインディーズ期のCDが気に入ったら、安く手にいれてみるのも良いかもしれません。

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シルクシルク
ROUAGE

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V.A.「emergency express 1995 the strange bountique」(1995)

01.VOLCANO / 見えない明日の扉を蹴れ!
02.Voluptuous / Gynographia
03.黒蜴蝶 / 私刑-死の旋律-
04.NOISY CROWDS / Dream〜曖昧な日々に〜
05.トルエン / スードラ
06.Four-Leaf Clover / day lights global
07.KRUSH GROOVE / Walk Up
08.HARKENKREUZ / SS Psycho…
09.MISERY / THE REBEL
10.ROUAGE / "too late"

発売日:1995/03/01
品番:TFCC-88057


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1995年にトイズファクトリーからリリースされた、当時のヴィジュアル系バンドを中心にした? オムニバスアルバム。情報があまり入らなかったバンドもいるので断言はできないのですが。

以下各曲について。


01.VOLCANO / 見えない明日の扉を蹴れ!
作詞:本山 作曲:屍忌蛇

Gargoyleやアニメタルでも活動していたギタリスト:屍忌蛇が在籍していたバンド。ザ・メタルといった感じの演奏とボーカルによる、勢いのある楽曲になっています。ただ勢い一辺倒ではなく、間奏で弾き倒すクラシカルなギターソロがめっさ好み。個人的にこのオムニバスでは一番好きでしょうか。
また、こういう曲調だとAIONのNOVが歌ってもカッコよさそう、と思っていたら、後に本当にNOVが加入した事を知りちょっと驚きました。そしてこの曲、バンド名を冠した「VOLCANO」という曲にリメイクされたみたいです。

02.Voluptuous / Gynographia
作詞・作曲:JECIECA

クリーンなギターで引っ張る、ポップでちょっとダークな楽曲と、ネチッこいボーカルを前に出した、90年代V系ど真ん中といった感じのメロディアスな楽曲。やっぱりこういう曲にはどうしても反応してしまいます。他のオムニバスでもう1曲聴いたことがあるのですが、このバンド、デモテープ以外では単独音源は出していないのかな…?

03.黒蜴蝶 / 私刑-死の旋律-
作詞・作曲・編曲:黒蜴蝶

何枚かアルバムも出している黒蜴蝶。ギターの物悲しいメロディーと、オドロオドロしい雰囲気のボーカルが印象的なスローチューンになっています。7分半と結構長め。


04.NOISY CROWDS / Dream〜曖昧な日々に〜
作詞:SHINA 作曲:GUY

後にNOi'Xに改名しているバンド。この曲は前任ギタリストのGUYが作っていますが、同年に出たミニアルバム「LIFE」に入っていそうな、優しい雰囲気のポップチューンになっています。
現在ボーカルのSHINAが弾丸少女で活動していますが、そちらのHPの情報によると、今年(2010年)11月にNOISY CROWDSの一日復活があるそうで。ノアではなく敢えてこちら名義の復活にしたのは何故なんだろう…w

05.トルエン / スードラ
「ハーイハーイハーイハイハイ」という掛け声が妙に癖になる、シンプルでポップなパンクナンバー。ボーカルはあまり上手いとは思いませんが、ユーモラスな曲調もあって、少しかまいたち時代のSCEANAを思い出します。そしてこのバンドの詳細があまり分からないので(写真を見る限りヴィジュアル系バンドではなさそう?)、情報お持ちの方は是非教えて頂きたく…。

06.Four-Leaf Clover / day lights global
作詞・作曲・編曲:茨

このバンドも良く知りません; アコギが叙情的なメロディーを奏でたり、ワルツっぽい展開になったと思ったら疾走したりと、結構展開が面白いです。ボーカルが高音でフラフラしているのがちょっと勿体無いですが、曲自体は割と好み。しかし当時のV系で「自然」をテーマにした歌詞というのも珍しい気が…あ、だからバンド名もFour-Leaf Cloverなのですね。ボーカルの名前も茨ですし!(そんな

07.KRUSH GROOVE / Walk Up
ファンクの要素を感じる、アッパーなロックチューン。バンドサウンドも適度にやかましく、今聴いても素直にカッコいいと思います。というか今回調べたら、現在でも活動しているのを知ってびっくり。HPの更新は2005年で止まっていますが、BBSでライブの告知などをしています。もうすぐ活動20周年だそうで…すげぇ。

オフィシャルサイト

08.HARKENKREUZ / SS Psycho…
派手な色の長髪を逆立てたルックス通り、攻撃的なメタルチューンを演奏しています。VOLCANOと同じく長目のギターソロがありますが、こちらはあくまで勢いを大事にしている印象を受けました。ボーカルもデス声寄りからハイトーンまで一通りやっており、その手の音が好きな人なら気に入る人は多い気がします(ジャパメタ全然詳しくない自分が言うのもアレですけれど)。約7分半と中々長い曲ですが、聴いていてダレは感じませんでした。

09.MISERY / THE REBEL
作詞・作曲:HISAYOSHI 編曲:S・A・B&彩気

VOLCANOの時にチラッと触れたAIONの元メンバーである、HISAYOSHIとS・A・B(S・A・Bは後にAIONへ再加入)が在籍していたバンド。ベースを前に出した潰れたバンドサウンドと打ち込みの取り合わせがツボです。と言っても、そこまでデジデジしている訳ではありませんけれど。ちょっとMINISTRYっぽいかも、と思ったり。

10.ROUAGE / "too late"
作詞:KAZUSHI 作曲:KAIKI

現在でも好きなバンドですが、この曲はインディーズのアルバムに入っている「ark」という曲の別バージョン、と言うかリミックスバージョン? になっており、打ち込みのリズムと浮遊感のあるデジタルサウンドがメインの楽曲になっています。こういうリミックスみないな曲をオムニバスに入れたら、当時このCDで初めてROUAGEに触れた人などは色々勘違いしてしまう気もしますが、個人的にこういうエレクトロ色全開の曲は好きなので無問題w 良くも悪くもファン向けの曲でしょうか…arkより起伏があって面白く聴けるとは思うのですが。

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メタル系が目立っている気もしますが、結構カオスな取り合わせになっているオムニバスではないかと思います。1995年という時期からか、今聴くとそろそろ時代を感じる曲とそうでもない曲が混ざっていて、そういう意味でも面白く聴けるかもしれません。

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